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在日米軍

2014年7月12日 (土)

停泊原潜・原子力空母が津波被害を受けた場合の原子力災害の可能性

1年も前の記事「原発テロ記事と防衛計画の大綱見直し」に、停泊中の米原潜や原子力空母が津波被害を受けた場合、原子力災害が発生する可能性はないのかというコメントを頂きました。

私は、原子力の専門家ではありませんが、原子力実験船『むつ』以降、長い時間が経過し、日本には現代の船舶用原子炉の専門家などいないにも等しいので、一般に公開されている情報を付き合わせて考えて見ました。

米原潜や原子力空母が停泊中に被災する可能性があるのは、なんと言っても横須賀でしょう。
関東の震災で、現在最も懸念されている地震は、南関東直下地震ですが、これは海溝型地震ではなく、そもそも津波の可能性はないとされているため、心配する必要はありません。
関東近海で津波を発生させる海溝型地震としては、南関東地震がありますが、発生周期が200~400年であり、前回が1923年の大正関東地震であるため、次の発生が100年以上先である可能性が高く、30年以内の発生確率はほぼ0から1%とされています。
南関東地震(神奈川県HP)

懸念されるのは、南海トラフ地震ですが、震源域は伊豆半島の西側なので、横須賀の津波被害はそれほど大きくないと思われます。

このため、原潜や原子力空母が大きな津波被害を受ける可能性自体があまり高くないのですが、可能性はもちろんあります。

その場合の米軍マニュアルがどうなっているのかは分かりませんが、基本的に、可能ならば緊急出航して津波の影響を受けない沖に出ることになるでしょう。ただし、予想される波高が低ければ、2次災害を防ぐ意味でも、慌てて艦を動かさない方が適切だと思われます。
原子力機関の場合、他のエンジンと異なり、完全に止めると言うことがそもそも不可能なので、大きな津波が来るとなれば、舫を断ち切り、当直勤務者だけでも出航することになると思われます。
港湾関係者も、原潜や原子力空母を沖に出す事を最優先にするでしょう。

しかし、それでも間に合わない事はありえます。

原潜の場合、出航も間に合わないとなれば、津波の影響を少なくするために、沈底するのも手だと思います。(人手がいなければ、出航以上に難しいかもしれませんが)

打ち上げられる事が避けられなければ、原子力機関は当然緊急停止させるでしょう。

しかし、福島原発が緊急停止したにも係わらず、あのような事故になったことで、コメントをくれた方を含め、多くの方が、例え原子力機関を緊急停止させたとしても、原潜も同様にメルトダウンする事を懸念していると思います。

福島原発がメルトダウンした主な理由は、電源喪失による冷却水ポンプ停止によって生じた冷却水不足にあったようですが、原潜の場合、電源喪失が起こったとしても危険性は高くありません。
というのも、現代の米原潜の場合、冷却水ポンプが潜水艦の位置を暴露する騒音発生源となるため、ポンプを止めても、対流によって冷却水循環ができるようになっているためです。
通常出力での運転では、恐らく時間的な限界はあると思いますが、緊急停止させ臨界を止めた状態であれば、ポンプはそもそも不要かもしれません。

ただし、陸上に打ち上げられ、船体が転覆してしまえば、正常な対流は起こらない可能性があり、水面上に出た原子燃料がメルトダウンする可能性がないとは言えません。
しかし、潜水艦の場合、そもそも水中で3次元機動するものですから、相当な傾斜が生じても原子炉も正常な作動ができるように設計されていると思われます。(完全に転覆しても、燃料が水面上に出ない構造になっているかもしれません)

船体が損傷する可能性については、潜水艦の場合は、耐圧船殻が水中数100mの強烈な水圧に耐えるものであるため、東日本大震災での津波くらいの流速では、船殻までは損傷しない可能性が高いと思います。
米原潜サンフランシスコは、2005年に時速60km以上の高速で水中航行中に海山に衝突するという大事故を起こし、バラストタンク等が損傷していますが、耐圧船殻の損傷は軽微で、原子炉も無事でした。
サンフランシスコ (原子力潜水艦)(wiki)

