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情報・防諜

2013年2月 1日 (金)

日本共産党と戦う情報保全隊

赤旗は、随分前から情報保全隊を目の敵にしています。
「赤旗 情報保全隊」でググっただけでも、赤旗の記事が山のように出てきます。
自衛隊 今も国民監視 違法な個人情報収集 情報保全隊の内部資料」(赤旗12年9月4日)
国民監視、人権も民主主義も無視 自衛隊情報保全隊の実態」(赤旗12年9月4日)
国民監視にも復興予算 情報保全隊の器材整備費 13年度概算要求」(赤旗12年10月14日)
保全隊に携帯 これで復興? デジカメ・車両無線も 森本防衛相 “守るのは自衛隊員”」(赤旗12年10月19日)

赤旗に記載されている情報保全隊の部隊紹介は次の通りです。

自衛隊情報保全隊 防衛相直轄の情報部隊。表向きは、防衛秘密の保護と漏えい防止を目的としていますが、実際には国民監視が主任務。陸海空3自衛隊に分かれていた情報保全隊は2009年に「自衛隊情報保全隊」に統合・新編。10年には民主党政権のもとで増員され、定員は約1000人。国民監視差し止め訴訟の仙台地裁判決は、差し止め請求は却下しましたが、「違法な情報収集」だと認め原告のうち5人に賠償支払いを国に命令。原告・被告双方が仙台高裁に控訴しました。


情報保全隊は、大多数の自衛官にとっても、何をやっているのか良く分からない部隊です。
しかし、秘(文書)を扱う資格である防衛適格性を持つ隊員にとっては、毎年、かなりのプライバシーまで含めて申告する文書を書かされるので、なじみが薄いという訳でもありません。
赤旗は、国民監視のための組織だと言って攻撃しますが、赤旗が表向きの理由として書いている通り、防諜(情報漏洩の防止)、特に自衛隊員を籠絡して、情報を流させるエージェントとして取り込まれることを警戒・監視している部隊です。

そのため、当然の結果として、自衛官を籠絡しようとする勢力の動向を監視することになります。
国民全体を監視している訳ではなくて、自衛官のオルグを狙う団体、及びその主張に繋がりそうな組織・個人を監視することになります。

赤旗が、情報保全隊を目の敵にするのは、彼等が意図する自衛官のオルグに対抗する部隊が情報保全隊だからなのです。

赤旗の尻馬に乗って、朝日や毎日あたりも情報保全隊を批判しますし、部内(自衛隊内部)からも煙たがられる情報保全隊ですが、日本の防衛のために必要な組織です。

なお、個人的には、復興支援のために情報保全隊に予算が付けられた事には注目しています。
具体的な事例の情報がありませんが、過酷な被災現場で活動し、疲弊した自衛官を対象として、「大変ですね」などと言って接近・オルグを図ってきた事例があったのではないかと推測しています。

何かとベールに包まれた情報保全隊ですが、彼等の活躍は、拙著「黎明の笛」にも書かせて頂きました。

その活動の一端(特殊なケースですが)が分かって頂けるのではないかと思っています。



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2012年4月20日 (金)

「衛星」情報開示不手際から透けて見える日米の不平等_2012北朝鮮「衛星」発射

防衛に絡む情報に関連して、「衛星」発射に伴う情報開示態勢の不手際から読み取れる重要な問題があります。

それは、日米間における情報提供の不平等です。

今回、米側からはDSP衛星を情報ソースとしが早期警戒警報(SEW)は入手できていました。
ですが、その後の事実確認に自衛隊が混乱したことを踏まえれば、それ以外の米軍情報がほとんど入手できていなかったことが分かります。

今回、「衛星」を捕捉していただろう米軍の情報収集手段(レーダー等の航跡として確認できる手段のみ)を列記してみます。
・智異山等にある韓国国内のレーダーサイト
・米イージス艦及び弾道ミサイル観測支援艦(黄海に展開していたかは不明)
・嘉手納から運用されたコブラボール(3機)
嘉手納から運用された国防総省ミサイル防衛局のガルフストリーム・エアロスペースG1159B型機(1機)

これら、全てが捕捉していた訳ではないと思います。
ですが、これら全てが捕捉していなかったとは考えられません。
実際、アメリカは北朝鮮による発射失敗を迅速に公表しているのですから、これらのどれかが捕捉していたことは間違いありません。

