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基地警備

2012年7月25日 (水)

歩哨犬の災害救助犬としての活用に異論

歩哨犬を災害救助犬として活用するための訓練が行なわれているそうです。

入間基地 中警団管理隊、NPOと協力 歩哨犬で初の救助訓練 災派想定、生存者捜索へ指導」(朝雲新聞12年6月21日)
Photo
同記事より

 空自入間基地の警備を担当する中警団基業群管理隊(隊長・橋本卓二3佐)は4月27日、神奈川県のNPO「救助犬訓練士協会」(村瀬英博理事長)と初めて災害派遣を想定した歩哨犬による被災地の生存者捜索訓練を合同で行った。
 現在8頭の歩哨犬が世界標準の捜索能力を認定する「国際救助犬資格」の取得に向け、連日訓練に励んでいる。


災害派遣が国民に高く評価され、アンケートでも、自衛隊に期待する活動としての1位が災害派遣になる中、これに反対する人は少ないでしょう。
ですが、私は反対です。

私は、当ブログでも何回も紹介しているように、歩哨犬の価値を高く評価しています。
ですが、同時にその訓練の難しさも、承知しているつもりです。

歩哨犬を、一人前の歩哨犬とするだけでも大変なのに、加えて災害救助犬としての訓練まで行なうのでは、本来の歩哨犬としての能力を向上・維持することが難しくなります。

 歩哨犬たちは首輪に小さな鈴を付け、シーソーのように動く一本橋やはしごの上を慎重に通過。隊員の「さがせ」の指示で瓦礫の中に入り、空気中の生体臭で模擬被災者の位置を捜索。存在を確信した段階で何度も吠えて隊員に知らせた。


これは、歩哨犬が行なうべき行動とは、明らかに異なる行動です。
異なる行動を行なわせるためには、当然異なる訓練が必要になります。

警察犬でも、災害救助犬としての訓練を受けているのは直轄犬ではなく、嘱託警察犬の一部だけのようです。
直轄警察犬さえ行なっていない災害救助を、自衛隊の歩哨犬が行なう必要性があるのかについて、疑問を持ちます。

 昨年の震災直後、同協会は警察庁の要請で宮城県に出動。海自呉造修補給所貯油所(吉浦)の国際救助犬資格を持つ警備犬2頭の捜索チームと一緒に生存者を捜した(23年9月15日付既報)。管理隊の橋本隊長は「海自警備犬の活躍を見て隊員たちは出動を熱望したが、災害救助犬の訓練実績がなく行きたくても行けなかった」と話し、宮田班長も「微力でも協力できたのでは、と歯噛みするほど悔しかった」と振り返る。


「普段から訓練を行なっていれば行けたのに」という悔しい思いは理解できます。
ですが、そのために真に行なうべき任務に対する能力が不十分になったのでは、税金の無駄使いというものです。

自衛隊の歩哨犬デモでは、臭気判定など、警察犬のマネゴトを行なうこともありますが、米軍の軍用犬デモでは、ほとんどが襲撃や戦闘の補助などです。
犬は、人間ほど飲み込みが早くありませんし、寿命が短い(10数年)ため、現役でいられる年数も短く、あれもこれもできるという状態にすることは非効率です。

 竹山修治分隊長は「大切なのは情熱と情愛。本気で褒め叱らないと犬はついて来ない。受験に向けた仕上がりは約50%で、担当犬を持つ全員が11月の試験に合格できるよう特訓中」という。


今年の1月から本格訓練を始めたそうなので、使い物になるまで1年もかかるということです。

現役期間がせいぜい10年なのに、災害救助犬としての訓練に1年もかけたのでは、自衛官が、訓練の1/10以上(錬成後の技量維持訓練も必要なので)も災害派遣訓練を行なうようなものです。

ここは、敢えて止めるべきだと思います。

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2012年4月22日 (日)

実弾装填で実戦的警護_2012北朝鮮「衛星」発射

先日の「衛星」騒ぎは、自衛隊としては、数少ない実戦的態勢を取る機会でした。
注目されたPAC-3やイージスは言うに及ばず、メチルヒドラジン汚染を警戒した化学防護小隊もそうでしょう。