原子力空母の場合、その巨体が最大のメリットになると思われます。
原子力空母の場合、港内で津波を受けても、喫水下が10m以上もあるため、相当レベルの津波でなければ、打ち上げられることはありません。
東日本大震災時の津波でも、波高が10mを越えた場所は、被害が非常に大きかった地域だけです。
東日本大震災で確認された津波の高さ

波高が10mを越えても、その程度では、単に打ち上げられるだけで、大きく損傷したり傾斜したりすることはないと思われます。
果たして、どの程度の波高であれば、あの巨体が傾くのか分かりませんが、東日本大震災による津波に比べ、遡行高にして倍にも達したとする伝説がある八重山地震による明和の大津波もあるため、やはり可能性としてはありえることです。
八重山地震(wiki)

ですが、潜水艦ほどではないにしても、空母も戦闘艦として、転覆が不可避というレベルの傾斜になるまでは、排水ポンプの稼働など、ダメージコントロールのために電源が不可欠であることは当然で、相当の傾斜になっても電源喪失はしない設計になっているはずです。

それを考えると、やはり明和の大津波級の津波でなければ、電源喪失により冷却水が不足し、メルトダウンに至るという事故は、なかなか発生しないだろうと思われます。

空母の場合、船体は大きくとも、強度は潜水艦ほどはありませんから、メルトダウンに至る程の事故でなくとも、多少の冷却水が漏れる程度の原子力災害は発生するとは思いますが、その程度では、それほど大きな被害はでませんから、実際上の問題は、それほどないと思われます。

やはり、大きな被害が発生する可能性があるのは、メルトダウン以上の事故ですが、以上のように戦闘艦の原子炉は、発電用の原子炉と比べて、相当な異常状態でも作動限界にならないよう設計されているため、発電用の原子炉と比べれば、津波でも電源喪失して危険な状態になる可能性は低いと思います。

ただし、映画並の巨大津波が押し寄せ、陸上に打ち上げられてしまった場合には、原子炉を緊急停止させたとしても、余熱の冷却とそのための水供給は、時間との勝負になると思われます。特に原子力空母の方は危険かもしれません。

また、それほどの巨大津波でなかったとしても、現実的な問題としては、津波発生後に、陸上から海に戻った海水が泥濘を含んだ結果、あるいは、引き波の発生による海底泥の巻き上げが、原潜・原子力空母の取り入れる冷却水のフィルターを詰まらせる可能性はあります。
かなりクリティカルな部品なので、補用部品のストックはあるでしょうし、系も2重化され、交換も容易にはなっていると思いますが、やはりなんとか沖に出て清浄な海水を取り入れることができる状態にしないと、危険かもしれません。

また、原潜にせよ原子力空母にせよ、陸上に打ち上げられてしまった場合、移動させることが至難の業となるため、恐らく放射能の漏出を防止しながら解体しなければならず、時間的・経済的要素が大きな問題になると思われます。
また、解体までの長期に渡って、大量の水やその他の資材を供給し続けなければならず、津波の直接的被害よりも、時間的要素に伴う負担が、復興の大きな妨げとなる可能性が懸念される点です。

と言う訳で、津波で停泊中の原潜・原子力空母が被災した場合の原子力災害の可能性について考えて見ました。

イマイチ、危機的な状況になるとは思えないため、小説のネタにはなりにくいかなと思いますが、面白い思考実験テーマではあると思います。

最後に、この記事を書こうと思って調べた中で、神奈川県の共産党HPがなかなか面白い内容でした。
神奈川県民を原子力災害から守るため、原子力空母・艦船の横須賀母港撤回を求める―日本共産党の提言

共産党ですから、当然原潜・原子力空母の危険を書き立てている訳ですが、福島原発の事故のおかげで、一般の方のリテラシーが上がったためか、昔のように無茶苦茶ではなくなっています。
それでも、意図的なのか否かは分かりませんが、誤解に誘導するような書きぶりではあります。
しかし、メルトダウン時の被害想定を見ても、かなり恣意的な怪しい表現ではありますが、それほど酷いモノではありませんでした。
誤解されやすい言い方になってしまいますが、原発事故に功の部分ももあったと言えそうです。(当然、ほとんど罪ですが)

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2014年1月29日 (水)

普天間移設は沖縄県知事の辞任・選挙に委ねよ!

