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自衛隊の子ネタ

2008年7月21日 (月)

自衛隊広報施設 渋谷 「自衛館」

今回は、少し趣を変えて、自衛隊の広報について書きます。

広報に力を入れている防衛省では、練馬(陸)、呉(海)、浜松(空)の3箇所に大掛かりな広報施設を作っている。
だが、これだけではありません。
渋谷の街中に自衛隊の広報施設があることをご存知でしょうか。
その名も「自衛館」という。
今回、その「自衛館」を訪れてみたので、そのレポートをまとめる事にしました。

場所は、渋谷駅から徒歩1分ほど、東口前の宮益坂交差点を宮益坂方面に10mほどの位置にある。
センター街などとは向きが異なるものの、渋谷駅至近だ。
良くこんな場所に土地を借りる資金があったもんだと思う。
ただし、面積は非常に狭いし、入り口も目立たないので、探しながら歩かないと通り過ぎてしまう。
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宮益坂から駅方面を見た写真。小さな袖看板、しかも白で目立たない。

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近づくとこんな感じ。

外から見ると、制服を着たマネキンが目立つが、ぱっと見た感じでは「自衛隊」という雰囲気はない。
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自衛隊オフィシャルスペースだそうだ。
ドアは開け放しだし、明るい雰囲気。
このへんもアウトソーシングしたことがプラスになっている。自衛官が作ったら絶対にこんな雰囲気にはならないだろう。

中に入ってみると、模型やDVDを展示したショーケースに、ビデオを流すディスプレー、自衛隊のサイトにつないだパソコンなどが置いてある。
ラックには入隊案内などが入っている。
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ここに置いてある制服は、自由に着ることが出来るようで、制服を着て撮影した記念写真が張ってあった。
子供以外は、みんな少し気恥ずかしそうだ。
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やっぱり最も多いポーズは敬礼だった。素人の敬礼でも、制服を着るとそれなりに見える。
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撮影用の各種服装。迷彩服なども用意されていた。
ここの目玉は、やはりこの服を着て写真を撮れるという点だろう。
単に服を着せるだけでなく、背景用のシートを用意したスタジオを併設するくらいすれば、かなり受けると思う。
小道具のモデルガンなども置いておけば良いのに。

正直言って、これと言ったモノはないが、これだけのスペースでは仕方なかろう。
奥のカウンターに2人のお姉さんが居たので話を聞いてみた。
まずは、観客の入りを聞いてみると、平日で30から40人、休日では100人近くになることもあるそうだ。予想よりは多い。
7月1日にオープンし、その時のセレモニーがニュースになったので、それを見て来た人が多いと言っていました。
この数を維持するには、定期的に展示物を入れ替えるなどしないと、難しいんじゃないかな。
(上に書いた、スタジオ案なんか悪くないと思うが)

若者が多いと言われる渋谷に設置したという点から、この広報施設の主目的が、新隊員のリクルートだろうと思っていたのですが、2人のおねえさんに聞いたところ、そうではないらしい。
自衛隊の活動を広く知ってもらうためという、極めて一般的な目的だそうです。
まあ、確かに、練馬(朝霞)、呉、浜松の広報施設は、地元民でない限り、興味のある人しか行かないだろう。
ブログで取り上げられるなど、口コミで話題になれば、渋谷に遊びついでに寄る人も多いかもしれない。

2人のお姉さんを一見して分かったが、ここの施設は、維持管理をアウトソーシングで部外に発注しているようだ。
確かに、日に数十人しかない来客の相手に、専門的教育の必要な自衛官を貼り付けておくのはもったいない。
マニアが来ることを考えた広報施設ではないようなので、これでも十分なんだろう。

自衛隊の制服を着てみたい!
という方は、是非一度行って見てください。
もちろんタダ(カメラは持っていけば撮り放題)
自衛隊を就職先の候補に自衛隊と考えているけど、地方本部(昔の地連)に行くのはちょっと・・・と尻込みしてしまう人も、専門のリクルーターが居るわけではないので、気軽に足を運べると思います。

2008年7月28日 (月)

