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サイバー戦

2018年4月25日 (水)

ブロッキングよりも有効な手段

カドカワ社長川上氏が、違法サイトブロッキングを支持すると発言されています。
ブロッキングについて

私も、コンテンツの制作者として、ブロッキングは支持します。
しかし川上氏のブロッキングしか有効な手段がないとする意見には異論があります。

なぜブロッキングが、海外の違法サイトに対して唯一、有効な手段かというと、海外に置かれているサーバーに対して、日本の公権力を具体的に行使する手段がないからです。

海外のインターネットを使って、日本の法律を適用できない場所を意図的につくる犯罪者に対して、どういう強制執行力をもてるかという問題なのです。そのためにはブロッキングかそれに類する手段しかありません。


ビン・ラーディンは、潜伏していたパキスタンにおいて、米軍部隊に殺害されました。
作戦はパキスタン政府にも通告されていなかったため、作戦の後、パキスタンは主権侵害だとしてアメリカを非難しています。

違法サイトと全く関係のないこの話を出した理由は、国民の生命・財産を守るという観点からすれば、類似のことを行っても構わないはずだと考えるためです。

ビン・ラーディンは、アメリカ人を殺しました。
アメリカ人の生存権を侵した訳です。
これに対して、アメリカは主権の発動として、他国の領域内にいる個人に対して軍事攻撃を行いました。

違法サイトは、日本人(法人含む)の財産を奪っています。
日本人の財産権を侵した訳です。
これに対して、日本が主権の発動として、他国の領域内で運営されるサイトをサイバー攻撃を行うことは、国家としては正当な行為と言えるはずです。

違法サイトであるからと言っても、個人がF5攻撃(Dos攻撃と呼ばれる個人が実行可能なサイバー攻撃の一種)を行えば犯罪になります。
しかし、国家が行う場合は、犯罪にはなりません。(非難は受けることはあるかもしれませんが)

違法サイトがサイバー攻撃でダウンすれば、違法行為は止ります。
それはブロッキングと同じじゃないかという指摘もあるかと思います。
しかし、当該サイトを閲覧不能にするという点では同じですが、違法行為を抑止するという効果が違ってきます。

川上氏も言うように、ブロッキングには回避手段があるため実効性に欠けるという側面があります。

実はブロッキングに対してインターネット業界から出ている批判は一点で、ブロッキングには回避手段があるから実効性に欠けるということだけです。


しかし、サイバー攻撃は、この回避手段に対しても効果があります。

回避手段というのは、早い話が別のサイトを作ることです。
極端な話、アドレスを変えただけで、全く同じサイトを作ることでも回避が可能です。

サイバー攻撃は、違法サイトだけでなく、違法サイトを置いているサーバーに対しても影響を与えます。
低レベルのサイバー攻撃であるDos攻撃でも、トラフィックの増大という被害がサーバーに及びます。

違法サイトの運営者がサーバー自体を運営している場合は、もっと強力なサイバー攻撃を行っても良いでしょう。
しかし、サーバーは別の事業者が運営し、レンタルサーバーとして使用されている場合(このケースの方が圧倒的でしょう)、そうした攻撃を受けるようなサイトに対してサーバーをレンタルするということがサーバー運営者にとって不利益になります。

そうなれば、サーバー運営者は違法サイト運営者に対して、サーバーのレンタルを止めるでしょう。
レンタルサーバーの約款を読んだことはありませんが、サーバーに対して被害を及ぼすようなサイトの運営は、恐らく断ることができるようになっていると思われます。

こうして、違法サイトが、別サイトを作るという回避を取ることを困難にさせることができます。
さらに、実際にこうしたサイバー攻撃を政府が行えば、違法サイトを作ろうとすること自体を抑止できるでしょう。

こうした意見に対して、ブロッキングに反対する方々は、検閲と同じことだとして同様に反対するでしょう。
第三者であるサーバー運営者にも被害が及ぶ可能性があることを批判する人もいるでしょう。

しかし、日本人の権利が海外から侵され、それに対抗する措置を政府が取り、国民の権利を守ることは、国家として当然行ってしかるべき行為です。

また、実際にこうした行為を行えば、違法サイトを放置している他国も腰を上げ、世界的に他者の権利を侵す違法サイトを取り締まる国際的枠組みを組み立てる方向に動かせるかもしれません。

パキスタン政府がアルカイダ掃討に乗り出すのも、アメリカがビン・ラーディンをパキスタンの主権を侵しても攻撃を行うからです。
日本政府も、ブロッキングという消極的手段だけでなく、サイバー攻撃という積極的手段をもって、日本国民の権利を守るべきです。

国家によるサイバー攻撃としては、北朝鮮や中国が、政治・軍事的目的を達成するためにサイバー攻撃を行っている事は衆知の事実ですし、イギリスの情報組織の一つであるGCHQは、DoS攻撃ツールを持っているとも言われています。

サイバー攻撃を、政治的な目的達成のために使うのは不適切だと思いますが、国外犯に対して使う事に躊躇う必要はないはずです。
クールジャパンは、コンテンツの売り込みを図って失敗していますが、同じ税金を使うのであれば、日本人・日本法人の権利を守ることに使うべきです。

2013年3月21日 (木)

防衛省職員なりすましメールは中国によるサイバー攻撃

防衛省職員を騙ったなりすましメールがばら撒かれているようです。
防衛省の職員を詐称する「なりすましメール」にご注意下さい。

最近、何者かが防衛省の職員を装って、いわゆる「なりすましメール」を不正に発信するという事例が発生しています。


「誰がやってるんだ?」と思いましたが、なりすましメールの実績?を見ると、一目瞭然でした。

年月日    なりすましメールの件名
2013.3.5    (資料)第109回防衛調達審査会配布資料(別紙3-1)
2013.3.7    【共有】03/07(木)日防衛研究交流報告書(非公表)
2013.3.7    「資料送付」防衛研究所2013中国安全保障報告の送付
2013.3.7    Fw:米対戦略・フリードバーグ
2013.3.11    130311 東アジア海域安保報告書


中国と防衛問題に興味を持っている人間を対象としたメールであることは明らかです。
そして、
そう言った人の持つ情報を取りたがっているのは誰なのかも自明でしょう。

防衛省が名指しをしないのは美徳とは言えません。
防衛関係者が中国からサイバー攻撃を受けていると、ハッキリ宣伝(抗議なんかしてもムダなので)したら良いのです。

こう言う相手には、ニセ情報を満載したパソコンを用意して、故意に感染させ、
ニセ情報を与えてやるべきですね。

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