そして、それが日本側に提供されていれば、政府が情報の公表に関して失態を演じることもなかったハズです。

国家間の情報交換は、全てバーターで、有用な情報を得るためには、それなりの情報を与えなければなりません。

日本側は、FPS-5等の固定レーダーやイージス艦の情報も、JADGEを通じて米軍に提供しているものと思われます。
しかし、その対価として、SEWしか得られていない可能性が高いでしょう。

日本の情報は、アメリカが持つ、広範で詳細な情報には、到底匹敵しえないでしょう。
ですが、対価がSEWだけだとしたら、あまりにも格差がありすぎます。
もはや、不平等と言っていいレベルでしょう。

日本が独自の情報収集能力を高めることも必要ですが、アメリカに対する交渉能力も高める必要があるのではないでしょうか。

少なくとも、北朝鮮からアメリカに向かうICBMを常時監視できる大湊のFPS-5のデータ等は、SEW以上の価値はあると思います。

2012年1月22日 (日)

総額3億円の小型衛星_防衛省も検討してみたら?

総額3億円の小型衛星が打ち上げられるそうです。
最先端の衛星は「ヘリ感覚」で 大学発VBが任務絞り小型化 総額3億円で9月打ち上げ」(日経新聞12年1月17日)

 大きさわずか27センチメートル四方、重さ10キログラム。北極海周辺を漂う海氷の観測に、任務を特化した衛星だ。重さ1トンを超す大型衛星に比べれば、撮影画像の鮮明さは劣るが、海氷を観測するだけなら十分な性能だ。


24年度政府予算案における防衛省の宇宙・情報通信関連事業費は、Xバンド衛星通信の整備・運営事業(1,224億円)を含め、総額1908億円です。

まだまだ決して大規模に宇宙利用をしている訳ではない自衛隊でも、年間1900億を使っています。

前記記事のように、機能は限られるとしても総額3億円で運用できるとすれば、小型特定機能衛生は十分に検討すべき衛星利用形態ではないでしょうか。

解像度が低くても利用価値のありそうな情報としては、海表面の温度測定とかがありそうです。

それに1基3億なら、日本が独自に早期警戒衛星を持つことも、それほど困難ではなくなってくる可能性があります。
これに関しては、以前の記事「日本独自の早期警戒衛星は不要だ!」で、日本が独自に早期警戒衛星を持つことに、主としてコスト面から反対しました。
ですが、弾道ミサイルの赤外線を検知して警報を出すだけなら、センサー機能は大したことないのですから、今回紹介したような小型衛星でも載せられる可能性があります。
そうなると、仮に北朝鮮の監視に10基が必要だとしても30億で実現できることになります。
全世界をカバーする米軍STSSからの情報を貰うよりも、むしろ安く(直接に金を要求されはしていないでしょうが、「タダより高いものはない」状態です)つきそうです。

防衛省も、採用を検討してみては?

2011年12月17日 (土)

ステルス技術だけでなく、米防諜態勢の危機_RQ170鹵獲事件

米軍無人機RQ170が、イランに鹵獲された事件により、ステルス技術の流出危機が叫ばれています。

ステルス流出の危機…青ざめる米 イラン軍が押収「無人機」を公開」(産経新聞11年12月11日)

もちろんステスル技術の流出、それもイランだけでなく中露への流出は、アメリカだけでなく、日本にとっても大きな影響のあるニュースです。
ですが、このニュースから読み取るべきは、事によってはそれ以上に深刻な、アメリカ防諜態勢の危機です。

 イラン国営TVは。無人偵察機RQ170の映像を公開した。誤作動を起こす電波を送るなどして強制着陸させたとしている。
 イラン政府は8日、革命防衛隊が軍と共同で「サイバーハイジャック」を展開し、アフガニスタンとの国境から約250キロの上空を飛行中だったRQ170を強制着陸させたと説明。

前掲リンク記事から要約転載(写真も同記事から)
Amr11121114250003p1

写真を見る限り、鹵獲されたRQ170は、無傷で、墜落あるいは撃墜されたようには見えません。イランは、誤作動を起こす電波によりサイバーハイジャックしたとも言っており、返還要求などアメリカの反応を見ると、イランによる誤情報とも思えません。