自衛官の結婚式

先日、知人(自衛官ではない)の結婚式に出席しました。
そこで、突然ではありますが、今回は自衛官の結婚式について書いてみます。

自衛官の結婚式の中で、一般の方と最も異なる点は、やはり制服です。別に決められているわけではないですが、制服を着る者がほとんどのような気がします。

最大のメリットは、やはり目立つ事です。普通の方には出来ないことなので、着ているというだけで非常に目立ちます。
花嫁さんの服装が、白無垢、十二単、ウエディングドレスであれ、なんであれ、合わせる必要がないということもメリットです。
親戚一同にめったに見せられない自衛官としての姿を見せられる機会という事もあるでしょう。
一方デメリットは、やはり目立ってしまう事です。
結婚式の主役は2人ですが、やはり見せるという点ではふつう花嫁さんを立てるものです。しかし、制服を着ると花嫁さんを食ってしまいかねません。そのため、花嫁さんの方で、着てほしくないという方も居るようです。

制服にも、着方がいくつかあります。結婚式の場合、自衛隊の式典などでする通常の礼装で済ます事もありますが、多くの場合は儀礼用の服装を着ます。飾りの付いた階級章に、肩にはモールを付け、サーベル(儀礼刀)を下げます。制帽もモール付きです。
通常の礼装は、単に白手袋をはめるだけなので、自衛官全員が持っていますが、儀礼用の服装は、将官か副官でもなければ持っていません。
(音楽隊も似たような服装ですが、あちらは音楽服(演奏服?)と言うようです。)

そこで普通はレンタルすることになります。
レンタルは、市ヶ谷駐屯地内に売店を構え、私物の制服販売なども行っている美玉(みたま)さんという業者さんが独占的に行っています。一式10万円ほどだったでしょうか。サーベルなどの小物を含めての値段なので、妥当なとこだと思います。
美玉さんは、基地などにある厚生施設にパンフレットを置いているだけで、HPもありません。確認したわけではないですが、一般の方への貸し出しはしてないのでしょう。

ちなみに私も美玉さんから借りました。
この時にモールを付けた経験などは、その後もちょっぴり役立ちました。

制服の他には、自衛官だからといって特別な点はあまりありません。
入隊直後の教育課程同期などとは、非常に濃密な付き合いをしている場合が多いので、スピーチなどで強烈な暴露があったりする程度でしょうか。
余興などが下品になりがちなのは、K官やS官も同じかもしれません。

最近では、現職のまま結婚する女性自衛官も多いですが、結婚式に制服を着た女性自衛官という話は聞いたことがありません。
美玉さんでもレンタルの品があるのかないのか、現役時に聞いてみれば良かったとちょっぴり後悔しています。

2008年8月 4日 (月)

自衛官は民間では使えない?

私が現役自衛官だった時、定年などで退職した自衛官が再就職先で苦労するという話を良く耳にしました。雇用者側とすれば「使えない」となる訳ですが、果たして本当にそうでしょうか。
今回は、社会に出てからの十数年を自衛隊で過ごし、現在は民間で働いているという私の経験から、自衛官(特に幹部自衛官)が民間に移ることについて書いてみます。

わたし自身、自衛隊に十数年もいた訳ですので、文化の違いに戸惑うことはあります。しかし、自衛官として過ごした経験が、マイナスになっていると感じることは全くありません。(現在の就業先は、いわゆる防衛産業ではなく、自衛隊とはなんの関係も無い民間企業です。)
それどころか、多くの先輩にご指導してもらったお陰で、働けているように思います。そのことは、一重には、私の自衛隊勤務の半分以上が各級司令部における幕僚勤務だったこともあるとは思います。
レポートやプレゼンの作成の作成は、口調を変えただけで、他には自衛官時代と変えてはいません。むしろ、現役自衛官だった頃の方が厳しい指摘を受けたくらいです。(民間は指摘される事なく評価だけされるため、こちらの方が厳しいか?)
ビジネスの世界で使用される経営戦略分析手法などは、その元をたどると、軍事発だったというものが結構あるのです。
有名な例を上げると、オペレーションズ・リサーチやランチェスターの法則などがその典型です。
自衛官の軍事知識は、自衛隊の外に出たら使いものにならないものではないのです。

アメリカのビジネス界では、軍出身という人は珍しくありません。軍自体が階級のピラミッド構造を維持するため、途中退職をし易いシステムをとっているということも一因ですが、必要な知識は異なるものの、経営戦略も思考のプロセスについては、軍事戦略とそれほど違いはなく、ウエストポイントなどの士官学校で教えていることを応用すれば、ビジネスにも対応してゆけるからなのでしょう。
なにせ、「戦略」という言葉自体、もともと軍事の専門用語です。戦略と戦術、目的と目標、選択と集中、どれも自衛隊の教育で教わり、その後の幕僚活動の基礎とし、今はビジネスに役立てている思考の方法です。
ビジネス書にも、わざわざ軍事関係が元ネタであることを宣伝しているものまであります。孫子やクラウゼヴィッツもその範疇に入るかもしれません。

