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災害派遣

2008年8月 6日 (水)

離島での不発弾処理

日本最南端の新聞社:八重山毎日新聞オンライン8月6日版に「不発弾処理、全額国庫負担を要請 県と市長会・町村会が初」という記事が出ていました。
八重山毎日新聞は、その名の通り、石垣島を中心とした石垣以西の八重山諸島の話題を扱った地方紙です。

離島を含めた沖縄県の不発弾処理の実態について、少なからず知っている者としては、「このくらい国庫負担しろよ!」というのが感想です。
沖縄県内で不発弾処理能力のある自衛隊部隊は、那覇の第1混成団第101不発弾処理処理隊だけです。(空自那覇基地でも、搭載弾薬類の不発弾処理はできますが、土中から発見される古い不発弾の処理能力はありません。)沖縄県や南西諸島の離島で発見された不発弾の処理を一手に引き受けているため、彼らはかなり多忙です。
石垣島に限らず、離島では不発弾が発見されたからといって、直ぐに彼らが来れるわけではありません。1週間以上待たなければならないこともざらです。そして記事にあるとおり、処分についてはさらに大変です。それまでの宮古島などでの一時保管については、「これって違法では?」と思えることを、致し方なく実施しているのが実情です。
単に、地方財政が苦しいからというだけでなく、不発弾が出ることで、市民生活に支障がでることが非常につらいところだと思います。そして、そのための手間は自治体が負っています。
不発弾は、沖縄の方々に責任のあることではないのですから、せめて費用だけでも国庫負担すべきでしょう。

以下は、八重山毎日新聞オンラインからの転載です。

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不発弾処理について県と県市長会、県町村会は5日までに、「戦後処理の一環として国の全面的責任において実施されるべきだ」として処理費用の全額を国庫負担とするよう国に要請した。3団体で不発弾処理に関して要請するのは初めて。仲井真弘多知事、石垣市の黒島健副市長らが1日、総務省、防衛省、内閣府を訪れ、黒島副市長は一時保管庫と爆破場所がないなど離島の特殊事情を訴え改善を求めた。
市総務課によると、石垣市内では1973年9月9日の処理以降、これまで162回(計1144発)の不発弾処理を行った。年平均4.6回で、近年の処理費用は1回当たり30―50万円。このうち2分の1を国が特別交付税として措置しているというが、動員される職員の時間外手当などは算定されておらず、交付税のため措置額がみえにくい実態がある。
県や市町村は「不発弾の探査・発掘や処理壕構築、住民避難、回収不発弾の保管など多くの取り組みを地元自治体が担っている」として▽特別交付税制度に代わる独自の制度を創設し、全額国庫負担とすること▽不発弾処理事業全般を直轄事業化し、国の責任で不発弾処理を促進すること―を求めている。
石垣市では、長年爆破場となっていた御神崎爆破処理場が05年から崩落の危険のため使用できず、07年4月のロンドン条約発効により陸上で発見された不発弾の海中投棄もできなくなった。さらに簡易な一時保管庫は安全上の問題があるほか自衛隊の移動や日程、海上輸送など離島の特殊性も抱えており、市は「相当な負担」と指摘している。
 要請では大臣に会う予定だったが、内閣改造と重なり実現しなかった。対応した局長クラスからは明確な回答を得られなかったが、黒島副市長は5日、「石垣市には爆破場も一時保管庫もない。今回は生の声を訴えることができた。今後、目に見える形で対応してほしい」と話した。

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2008年8月27日 (水)

離島での不発弾処理 続報

先日8月6日の記事で、離島での不発弾処理費用を国庫負担すべきだと書きましたが、ちゃんと考えられていたようです。

昨日、8月25日付の琉球新報に、「不発弾処理に補助金 政府、9割で調整」という記事が掲載されていました。


沖縄県については、不発弾の探査と発掘は、従来から政府が9割を補助していました。しかし、発見された不発弾の安全化処理のための費用は、5割しか補助金が出ません。
沖縄県は、1県だけで不発弾の処理件数が全国の60%近くに及びます。また、近年では深海への海中投棄による処理が出来なくなったため、処分費用もかさんでいました。