RQ170の仕様や性能については、ほとんど情報がありませんんが、イラン領内に250kmも領空侵犯していたようですし、高度な自動操縦能力を持っていることは疑いありません。そうであるとすると、単純なジャミングで誘導電波を妨害したところで、自動的に帰還するようプログラミングされているはずです。つまり、今回の鹵獲が、サイバーハイジャックにより、RQ170のコントロールを奪うものだった事は、ほぼ間違いないと思われます。

このサイバーハイジャックですが、同じ「サイバー」の語が付くと言っても、サイトの情報を書き換えたり、情報を盗み出すと言ったサイバー攻撃よりも、遙かに高度なものです。
なにせ、小規模とは言え、RQ170という、恐らく強固に防護されたシステムを、完全に乗っ取っている訳ですから。
しかも、その後、単に飛ばせただけでなく、着陸させているようです。

問題は、この事実が、何を意味するかです。

今回のサイバーハイジャックが、イランによるトライアンドエラーの積み重ねの結果だとは考え難いです。
もし、過去にも試みられていたのだとすれば、当然ログは残るでしょうし、米軍は対策を講じでたしょう。米軍がそこまで鈍いとは思えません。

となれば、何らかの方法、ヒューミント(スパイ活動)あるいはサイバー攻撃等により、RQ170のコントロール方法の詳細が、事前に漏れていたと考えるべきです。
当然ながら、RQ170のコントロール方法は、極めて機密度の高い情報なはずです。それこそステルス技術と変らないレベルです。
これが漏れていたならば、他にもステルス関連技術が漏れていた可能性も、極めて高いと考えるべきでしょう。

ここから先は、多分に憶測めいた話になりますが、結構当を得ているのでは、と考えています。

今回の鹵獲事件は、たまたま発生したものではなく、イラン及び連携している中国あるいはロシアによるスパイ事件等の結果を受けて計画された、サイバーハイジャックによる鹵獲作戦だったのではないでしょうか。

もしかすると、しばらく経過した後、国防省に食い込んでいたスパイが姿を消した、なんていうニュースが飛び込んでくるかも知れません。

情報活動の常として、重要情報が漏れている事実を発覚させるような、それによって漏洩ルートが発覚する可能性のある活動は、その漏洩ルートが潰れてしまっても構わないと考えるような、情報活動における大物狙いの活動であるはずです。
今回の鹵獲作戦は、そうしたスパイ小説さながらの大作戦だったかもしれません。実際RQ170の現物
鹵獲は、”超”大物です。

別の見方をすれば、ここで推測したような作戦が展開されたのだとすれば、アメリカの防諜態勢が極めて危機的な状況にあり、中露やイラン情報機関により、深く寝食されている可能性が露呈されたと考えるべきです。

2011年9月27日 (火)

情報収集衛星・光学のみの片系運用のマイナス点

情報収集衛星・光学4号機の打ち上げが成功し、光学4機、レーダーゼロ機体勢になりました。

情報収集衛星 打ち上げ成功」(産経新聞11年9月23日)

情報収集衛星については、以前にも光学系のみになった時点で記事を書いてますが、本来は、光学2、レーダー2の予定です。
年内にも予定されるレーダー3号機が上がるまでは、光学系のみという片系運用が続くため、今回は片系運用のマイナス点について、補足を書いてみます。

光学系は、精度が高い反面、夜間は十分な観測ができないことが、マイナス点として、良く伝えられる点です。
ですが、光学系のみになることのマイナス点は、これだけに止まりません。

光学系は、偽装網などにより、レーダーに比べて偽装が比較的容易です。
特に最近の赤外線吸収偽装網などは、隠蔽される車両などが熱源として赤外線により探知されることも隠蔽できるため、ノドンのTEL(発射機)など、非常に重要なものは、隠そうと思えば隠せます。

それに対して、レーダーは偽装網等で欺瞞することが難しく、これらの隠された目標を見つけ出すことができます。

そして、両系統を運用し、そこから得られるデータを比較検討することで、相手が隠蔽したがっている非常に重要なものを、相手が隠したことで、逆に知ることができる可能性もあります。
レーダーや光学画像を必死に分析して、これは何(例えばノドンのTEL)だから
重要と判断するのではなく、相手が「意図的に」隠しているから重要なものだと分かったりする訳です。