普天間移設のカギとなる名護市長選挙は、移設反対を唱える稲嶺氏が当選しました。
ここで、移設を容認する末松氏が当選していれば、今後の動きはスムーズに進むところでしたが、状況は、依然として不透明と言わざるを得ません。

知事が移設を容認する姿勢になったため、政府は移設を強硬に進めるかもしれませんが、その一方で、政府(防衛)関係者も、いい加減、嫌気がさし、動きが停滞する可能性もあります。

この問題を、今後どう進めるかについては、断固推進すべしという意見と、移設を見直すべきとの意見に、世論も大きく対立しています。
私は、普天間への移設自体は推進すべきだと考えていますが、そのためには、むしろ移設反対派が唱える仲井眞沖縄県知事の辞任と選挙を行うべきだと思っています。

政府が移設を強行すれば、例え移設ができたとしても、名護市民には遺恨が残ります。
移転した海兵隊部隊と地元住民、あるいは賛成派住民と反対派住民との間でも、問題が発生するかもしれません。

これを回避するためには、何とか名護市民を説得し、その上で移設を推進しないといけません。
そのためには、まず政府(ヤマトンチュウ)対名護市民(ウチナンチュウ)という対立の図式を、沖縄県民(ウチナンチュウ)対名護市民(ウチナンチュウ)という説得のできる図式に切り替えることです。

具体的方策が県知事選挙です。仲井眞知事が再選を目指すのか、あるいは別の候補が立っても構いませんが、今回の名護市長選のように、普天間移設を争点とした知事選挙が行われ、沖縄県民の総意として、名護への移設が支持されれば、沖縄県民(知事)が名護市民(市長)を説得することも可能でしょう。
その際、政府としては、ここで移設推進派が敗北した際には、移設を断念し、普天間の固定化に繋がることを匂わせておくことも必要です。

そもそも、今回の名護市長選の移設推進派の敗北は、仲井眞知事が粘りすぎたためです。
もっと早い段階で、仲井眞知事が移設を容認し、説得を図っていれば、結果は違っていた可能性も十分にあったでしょう。
ですので、仲井眞知事に、もう少し骨を折ってもらいたいところです。

知事選挙で、反対派が勝つ可能性もありますが、その場合については、実際に、移設を断念し、政府としてアメリカに頭を下げるしかないでしょう。
地位協定の見直しや沖縄県南部の基地閉鎖等、安倍政権が行おうとしていた日米の防衛関係の懸案は、多くが白紙に戻さざるを得ないでしょうが、沖縄の要望で始まった普天間移設が頓挫するのであれば、納得するしかありません。
防衛の観点だけから言えば、別に移設をしなければならない理由は何もありません。普天間を使い続けられればOKです。

沖縄メディアの主張は、県外移設ですが、それが(軍事的に)妥当でないことは、過去記事「普天間の代替候補地条件」で書いた通りです。
細部は、過去記事を見て頂きたいところですが、最も重要なのは、米(空)軍が、嘉手納の代替飛行場を必要としている点です。
なお、米海兵隊は、以前から普天間移設の際の位置に関して80km以内という条件を出しています(ソースをググったが見つかりませんでした。ブログ等での記載はあり)が、これも、やはり軍事的な観点からの条件です。

しかしながら、軍事的妥当性に関して、森元前防衛大臣の発言を根拠として、疑問を呈する人もいると思われます。
参考過去記事「最後に失言を残し自民党政権の足を引っ張る森本前防衛相

森元前防衛大臣は、「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ」と述べています。
軍事的な妥当性については、私とは見解の相違がありますが、政治的に沖縄沖縄が最適との意見には付言が必要です。

前掲過去記事でも触れたように、沖縄メディアは、森元前防衛大臣の発言を「沖縄以外の場所には強制できないが、沖縄ならそれができる」として、日本の内政問題として、基地を押しつけることができるという意味に捉えています。