太平洋戦争では、国内で唯一地上戦が行われた沖縄です。
最低でもこの程度しないと、国や防衛に対して理解を得ることは難しいでしょう。

2008年11月27日 (木)

災害時に六本木米軍ヘリポートが使用可能に

東京都がかなり粘り強く交渉した結果、11月10日に協定が 締結され、災害発生時に六本木にある米軍へリポートが防災用として使用可能になりました。

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六本木ヒルズ展望室から撮影

六本木に米軍ヘリポート?と思う方も多いと思いますが、ちゃんとあるんです。(このブログを見ている方はほとんど知ってる?)
場所は、都の広報では赤坂プレスセンターと紹介されている通称ハーディバラックス内です。土地は米陸軍管理ですが、米軍部内新聞の星条旗新聞社が使っているため、プレスセンターという名前になっています。
都心の一等地にあるため、返還交渉が行われていますが、米軍としても非常に便利な土地であるため、手放すことはないでし ょう。
六本木など都心部で米軍ヘリを見かけた場合は、ここと横田あるいは厚木間の米軍関係者の移動と思って、ほぼ間違いありません。

防衛庁(当時)幕僚監部が六本木に在った際は、そちらのヘリポートが災害用として使えていたのですが、幕僚監部が市ヶ谷 に移転してしまうと、六本木周辺のヘリポートとしては、六本木ヒルズと東京ミッドタウンの高層ビル上のヘリポートが主力となってしまいました。
高層ビル上のヘリポートは、強風が吹きやすいため、使えない可能性も高い上、被災者を屋上まで運ぶことも結構な手間です 。(エレベーターが使えない可能性もあります)
ミッドタウンの地上部分にある芝生広場ゾーンも緊急時にはヘリポートとして使えるようになってますが、常設のしっかりした物に比べると運用制限が多く、使いやすいとは言えません。救急車をヘリの近くに横付けできるヘリポートは災害時に活躍してくれるでしょう。

写真を見ると良く分かりますが、ハーディバラックスのヘリポートは、非常に広いモノで、災害時用として言う事なしです。

10114221271
六本木ヒルズ展望室から撮影
(室内のテーブルが写りこんでしまってます)

なお、ここは、公開している小説中で、パトリオットの展開地として描いた場所です。写真の通り広い地積がある上、北西方向が青山墓地で、レーダーマスクになるものが少ないので、パトリオットの展開地として最適です。
ですが、貸してはくれない可能性が高いような気もします・・・

2009年1月19日 (月)

不発弾で死傷

以前も不発弾関係の記事を書いていますが、今回ちょっと大きなニュースになったので、書いてみます。
沖縄県南部の糸満市で、工事中に地中に埋没していた不発弾が爆発して、工事関係者が負傷するという事故が発生しました。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139848-storytopic-152.html


負傷者は2人で1人は予断を許さない状況が続いているようですが、250キロ爆弾が爆発したと見られることを考えれば、奇跡的と言えるほど被害は少なくて済んでいます。


負傷者が出たため、全国紙にも取り上げられてニュースになりましたが、沖縄県では今でも不発弾の発見は珍しくありません。


私が那覇基地で勤務していた時にも、基地内の工事現場から何回も不発弾が発見されていましたし、ちょっとした事件になったケースもありました。

ある日、普通にオフィスで仕事をしていると、いきなり火災警報器が鳴り出しました。
「どこだ?」と騒いでいると、「外だ」と言う声が聞こえ、飛び出してみると、庁舎の裏の丘から煙が出ていました。
早くも数人が消火器を持って近づいて行きましたが、きれいに刈られた芝の丘から煙が吹き出しており、様子がおかしいので、彼らは遠巻きに観察していました。
しばらくすると煙は収まり、不発弾じゃないかということになり、基地のすぐ隣にある陸自那覇駐屯地から、不発弾処理隊に来てもらいました。
結果は、土中に埋まっていた不発の発煙弾が、周辺の土が流れ出た結果地表として地上に現れ、腐食した結果、内部に侵入した水と黄燐が反応して煙が吹き出したものということでした。


沖縄では、この程度の事件は山ほどあります。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139964-storytopic-152.html