日本の社会全体で、終身雇用はもはや崩れたと言ってもいい状況です。ですが、自衛隊の人事は、未だに、終身雇用を前提に計画されています。自衛官は民間において決して使い物にならないものではありません。民間企業の意識が変わる必要はあるでしょうが、こと幹部においては、途中退職をし易い環境を作れば、現状で歪になっているピラミッドも正常に近づけられます。

2008年8月15日 (金)

副官のお仕事 その1

現在の自衛隊でも、高級幹部には副官が付きます。
小説やドラマの中では、脇役として良く登場する副官ですが、今回はその副官とその補佐にあたる副官付(曹・士)の職務などについて書いてみたいと思います。
ちょっと長くなるので、数回に分けて書く予定です。

副官とは、一言で言えば高級幹部の秘書です。
スケジュール調整や、来客の接遇などが主な仕事になります。
その仕事の詳細に入る前に、副官の位置付けなどについて書いておきましょう。

高級幹部といっても、単純に階級によって副官が付く付かないが決まっているわけではありません。基本的に指揮官職でなければ副官は付きません。つまり将官が補職されていても、幕僚には付かないという事です。ただし、統合幕僚長、陸海空の各幕僚長は別です。
通常、ナンタラ司令という名称の役職に付いていると考えれば、だいたい合ってます。副司令など、副指揮官には付きません。また、各駐屯地、基地のトップは、部外との接触も多いため、副官が付くと思っていただいて大丈夫です。階級的には、将あるいは将補です。
副官の方は、1尉か2尉、まれに3尉ということもあります。ただし統合幕僚長、陸海空の幕僚長については、2佐と3佐の二人の副官が付きます。
副官の人選は、総務(部・課)と人事(部・課)が行い、付かれる形になる将官本人の承認を得て決まります。以前は、優秀なものが選抜され、将来の勉強をさせると言われていましたが、最近では、もしや懲罰人事か?(一般に副官は激務なため)と思われるような場合もあります。職種(空自では特技という)を指揮官に合わせるというような場合もあります。
また、副官の補佐役として、副官付と言われる曹・士隊員もいます。一応副官の部下という位置付けで、副官と副官付のいる部署は副官室と呼ばれます。実際に一部屋確保されている場合が多く、大抵はお茶出しなどを行うため、小ぶりな給湯室のような一角を備えています。
副官は通常男性自衛官です。しかし、高級幹部になる女性自衛官も出てきていますので、おそらく将来は付かれる形となる将官の性別に合わせることになるでしょう。副官付は、1名ないしは2名ですが、一人は女性自衛官です。誰しも、来客時の接遇(要はお茶出し)は、女性の方が嬉しいということです。
また、副官室のメンバーではありませんが、専属のドライバーも付きます。

次回は、任務について書くつもりです。

2008年9月 5日 (金)

副官のお仕事 その2

前回は、副官と副官付の位置付けを書いたので、今回は副官の実際のお仕事(任務)について、1日のスケジュールを追って書いてみます。
一応お断りしておきますが、以下は、空自の一般的な副官について書いています。見知っている限りでは、陸海もそう違わないようですが、異なる場合もあるでしょう。

一般的に、幕僚よりも30分から1時間程度は早く登庁します。他の部課と異なり、普通朝礼などは行いませんが、副官付との打ち合わせは必須です。指揮官自身の登庁は遅めですが、出迎えるだけでなく、大抵は専属ドライバーが官舎に迎えに行く際に同行します。

指揮官が登庁すれば、女性の副官付がお茶を出すとともに、一日のスケジュールについて報告します。(迎えの車内で済ます方も多し)朝食を登庁してから食べる指揮官の場合、お茶ではなく食事を出すことになります。

その後、特に行事のない日であれば、続々と決裁を仰ぎに幕僚が訪れます。副官は、アポイントの有無、役職などを勘案して、幕僚が決裁を受けるために入室する順序をコントロールします。内容の重要度や緊急性も勘案するので、部隊全体の動きを承知していることも必要です。そのためには、決裁を受ける文書の内容を見せてもらうことも良くあります。