しかし、この発言は別の意味だったと見るべきです。
過去記事「在沖海兵隊の意義_沖縄県民は無知なのか?」でも言及していますが、海兵隊を沖縄に駐留させる最大の意義は、アメリカの台湾に対するコミットメント、つまり、アメリカは台湾を防衛する、中国が侵攻する際には、台湾にとって人質ともなる海兵隊員を送り込む、という政治的メッセージです。
この意味で、「政治的に考えると沖縄が最適」と言えるのです。

以上のことから、移設賛成派が勝てば、沖縄県(知事)として、名護を説得し、移設を推進してもらえば良いし、移設反対派が勝てば、移設を断念して、普天間をこのまま使い続ければ良いのです。

防衛の観点からすれば、どちらに転んでも構いません。
ですから、知事には後残り少ない任期を全うするのではなく、県民の信を問うという意味で、辞任の上、選挙を行うべきです。

しかし、この問題のそもそもの発端は、移設を求めた沖縄県民の意志です。
できれば、移設賛成派が勝って、普天間周辺住民の希望を反映した形で決着することがベストだと思います。
移設ができれば、地位協定等、他の懸案も進めやすくなります。

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2013年12月14日 (土)

助力と感謝の連鎖

憎しみの連鎖という言葉がありますが、助力と感謝にも連鎖があります。

ケネディ駐日米国大使が東北総監部を訪問したそうです。
ケネディ駐日米国大使の東北方面総監部訪問」(陸自HP)

震災があったからではありますが、それにしても駐日大使が自衛隊部隊を訪問するのは珍しい事です。
しかも、ケネディ大使は、着任してから日も浅く、相当多忙なスケジュールの中でのことでしょう。

震災時、米軍はトモダチ作戦として、最大限の助力をしてくれました。
それに対して、日本側は官民(一部マスコミは別として)問わず、誠意を込めて感謝の意を表しました。
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いずれも、外務省HPより

尖閣問題などにおける最近のアメリカの親日的態度の理由は、第1には民主党政権から自民党政権に移行した事でしょうが、震災に伴う助力と感謝が、良い形で連鎖したからであるとも言えると思います。

これからも、この連鎖を切らさないように、感謝を表すと共に、アメリカが困難に陥った時には、助力の手を差し伸べることが必要です。

そのためにも、集団的自衛権行使の問題は、早めに解決すべきでしょう。

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2013年4月10日 (水)

安倍政権の普天間移設舵取りが素晴らしい

安倍政権の普天間移設問題に対する舵取りが、素晴らしい。

その戦術は、基本的に、かな~り前に書いた通り、従来の自民党政権が辺野古への移設を決めた時と同様の単純なアメとムチの使い分けです。

まず、アメとして沖縄振興予算を大幅(2012年費2.2%増)に増額しています。
沖縄振興3001億円、3年連続増 来年度政府予算案 」(日本経済新聞13年1月30日)
そして、嘉手納以南の返還合意をアメリカとの間で取付けます。
嘉手納以南の返還計画、日米が合意」(産経新聞13年4月5日)

反対にムチは、普天間固定化というブラフです。
米軍普天間飛行場移設:政府、特別措置法制定「検討せず」」(毎日新聞13年4月2日)

 政府は2日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に必要な公有水面埋め立て申請を知事が承認しなかった場合の対応として、地方自治法に基づく是正勧告・指示や代執行、知事から国へ権限を移す特別措置法制定などについて「検討していない」とする答弁書を決定した。


しかも、このちょっとわかり難いブラフは、実に巧妙です。
政府が、特措法を検討しないとすると、知事の埋め立て拒否=普天間固定化となるため、固定化した場合は、「知事が悪いのだ、政府の責任ではない」という構図を作り出しているのです。

この硬軟取り合わせた安倍政権の戦術に、民主党政権下で、あれだけ暴れ回っていた仲井真知事もタジタジです。
なにせ、嘉手納以南の米軍基地返還計画を説明に訪れた防衛大臣に対して「わからない」と答えるしかない状態です。
返還時期「書きぶりあいまい」 沖縄知事、防衛相と会談」(朝日新聞13年4月6日)

 小野寺五典防衛相は6日、那覇市内のホテルで沖縄県の仲井真弘多知事と会談し、日米両政府が合意した嘉手納以南の米軍基地返還計画を説明した。仲井真氏は計画で返還時期が「わからない」と述べ、書きぶりがあいまいだと指摘。