しかし、自衛隊の歴史上、もしかすると「エポックメイキングになった」と言われるかもしれない実例は、これだけではありませんでした。

PAC3警備に銃携行 石垣島の陸自部隊 実弾装填、国内初」(産経新聞12年4月6日)
(共同通信、及び配信を受けた地方紙も同様の内容を報道してます)

自衛隊が銃を携行していることはあたりまえです。
ですが、基地等外において、実弾を”装填”して警備を行うことは、過去になかったことです。私が実例を知らないだけかもしれませんが……
(ただし”装填”は、薬室装填ではなく、マガジンの装填だけだと思われます)

なぜかと言えば「国民に銃を向けるつもりなのか!」という批判を恐れたがためです。

ただし、”装填”が初なのであって、95条を適用し、武器等防護のための武器の使用によって警備を行う事は、従来から頻繁に行われてきました。
何せ、何ら出動任務が発せられていない平時において、武器を使用する根拠法令は、9.11以後に、95条の2(自衛隊の施設の警護のための武器の使用)が出来るまでは、他に何もなかったからです。
(対領侵を除く)

一応整理しておくと、平時における武器使用の根拠は次の通りになります。
9.11後の自衛隊法改正以前
 ・通常の基地等の警備も含めて武器等防護
自衛隊法改正以後
 ・基地等内においては施設警護
 ・基地等外においては武器等防護

「じゃあ、装填してなかったら、どうしてたんだ?」という話になると思いますが、実弾入り弾倉は、別に携行したり、別保管だったりしてました。
銃は弾倉自体が未装着か、空弾倉を装着(ゴミ等の侵入防止にはこの方がいいが、イザ銃を使いたいときに空弾倉を抜く手間がかかるので、良し悪し)でした。

何にせよ、実戦的ではなかった訳です。

それが、今回はPAC-3部隊に陸自の警護が付いた上、実弾を装填する等、随分と手厚い状態になりました。

2009年の「衛星」騒ぎでは、どちらもやらなかった訳ですから、随分と進歩です。

2009年の際の反省事項として、事前に調整準備されて来ただけなのかもしれません。
もしくは、2009年以上に北朝鮮が自衛隊の対応を強い調子で批判しており、何らかの活動が行われる可能性があるとの情報分析があったのかもしれません。
もしかすると、配備が沖縄であることや基地等外に展開したことも、多少は影響した可能性もあります。

何にせよ、本来、これが当然です。
テロ分子等が展開地内に侵入し、PAC-3を奪取でもすれば、民間機を落とすことも簡単だったのですから、国民の安全を考えれば、自衛隊が自衛隊の装備を、武器を持って防護することは、やって当たり前です。

参考:自衛隊法

(武器等の防護のための武器の使用)
第九十五条  自衛官は、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備又は液体燃料を職務上警護するに当たり、人又は武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条 又は第三十七条 に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

(自衛隊の施設の警護のための武器の使用)
第九十五条の二  自衛官は、本邦内にある自衛隊の施設であつて、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料を保管し、収容し若しくは整備するための施設設備、営舎又は港湾若しくは飛行場に係る施設設備が所在するものを職務上警護するに当たり、当該職務を遂行するため又は自己若しくは他人を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、当該施設内において、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条 又は第三十七条 に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

2012年2月20日 (月)

レーダーサイトもやっと……

先日、陸自がやっとパトリオット部隊の警備を始めてくれたとの記事を書きましたが、同様に重要で、同様に大変なレーダーサイトの警備にも腰を上げてくれたそうです。
30普連 46警戒隊と合同訓練 レーダーサイトの警備実施」(朝雲新聞12年2月2日)

やっと重すぎる腰を上げてくれたのは、弾道弾防衛にガメラレーダーが必須なことを陸自もやっと理解してくれたからだろうと思います。
また、背景には大綱が改正されたことも大きいでしょう。

ほとんどの空自のほとんどのレーダーサイトは、それなりに高度のある山の頂付近にあり、山岳戦の訓練を積んだ隊員が多数警戒に付かなければ、ロケット砲等で簡単にレーダーを破壊できるような環境にあります。