指揮官の昼食は大抵が会食なので、食堂まで同行し、指揮官の食事の間に自分も食事を取ります。給仕については、食堂のスタッフが行うので、副官が手を出すことはありません。指揮官が執務室に帰る際、当然随行しなければならないため、自分は急いで食べます。指揮官もそれは分かっているので、あまり早く食べ終わる方は少ないですが、中には例外もおられるので、そういう方に付いた場合は大変です。
自衛隊の食堂は、日替わりの単一メニューをセルフサービルで取ります。時間的に集中するので、かなり並ぶのが常です。しかし、副官と専属ドライバーは割り込みOKで最優先で食べることが出来ます。

午後のスケジュールも、午前同様ですが、指揮官自身も体力維持のためにトレーニングが入ることが普通です。トレーニングメニューはそれぞれですが、副官もこれに同行します。携帯電話を携行し、指揮官に緊急連絡を伝えることが任務ですが、単なる付き合いという側面もあります。
午後の執務が終わり、指揮官が退庁する際も、官舎まで同行することが普通です。

その後、副官室に戻り、翌日以降の準備をすることになりますが、この流れにならないケースも非常に多くなります。
指揮官が、部内外の夜の会合に参加するからです。役職などで差異はありますが、基地司令など部外との関わりが多い職務の場合、ほぼ毎日という方もおられます。
副官は、午後のトレーニングと同様で、緊急連絡を伝えることを含め、大抵は同行することになります。任務終了は指揮官を官舎に送り届けるまでです。

当然ですが、1日の勤務時間は非常に長くなります。部内外のVIPと関るため、気も使います。私が知る限り、希望して副官に付いたという方は聞いたことがありません。
また、勤務時間が長くても、手当て(給与の一部)はありません。
しかし、良い点もあります。指揮官に余程嫌われない限り、次の補職(勤務先)については、かなり希望にそった配置がして貰えます。
他にも、ある意味おいしい思いが出来るというメリットもあるのですが、それらは次回以降に書きたいと思います。

2008年9月29日 (月)

副官のお仕事 その3

ここのところ、硬い内容の記事が多かったので、今回は「副官のお仕事」シリーズの続きを書きます。


前回、なにも行事の無い日の業務について書いたので、今回は、行事がある日の仕事についてです。いろいろな行事がありますが、最も分かりやすいケースとして、視察の場合を書いてみたいと思います。これだけでも長くなるので、2回に分ける予定です。


副官が付くような高級幹部の場合、指揮下の部隊が離れた場所(基地)にあるケースが良くあります。(基地司令の場合は違いますが、厳密に書くと基地司令でも分屯基地がある場合は、分屯基地が指揮下になります)
それらの指揮下部隊を視察する時は、普通は副官が随行します。


視察の予定が入ると、副官の最初の仕事は、視察スケジュールの調整です。
視察先での行動は、ほとんど視察先部隊が計画するため、副官の立てるスケジュールは視察先部隊に到着するまでの移動と、宿泊関係、そして帰りの移動についてとなります。
また、視察先部隊が恥をかかないよう、指揮官のバイオグラフィー(経歴)や趣向(飲み物の好みや喫煙の有無など)について、部隊に連絡するのも副官の仕事です。


移動手段は、一般と同様に車や電車の場合、民間航空機の場合もありますが、当然ながら自衛隊機を使用するケースもあります。


航空自衛隊や海上自衛隊の場合は、空港を持つ基地間で輸送機が定期運行されています。基本は貨物用な訳ですが、あまりスペースで隊員も乗れます。この定期便自体は、高級幹部でなくとも乗れるものですが、高級幹部が利用するケースもあります。
空自が運行している定期便は、C-1輸送機とC-130輸送機、それとCH-47ヘリで、搭乗者はエプロンを歩いて機体の後方から乗り込むわけですが、高級幹部の場合は、車を横付けして前方左(ヘリは右)のドアから入ります。
副官も指揮官に随行するので、基本的に同じ動きです。搭乗すると、1席分空けて指揮官の隣に座るのが普通です。指揮官用には座布団が用意されていますが、副官はそこまでの待遇はされません。(指揮官は、おてふきもサービスされたりします。出してくれるのは無骨なロードマスターですが)