そのため、本土では信じられないほど不発弾の危険性に無頓着になっています。
今回の事故も、自衛隊発注の工事では必ず行っている地中の磁気探査を実施していなかった事も事故の一因となっています。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-15-M_1-001-1_002.html?PSID=934d530ab419715052ba5dc0bacb433c


沖縄の方が、不発弾に対して無頓着になっている例として、こんな事例もありました。
ある時、某分屯基地のゲートに軽トラが現れ、乗っていた方が「畑から出てきたので預かってくれ」と言って荷台を指差しました。
そこに乗っていたのは、数発の不発艦砲弾だったそうです。
空自の分屯基地としても、役割が違うから持って帰れとも言えず、ゲート脇の空き地に降ろすと防爆措置(もし爆発しても被害が出ないよう、防爆マットや土嚢で覆う措置)をして不発弾処理隊を呼びました。


不発弾の処理費用は、来年度から全額国庫負担になることが決まっていますが、工事の前に行うべき磁気探査の費用は一部が沖縄で負担しなければならない状態が続いています。

沖縄では、今なお2500トンの不発弾が埋まっていると見られ、全てを処理するためにはあと80年かかるとも言われています。

以前の記事でも書きましたが、工事前の磁気探査を含め、不発弾処理に絡む費用を沖縄に負担させることは筋違いでしょう。
費用のかかる事とは言え、国が責任を負うべき問題です。

2009年4月29日 (水)

豚インフルのパンデミックに自衛隊の出番は?

豚インフルエンザによるパンデミックに自衛隊はこうすべきだ、ということを書きたい所ですが、現状では残念ながら出来ることはほとんどありません。

直ぐに出来ることが有るとすれば、感染地域からの在留邦人の非難を特輸隊の政府専用機を使って行うくらいです。
ですが、それさえも、要員に十分な装備や準備ができる訳ではありません。

今までも、防疫関連としては、生物兵器による攻撃が、特殊武器攻撃として想定されてはいました。
ですが、特殊武器の中では核と化学にはそれなりの配慮がされていたものの、生物兵器に対しては対処が非常に難しいこともあって、対策はほとんど採られていなかったと言ってよい状況です。
このことは、NBC防護のための部隊の名称が化学防護隊などと言う名前になっていることにも表れています。
そのため、パンデミックに対しては、それほど準備ができていないのです。

米軍の場合は、生物兵器の研究も進んでいたこともあり、映画「アウトブレイク」や「バイオハザード」にも多数登場しているように、CDCなどと連携してパンデミックに対応する能力が備えられています。
(余談ですが、アウトブレイクのネタ本と言われるノンフィクションの「ホット・ゾーン」は、オススメです。「アウトブレイク」やホラーなんて目じゃない怖さがあります)

自衛隊の場合、今年21年度の概算要求に「新型インフルエンザのパンデミック対応」として44億円を投じて能力整備する予定でした。
ところがこの項目は、その後の予算折衝でそっくり削られてしまいました。
当初「新たな脅威や多様な事態等への対応」の中に、新たな項目として入っており、「自衛隊もやっと本腰か」、と思っていたのですが、なんとも残念な結果です。
豚インフルエンザのニュースに接して、関係者は今頃歯噛みしていることでしょう。
はたして不明だったのは財務省だったのか、あるいは防衛省だったのかは分かりませんが、少なくとも今年度予算の反省点であることは間違いありません。

この消えてしまった新たな予算項目「新型インフルエンザのパンデミック対応」ですが、中身を見ると次のようになっていました。
・在外邦人輸送、国内物資輸送等
 輸送機・輸送艦等の乗員、物資輸送に従事する隊員用の感染防護衣、感染防護マスク、手袋等
・医療支援
 医療従事者用の感染防護衣、感染防護マスク、手袋等
 人工呼吸器、X線撮影装など治療・診断用器材
・自衛隊の機能維持
 感染防護マスク、抗インフルエンザ薬等