対する空自のサイト勤務員は、他の例に漏れず、警備に避けるような人的余力はなく、ゲリコマに対抗できるような技量は、当然のようにありません。

当然、陸自に警備をお願いするしかない訳ですが、こちらもパトリオット同様に、「やっと」やってもらえる方向になってきたようです。

これも、北朝鮮が弾道弾騒ぎを起こしてくれたおかげでしょうか。それにしては遅すぎますが……

朝雲の記事には、「このほど」という記述がありますが、掲載されている写真を見ると、どう見ても、最近の画像ではありません。
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朝雲新聞より
冬の佐渡は、真っ白だからです。

記事の掲載が遅く、実際にはもっと前から訓練が始まっていたのであれば良いのですが……

2011年12月22日 (木)

祝!_FN303調達

ほとんど今更ながらですが……、閉鎖されてしまったブログ「keenedgeの湯治場」様の最後の記事「分かったことと、分からないことであります。」に、現役自衛官時代に欲しかった(個人的にではなく、部隊の装備として)ものが中央調達で調達されると載ってました。

1.圧搾空気銃
 これはF.N.HERSTAL社製であることから、FN303 である可能性が高い。暴徒鎮圧用の非致死性銃。


FN社のFN303ページ


画像は全てFN社HPより
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なかなかカッコイイです。
もちろん欲しかった理由は、カッコイイからではありません。

(主に平時の)基地警備用として、使い勝手がよさそうだからです。

通常の基地警備では、その権限は警察比例の原則に則って行使しなければなりません。

例えば、相手がナイフしか持っていないない状況で小銃を使えば、違法行為となりかねません。(警察が、拳銃を使う度に適正な使用だったと発表するのと同じ事ですが、小銃の方が殺傷力が高いため、より注意を要します)
ですから、そう言ったケースでは、警棒や木銃を使う事が多くなりますが、先日の韓国海洋警察官が中国人船長に刺殺されたように、まかり間違えば隊員が死傷しかねません。

そう言った状況でも、これがあれば安全に相手を制圧できます。
形状が銃に似ているので、素人相手には抑止効果も期待できます。(逆に、相手が銃を所持しているようなケースでは、取り扱いに注意を要しますが)

FN303は、調達名称が圧搾空気銃となっている通り、構造的にはエアガンと同じです。
もちろん、精度、強度はおもちゃとは訳が違います。
特徴的なのは、その弾丸です。
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写真を見ても分かると思いますが、形状・機能は、ショットガン用のスラグ弾に似ています。内部の極小ペレットは金属製で、着弾時に外部のプラスチックケースが割れるようになっています。(マーキング用に、ペイント入りのペイント弾もあります。上記写真の黄色い方)
これにより、非致死性兵器としては、かなりの遠距離と言える、射距離100mでも十分な精度と威力が維持され、着弾時にフランジブル弾のように弾丸が崩壊してすることで、肉体に貫通せずに打撃力を与えます。



撃たれた人間からすると、呼吸が止まるほど、とっても痛い兵器な訳です。

基地等の警備用なのか、それとも特戦群あたりの特殊部隊用なのか分かりませんが、各基地に数挺づつ配備してくれるといいと思います。

2011年12月11日 (日)

初の陸自によるパトリオット部隊警備

九州・沖縄方面への大規模な部隊機動と奄美の民有地への対艦ミサイル展開などが話題になって統合実働演習ですが、ほとんど話題にならなかった項目で、非常に重要なものがあったので、今回はそこにフォーカスしてみます。

統合実動演習始まる 九州・沖縄方面 島嶼防衛へ対艦ミサイルなど展開
(朝雲新聞11年11月17日)

私が注目したのは、空自パトリオット部隊に対する、陸自による警備です。(朝雲以外は見当たらず)
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朝雲新聞より
空自パトリオットを警備する陸自隊員

 今回の訓練では空自高射部隊の警備に当たる陸自部隊との連携も重要なポイントとされ、空自部隊の周辺に掩体を設置、32普連(大宮)の隊員による歩哨や軽装甲機動車による定期的な哨戒が行われた。
 4高射隊長の松本英法2佐は「首都圏を守る1高群として航空機、弾道ミサイルへの対処が最大の目的。今回は陸自に警備してもらうので連携要領も演練したい」、2高射隊長の芳之内真典2佐は「弾道ミサイル対処訓練を安全確実に実施したい。陸自との共同警備、巡察、車両検索などを行い、陸空で警備要領を確認したい」と述べた。