片系運用となっている現在は、こういったことが独自の衛星データによっては分析できない(買えば手に入る)状態となっています。

早くレーダー3号機が上がって欲しいものです。

2011年8月18日 (木)

特異なY-8情報収集機型による収集フライト

中国のY-8(ヤンキーエイト)情報収集型機が、7月30日に特異な情報収集フライトを行っています。

中国機の東シナ海における飛行について(統幕発表11年8月1日)

統幕発表で分かることと言えば、機種と飛行経路程度ですが、今回特異なのは、飛行経路の方です。
Y8_110730
7月30日の飛行経路(統幕資料より)

もっとも、これだけ見ても、どこが特異なのか分からないでしょう。
ですが、以前のY-8飛行経路を見れば一目瞭然です。
統幕が発表したY-8による情報収集フライトの経路で、今年に入ってからの分をまとめてみました。
Y8_110302
3月2日の飛行経路(統幕資料より)
Y8_110704
7月4日の飛行経路(統幕資料より)
Y8_110707
7月7日の飛行経路(統幕資料より)

全て、経路が、緯度経度線に沿ったものであることが分かります。

同じく統幕が発表している22年のスクランブル実績資料を見ても、中国機の飛行経路は、同様です。
Ws000000
22年度スクランブル対象(統幕資料より)

今回のフライトが特異であった理由は明確には分かりません。
ですが、可能性を示す事は可能です。

定期的な収集フライトは、基本的に同じ事を続けないと意味がありません。
何が変化したのか、分からなくなるからです。

ですから、特異なフライトをするということは、この日に、日本(空自ないしは海自)が何か特殊なことを行っており、それを観測するための特別なフライトを行った可能性が考えられます。
それが計画的なのか、あるいは特殊な状況を観測したため、急遽計画変更したものかはわかりません。

もしかすると、特に特殊な訓練等を行っていた訳ではないものの、この日の当直勤務員(この日は土曜日)がボーとしており、通常行うべきレーダー諸元の変更が行われなかった、あるいは逆にちょっと変ったものに変更してしまった、なんてことがあったのかもしれません。
南南東方向に2度ほど往復した際、それぞれ宮古島サイト、久米島サイトに向かっていたと思えなくもありません。
あるいは、SLRを使って薩南諸島西方海上あたりを見ていたとも考えられます。

何にせよ、何か変ったことを行っていたかどうかは、自衛隊側としては当然承知していますから、このフライトが、それに対応したものかどうかは、自衛隊には分かっています。

逆に、自衛隊が何か特殊なものを行っていなかったのであれば、Y-8側に搭載機材の更新等があり、今までの緯度経度線に沿った収集ではなく、前述ように、のレーダーサイト等に向けた飛行を行った方が効果的な収集活動ができるようになったのかもしれません。
もし、自衛隊が特異な活動を行っておらず、今後の収集活動も、今回と同様の飛行経路を採るようであれば、その可能性が高いと考えられます。

次回のフライトを見れば、もう少し分析できるかもしれません。

2011年2月 9日 (水)

政府が情報保全隊を使って民主支持を強制

自衛隊の防諜を任務とする部隊、情報保全隊が自衛隊OBの佐藤議員などの講演会等を監視しているとの報道がされています。

国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」」(産経新聞11年1月14日)

情保隊については、以前の記事「自衛隊の思想調査」でも書いていますが、右翼を含め、自衛官の中に、情報漏洩やクーデターを企てる人間がいないか調べている部隊です。
(左だけでなく、右も調査するようになったのだから、これは良いニュースだと言っているブロガーもおりますが、情保隊は調査隊と呼ばれていた時代から、右も対象にしてます)


調査対象となっていると書かれている佐藤議員、田母神元空幕長、荒谷卓氏(陸自OB、初代特戦群群長)の講演会等ですが、これらには極右の方等も参加している可能性も高く、情保隊が調べる上で、建前が成り立たない訳ではありません。