なかなか意欲的だなと思った点は、最初の輸送機や輸送艦乗員などのための感染防護装備です。
対生物、特にインフルエンザなどのウイルスに対しては、通常の化学兵器用の装備とはレベルの違う防護性能が必要です。
特に、呼吸のための装備には外気をろ過するようなマスクではウイルスの遮断がし切れないため、消防が使う空気呼吸器のような装備が必要です。
本当にそこまでの装備をさせるつもりだったのかは分かりませんが、概算要求に盛り込む以上、装着しながら航空機などの操縦操作や必要なコミュニケーションを取れる装備の選定も終っていたのでしょう。

もし概算要求の通り盛り込まれていれば、今頃緊急に納入され、活躍の場も出てきたかもしれません。
44億ほどの予算は、いきなりひねり出せないでしょうが、もし豚インフルエンザが本当にパンデミックになるような様相となれば、これらは緊急に取得されることになるかもしれません。

2009年5月 9日 (土)

自衛隊による防疫活動

先日の記事「豚インフルのパンデミックに自衛隊の出番は?」に対して、さむざむ。氏から今年の予算からパンデミック対応関連予算が消えた内情などについてコメントを頂きました。

コメントで返すことが本来でしょうが、内容が深くなるので、記事にすることにしました。
頂いたコメントの細部については、先日の記事をご覧下さい。

自衛隊が防疫活動を含む災害派遣を実施するにあたっては、「災害派遣の3要件」と言われるものを満たしている必要があります。
この災害派遣の3要件とは、「公共性」「非代替性」「緊急性」の3つです。
この内で、「非代替性」以外はなんとなく理解できるでしょう。「非代替性」とは、平たく言えば「他に有効な手段がない」という事です。
例を挙げると、行方不明者が出た場合、まずは警察が対処すべき事なので、警察が余力がある状態では非代替性も満たしていないということになります。
なんとなく災害派遣できそうですが、この「非代替性」を満たしていないということから災害派遣が行われていない例としては、移植用臓器の輸送なんかもあります。この場合、民間機のチャーターなどにより迅速に輸送する手段がないとは言えないため、災害派遣はできないという訳です。

縁あって、災害派遣の担当者となったことが何度かありましたが、実際に派遣の打診を受けながら、この3要件を満たしていないことから断ったケースもありました。
伝聞として聞いた話も含め、派遣の打診を断ったケースでは、やはり自治体等の担当者が、この「非代替性」を十分理解していないと思える事が多数でした。

さて、なぜこの3要件について書いたかと言うと、今年度予算の概算要求に載っていた予算項目「新型インフルエンザのパンデミック対応」が、実際の予算案から落とされた理由が、この「非代替性」に問題があったからだ、というお話だったからです。
「防疫」は本来厚生労働省の仕事で、厚生労働省関係の機関に同様の予算を付けるより先に防衛省に予算をつける事はおかしい、ということでしょう。
ただし、これは理由というより、建前のようです。要は、厚生労働省が自分の領分を防衛省に犯されることを懸念した、というところにあるようです。

私の考えとしては、防衛省が「非代替性」に問題があるからと言って、この新たな予算項目を削る必要はないと思っています。
というのも、以前は災害派遣は自衛隊の「本来任務」ではなく、「付随的な業務」でしたが、現在では自衛隊法の改正により「本来任務」の一つとなっているからです。
もともと、災害派遣の実施にあたり、前記の3要件が求められた主旨も、災害派遣が自衛隊の「本来任務」ではなく、「付随的な業務」であり、「本来の任務に支障のない範囲でやれば良い業務」だったからです。
しかし現在では、災害派遣も「本来やるべき仕事」となっています。当然、必要な投資は行ってしかるべきモノです。防疫に関しては、主担当が厚生労働省であることは疑うべくもないですが、防衛省・自衛隊も関与してゆく根拠(自衛隊法改正による災害派遣の本来任務化)は出来ていると思うのです。

災害派遣の3要件が、派遣に当たって求められなくなったという話は聞きません。ですが、主旨を考えれば厳密に3要件を満たしている必要はなくなったはずです。
実際に、3要件を厳密に適用しないことは、災害派遣が本来任務とされる以前から流れとして定着している感がありました。
これは、地域との関係を重視する陸自に顕著で、私が現役自衛官だった頃にも「ホントにコレを受けたのか?」と思うような災害派遣要請を受け(基本的に事前に打診があり、派遣を受けるとなった時に、初めて派遣要請が出される場合が普通)、派遣している事が良くありました。