まるで、「お前の言ってる事なんて、ワケわかんねえよ」と捨て台詞を吐いて逃げ去る子供のようです。

安倍政権は、この戦術によって、仲井真知事に辺野古への移設を承認させようとしています。
沖縄米軍基地:嘉手納以南返還「普天間切り離し」を撤回」(毎日新聞13年3月31日)

 政府は沖縄の米軍基地問題をめぐり、嘉手納(かでな)基地(嘉手納町など)より南の5施設・区域の返還を普天間飛行場(宜野湾<ぎのわん>市)の県内移設と切り離して進める方針を撤回し、近く発表する嘉手納以南の返還計画に普天間飛行場の返還時期も明記する検討に入った。
中略
 日米両政府は昨年4月、在日米軍再編ロードマップ(行程表)を見直す中間報告を発表。嘉手納以南(中略)の5施設・区域については3段階の返還を目指す一方、普天間移設は「課題をできる限り速やかに解決する」として切り離した。

 普天間問題をめぐる民主党政権の迷走で強まった沖縄側の反発を和らげる狙いがあったが、自民、公明両党が昨年12月に政権を奪還し、普天間移設と嘉手納以南の返還をセットにしていた自公政権時代の06年の日米合意に事実上、回帰した。

 防衛省は今月、普天間飛行場の移設先としている名護(なご)市辺野古(へのこ)沿岸の埋め立てを沖縄県に申請。安倍政権としては、返還時期の明記により政府の基地負担軽減の努力を強調し、沖縄の理解を得たい考えだ。「普天間を県内に移設すれば嘉手納以南の多くの土地が返ってくる」(政府関係者)と沖縄側に妥協を迫るとともに、「沖縄を納得させるには普天間跡地の返還時期を計画に書き込む必要がある」(防衛省幹部)と米側に求める。


前述の通り、仲井真知事が移設を拒否すれば、それが自動的に普天間固定化となることを明らかにしたワケです。

政治の戦術としては、極めて基本に忠実な戦術ですが、3年間も、民主党の稚拙な政治を見せつけられたからかもしれないものの、安倍政権の政治運営が素晴らしくみえて仕方ありません。

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2013年2月25日 (月)

ダブルスタンダードな仲井真知事

沖縄県の仲井真知事が、移設問題に関して、矛盾に満ちた発言をしています。

当初決めた方向に進める方が現実的ではないか。路線を変えるのは簡単ではない

普通は15年たてば計画がおかしいと考えるが、15年も動かない計画が正しいのだという不思議さ。頭脳明晰(めいせき)な人たちが国防関係にいる割には何でこういうことに固執するのか

共に、後述リンクより。

前半のコメントは那覇軍港の移設について、後半のコメントは普天間基地の移設についての発言です。

那覇軍港 知事「移設が現実的」」(琉球新報13
年2月15日

ダブルスタンダードも極まれりですが、これを際立たせるように書いてしまう琉球新報の意図も掴みきれません。
これを当然だと考えているなら、おかしいのは
記者の頭な気がするのだが……

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2013年1月28日 (月)

最後に失言を残し自民党政権の足を引っ張る森本前防衛相

森本前防衛相は、最後にドデカイ失言を残して去って行きました。
森本前防衛相発言 軍事的不合理を証明した」(琉球新報13年1月7日)

 森本敏前防衛相が昨年末の退任前の記者会見で、米軍普天間飛行場の移設先について「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ」と述べ、名護市辺野古沖に移設する現行案は軍事的、地政学的な理由からではなく、政治的状況を優先しての決定であることを認めた。


森本前防衛相は、海兵隊の沖縄駐留には軍事的合理性がないと明言しました。
私も認識していませんでしたが、森本前防衛相は、実は県外移設推進派だったようです。
なんで、民主政権なんかの閣僚を受けたのだろうかと疑問でしたが、この発言でその疑問が解けました。
彼は、防衛省の辺野古移設案を修正したかったのでしょう。

海兵隊がオスプレイという長く速い翼を得れば、中台危機の緊急時に海兵隊を急遽投入する能力が飛躍的に高まるため、確かに海兵隊の駐留場所が沖縄である必要性は低くなります。

今までは、空中機動の手段がCH-46やCH-53でしたから、中台危機の緊急時に海兵隊を急遽投入するため、海兵隊の沖縄駐留は必須と言えました。
参照過去記事
普天間の代替候補地条件
在沖海兵隊の意義_沖縄県民は無知なのか?

