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自衛官の思想

2013年5月26日 (日)

自衛官の靖国への想い

先月末、国会議員が大挙して靖国神社に参拝しました。
国会議員168人が靖国参拝 前年から倍増」(JCASTニュース13年4月)

国際問題・政治問題としての靖国神社参拝問題については、ここでは書きません。(正直、あまり興味がない)
私が書きたいのは、靖国神社に対する自衛官の想いです。

靖国参拝を是とする人も、非とする人も、基本的には、その思いは祀られている英霊に向けられているでしょう。
それは基本的には、過去への思いです。

しかし、靖国に参拝する自衛官の想いは違います。
それは「俺もここに来るのかな。そうだったら嬉しいな」という現在の想いです。

もちろん、過去の英霊に対する想いもあります。ですが、やはり強い感傷を抱くのは、自分や仲間の事、現在の想いです。

過去の英霊、あるいは先輩達のように、勇敢に戦えば、例え死んでもここで多くの人に想ってもらえる
このような考えは、自衛官には、やはり特別の感傷を与えます。

各種戦史的資料を展示している遊就館があるため、隊員を教育のために靖国に連れて行く事があります(ついでに参拝することもありますが、信教の自由のため参拝は自由です)が、こうした想いは、やはり強烈です。
まだまだ自覚に欠ける若い隊員を連れて行っても、やはり何かを感じるのか、目の色が変わります。
どんな人間が、切々と教育するよりも、何倍も効果的です。

今でこそかなり変わりましたが、それでも自衛官は、諸外国の軍隊のように表立って感謝されたり、敬意を表されたりすることは少ないです。
しかし、靖国があり、そこに真摯に参拝する人が多く居る限り、自衛官は、困難な戦場でも戦えるでしょう。

だからこそ、周辺諸国は靖国を否定すべく発言もしてくるのでしょう。

靖国参拝問題を考える時、歴史の問題として捉えるだけでなく、靖国に対して、現在の自衛官が、どんな想いを持っているのかも、考えて欲しいと思います。

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2012年8月19日 (日)

天皇陛下に対する自衛隊の認識と感情

大統領の竹島訪問と天皇陛下への謝罪要求で対韓感情が悪化してますが、韓国メディアが指摘する通り、原因の比重は、竹島よりも謝罪要求の方が遙かに影響が大きかったように思います。

韓国メディア、李大統領批判広がる 天皇陛下謝罪要求「日本の提訴招く」
(12年8月19日)

日本研究者の分析として、天皇は国家の求心点で侵すことのできない尊い存在と考える日本において、大統領の謝罪要求は「深刻に受け止められる可能性がある」と伝えた。その上で、「ICJへの提訴など日本が強硬なのは、独島訪問よりも謝罪に言及したことに憤慨したからだ」と評した。


今の日本国内の沸騰ぶりは、正直言って驚きです。
竹島問題への一般の関心は、決して高いとは言いかねる状況で、JINROを飲み(同社がサイバー独島士官学校を支援しているにも関わらず)、K-POPを聞き、韓国ドラマを見ているのが大半の日本人だったからです。

実際、大統領は初めてでも、韓国の国会議員は、何度も竹島を訪れています。それでも、外務省も、日本の世論も、ほとんど無視でした。

それと比較すると、やはり今回の沸騰ぶりは、天皇陛下に謝罪しろと発言したことが大きいのだろうと思います。

さて、ちょうど良い機会なので、天皇陛下(及び皇族の方々、以下単に天皇陛下と記述)に対する自衛隊の認識について、書いてみたいと思います。

なぜ、こんな記事を書こうかと思ったかと言えば、一般の方の自衛隊のイメージが、結構というかかな~り誤解を受けていると思われるからです。
ただし、以下の記事は、空自に限った話なので、陸海ではちょっと違うかもしれません。

自衛隊における天皇陛下に対する認識は、実は相当ドライです。
政治関与が禁じられているせいもあるかもしれませんが、私が自衛隊において、天皇陛下に絡む教育を受けたのは、儀礼のやり方についてのみです。(敬礼等がその他VIPとはレベル異なるため)

尊敬しなければならないとか、敬意を払わなければならないと言った教育は、一切ありませんでした。
天皇陛下に関わる発言は、政治的行為とも取られかねないこともあり、むしろタブー視されていたように思います。

右翼の街宣車等から連想されるのか、一般の方の自衛隊に対するイメージは、天皇陛下に対して、特別の敬意を持っているように思われているかもしれませんが、それは誤解です。

私の体験としても、昭和天皇崩御の際、自衛隊員ではない友人から記帳に行かないかと誘われた際、私が面倒だからと言って断ると、そんな事で良いのかと怒られた記憶があります。

ただし、長く自衛隊に勤め、特別な敬礼を行ったり、国家に尽くす事に誇りを感じるようになると、国家の象徴である天皇陛下に対しては、自然と敬意を払うようになるように思います。

何の時、どこでだったか良く覚えておりませんが、休日に、天皇陛下が基地の近傍を通過することになりました。
そのため、基地ではと列(直列不動で並ぶ)を行うことになり、各部隊何人というような割り当てが来て、沿道に並んだのですが、僅か一瞬のために休日に出てくる(もちろん出勤扱いになる訳ではありません)際にも、要員を集めることに特に苦労はせず、不平を言うこともなく並んでおりました。

ただ、今回のケースを見ていると、そう言う自然な敬意は、何も自衛官だけではないのかなとも思います。

謝罪要求が首相に対してされたのなら、そして、もしそれを受けて首相が謝罪するようになったとしても、これほど対韓感情が悪化することはなかったでしょう。
政府が侮辱されても、自分のことのようには感じなくても、天皇陛下が侮辱されると、自分が侮辱されたように感じるのかもしれません。

実は、多くの国民が、自分で考えている以上に、愛国者なんでしょうね。

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2010年12月 9日 (木)

三島事件から40年

小説家の三島由紀夫が自衛隊に決起を促した後、割腹自殺した三島事件(楯の会事件)から、さる11月25日で40年となりました。

三島事件を知らない方は、wikipediaを見て下さい。

関連する報道記事を載せておきます。
「三島さんを恨んでなかった」 人質の胸中、息子明かす」(朝日新聞10年11月26日)
人質となった東部方面総監益田兼利陸将は三島氏の知人で、複雑な思いがあったようです。

市ケ谷での「三島事件」から40年-刀傷の残るドアを見学できるツアーも」(市ヶ谷経済新聞10年11月24日)
防衛省が実施している「市ヶ谷台ツアー」で、刀傷の残る事件現場を見ることが出来るそうです。(知らなかった!)

三島事件当時の自衛官の反応を見ても分かると思いますが、自衛隊で三島氏に同調する人はほとんどいません。
公言しないだけかもしれませんが、少なくとも私の知る限り皆無です。
(そもそも右翼全体に対する心象自体が良くないです)

自衛隊には民主主義思想がちゃんと根付いており、クーデターなんて考えられません。
(それでも、警察官僚が防衛省(庁)に入り込んで監視していたのは、クーデターを警戒してのことのようです。)

ほとんど左翼である民主党が政権を取っている今、もし三島氏が生きていたら、いったいどんな事を語るのか、興味が湧きます。

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