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情報・防諜

2009年6月10日 (水)

自衛隊の思想調査

先日の記事に対して、自衛隊における思想調査についてコメントを頂いたので、これについて書いてみます。

思想調査というと、もう言葉自体がなにやら怪しげですが、自衛官に思想信条の自由がないわけではありません。
ただ、自衛隊の任務の性格上、防諜活動は当然に必要な訳で、その一環として、隊員の思想調査は行われています。
と言っても、定期的にアンケートを書かされるといった調査対象本人にも分かる活動は行われていません。
休日を含め、その人の行動などが、ただ静かに監視されるだけです。

具体的にどんな人が監視対象となっているか、その全容は、私も知りません。
ですが、実際に防諜活動を行っている情報保全隊について、wiki にも実例が載っている通り、情報保全隊は各政党や反自衛隊活動などを行っている団体(左翼)、右翼(三島由紀夫の事件などもある)、危険な思想を持つ宗教団体(アーレフ(旧オウム)など)等を調査しており、当然これらに関わっている自衛官はマークされています。
現役時代、「あいつは調査(情報保全隊は、以前は調査隊という名称だった)の監視対象だから、あまり親しくするな」などというウワサやアドバイスは何度か耳にしました。

国民にとっても、意図的に自衛隊の情報を外国政府を含む外部の危険な組織に流すような者が、自衛官として重要な情報に触れていたら困るでしょう。

また、誤解が無いように一応書いておきますが、情報保全隊はスパイや秘密警察のような違法な調査方法(盗聴など)は行っていません。
ただし、自衛官という身分を隠して、各種集会などにこっそりと紛れ込むといった活動は行っているようです。

思想調査などと言うと、ちょっと近寄りがたい気がしますが、自衛隊という組織、任務を考慮すれば必要なことです。

ただまあ、こんなブログを書いたり情報公開請求をしたりしている以上、私も当然に調査対象になってるでしょう。
それを考えると気持ちの良いものではありませんね。

2010年1月17日 (日)

ASWOCの図面が公開されたこともありますから

週刊オブイェクトさんが「反戦平和運動と利敵行為の線引き」として船橋市議会議員が習志野演習場新火薬庫の設計図面などについて、説明を求めていることを書かれています。

JSF氏の言うとおり、保全上好ましくないことこの上ないのですが、過去には火薬類取締法等で構造がある程度推定できる火薬庫どころか、極めて秘匿性の高いASWOC(対潜水艦戦作戦センター)の図面などが公開されてしまった事もあります。
国の敗訴が確定/最高裁が上告棄却/那覇市情報公開訴訟」(琉球新報2001年7月13日)
島田さんに公開/ASWOC非公開文書 」(琉球新報2001年7月16日)

それを考えれば、市議とすればこのくらい説明されて当然と思っているかもしれません。
相変わらず、防衛に関しては世界の非常識が常識としてまかり通ってます。

2010年1月28日 (木)

うそ発見器

防衛省は、秘密を含む情報に接する隊員を対象にして、任意の内部調査の段階でもポリグラフ(うそ発見器)検査受けるという旨の誓約書を書かせているそうです。
防衛省:「うそ発見器検査」明記 隊員から誓約書」(毎日新聞10年1月20日)

07年に起きたイージス艦情報流出など、情報漏えいが相次いだための措置だそうですが、確かに昔は無かったですね。
昔は、家族構成や部外で所属している団体、交友関係などを書いて提出させられた身上書だけでした。
B4版で3枚もの用紙で「ここまで書くのか。めんどくせ~」と思うものでしたが、ポリグラフの誓約書まで付いたんですね。
いやはや大変です。
しかし、仕方ないでしょうね。

誓約書の提出を拒んでも処分の対象にはならないが、秘密を扱う部署には置かないそうです。
昔から、上記の身上書の審査で落ちても同じことでしたが、実際にこうなると配置される部署は非常限定されます。一切秘を扱わない部署なんて、実際にはほとんどないからです。

