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武器輸出3原則

2011年8月12日 (金)

SM-3ブロック2A輸出対象国拡大で日米関係の悪化は回避

以前の記事「民主政権がオバマ大統領による外交上の約束を履行不可能にする可能性 武器輸出3原則の緩和基準で」において、SM-3ブロック2A移転(輸出)対象国拡大が少な過ぎ、日米関係を損なう可能性があると書きましたが、対象国が拡大される方向となり、(この件による)日米関係の悪化は回避されそうです。

MD輸出、管理枠組み加盟国が条件…政府基準案」(読売新聞11年7月28日)

 日米両国がミサイル防衛(MD)システムの一環として共同開発中の次世代型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」について、米国から第三国に移転(輸出)を認める際の日本側の判断基準案が28日、明らかになった。

 〈1〉第三国から別の国への再移転を防ぐため、「輸出管理制度や情報保全制度を国内に有し、国際的な枠組みに加盟している」場合〈2〉北朝鮮などの弾道ミサイル(BM)の脅威を前提に、日本の安全保障に資する場合――に移転を容認するとしている。


前記記事を書いた2010年11月当時、政府の移転(輸出)対象国は、19カ国でした。特に、イランと地理的に近く、他の対象国への移転による防護が困難と思われるトルコが対象となっていない事を危惧されました。
今回の基準案では、「ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)」の加盟国34カ国や、軍事情報保護に関する協定(GSOMIA)を日本と結ぶ「北大西洋条約機構(NATO)」の加盟国などが対象となり、全体数がはっきりしませんが、対象国は相当数に拡大されます。懸念されたトルコもMTCR加盟国なので対象となる模様です。

前記記事から9カ月、アメリカとどんなやり取りがあったのかは分かりませんが、社民党に配慮し、対象国を極めて少数にしようとすることに対して、相当の圧力があったのではないかと思われます。
この問題が、日米間の問題に止まらず、アメリカの安全保障政策全体にも大きな影響を及ぼすということを、愚かな民主党が理解しないため、危うくアメリカの逆鱗に触れるところでした。

とりあえずは、日米関係悪化の危機が避けられて何よりです。

2011年3月 4日 (金)

US-1プロペラのみなら武器輸出該当せず

政府が、US-1のプロペラは武器には該当しないとの詭弁を弄して、これを輸出しようとしています。

海自プロペラ:米に売却 武器輸出三原則「抵触せず」」(毎日新聞11年2月21日)
米にプロペラ売却=アフガン支援、三原則に触れぬ-防衛省」(時事通信11年2月22日)

アメリカは、アフガン空軍に対して、20機のC-27Aを供与する予定で、現在10機が引き渡し済みとなっています。
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C-27をジャッキアップ中のアフガン空軍兵士(USAFHPより)

C-27Aは、米軍ではとうの昔にお払い箱になった中古どころか大古の輸送機です。アフガン空軍に供与するとなっても予備部品が無かったんでしょう。
特に、プロペラは巻き上げられた砂で摩耗も激しいでしょうから予備部品が必須だったと思われます。

私は、売却すること自体に反対するつもりは毛頭ありません。
ですが、最終的にアフガン空軍で軍用輸送機の部品として使用されることが分かっているものを、武器ではないなどと言い張る詭弁を弄することは間違っています。

ちゃんと、武器輸出3原則の緩和を行ってから、堂々と武器として売却すべきです。

防衛問題に関して、こういう詭弁を弄していると、諸外国、特に周辺諸国から信用されなくなります。

2010年12月18日 (土)

死の商人上等!

防衛計画の大綱が閣議決定されましたが、ここに盛り込まれると見られていた武器輸出3原則の緩和は見送りとなりました。

武器輸出三原則、見直し明記せず 防衛大綱、社民に配慮」(朝日新聞10年12月7日)

中国へのおもねりなど左傾化が批判されて支持率が低下する菅内閣ですが、政局運営のために社民党と手を組み、さらに左傾化するという皮肉な構図になってます。

おかげで、3原則の緩和明記は見送られてしまいました。

緩和対象国にトルコが入らない見込みであることを懸念する記事を書いてますが、民主党はトルコどころか全NATO諸国に対する弾道ミサイル防衛を約束したオバマ大統領の顔に泥を塗るつもりのようです。

アメリカからは、武器輸出3原則を緩和するよう、明確なメッセージが来ていました。
ウィキリークスによる公電暴露に、3原則の緩和を求める日本政府への公電が含まれていたのです。
武器輸出三原則見直し求める米公電暴露 ウィキリークス」(朝日新聞10年12月1日)

ここまで明確なメッセージを受けていた以上、それを拒否するとなれば、それ相応の対応が必要です。
実際、仙谷官房長官が駐日米大使と会談して理解を求めています。
仙谷長官、米大使と会談…社民と連携理解求める」(読売新聞10年12月8日)

菅政権は、政局を乗り切るために社民党に頭を下げた訳ですが、おかげで福島社民党党首が調子に乗ってます。
武器輸出なら日本は「死の商人」…福島氏先鋭化」(読売新聞10年12月8日)

日本が死の商人にならなければ、代わりに誰かがなります。
その誰かとは中国です。
日本が武器を売らないことで、軍拡にひた走る中国が武器売却で更に肥えるのです。

武器の売却先は、その後のメンテナンスなどを条件に、ある程度のコントロールができるようになります。
過激な武力行使などを押しとどめる政治力の確保などにも繋がる訳です。

