北海道男児不明、田舎の子供をなめてはいけない
北海道の男児行方不明事件で、捜索態勢に問題があったのではないかと言われています。
演習場方面が捜索対象ではなく、結果的に読み違えだったようですが、子供の心理と田舎の子供の感覚からすれば、検討してしかるべきルートだったように思います。
と言うのも、私も子供の頃、似たような経験をしたことがあったからです。
(私も田舎出身です)
ただ、私の場合は、山道に放り出された訳ではありません。
何をしたかは覚えていませんが、悪戯をしてしかられたということは覚えています。で、「お前たちなんか、この家から出て行きなさい!」と母親に怒られたのです。
小学校入学前で、2才年下の弟が一緒だったので、私が5才、弟3才の時だったと思います。
出て行けと言われた私は、売り言葉に買い行動で、弟を連れ、無言のまま家出しました。
で、何となく追いかけられる気がしたので、道路ではなく、付近にあった山に入り、山を越えて隣の集落付近を走る道路に抜けるつもりでした。
今回の事件と同様に、子供が山にの方向に向かうなんてありえないと思われたようですが、子供は子供なりに考え、「出て行け」と言われたり、放置されたりすれば、親から離れようと行動することは考えられる行動です。
大和君も、2回目に車から降ろされた際、追いかけなかったとのことですから、同じような心理状態だったのかもしれません。
しかも、田舎の子供は、都会に暮らす大人とは感覚が違います。
山を抜けて何キロも歩くことを大した事だとは思っていません。楽しい近道であったり、秋であれば、ただで美味しいモノを食べられる帰り道だったりします。
あのあたりの警察なら、そのあたりの感覚は覚えていそうですが、車に乗ってばかりで子供の頃を忘れたのだろうかと思ってしまいました。
しかし、大和君が、当てもなく山に入っていったとは思いません。
方向感覚のない人のことを方向音痴と言いますが、多人数が運転する車を乗ると、山を抜けて行動していた時の感覚が、ルートを右とか左ではなく、常に方角で意識しているのだと分かります。(なので、自衛隊に入る前から、地図は常に北を上にして考えていました)
大和君の場合は、親から離れながらも、行きたい場所にちゃんと行けるよう、あの地域の東側にあるJR函館線を目指していたのではないかと思うのです。
家出した5歳の時の私が、隣の集落付近を走る道路を目指したように。
登山などしなくても、幼少の頃から山に入っていれば、真っ直ぐ歩くことは不可能だと分かっています。なので、目指したのは、演習場の先にあった鹿部町ではなく、函館線でしょう。道路や線路ならば、大体の方向が分かっていれば、その内かならず辿り着きます。
しかし、思いの外時間がかかり、自分が居場所を見失ったと思ったのではないでしょうか。そして、暗くなってしまったため、発見した廠舎に潜り込んだのでしょう。
その後、天候も考え、むやみに動かなかったのは、見事です。私だったら、天候の回復した時を見計らって、再度函館線を目指していたかも知れません。
この事件で、心のケアが必要と言われていますが、私は疑問です。
家出の際、お昼頃に家を出たと思いますが、山を抜けて、道路に辿り着いた時は、既に暗くなり始めていました。
3才の弟を連れていたこともあって、どうするか考えると、どうにもできない事を理解しました。
で、そこから道路を2kmくらい、父親の勤め先まで歩いて行きました。
母親にしかられ、家出を敢行した私にとっては、父親に頼る事は無条件降服でした。
以後、経済的に自立しなければ、反抗など無意味と悟った私は、反抗期らしい反抗期を示す事なく成長しました。
ですが、この時の経験が、その後の人生に大きな影響を与えたことは間違いありません。
早い内に、経済的に自立することも含め、小学生の頃から就職先として自衛隊を意識し始めます。今でも、実家には、どこでもらってきたのか、陸自方面隊のエンブレムシールが貼ってあったりします。
大和君にとっても、よい経験になったのではないでしょうか。
彼が、強い自立心と冷静な行動力を持っている事は間違いありません。
今回の事で、私と同様に、早い内から経済的に自立したいと思うかも知れません。
捜索にでた28普連は、今から彼に唾を付けておいた方が良いでしょう。
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