首都圏防護のためには都心に展開せざるを得ないなどの理由で、警備が非常に困難なパトリオット部隊ですが、訓練を含め、過去には陸自による警備が行われたことはありませんでした。
2009年の北朝鮮による飛翔体発射の時もです。

陸自とすれば、陸自には、他にもやるべき仕事が多数あるのだから、空自部隊は空自が警備しろという話なのです。
ですが、パトリオット部隊自体は、パトリオットの運用を行っている間は、警備に関しては、せいぜい展開地への接近統制を行う程度の人員しかいません。
おまけに警備の技量は、航空陸戦隊と揶揄されるだけに、他の空自部隊と比べれば高いですが、陸自と比べたら雲泥の差があります。

自衛隊全体として考えれば、陸自が周辺の警備を行う以外に、適切な解決策はないと思うのですが、大綱の改正などを受けた陸自の変革の中で、やっと重い腰を上げてくれたようです。

公開している小説の中で、陸自による警備が行われながらも、ペトリオット部隊を警護しきることは難しいことを描いてますが、それが多少なりとも影響を与えたりしたのだとすれば、嬉しいのですが……

今回の協同警備は、初めての機会ということもあり、双方の連携要領の確認が主体になったようですが、どれだけのエリアを安全化しなければならないのか等、しっかり詰めて、イザという機会にしっかり協同できるようにして欲しいものです。

2011年5月15日 (日)

基地警備教導隊新編

以前の記事「ナゾの基地警備教導隊」で果たして本当の編成されるのか、と疑問を書いた空自の基地警備教導隊ですが、さる3月28日に新編されました。

基地警備教導隊が発足 空自」(朝雲新聞11年4月14日)

基地警備教導隊が発足 空自

 22年度末の部隊改編で、空自は基地警備教導隊(岡一郎2佐以下約40人)が3月28日、百里基地に新編された。装備は軽装甲機動車と小銃などの小火器。東日本大震災の影響で3月末に予定されていた式典行事は延期された。
 同隊は、各基地を巡回してそれぞれの立地の特性を踏まえた適切な基地警備要領を教導するとともに、基地警備に関する調査、研究を行う。
 空自では平成18年3月に航空総隊(府中)の中に基地警備研究班を発足させ、順次人員を増員するなどして今回の新編に備えてきた。


記事が短く情報は少ないのですが、新編された部隊の性格を検証してみましょう。
信用できるソースが、上記記事程度ですが、ウィキペディアも参考とすると、基地警備教導隊は、航空総隊の直轄部隊として2等空佐が指揮する約40人の編制単位部隊として百里基地に編成されました。装備は軽装甲機動車と64式小銃他となったようです。

場所以外は、概ね予想したとおりでした。
人数については、以前の記事で、多くても5・60人だろうと予想したのですが、やはり40人程度に止まったようです。
総隊直轄の編制単位部隊であるため、人事や補給といった本部機能も自隊で持っていることになり、実際に教導任務や有事に戦力として機動運用される人員は1個小隊にも満たない少数と思われます。

また、89式を装備していない等、装備も各基地等で保有している装備も変わりありません。

そのため、基地警備教導隊は、ずいぶん以前から、編成されれば特殊部隊的な性格を持ち、基地警備に関する機動予備戦力となることが噂されていましたが、そう言った性格は薄く、任務は、教導に主眼が置かれていると思われます。今後、増員や特殊な装備の配分があると話は変ってきますが……

また、機動運用するためには輸送能力が必須ですが、輸送機やヘリ部隊が所在しない百里に編成されたことを見ても、訓練用地の確保に有利な点を評価して配置したのでしょうから、機動運用より教導に重きを置いていると見ることができると思います。

今後の施設建設予定がどうなっているのか分かりませんが、富士にあるような市街地戦闘訓練施設なども有するのかも知れません。

さて、機動運用よりも教導に重きを置いていると見られることの評価ですが、私は正しい選択だと思います。
空自基地は各地に分散しており、目標とされる可能性を見積もることは非常に困難です。そのため、事前に教導隊を展開させておくことは難しいと思われます。
一方で、事後に投入することを予期する場合、例え機動運用が可能な部隊で、空輸力を最大限に活用したとしても、ビンラディン殺害作戦を見ても分かるようにゲリ・コマによる急襲作戦は短時間なものが多いと思われますから、基地警備教導隊が、増援として活躍できる可能性は低いと考えられます。
そう考えれば、教導により各地の基地警備部隊を強化することの方が適切でしょう。