オスプレイが配備されつつある現在、この理由は弱まりつつあります。
しかし、海兵隊が台湾の自然環境と近いコンディションで訓練するためには、北部訓練場の存在は重要です。

森本前防衛相は、北部訓練場の存在については、”政治的”な理由と考えているのでしょう。
そのため、今回の失言になったと理解しています。

森本前防衛相の発言は、防衛問題の評論家としては、適切だったかもしれません。
ですが、現職(当時)防衛相の発言としては最低です。
冒頭琉球新報の記事です。

 森本氏は普天間県内移設の政治的な理由として「許容できるところが沖縄にしかない」からと説明した。沖縄以外の場所には強制できないが、沖縄ならそれができる、というわけだ。皮肉だが、正直な表現だ。沖縄に過重な基地負担を長年強いている「構造的差別」の内実を端的に表している。


防衛大臣が、「海兵隊という周辺住民にとってのお荷物を、押しつけることができるのは沖縄しかない」と言っているのも同然で、沖縄メディアでなくとも反感を持つのは致し方ないところです。

幸か不幸か、あるいは琉球新報が、次のように評するように、本土住民にとっては、所詮人ごとであり、ないがしろにしていい話題なのかもしれませんが、全国メディアでは、この発言はほとんど注目されませんでした。

指摘しなければならないのは、今回の森本発言を等閑視するような土壌が日本社会にありはしないかということだ。


この発言当時、森本前防衛相は既にレイムダックとなっていたため助かりましたが、この発言は、自民新政権の普天間移設問題を解決困難にしかねない大失言でした。

森本氏は、防衛問題の評論家としては高いレベルかもしれませんが、政治家としては最低レベルと評価させて頂きます。

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2012年12月 2日 (日)

米海軍の音響測定艦行動にみる対中シフト

リムピースに象徴的な記事が載っています。
佐世保に音響測定艦がずらり」(リムピース12年11月30日)

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3隻が並んだ米海軍佐世保基地の立神岸壁(手前からインペッカブル、エイブル、エフェクティブ)(11月30日撮影)
同記事より転載

また、以前には沖縄のホワイトビーチに、2隻の音響測定艦が並んだこともあります。
音響測定艦2隻、ホワイトビーチに同時寄港」(リムピース10年9月2日)

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同記事より転載

WBに音響測定艦2隻」(リムピース11年1月14日)

音響測定艦や海洋観測艦、航空機ではコブラボールやリベットジョイントと言った特殊な艦艇及び航空機は、情報収集手段であり、かつその用途が非常に限られているため、運用者の意図を正確に反映しています。
そのため、その動きを見ていると、運用者の思考が見えてきます。

ちなみに、米軍は、自衛隊になんでも教えてくれる訳では無いので、これと同じ事を、自衛隊の情報組織も行っています。
ただし、自衛隊の場合、それら艦艇・航空機の動きを、港や基地にいるかどうかだけではなく、どこで行動しているか等も把握できるため、分析の精度は格段に違います。
少々情けない話ですが、日本が情報収集衛星を配備する前は、こんな情報もかなり貴重な情報でした。

話を元に戻しましょう。
米軍が5隻しか保有していない音響測定艦という艦種を、佐世保に3隻同時寄港、あるいはホワイトビーチに2隻同時寄港させているということからは、米軍の意図が透けて見えてきます。

音響測定艦は、長大な曳航ソナーを備え、潜水艦の観測を行う艦艇です。
佐世保やホワイトビーチでは、乗員の休息と補給を行っていると見られています。つまり、佐世保や沖縄に近い海域において、これらの艦艇が重点的なパトロールを行っているということです。

北朝鮮の潜水艦は、質も量も非常に乏しいため、これら音響観測艦の目標は、中国の潜水艦であると言えます。
つまり、米海軍は、世界各国の潜水艦の動静に払う関心の半分以上を、対中国に向けているということです。