ですが、共産革命を目指す共産党を調査対象とするのとは訳が違います。
ここに見えるのは、政府(民主党)に異を唱える自衛官をすべて排除しようという強権的姿勢です。

 監視目的は現職自衛官の参加の有無を確認し、参加している場合は氏名も特定する。佐藤、田母神両氏の発言内容もチェックし、報告書の形でまとめ、提出させている。


大きな問題は、情保隊がこうした動きを取っていることが自衛官の中で噂になることで、民主支持を半ば強制することになることです。

自衛隊もお役所なので、キャリアに一度傷が付くと一生出世に響きます。
情保隊にマークされているなどという噂が立てば、他の人もその人との接触を控えるようになりますし、自ずと評価は下がります。
(もちろん、情保隊のマークが確かならば、重要ポストへの配置はありえません。)

この辺りが、佐藤議員や宇都議員、そして自民党が問題視している部分でしょう。
同日付の産経新聞の評論記事「狙いは「反民主OBと現職遮断」政治主導で部隊利用の疑い、防諜部隊の不当調査」(産経新聞11年1月24日)の一部を引用します。

 昨年11月に事務次官名で出された「隊員の政治的中立性の確保について」と題する通達にも、同じ意図がみえる。通達は民間人に自衛隊行事での「言論統制」を強いる一方、自衛官が部外の行事に参加することについても、政権批判が予想される場合は参加を控えるよう求めている。

 この規定は、現職自衛官が佐藤氏や田母神俊雄元航空幕僚長の講演会に参加することを監視する「根拠」とも位置づけられる。

 通達後、保全隊による監視も強化された。昨年12月、田母神氏が会長の保守系民間団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」が都内で開いた政府・民主党に対する抗議集会について「自衛官の参加を厳重に確認するよう改めて指示が出された」(防衛省幹部)という。自衛官の間にも保全隊が調査に入っているとの情報は拡散しつつある。


なお、防衛省側は佐藤氏を情報収集の対象にしたことはないと否定したそうですが、これは当たり前の話です。
なぜなら、情保隊は佐藤氏の集会に参加する(反民主)自衛官を監視するのであって、佐藤氏本人を監視することが任務ではないからです。
「自衛隊員監視は魔女狩り」自民国防部会で批判噴出 防衛省は否定」(産経新聞11年1月25日)
自衛隊情報保全隊、自民・佐藤正久議員を監視か」(読売新聞11年1月25日)

この件については、佐藤氏の「自衛隊員は(中略)、政党や政治家の私兵ではない」が的を射ていると思います。

2010年11月24日 (水)

日韓で軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結で協議

日韓間で、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結のための協議が行われています。
防衛秘密保全、日韓が協定へ協議 北朝鮮の非常事態懸念」(朝日新聞10年11月9日)
軍事情報包括保護協定 韓国とも締結目指す 米、NATOに次ぎ近隣国で初」(朝雲新聞10年11月11日)

同様の協定が締結されているのは、アメリカとNATOのみだったとのことですが、これに韓国が加わる見込みです。

以前にも、日韓間ではACSA締結の動きがあるなどを記事にしていますが、またしても軍事面で両国の接近が図られるます。

この協定は、主に北朝鮮の非常事態(体制崩壊など)を想定し、関係情報を共有化する目的で話が進められているようですが、将来的には軍事的に肥大する中国に対する日米韓の協力態勢にも資するでしょう。

韓国は、日本を仮想敵にもしているため、渡す情報については注意しないといけませんが、基本的には歓迎すべき動きだと思っています。

朝鮮民族の居住地域は、既に一部中国の版図に組み入れられていますが、北朝鮮崩壊の際には、中国がなしくずし的に領土を拡大する恐れがあります。
韓国もそれを恐れているでしょうし、それを阻止するとともに、尖閣を巡る日中衝突に際して、韓国が日本側を支持してくれる方向に誘導するためにも、日韓の協力態勢推進は望ましい方向だと思います。
(日中間の衝突に乗じて、なし崩しに対馬に侵攻するような事態にならないよう注意は必要ですが。)

今回の砲撃事件でもそうですが、秘密保全の取り決めがないと、重要な情報を教えてもらえないので、早めに話を進めるべきでしょう。

2010年9月 4日 (土)