今後、基地警備教導隊は、各基地を回った巡回教導や百里基地に担当者を集めた集合教育で、ノウハウの蓄積と敷衍を行って行くものと思われます。

しかしながら、航空総隊のHPを見たところ、彼らの最初の任務は、教導ではなく災害派遣だったようです……

2011年5月10日 (火)

ビンラディン急襲作戦に軍用犬も参加

ビンラディン急襲作戦に軍用犬も参加していたそうです。

襲撃作戦で軍用犬も活躍」(産経新聞11年5月7日)

 米メディアは7日までに、国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者がパキスタンの潜伏先で殺害された際、急襲作戦を担った米軍特殊部隊に軍用犬が加わっていたと報じた。

 爆弾の臭いをかぎ分けたり、パラシュートで空中から降下したりするなど特別な訓練を受けた軍用犬のうち、最も能力があり実戦での経験が豊かな“エリート犬”が選ばれたとみられる。素顔はベールに包まれており、米国内でどんな犬だったのか話題を呼んでいる。作戦決行後、オバマ大統領との面会も果たしているという。


Img_4891
横田基地で使用されている軍用犬

軍用犬に思い入れのある人間として、こう言うニュースは嬉しい思いがします。
と言うのも、米軍はかなり犬を活用しているのですが、自衛隊は後述のように、あまり犬を重用してはおらず、犬に対する風当たりも結構強いからです。
米軍と自衛隊の犬舎を比べても、米軍の犬の方がきれいな犬舎に住んでます。
ですが、こんな重要作戦に投入されているように、訓練次第では犬は非常に効果的な戦力になります。

自衛隊では、海空自衛隊で犬を使用しています。陸自もかつては使用していたものの、制度自体を廃止してしまったと記憶しています。海自では警備犬、空自では歩哨犬という名称で、名前からわかるようにどちらも基地の警備のために使用しています。

入間基地航空祭での空自の歩哨犬訓練展示の様子
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空自では入間基地の警備小隊内に歩哨犬管理班という部署があり、全国の基地で使用される歩哨犬をここで訓練して送り出しています。
歩哨犬管理班については、入間基地のHPに歩哨犬管理班勤務者のインタビューが載っているので興味のある方はコチラを見て下さい。

さて、自衛隊内で犬が重用されていないと書きましたが、その理由は簡単に言えば訓練が大変だからです。
まず第1に、高練度の軍用犬を作るためには実に多くのことを教える必要があります。どんな事を行うかは、以前の記事「入間航空祭レポート その2」をご覧下さい。
基本的に、基地の警備しか行わない空自であってもこれだけの事を教えるのですから、今回の作戦に投入された軍用犬は相当な訓練を行っていると思われます。
加えて、それだけ訓練しても、たとえ大型犬であっても人間と比べると寿命は非常に短く、15年程度であることを見れば、体力面などで実戦に耐えられる期間が非常に短いことは確かに問題です。(10歳以上の犬なんて人間で言えばジジイな訳です)

第2に、軍用犬を効果的に使うためには、犬以上に犬を使う側の訓練が重要です。
空自では、前述の歩哨犬管理班で集合訓練などを行っていますが、それだけ専門家が育つはずはないことは、簡単に想像が付くでしょう。

陸自が制度を廃止してしまったのも、同じ理由です。
ですが、こう言うニュースが出てくると、駐屯地の警備ではなく、特殊作戦群あたりで使おうと言う意見が出てくるかも知れません。

今回、軍用犬が投入されたというニュースを聞き、厳重に警備され、おそらくトラップもあるであろう危険な場所に先陣を切るために使用されたのではないかと個人的には想像していました(公開している小説中でも同じ役割で登場させました)が、その後の続報によると、やはりそのような用途で使用されていたようです。
ビンラーディン襲撃作戦に軍用犬も活躍」(産経新聞11年5月8日)