後方部門だったら大丈夫じゃないか?、と思う方もいるかと思いますが、秘とは秘密の文書だけではなく、秘の物件というものもあります。分かり易い例を言えばIFF(敵味方識別装置)の部品なんかです。
補給関係の職域なんかでは、当然こういったものを取り扱うことになるので、秘を扱える資格(適格性)は必須です。

もし入隊時から適格性がなければ、最初からそういった部署に配置されるので良いのですが、途中から失うことになると(稀にいます)職種を変らざるを得なくなったりして、かなり大変です。
ポリグラフ検査を受ける宣誓書記入を拒否し、職種転換した人なんかもいるのかもしれません。

それにしても、毎日新聞の記事は防諜の必要性を理解していないというより、防諜を妨害しようとする意図でもあるんでしょうか。
問題の結びの部分だけ転載しておきます。
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 公務員の労働問題に詳しいILO(国際労働機関)の中嶋滋理事は「秘密情報を扱う公務員は他省庁にもいるが、同様の措置は考えられない。ポリグラフ受検も含む誓約書は実質的な強制力があり、精神的苦痛を伴う相当なプレッシャーをかけられ問題だ」と指摘している。
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それが仕方がない仕事なんですってば。

2010年3月13日 (土)

「機密」や「情報収集に支障」を濫用するな

ちょっと古いニュースですが、政府が中国によるガス田開発の写真を自民党に提供することを拒んだというニュースが流れています。

石破政調会長:ガス田開発の写真提供拒否され抗議へ」(毎日新聞10年1月27日)

提供を求められた写真は、官房長官によると「極めて機密性がある」もので、外務省担当者は「政府の情報収集に支障をきたす」と述べたそうです。

ですが、写真はほぼ毎日海自のP3-Cが撮影しているはずですし、ガス田自体は民間の漁船でも接近、撮影が可能です。
写真自体に機密性があるはずはありません。

それに海自のフライトには、私も乗せてもらった事がありますが、それこそ翼端が接触するのではないかと思うほど(実際にはかなりあるはず)、接近して撮影してます。中国側が気が付いていないなどということは万が一にもありえません。写真を公表したところで情報収集に支障をきたすこともありません。

事の真相は、記事にも在るとおり「政権交代に伴う嫌がらせ」でしょうが、言い訳が稚拙ですし、「機密」や「情報収集に支障」という言葉の濫用には危険性も感じます。

2010年7月19日 (月)

軍人は口を噤め

田母神元空将発言や44普連連隊長による不適切とされた発言に見られるように、自衛官による発言は規制される方向です。

田母神元空将による発言を契機として、自衛官が部外に意見発表をする場合の手続きは厳格化され、事実上口を封じられた形になっています。
部外に対する意見発表の際の手続の実施について(通知)

この流れは、この問題以前から発生していました。
どの時点からなのかハッキリしませんが、以前は沢山あった現役自衛官によるHPは、現在では皆無になっています。

確かに、どう見ても勤務中に撮ったとしか思えない写真が掲載されたりしていて、私でさえも「どうなのコレ?」と思うサイトもありましたが、当時は広報効果があると思われていたのか、黙認されていました。

最近では、2chをはじめとするBBSでの発言も非常に少なくなっています。

このような日本での現状を、嫌な動きとして見ていましたが、アメリカでも同じようは傾向にあるようです。
メディア接触を厳格化 米国防総省」(産経新聞10年7月4日)
「国防総省側の問題だ」 取材厳格化でゲーツ長官」(産経新聞10年7月9日)

軍人の発言を規制する建前は、シビリアンコントロールだったり、機密の保持だったりしますが、ホンネでは、日本でもアメリカでも政府中枢に対する批判を抑えるために思えてなりません。

民主主義を成立させるためには、国民の知る権利の保証が大切です。
軍人は口を噤め、という政策は民主主義に反しているように思えます。

2010年9月 4日 (土)

日本の偵察衛星、光学系のみに

日本の偵察衛星である情報収集衛星の内、レーダーを使用して監視を行うレーダー衛星2号機が故障して、運用可能な情報収集衛星が光学系のみとなってしまいました。

情報レーダー衛星故障、北朝鮮監視など支障」(読売新聞10年8月28日)
読売の記事は直ぐに落ちるので末尾に転載

地上からの指令で復旧ができなければ、何ともしようがないため、次の衛星を待つしか手がないのですが、非常に痛い事態です。
夜間や曇天での監視ができないだけでなく、無理に光学衛星を使用すれば、こちらの寿命も短くなってしまいます。