しかも、この潜水艦に対する対中シフトは、近年になって急激に強化されたものです。
定着した音響測定艦と測量艦」(リムピース12年1月26日)

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特殊艦艇の佐世保への寄港状況
同記事より転載
2011ssbtagos
佐世保への音響測定艦の寄港回数・停泊日数
同記事より転載

海底地形等、地誌データと呼べる資料は、以前から継続して調査がされている反面、潜水艦の動静を探る音響測定艦は、2009年あたりから急激に日本近海で活動していることが分かります。

これらリムピースの記事は、米海軍の中国潜水艦に対する脅威認識と衝突の可能性に関する認識が、ここ数年で急激に高まっていることを示す明確なデータです。

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2012年9月30日 (日)

考え方はいいが結論が×な前原氏

前原氏が、発想及び考え方は誉められるものの、非現実的な実施不能案を持ち出して、オスプレイ配備を混乱させています。
前原氏、米にオスプレイ沖縄配備の条件提示」(琉球新報12年9月12日)

前原氏は米軍の新型輸送機オスプレイを沖縄に配備する条件として、回転翼を前傾させた「転換モード」での飛行を基地と海の上空に限り、市街地を避けるよう求めた。


モロッコでの事故もフロリダの事故も、転換モード中に起こった事故です。
転換モードを危険だとして、市街地上空での転換モードを規制することは妥当のようにも思えます。

私が書いた以前の記事で、オスプレイの普天間配備にあたって運用制限をすれば良いと書いたことも、趣旨は同じような所にあります。
参考過去記事「オスプレイ事故原因と沖縄配備に向けた運用制限

ですが、前原氏の主張は実現不可能な非現実的プランです。
転換モードを基地上空と海上に限定するなら、固定翼モードで飛行して、基地上空で急減速しながらヘリモードに転換(そんな急な動作は危険ですし、そもそも無理でしょう)して着陸するか、洋上でヘリモードにして、市街地上空をゆっくりと普天間まで飛行しなければなりません。

米軍が現在考えているプランでは、普天間のかなり遠くから遷移モードで飛行するようです。
オスプレイ、市街地でモード変更 米環境審査書に明記」(琉球新報12年9月3日)
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同記事より

ただし、冒頭の報道は、前原氏の発言を正確に報道していない可能性があります。
同じ内容を報じた毎日では「モード変換は基地上空か海上で行うように」と要請したと報じられています。
オスプレイ:市街地上空での飛行モード変換の回避を要請」(毎日新聞12年9月12日)

浅い角度でナセルを固定した遷移モードのまま、海上から基地上空まで来るなら、可能であり合理的な案だと思います。

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2012年6月27日 (水)

モロッコでのオスプレイ墜落は、セットリングか?

一般紙は詳しく報じていませんが、モロッコでのオスプレイ墜落原因について、琉球新報が興味深い記事を載せています。
「原因は操縦ミス」 オスプレイモロッコ墜落」(琉球新報12年6月27日)
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同記事より

防衛省は26日、モロッコと米フロリダ州で起きた垂直離着陸輸送機オスプレイの墜落事故について、米国防総省から受けた説明の内容を公表した。海兵隊のMV22オスプレイが4月にモロッコで墜落した事故は、追い風を受けた中、旋回しながらエンジン部分を前方に傾けたことでバランスを崩して墜落したとし、操縦ミスによるものとの見方を示した。


先日のフロリダでの事故について、セットリングウィズパワーだったのではないかとする記事を書いたばかりですが、モロッコの事故も、報道を見ると、セットリングウィズパワーが疑われるような飛行をしていたようです。

一般論として、セットリングウィズパワーに入りやすい状況を列挙してみると、次の通りになります。
・低速度
・高降下率
・バンク状態
ちなみに、ヘリの場合は、速度は、対気速度12ノット以下、降下率は毎分300フィート以下だと危ないそうです

前掲記事では、モロッコでの墜落時、ホバリングから水平移動に遷移するため、ナセルを前方にティルトした時、追い風でバランスを崩したために墜落したとされています。

これを見ると、前述のセットリングウィズパワーに入りやすい条件の内、二つを満たしていることになります。
・ホバリング後の低速度状態の際に後方から風が吹いたため、対気速度が、さらに低い状態になった。
・ティルトしたため、ローターがバンクした状態になった。