定期便でなく、特別にフライトが組まれる場合も良くあります。
使用される機体は、CH-47やU-4といった連絡任務に使用される機体の他、指揮下部隊が運用する複座型機の場合もあります。(指揮官がパイロットの場合、年間飛行という訓練のため自分で操縦するケースも多い)
この時、航空機のトラブルが発生する可能性もあるため、通常は予備機も準備されます。そして、トラブルが起きなければ、これに副官が乗って随行するケースもあります。
これは、パイロット以外の職種の者が副官になった場合、最もおいしい点かもしれません。
航空自衛官と言えど、パイロット以外で戦闘機や練習機に乗れる場合は、整備職種など非常に限定されるからです。
こういった移動手段として使用される機体としては、やはりT-4が最も良く使われています。
視察などでの移動の場合、ある程度荷物もありますが、T-4などではコックピット内に荷物を入れる余裕はほとんどありません。その場合、増槽(ドロップタンク)にそっくりなトラベルポッドというものが使われます。ポッドの横がパカッと開いて、荷物が入れられるのです。
ポッド内は与圧などされないので、入れるモノは注意しないと爆発します。副官は、こういった場合も考慮して指揮官の荷物(もちろん自分の物も)を準備しないといけません。


次回は、視察先部隊での動きについて書く予定です。

2008年10月 2日 (木)

副官のお仕事 その4

前回の続きです。


視察先部隊に着くと、指揮官が辞退しない限り、栄誉礼が行われます。
栄誉礼と言うと普通は首相や国務大臣が受けるものと思われるでしょうが、自衛隊の礼式に関する訓令において、部隊等の長である将または将補も、指揮下部隊等を就任後初めて又は離任に際して公式に視察する場合などには栄誉礼を行うこと、と定められています。


この時、指揮官は部隊正面の受礼台に立ちます。副官は、台には上がらないものの、台の横で部隊に対して正対して立ちます。ただし捧げ銃(つつ)の敬礼の際には、指揮官の方を向きます。その時は部隊に対しては横を向くということです。


引き続き訓示が行われる場合などは、副官は台の横で部隊に対して正対したままです。明確な決まりは無いと思いますが、訓示を受ける部隊が「休め」の号令を受けている場合も、正面に立っている副官は姿勢を崩せません。気をつけの姿勢のままということです。まさか貧血で倒れる訳にも行きませんから、この辺りも結構大変かも知れません。
ある意味、副官自体が指揮官の権威を表す飾りのようなものです。


栄誉礼や訓示以外は、副官は基本的に司令官に付いているだけです。
視察スケジュールとしては、状況説明と呼ばれるブリーフィング後、装備や訓練風景などを視察する事になります。この時、自衛官であっても普通は目にすることが出来ないような変わった装備や訓練を目にすることが出来ます。副官の仕事の中で、数少ない役得の一つでしょう。


予定が2日以上に及ぶ視察の場合、宿泊をすることになりますが、高級幹部の場合は大抵基地の外部で宿泊することになります。(基地司令以上の階級の者が基地内に居続けると、なにかと迷惑するため)
宿泊費用は旅費として支給されるのですが、これは階級によって異なります。それなりの宿に泊まるなら良いのですが、緊急対応の必要もあり、副官は司令官と同じ宿に泊まらざるを得ません。そのため、宿泊代が旅費を上回ってしまうケースもあります。


司令官の視察に同行する場合、分刻みのスケジュールで行動する他、何かと目立つ位置に居続けなければならないため、何かと気疲れするものです。
ですが、貴重な体験もできるケースも多く、副官にとっては良くも悪くも非日常な日となります。


副官については、番外編としてもう1回、副官の服装について書くつもりです。

2008年12月20日 (土)

副官の服装

副官のお仕事シリーズ番外編として、今回は副官の服装について書きます。


と言っても、副官は普段から専用の副官服装なんてものがあるわけではありません。
ですが、礼装時はちょっと違います。もちろん普通の礼装のケースもありますが、以前の記事に書いた視察時等では一般の隊員が着用することはないモールで出来た肩章や同じくモール製の副官飾緒を装着します。

このあたりも、副官の存在そのものが、指揮官の権威を顕している部分でしょう。


モールで出来た肩章は、通常「わらじ」と呼ばれています。もちろんその理由は、見た目がわらじに似ているからです。
実はこの「わらじ」、一つ困った点があります。
それは、なかなか向きがわからない事です。180度向きを変えても、ぱっと見には同じに見えます。ですがビミョーに違うのです。
そう頻繁に使うものでもないので、普段は箱に入れて保管していますが、この箱に一緒に入っている装着要領を書いた紙を無くすとどちらが内向きなのか分かりません。
個人で買う装具でもないので、副官申し送りなのですが、以前の方が装着要領を書いた紙無くしていると、途方に暮れる事になるでしょう。