この流れのエポックとしては、雲仙普賢岳における災害派遣があります。雲仙での災害派遣では、消防の活動が限界とは言えない状況で、つまり「非代替性」が怪しい状況で災害派遣が実施されています。
この件については、「自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ」様のコチラ のページを覗いて見てください。

この雲仙のケースに限らず、実際に3要件が怪しい状況で災害派遣を行っている訳ですから、自衛隊が災害派遣として防疫を行う装備を買っても建前上でも問題ないはずです。

問題は、政府が行う防疫活動の内、自衛隊がどのあたりを行うか、という点かもしれません。
この辺は、「災害派遣なんか自衛隊の仕事ではない」という意見の方もおりますし、汚れ仕事ばかり押し付けられるケースが多いことから、異論も多いと思いますが、私は汚れ仕事(感染した家畜の処分など)をも主体となって動くつもりで良いと思っています。
検知や指揮は厚生労働省所轄の機関が行い、消毒薬の散布などを含めて自衛隊が行うという分担で良いのではないでしょうか。
交通統制などによる汚染地域の封鎖などは、アメリカでは軍が行いますが、日本の場合は市民が銃を持ち出してくることはありませんし、一般市民に対して強圧的になることに慣れている警察が行った方がスムーズなような気がします。

ただし、自衛官が汚染地域に入ることになる訳ですから、装備も抗ウイルスマスクやディスポーザブル防護衣程度ではなく、空気呼吸器を供えた完全気密型の防護衣を備え、教育訓練についても十分に行っておく必要があるでしょう。
そして、そこまで行っておけば、炭疽菌などの生物兵器による攻撃やテロが行われても対処できるはずです。

とりあえず装備がないと出来ることは限られてしまいます。
来年(22年度)は、買いましょう。

2010年5月25日 (火)

21年度災害派遣等実績

防衛省が21年度の災害派遣等の実績を公開しています。
http://www.mod.go.jp/jso/press2010/press_pdf/p20100520_2.pdf

この中に、ここ5年間の災害派遣推移が載っていました。
Ws000012
防衛省資料より

ここ5年間、災害派遣件数はコンスタントに減少し続けています。
21年度は17年度比マイナス37%にもなっています。

内訳を見ると、減少は急患輸送の件数減少によるものだと分かります。21年度は17年度の約半数の実施実績です。

防衛省の資料は原因に言及していません。
推測してみるに、ドクターヘリの整備などもあるでしょうが、離島など急患輸送を必要とする地域の過疎化進行がえいきょうしているんじゃないかなと思います。
そう考えると、グッドニュースとは言いかねますね。

のべ派遣人数は、新潟県中越沖地震があった19年に跳ね上がっています。
やはり、大災害には人手が重要だってことでしょうね。
当然と言えば当然ですが、災害派遣の主力は陸自だってことでしょう。

2010年8月18日 (水)

退職自衛官の地方公共団体防災関係部局における在職状況

防衛省が「退職自衛官の地方公共団体防災関係部局における在職状況」という資料を公開しています。

2010年6月30日現在で、総数181名にもなっています。

検索してみても、初のケースが何時何処でだったのかは出てきませんでしたが、退職自衛官を防災等のために自治体職員として採用するケースは、2000年代になってから、中国地方のどこかの県を皮切りにスタートしたと記憶しています。(島根だったような気がするのですがうろ覚え)

それが、10年あまりで200人にも迫る勢いだというのは少々驚きでした。

これは、災害派遣だけでなく、国民保護計画の策定などで、退職自衛官が役立っている証左でしょう。

エリア的には、北海道が圧倒的に多く、市町村を含め25名にもなっています。
恐らく、陸自部隊が多く、地元と密接に結びついてきたからなのでしょう。

意外な事に、都道府県庁に多数を配置している都道府県は、原爆被災地であり、必ずしも自衛隊感情が良いとは言えない広島県と長崎県が共に5名でトップです。続いて、東京都の4名となっています。
広島と長崎が多い理由は、ちょっと思いつきませんでした。両県とも海自の多い県ですので、市区町村よりも県庁とのパイプが太いからかもしれません。
東京都は、やはり国民保護法制関係で人手が必要だったんでしょう。何せ首都ですから。