やはり、情報収集衛星はもう少し数をそろえておく必要がありそうです。
そのためにも、日本の防衛にはあまり関係のない地域の情報については、他国に売って商用使用してもいいのではないだろうか。

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情報レーダー衛星故障、北朝鮮監視など支障

 北朝鮮の軍事施設などを監視する政府の情報収集衛星のうち、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星が故障し、運用できない状態になっていることがわかった。

 内閣衛星情報センターは「23日に故障が判明し、復旧作業を続けているが、見通しはかなり厳しい」と話している。

 次のレーダー衛星が打ち上げられるのは2011年度の予定。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍備増強など、東アジアの安全保障環境が不安定化する中で、監視活動に影響が出るのは必至だ。

 故障したのは、07年2月に打ち上げられた「レーダー2号」。同センターは、電源系のトラブルが原因とみている。設計上の寿命は5年間で、再来年までは使えるはずだった。

 情報収集衛星は、1998年の北朝鮮のミサイル発射を受けて政府が導入した事実上の偵察衛星。レーダー衛星2基と光学衛星2基の計4基がそろうと、地球上のあらゆる場所を24時間以内に最低1回は監視できる。

 この体制は当初、03年度に整う計画だったが、打ち上げ失敗や故障に阻まれ続けた。現在は、寿命を超えて稼働している1基を含む光学衛星3基と、今回故障したレーダー衛星1基しかない状態。今回の故障で光学、レーダー各2基がそろうのは12年度以降になる。

 レーダー衛星は光学衛星より技術的に難しく、費用も高い。03年に打ち上げられたレーダー1号も、やはり電源系のトラブルによる故障で、設計上の寿命より1年早く07年に運用を停止した。

 情報収集衛星は日本独自の貴重な情報源であると同時に、「監視しているという抑止力」(防衛省幹部)の意味合いもある。政府は米国の商用衛星の画像も利用しているが、これらは米軍に影響を及ぼすと判断された場合は売ってもらえない「シャッター・コントロール」の制約を受ける。米軍普天間飛行場移設問題などで日米関係がぎくしゃくする中、監視体制の不備による日本の安全保障への影響が懸念される。

 ◆情報収集衛星=電波で物体をとらえるレーダー衛星と、晴天の昼間に高精度撮影する光学衛星の2種類があり、高度400~600キロ・メートルを南北に周回する極軌道を回っている。
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2010年11月24日 (水)

日韓で軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結で協議

日韓間で、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結のための協議が行われています。
防衛秘密保全、日韓が協定へ協議 北朝鮮の非常事態懸念」(朝日新聞10年11月9日)
軍事情報包括保護協定 韓国とも締結目指す 米、NATOに次ぎ近隣国で初」(朝雲新聞10年11月11日)

同様の協定が締結されているのは、アメリカとNATOのみだったとのことですが、これに韓国が加わる見込みです。

以前にも、日韓間ではACSA締結の動きがあるなどを記事にしていますが、またしても軍事面で両国の接近が図られるます。

この協定は、主に北朝鮮の非常事態(体制崩壊など)を想定し、関係情報を共有化する目的で話が進められているようですが、将来的には軍事的に肥大する中国に対する日米韓の協力態勢にも資するでしょう。

韓国は、日本を仮想敵にもしているため、渡す情報については注意しないといけませんが、基本的には歓迎すべき動きだと思っています。

朝鮮民族の居住地域は、既に一部中国の版図に組み入れられていますが、北朝鮮崩壊の際には、中国がなしくずし的に領土を拡大する恐れがあります。
韓国もそれを恐れているでしょうし、それを阻止するとともに、尖閣を巡る日中衝突に際して、韓国が日本側を支持してくれる方向に誘導するためにも、日韓の協力態勢推進は望ましい方向だと思います。
(日中間の衝突に乗じて、なし崩しに対馬に侵攻するような事態にならないよう注意は必要ですが。)