福島社民党党首には次の言葉を贈ります。
「死の商人上等!」

2010年11月22日 (月)

民主政権がオバマ大統領による外交上の約束を履行不可能にする可能性 武器輸出3原則の緩和基準で

NATO首脳会議が、全ての加盟国を守るミサイル防衛システムの整備などを盛り込んだ新戦略を採択しました。
米大統領 NATO新戦略を評価」(NHKニュース10年11月20日)

これは、実体的には、オバマ大統領が全てのNATO諸国に対して、ミサイル防衛を約束したことになります。

しかし、このオバマ大統領の約束を、民主政権が履行不可能に追い込む可能性があります。

この構造の概略は、過去の記事「武器輸出三原則が菅政権に引導を渡す-12月解散?」で触れました。
その要点は、武器輸出3原則の緩和を渋ると、ヨーロッパへのSM-3Block2A陸上型を阻害することになる、と言うものです。

今回、3原則の緩和概要が見えてきたことで、この危惧が現実問題になりつつあります。

武器輸出三原則 19カ国対象に緩和を検討 年末に公表で調整」(産経新聞10年11月13日)
武器輸出、民主が「解禁」案 共同開発・生産を視野に」(朝日新聞10年11月16日)

特に詳しいのは産経の報道です。
緩和の範囲を、厳しい輸出管理を行う「ホワイト国」(現在26カ国)中のNATO加盟国17カ国と韓国、オーストラリアに絞る方向とのことです。

ここで、冒頭に触れたNATO新戦略との関係で問題になってくるのは、NATO東端でイランと国境を接しながら、「ホワイト国」とはなっていないトルコです。
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NATO加盟国(wikipediaより)

緩和が19カ国に留まる場合、アメリカがSM-3Block2A陸上型をトルコ防衛のため、トルコに配備しようとしても、日本がこれを拒否することになります。
(その他のNATO諸国は、ギリシャが「ホワイト国」となっており、ギリシャに配備すれば防護範囲に含めることができると思われます。)

もし、ギリシャ配備のミサイルでトルコも防護範囲に入るなら良いのですが、イスタンブールは良くても、首都アンカラはトルコ中部にあるため、難しいのではないかと思われます。
(ただし、そもそもトルコはイランに近すぎ、SM-3では困難な可能性もあります。)

またあるいは、アメリカがトルコ防衛のためには、黒海もしくは地中海にイージスを常駐させるつもりなら問題ありません。

何にせよ、アメリカと密接な協議が出来ているのなら良いのですが、防衛省はともかく、民主党がその辺をしっかり認識しているかは非常に怪しいモノです。

民主党が、オバマ大統領に恥をかかせたり、世界でも類を見ないほど親日のトルコを、反日にしたりすることのないよう祈ります。

2010年11月13日 (土)

武器輸出3原則緩和に向け、防衛相補佐官に及川氏を起用

先日の記事「武器輸出3原則の緩和は、自衛隊の海外での活動制約の緩和にも寄与することを意図」においても、3原則緩和には経産省が大きく絡んでくることを書いたばかりですが、その翌日になって、その道の専門家を防衛省補佐官に充てる人事が発表になっています。

防衛相補佐官に及川・元特許庁長官を起用」(読売新聞10年11月5日)

3原則緩和は、いよいよ既定路線となって来たようです。

読売の記事に対して、特にコメントすることもないのですが、読売は直ぐに記事がネットから消えるので、以下に記事を要約しておきます。

補佐官への発令人事は11月5日付。
及川氏は経産省出身で、同省で安全保障貿易管理担当の官房審議官、旧防衛庁では装備局長を歴任。
今回の人事により、防衛省補佐官は、西元徹也・元統合幕僚会議議長との2人体制となる。

2010年11月 4日 (木)

武器輸出3原則の緩和は、自衛隊の海外での活動制約の緩和にも寄与することを意図

武器輸出3原則の緩和に関して、北沢防衛相の意図には、自衛隊の海外での活動制約の緩和も含まれていることが報じられています。
武器輸出3原則 大綱策定と併せ検討 参院質疑 首相、防衛相が意向」(朝雲新聞10年10月21日)

以前の記事「自衛隊が保有する武器の輸出」で書きましたが、自衛隊は海外に展開する際(訓練目的も含め)持ち帰る装備についても逐一輸出の手続きをとっています。

ただただ煩雑で、よけいな業務であることは明白なのですが、年末に向けて検討されている武器輸出3原則の緩和により、これを廃するなどの改善も念頭に入っているようです。

北沢防衛相は「日米訓練でグアムなどに行くとき、自衛隊が持って行く装備や弾薬はすべて経産省がチェックする。」と発言しました。

また、「今ハイチに国際救援隊が行っているが、重機をたくさん持っていっている。私どもの発想からすれば、これはハイチに置いてきて有効利用してもらえばいい。しかし、武器輸出3原則でできない。」とも述べています。
誰かが同種の事を言っていた記憶があるのですが、どこでだったか、ちょっと記憶がありません。

実に良い案だと思います。
わざわざアントノフをチャーターし、逐一輸送費をかけるくらいなら、民生品と同等の装備は、被災地に置いてきて、自衛隊は新規に調達すれば良いのです。
装備も新品になりますし。

治安の悪い地域に展開した際は、現地の警察用に小火器を置いてくる程度までは、やっても良いのではないでしょうか。
この手で、64式小銃を89に換装しましょう。(やりすぎ?)

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