 一方、米CNNテレビなどによると、急襲作戦に加わった軍用犬はジャーマンシェパードで、弾薬の臭いをかぎつけると敵に猛スピードで突撃する訓練を受けていた。チーム6のメンバーといっしょにパラシュートで空中から降下し、兵士がビンラーディン容疑者の隠れ家のドアを突き破ると、先陣を切って邸内に突撃。敵をひるませ、兵士が突入するのに必要なコンマ数秒の時間を稼ぐのにも貢献した。

 軍用犬は防刃、防弾性に優れたアーマー(防身具)を身につけ、アーマーには赤外線夜間カメラも備えつけられていた。チーム6のメンバーと同じく、特別な訓練を受けた軍用犬の中でも最も能力が高く、実戦経験も豊富な“エリート犬”で、日ごろの訓練の成果を発揮した。


こう言った用途での犬の使用については、ちょっとした思い出があります。
最近では空自でもCQBの訓練を行っていますが、危険エリアへの先兵として歩哨犬を訓練して投入すべきだと意見具申した際、ある上司からダメ出しをされました。
それ自体は良いのですが、その理由を聞いて絶句。
曰く「そんな危険な事をさせたら、犬がかわいそうだろ」
犬を使わなければ、最初に先陣を切るはずの隊員がもっとかわいそうだろと思いました……

こう言った役割は、いずれはロボットが行うのかもしれませんが、敏捷な動作などの点でまだまだ軍用犬に遠く及びません。

当分は軍用犬活躍のニュースは聞けると思います。

ちなみに、軍用犬については詳しいサイトがあるので興味のある方は覗いてい見て下さい。
軍犬物語

2011年1月29日 (土)

ナゾの基地警備教導隊

今年度もあと2ヶ月程度となってきましたが、年度末に向けて気になっていることがあります。
それは、空自に基地警備教導隊が新編されるのか、ということです。

これに関連して、以前にも「H21概算要求-基地防衛教導隊」という記事を書いてますが、極めて重要な機能でありながらも、縮減される防衛予算の中、部隊新編はかなり難しいのではと思っていました。

ですが、今年度(22年度)中に、基地警備教導隊が新編されるという情報があるのです。
それも、飛ばし記事を書くとは思えない朝雲新聞がソースだったりします。
22年度防衛費 重要施策を見る<4> 航空自衛隊 一線の即応性重視 F2、F15を近代化改修」(朝雲新聞10年3月25日)

【部隊改編】総隊司令部の事態対処機能の強化、基地警備教導隊(仮称)の新編、航空教育隊生徒隊の整理、航空教育隊教育群の改編。


しかしながら、本記事の記事タイトルを「ナゾの基地警備教導隊」とした通り、他に何ら情報がないため、果たして本当なのか訝しんでいます。

防衛省が公開している予算等の概要には、部隊の新編として「陸上自衛隊警務隊に中央警務隊(仮称)を新編【新規】」とあるのみです。
概算要求の資料にも載っていません。今年度予算分の概算要求については、政権交代にともなって作り替えが行われたので、作り替えられる前の概算要求資料も見てみましたが、こちらにも載っていません。
防衛省の公開資料は、あくまで概要なので、全てが載っている訳ではないのですが、それなりの規模になることが予想される部隊の新編について、載っていないというのは、ちょっと不自然です。

朝雲が間違いだったのか、それとも本当に新編されるのかは、あと2ヶ月程度で分かると思いますので、情報を待ちたいと思います。

さて、では朝雲の記事が正しかったとしたら、基地警備教導隊が果たしてどんな部隊になるのか、簡単に予想してみようと思います。

ここで重要なのは、以前の情報にあった基地防衛教導隊から基地警備教導隊に名称が変っていることです。
名前だけじゃないの?
と思う方もいるかと思いますが、お役所でもある自衛隊においては、言葉には定義があり、名前が変るというのは非常に重要です。

「基地防衛」という言葉は、航空自衛隊の中では「基地警備」を包含する概念で、「基地警備」の他に、短SAMなどを用いる「基地防空」なども含まれる言葉です。
つまり、以前に報じられていた20年度に200人規模の部隊として新編と言うのは、現在千歳基地に所在している高射教導隊隷下の基地防空教導隊を含めた部隊であったと思われるのです。