今回の砲撃事件でもそうですが、秘密保全の取り決めがないと、重要な情報を教えてもらえないので、早めに話を進めるべきでしょう。

2011年2月 9日 (水)

政府が情報保全隊を使って民主支持を強制

自衛隊の防諜を任務とする部隊、情報保全隊が自衛隊OBの佐藤議員などの講演会等を監視しているとの報道がされています。

国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」」(産経新聞11年1月14日)

情保隊については、以前の記事「自衛隊の思想調査」でも書いていますが、右翼を含め、自衛官の中に、情報漏洩やクーデターを企てる人間がいないか調べている部隊です。
(左だけでなく、右も調査するようになったのだから、これは良いニュースだと言っているブロガーもおりますが、情保隊は調査隊と呼ばれていた時代から、右も対象にしてます)


調査対象となっていると書かれている佐藤議員、田母神元空幕長、荒谷卓氏(陸自OB、初代特戦群群長)の講演会等ですが、これらには極右の方等も参加している可能性も高く、情保隊が調べる上で、建前が成り立たない訳ではありません。

ですが、共産革命を目指す共産党を調査対象とするのとは訳が違います。
ここに見えるのは、政府(民主党)に異を唱える自衛官をすべて排除しようという強権的姿勢です。

 監視目的は現職自衛官の参加の有無を確認し、参加している場合は氏名も特定する。佐藤、田母神両氏の発言内容もチェックし、報告書の形でまとめ、提出させている。


大きな問題は、情保隊がこうした動きを取っていることが自衛官の中で噂になることで、民主支持を半ば強制することになることです。

自衛隊もお役所なので、キャリアに一度傷が付くと一生出世に響きます。
情保隊にマークされているなどという噂が立てば、他の人もその人との接触を控えるようになりますし、自ずと評価は下がります。
(もちろん、情保隊のマークが確かならば、重要ポストへの配置はありえません。)

この辺りが、佐藤議員や宇都議員、そして自民党が問題視している部分でしょう。
同日付の産経新聞の評論記事「狙いは「反民主OBと現職遮断」政治主導で部隊利用の疑い、防諜部隊の不当調査」(産経新聞11年1月24日)の一部を引用します。

 昨年11月に事務次官名で出された「隊員の政治的中立性の確保について」と題する通達にも、同じ意図がみえる。通達は民間人に自衛隊行事での「言論統制」を強いる一方、自衛官が部外の行事に参加することについても、政権批判が予想される場合は参加を控えるよう求めている。

 この規定は、現職自衛官が佐藤氏や田母神俊雄元航空幕僚長の講演会に参加することを監視する「根拠」とも位置づけられる。

 通達後、保全隊による監視も強化された。昨年12月、田母神氏が会長の保守系民間団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」が都内で開いた政府・民主党に対する抗議集会について「自衛官の参加を厳重に確認するよう改めて指示が出された」(防衛省幹部)という。自衛官の間にも保全隊が調査に入っているとの情報は拡散しつつある。


なお、防衛省側は佐藤氏を情報収集の対象にしたことはないと否定したそうですが、これは当たり前の話です。
なぜなら、情保隊は佐藤氏の集会に参加する(反民主)自衛官を監視するのであって、佐藤氏本人を監視することが任務ではないからです。
「自衛隊員監視は魔女狩り」自民国防部会で批判噴出 防衛省は否定」(産経新聞11年1月25日)
自衛隊情報保全隊、自民・佐藤正久議員を監視か」(読売新聞11年1月25日)

この件については、佐藤氏の「自衛隊員は(中略)、政党や政治家の私兵ではない」が的を射ていると思います。

2011年8月18日 (木)

特異なY-8情報収集機型による収集フライト

中国のY-8(ヤンキーエイト)情報収集型機が、7月30日に特異な情報収集フライトを行っています。

中国機の東シナ海における飛行について(統幕発表11年8月1日)

統幕発表で分かることと言えば、機種と飛行経路程度ですが、今回特異なのは、飛行経路の方です。
Y8_110730
7月30日の飛行経路(統幕資料より)