日本の偵察衛星、光学系のみに

日本の偵察衛星である情報収集衛星の内、レーダーを使用して監視を行うレーダー衛星2号機が故障して、運用可能な情報収集衛星が光学系のみとなってしまいました。

情報レーダー衛星故障、北朝鮮監視など支障」(読売新聞10年8月28日)
読売の記事は直ぐに落ちるので末尾に転載

地上からの指令で復旧ができなければ、何ともしようがないため、次の衛星を待つしか手がないのですが、非常に痛い事態です。
夜間や曇天での監視ができないだけでなく、無理に光学衛星を使用すれば、こちらの寿命も短くなってしまいます。

やはり、情報収集衛星はもう少し数をそろえておく必要がありそうです。
そのためにも、日本の防衛にはあまり関係のない地域の情報については、他国に売って商用使用してもいいのではないだろうか。

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情報レーダー衛星故障、北朝鮮監視など支障

 北朝鮮の軍事施設などを監視する政府の情報収集衛星のうち、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星が故障し、運用できない状態になっていることがわかった。

 内閣衛星情報センターは「23日に故障が判明し、復旧作業を続けているが、見通しはかなり厳しい」と話している。

 次のレーダー衛星が打ち上げられるのは2011年度の予定。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍備増強など、東アジアの安全保障環境が不安定化する中で、監視活動に影響が出るのは必至だ。

 故障したのは、07年2月に打ち上げられた「レーダー2号」。同センターは、電源系のトラブルが原因とみている。設計上の寿命は5年間で、再来年までは使えるはずだった。

 情報収集衛星は、1998年の北朝鮮のミサイル発射を受けて政府が導入した事実上の偵察衛星。レーダー衛星2基と光学衛星2基の計4基がそろうと、地球上のあらゆる場所を24時間以内に最低1回は監視できる。

 この体制は当初、03年度に整う計画だったが、打ち上げ失敗や故障に阻まれ続けた。現在は、寿命を超えて稼働している1基を含む光学衛星3基と、今回故障したレーダー衛星1基しかない状態。今回の故障で光学、レーダー各2基がそろうのは12年度以降になる。

 レーダー衛星は光学衛星より技術的に難しく、費用も高い。03年に打ち上げられたレーダー1号も、やはり電源系のトラブルによる故障で、設計上の寿命より1年早く07年に運用を停止した。

 情報収集衛星は日本独自の貴重な情報源であると同時に、「監視しているという抑止力」(防衛省幹部)の意味合いもある。政府は米国の商用衛星の画像も利用しているが、これらは米軍に影響を及ぼすと判断された場合は売ってもらえない「シャッター・コントロール」の制約を受ける。米軍普天間飛行場移設問題などで日米関係がぎくしゃくする中、監視体制の不備による日本の安全保障への影響が懸念される。

 ◆情報収集衛星=電波で物体をとらえるレーダー衛星と、晴天の昼間に高精度撮影する光学衛星の2種類があり、高度400~600キロ・メートルを南北に周回する極軌道を回っている。
********************

2010年7月19日 (月)

軍人は口を噤め

田母神元空将発言や44普連連隊長による不適切とされた発言に見られるように、自衛官による発言は規制される方向です。

田母神元空将による発言を契機として、自衛官が部外に意見発表をする場合の手続きは厳格化され、事実上口を封じられた形になっています。
部外に対する意見発表の際の手続の実施について(通知)

この流れは、この問題以前から発生していました。
どの時点からなのかハッキリしませんが、以前は沢山あった現役自衛官によるHPは、現在では皆無になっています。

確かに、どう見ても勤務中に撮ったとしか思えない写真が掲載されたりしていて、私でさえも「どうなのコレ?」と思うサイトもありましたが、当時は広報効果があると思われていたのか、黙認されていました。

最近では、2chをはじめとするBBSでの発言も非常に少なくなっています。

このような日本での現状を、嫌な動きとして見ていましたが、アメリカでも同じようは傾向にあるようです。
メディア接触を厳格化 米国防総省」(産経新聞10年7月4日)
「国防総省側の問題だ」 取材厳格化でゲーツ長官」(産経新聞10年7月9日)

軍人の発言を規制する建前は、シビリアンコントロールだったり、機密の保持だったりしますが、ホンネでは、日本でもアメリカでも政府中枢に対する批判を抑えるために思えてなりません。

民主主義を成立させるためには、国民の知る権利の保証が大切です。
軍人は口を噤め、という政策は民主主義に反しているように思えます。

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