ですから、基地防衛教導隊から基地警備教導隊に名称が変ることで、基地警備教導隊は、基地防空教導隊を含まないことになり、人員規模は200名から大幅に少なくなるだろうと思われます。
具体的な数を占う要素はありませんが、1個小隊を大きく上回らない数、せいぜい5から60人程度なんじゃないかな、と思っています。

次に場所です。
これを占う情報はありませんが、ズバリ入間基地以外には考えられません。

基地警備教導隊は、平時には各基地の警備小隊を教え導くことが任務になりますが、有事になれば、敵の攻撃が予想される基地に機動運用されます。
となれば、迅速に展開できる輸送能力も無ければ展開できません。
入間基地にはC-1、U-4を擁する2輸空隊がありますし、CH-47を擁する入間ヘリコプター空輸隊もあります。

小牧基地も輸空隊がありますが、ヘリコプター空輸隊がありませんし、航空総隊の基地ではないので普段の訓練等に支障があるかもしれません。

指揮(編制)は、航空総隊の直轄部隊がもっとも動きやすいと思われますが、規模が数十人で総隊の直轄部隊となると、本部機能もそれなりに必要になってしまうので非効率です。
もしかすると、入間の中警団隷下としながら、有事には総隊が引っこ抜いて指揮転移させるという指揮運用もあるかもしれません。

予想としては以上です。
さて、予測ばかりで記事を書きましたが、果たしてどうなりますことやら。

2008年12月28日 (日)

H21概算要求-基地防衛教導隊

H21年度の予算は、まもなく予算審議が始まります。

防衛省が出した概算要求について、何度か記事に記事にしてますが、今回は空自の基地防衛教導隊について書きます。


と言っても、基地防衛教導隊について、概算要求に盛り込まれているわけではありません。

この基地防衛教導隊について、報じられたのは2004年8月の産経新聞です。

既に該当ページは消えているようですが、ネットにコピーがあったので、以下に転載します。

********************


空自基地テロ対策 防衛専門部隊新設へ 200人体制、軽装甲車装備


 防衛庁は二十一日、テロやゲリラから航空自衛隊の基地を守る専門部隊として、空自に「基地防衛教導隊」(仮称)を新設する方針を固めた。基地や航空機が陸上から攻撃される事態に機動的に派遣し、平時には基地の警備要員を指導して警備能力の向上を図る。


 平成十八年度に新設に向けた準備室を設置、二十年度に部隊を発足させる方針。部隊の規模は約二百人体制になる見通しで、部隊を指揮する隊司令も置く。


 新たな装備として軽装甲機動車、軽機関銃を配備する。軽装甲機動車は陸上自衛隊部隊などに配備され、軽対戦車誘導弾の車上射撃が可能。特殊部隊によるテロ攻撃などの危険性を踏まえ、空自として対処能力を強化する。


 空自の基地は全国に七十二あり、基地防衛では各基地ごとに約四十人の警備小隊を置いている。しかし、「特殊部隊の基地侵入や滑走路が破壊されるようなテロやゲリラの攻撃には、現状では装備、技術の両面で対応できない」(防衛庁幹部)という。


 実際の有事の際の基地防衛の流れは、初動は基地の警備小隊が対処、その後に陸自の支援を受けられるまでの間、基地防衛教導隊が展開して敵の攻撃を阻止する。


 一方、空自はミサイル防衛(MD)で高速飛行の弾道ミサイルを捕捉できる新型警戒管制レーダーの導入を目指しているが、レーダーサイトが攻撃される危険性も高く、基地防衛教導隊はサイトの防衛についても研究に着手する。


 通常のレーダーサイトは攻撃を受けても、E-2CやAWACSといった早期警戒機が代替機能を果たすが、政府が二十年度から四基の配備を目指している地上配備型の新型警戒管制レーダー「FPS-XX」が破壊されれば代替手段がなく、弾道ミサイルに対する迎撃能力が失われてしまうためだ。


 このほか、空自は基地内で爆弾などによる攻撃から航空機を守るシェルターの「掩体(えんたい)」についても、テロやゲリラの攻撃に対応できるものに切り替えるなど、整備計画を見直す方針だ。