逆に、都道府県レベルで一人も採用していないのは福井県と長野県、そして沖縄県です。
福井県と長野県は、それぞれ福井市役所と伊那市役所に1名づつ配置されていますが、沖縄県に至っては市町村にも1名もおりません。
これらは、やはり国民保護に関心の薄い県ということになるでしょう。

海のない長野県はともかくとして、北朝鮮に近く、原発銀座もかかえる福井県がこんなことで良いのだろうか?、という疑問は沸きます。

そして、それ以上に、中国に近い沖縄県がこんなことではダメでしょう。

防衛省がこの資料を公開した意図も、沖縄県や福井県に再考を促するためだったのかもしれません。

2010年10月16日 (土)

中国船からのUS-1による洋上救難動画

10月1日に実施された、US-1による急患空輸のための洋上救難について、動画が公開されています。


実施したのは第31航空群所属の救難飛行艇US-1Aで、救難対象は、ナント中国籍のコンテナ船の中国人船員です。

尖閣で揉めていても、海自はちゃんと対応しています。
シーマンシップというやつですね。

一応中国大使館から感謝のコメントはあったようです。

関連の記事
中国船籍コンテナ船から 急病乗組員を空輸 犬吠埼沖」(朝雲新聞10年10月7日)

2011年3月13日 (日)

東日本大震災に対応する自衛隊災害派遣について

東日本大震災は、被害状況が分かってくるにつれて、阪神・淡路大震災に匹敵する未曾有の大震災であることが見えてきました。

当然に自衛隊の災害派遣も行われています。
派遣規模は、震災直後の自主派遣による偵察から始まり、12日には2万人規模で行われています。
そして規模を5万人に増強中に更に10万人に増強することが発表されました。
自衛隊派遣、10万人へ 陸海空統合部隊設置」(産経新聞11年3月13日)

自衛官の現員は、22万8536名(09年3月31日現在、H21防衛白書より)ですから、10万にという規模は、全自衛官のほぼ半数を投入することになる数です。

対領空侵犯措置などの通常任務は継続しなければなりませんし、他の地域も完全に開けることはできません。鳥インフルエンザへの対応などをしなければならない可能性もあります。
加えて、海賊対処やPKOで国外に出ている自衛官もいます。
10万人という規模は、菅総理の「自衛隊は最大限の活動をすること」という指示に基づいたほぼ全力対処と言えるでしょう。

余震が続き、危険な状況も予想される任務となりますが、頑張って欲しいと思います。

さて、今回の地震に対応する自衛隊の動きについて、いくつか思うところを書いておきます。

まず、自衛隊だけでなく、派遣を要請する自治体側の動きを含めて、阪神以後の反省の結果、非常にスムーズに動いている感があります。

岩手県知事などは、地震発生のわずか6分後、14時52分に派遣要請していますし、宮城県知事も、その10分後には要請を出しています。

部隊側も迅速に行動し、3時間後には実際に救助活動を実施しています。13日午前には自衛隊が救出した被災者は、累計で5800人に上ったそうです。

これは、災害派遣が本来任務の一つになったこともありますが、国民全体が災害時に自衛隊が出ることを、当たり前と思うようになったことが一番大きな影響を与えていると思われます。

一方で、被災地域の自衛隊部隊は、かれら自身が被害を受けています。
F2戦闘機18機など水没 松島基地、1機120億円」(朝日新聞11年3月12日)
F-2が18機(戦闘機操縦(F-2)課程を行っている21飛行隊が壊滅ということ)も使用不能となれば、FXの選定にも影響が出てくるかもしれません。
連絡のとれない自衛官も多いようです。
Dst11031218260258p1
Dst11031218260258p2
津波で流されたF-2(産経新聞より)

統合部隊も編制され、今回の災害派遣は過去最大の自衛隊実働任務となります。
自衛隊の真価が問われる時と言えそうです。

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