事故は離陸直後であり、高度が高い訳ではなかったでしょうから、それほど高い降下率ではなかったと思われますが、ホバリングから高度を下げながら急速に前進させる操作は、ヘリの展示飛行などでは時々見られます。
もしかすると、モロッコでも、オスプレイでの飛行に慣れてきたパイロットが、調子に乗って同じ事をやろうとした可能性もあります。

琉球新報の記事では、「バランスを崩した」とされていますが、条件を見てみると、セットリングウィズパワーに入ったのか、と思える状況でした。

だとしたら、やっぱり”操縦ミス”ということになるんでしょうね。

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2012年6月16日 (土)

オスプレイ事故原因と沖縄配備に向けた運用制限

4月に発生したモロッコでの墜落事故に続き、今月13日には、フロリダでもオスプレイの墜落事故が発生してしまいました。
オスプレイ、米で訓練中に墜落 日本配備に影響必至」(朝日新聞12年6月14日)

こうなると、旧式過ぎるCH-46を使い続けることが間違いなく危険であるとは言え、「オスプレイに更新した方が安全だ」とは言いたくても言えなくなってしまいます。

原因については、まだまだ分かりませんが、2日後には飛行を再開したようです。
つまり、米軍は、4月の事故だけでなく、今回の事故も、機体の不具合が原因ではないと、ほぼ断定しているのでしょう。
「基本設計の欠陥を疑う理由ない」 オスプレイ墜落で米司令官」(産経新聞12年6月15日)
飛行再開については、次の元記事に記載があります。
Air Force begins investigation of CV-22 Osprey crash at Eglin」(スターズアンドストライプス12年6月15日)

この記事を見ると、事故はルーチン的な射撃訓練中に発生したようです。

"This particular mission was a gunnery training mission, so it was a two-aircraft formation," Slife said. "When the lead aircraft turned around in the gun pattern, they did not see their wingman behind them, so they started a brief search and found that they had crashed right there on the range."


発生時刻は18時45分とのことで、フロリダでの日没がはっきりしませんが、薄暮か夜になったばかりだったでしょう。
射撃が、固定翼モードだったのか、回転翼モードだったのか不明ですが、乗員が助かっていることから見ても、回転翼モードだった可能性が高そうです。
今までの事故の多くが回転翼モードでの事故でしたから、興味の尽きない点です。

これは推測ですが、2機編隊での後続機が、恐らく回転翼モードで、恐らく低速・低高度で事故を起こしたとすれば、前方機を避けるために高度下げ、セットリングウィズパワーに入ったとされる3回目の事故に類似した状況だったかもしれません。
もしかすると、事故前にセットリングウィズパワーを警告する音声が出ていたことを乗員が聞いていたのかも。
というか、そんな状況でもない限り、たった2日で飛行再開するとはちょっと考え難いですし……

ティルトローター機のメリットを考えれば、オスプレイの価値は、通常のヘリとは比べるべくもないですが、今回の事故が、それほど高難易度な訓練を行っていた訳ではないことも考えると、(事故が回転翼モードだったとすると)回転翼モードでは、通常のヘリと同様の能力があると考えることも無理があるのかもしれません。
そもそも、通常のヘリと同様の操縦性があるなら、CSAR-Xがオスプレイにならない理由が、想像すらできませんし。

この事を持って、オスプレイ配備反対派の方は、「構造的な欠陥」と呼ぶかもしれません。
ですが、もし回転翼モードでの操縦性が、通常のヘリに劣るとしても、普天間や辺野古では、”離着陸はSTOLでしか行わない”と言った運用上の制限を設けることで、安全性の確保はできると思います。
沖縄をなだめるだけではなく、今回の事故が、そう言った突っ込んだ説得を始める契機にもなれば良いと思います。

なお、今回の事故の機長、ブライアン・ルース少佐は、2010年にアフガンで発生した事故の際の副操縦士だったそうです。
この時も生き残り、今回も生き残った訳です。
何ともダイハードな方です。

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