********************


加えて、wikiにもページがあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E9%98%B2%E8%A1%9B%E6%95%99%E5%B0%8E%E9%9A%8A


さて、この産経の記事ですが、今現在も部隊は新設されておらず、来年度概算要求にも載ってないわけですから、記事としては誤報と言えるかもしれません。
ですが、火のないところに立った煙でもありません。


産経の記事にもあるとおり、防衛省は(空自の)基地や航空機が陸上から攻撃される事態
を憂慮しています。

そして、それは私も同じです。
公開している小説でも、空自基地の地上からの攻撃に対する脆弱性を描きました。やり方次第では、極少数の特殊部隊が侵入しただけでも、深刻な事態が発生する可能性があります。

基地防衛教導隊を新編する意義は高いわけです。

ですが、2012年を想定した小説でも基地防衛教導隊は登場させませんでした。残念ながら、2008年どころか、2012年でも編成は難しいと思っているからです。

wikiでは、予算等の問題から編成には至っていないと書かれています。

来年度の概算要求に盛り込まれなかったため、2010年までは新編されないことが確定しまいました。

ですが、放置して良い問題ではないことは、公開している小説を読んで頂ければ、理解して頂けると思います。


その一方で、予想に反して2012年までに新編されてしまわないか、結構ドキドキしてます。

2008年12月 3日 (水)

結果として中途半端

12月1日、空自浜松基地の侵入防止用センサー線が切断されたというニュース が流れました。http://mainichi.jp/select/today/news/20081201k0000e040014000c.html?inb=ff

切断されたのは、断線警報装置と呼ばれる侵入者警戒用のセンサーの電線です。
この線は、非常に細く弱くできており、侵入者が柵を乗り越えて進入しようとした際、引っかかって線が切れることで警報を発します。数ある警戒警報装置の中でももっとも簡単なもので、早い話、電子式の現代版鳴子です。

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(毎日新聞)

センサーは長さ500mに渡って26カ所も切断されており、基地としては、侵入者の検索など所要の対応処置は採ったでしょうが、常識的に考えれば、どうみてもイタズラか嫌がらせです。

とてもニュースバリューがあるとは思えない下らないニュースです。
それをなぜブログでも取り上げたのかと言うと、ここから自衛隊と警察の関係が 透けて見えてくるからです。

自衛隊と警察は、今でこそ、協同訓練を行うなど連携を深めていますが、従来は 決して仲良くありませんでした。
警察は、旧軍への印象や後藤田正晴を筆頭に自衛隊によるクーデターを本気で警戒していた他、畑を荒らされる形となる治安出動の存在から、防衛庁時代から内局に出向者を出し、自衛隊を監視の対象としてきました。
一方、自衛隊は、内局への警察出向者が気にくわないし、治安出動の訓練を掛け合っても相手にされない、それどころか防災の訓練でもあからさまに自衛隊を遠ざけるような対応をされていました。

関係が好転したのは、北朝鮮のゲリコマによる侵入破壊工作が懸念されるように なった(小説宣戦布告などの影響もあり)他、9.11テロや阪神大震災など、協力しなければ国民の期待に応えきれないと、お互いが認識したからです。

しかし、長らく反目しあっていたものが、一朝一夕に綿密な連携が採れるわけで はありません。
今回のセンサー線の切断は、報じられることで自衛隊になんのメリットもありま せん。むしろ、度胸試しの模倣犯や、ニュースになりたいというような下らない動機の侵入事案を喚起するだけです。
おそらく、基地としては、センサーが発報した時点で警察にも連絡したのでしょうが、状況がわかった時点で、双方とも緊張感を持った対応をしていないはずです。
そこで、「では穏便に」ということにしておけば良かったものを、警察が記者クラブに伝えてしまったのでしょう。
基地としても、こんなものがニュースになるなど思いもよらず、一言言っておく ような配慮ができなかったのでしょう。
今回の事は、連携が良くなって、結果として中途半端だったということなのだろうと想像しています。(以前なら即座に警察に連絡したりはしない)

それにしても、こんな警察だって真剣に捜査するはずのない下らない事件を、ニ ュースとして取り上げる新聞社もよほど暇なのでしょうか。
全国紙4紙の中で、報道価値なしとして取り上げなかったまともな新聞社は、朝 日だけでした。

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