もっとも、これだけ見ても、どこが特異なのか分からないでしょう。
ですが、以前のY-8飛行経路を見れば一目瞭然です。
統幕が発表したY-8による情報収集フライトの経路で、今年に入ってからの分をまとめてみました。
Y8_110302
3月2日の飛行経路(統幕資料より)
Y8_110704
7月4日の飛行経路(統幕資料より)
Y8_110707
7月7日の飛行経路(統幕資料より)

全て、経路が、緯度経度線に沿ったものであることが分かります。

同じく統幕が発表している22年のスクランブル実績資料を見ても、中国機の飛行経路は、同様です。
Ws000000
22年度スクランブル対象(統幕資料より)

今回のフライトが特異であった理由は明確には分かりません。
ですが、可能性を示す事は可能です。

定期的な収集フライトは、基本的に同じ事を続けないと意味がありません。
何が変化したのか、分からなくなるからです。

ですから、特異なフライトをするということは、この日に、日本(空自ないしは海自)が何か特殊なことを行っており、それを観測するための特別なフライトを行った可能性が考えられます。
それが計画的なのか、あるいは特殊な状況を観測したため、急遽計画変更したものかはわかりません。

もしかすると、特に特殊な訓練等を行っていた訳ではないものの、この日の当直勤務員(この日は土曜日)がボーとしており、通常行うべきレーダー諸元の変更が行われなかった、あるいは逆にちょっと変ったものに変更してしまった、なんてことがあったのかもしれません。
南南東方向に2度ほど往復した際、それぞれ宮古島サイト、久米島サイトに向かっていたと思えなくもありません。
あるいは、SLRを使って薩南諸島西方海上あたりを見ていたとも考えられます。

何にせよ、何か変ったことを行っていたかどうかは、自衛隊側としては当然承知していますから、このフライトが、それに対応したものかどうかは、自衛隊には分かっています。

逆に、自衛隊が何か特殊なものを行っていなかったのであれば、Y-8側に搭載機材の更新等があり、今までの緯度経度線に沿った収集ではなく、前述ように、のレーダーサイト等に向けた飛行を行った方が効果的な収集活動ができるようになったのかもしれません。
もし、自衛隊が特異な活動を行っておらず、今後の収集活動も、今回と同様の飛行経路を採るようであれば、その可能性が高いと考えられます。

次回のフライトを見れば、もう少し分析できるかもしれません。

2011年9月27日 (火)

情報収集衛星・光学のみの片系運用のマイナス点

情報収集衛星・光学4号機の打ち上げが成功し、光学4機、レーダーゼロ機体勢になりました。

情報収集衛星 打ち上げ成功」(産経新聞11年9月23日)

情報収集衛星については、以前にも光学系のみになった時点で記事を書いてますが、本来は、光学2、レーダー2の予定です。
年内にも予定されるレーダー3号機が上がるまでは、光学系のみという片系運用が続くため、今回は片系運用のマイナス点について、補足を書いてみます。

光学系は、精度が高い反面、夜間は十分な観測ができないことが、マイナス点として、良く伝えられる点です。
ですが、光学系のみになることのマイナス点は、これだけに止まりません。

光学系は、偽装網などにより、レーダーに比べて偽装が比較的容易です。
特に最近の赤外線吸収偽装網などは、隠蔽される車両などが熱源として赤外線により探知されることも隠蔽できるため、ノドンのTEL(発射機)など、非常に重要なものは、隠そうと思えば隠せます。

それに対して、レーダーは偽装網等で欺瞞することが難しく、これらの隠された目標を見つけ出すことができます。

そして、両系統を運用し、そこから得られるデータを比較検討することで、相手が隠蔽したがっている非常に重要なものを、相手が隠したことで、逆に知ることができる可能性もあります。
レーダーや光学画像を必死に分析して、これは何(例えばノドンのTEL)だから
重要と判断するのではなく、相手が「意図的に」隠しているから重要なものだと分かったりする訳です。

片系運用となっている現在は、こういったことが独自の衛星データによっては分析できない(買えば手に入る)状態となっています。

早くレーダー3号機が上がって欲しいものです。

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