わらじの装着方法は、制服の肩に付いている肩章を付けるためのベルトのようなものを、わらじの下に通して留めます。


もう一つの副官飾緒ですが、これについては、「渉外事務を行う際に着用する副官の飾緒に関する訓令」という規則で、目的や着用区分、制式が示されています。
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1958/ax19580801_00074_000.pdf


副官飾緒は、長さを違えた2重の三つ編モールと、同じく長さを違えた2重の一本紐モールで出来ており、端末には錘のようなもの(陸自では桜花及び桜葉、海自では錨、空自では鷲)が付いています。
この錘のようなものは、規則では金属製金具と規定されてますが、実際のものはメッキされたプラスチック製が多いようです。
現在は飾りになっていますが、元は作戦会議などで使用するためのチョークが原型のようです。現代の副官は完全な秘書ですが、19世紀の副官は副指揮官的な位置付けで、肩に下げたチョークで図を書き、戦闘指導をしたようです。

副官飾緒は完全に飾りで、中に腕を通し、わらじを止めるベルトのようなもので装着します。


わらじのみの装着だと、見栄えとしては今ひとつなのですが、この副官飾緒を付けると、副官の服装はなかなか映えて見えます。


なお、この副官飾緒に似たものとして、警衛隊員が装着しているものがありますが、あちらは不審者などの捕縛用で、使用時は編みこんだ紐を解いて手錠代わりに使う実用品です。また、警衛隊員のものは、前述の金属製金具の変わりに、ホイッスルが付いています。


高級幹部以外で、わらじや飾緒を装着するのは副官と儀仗隊、音楽隊くらいですので、制服にあこがれて自衛官を目指している方は、副官を目指すと良いかもしれません。(副官用なので、副官付(曹士)では着用しません。)


蛇足ですが、自衛官の結婚式の時に美玉さんからレンタルする礼装も、副官の礼装とほぼ同じモノ(わらじ飾緒付き)です。

2009年2月 3日 (火)

3種の効用

先日の記事「省エネじゃない 」に対して、某氏からコメントを頂きました。その中で自衛隊の省エネ策として厚着・薄着の推奨というのがありました。

もちろん、その通りなのですが、薄着の推奨については、「クールビズ」なんて言葉が発生する遥か以前から、自衛隊は民間より先進的です。

それは、3種夏服と呼ばれる半そでの制服の存在です。
通常「3種」と呼ばれる夏用制服は、半そでであるだけでなく、生地は麻混ですし、前が大きく開いた開襟の制服です。
ちなみに、1種は冬用制服と同じデザインで、生地を通気性の良いものに換えたもの(Yシャツも着る)。2種は、3種と同じ生地ですが、長袖でタイも締めるものです。

現役自衛官だった頃には、さして気に留めることもなかったのですが、民間に出てスーツを着るようになると、3種のありがたみが身にしみます。

また、過去には半そでの作業服である防暑服なんてのもありました。

自衛隊は、実はクールビズの元祖だったんです。

2009年2月 7日 (土)

缶メシ

キッチンの整理をしていたところ、棚の奥から忘れられていた自衛隊の携行食、通称缶メシ(副食のみ)と米軍のレーションが出てきました。

最近ではミリメシがムックなどに取り上げられてブームになっていたりするので、今さら私が取り上げるまでもないのですが、単に食べるだけではもったいないので、こちらで紹介します。
今回は、出てきたものの中から、缶メシの副食を取り上げます。主食のメシを出すのが一番なのですが、主食の方は発掘されませんでした。

出てきたものは2種類
一つは副食の王道たくあん。
もっとも配られる可能性の高い副食メニューです。
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小さく2食分と書いてあります。
通常2人に1缶配られます。

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中身はこんな感じ。
よくある薄切りではなく、ブツ切り状態で、一口で食べるのはつらいため、普通は少しずつかじります。
味は結構好評で、酒のつまみにもなります。

もう一缶は、ます野菜煮
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特に頻繁にでるメニューという訳でもなく、たまたま偶然に残っていたものです。

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ますと共に、たけのこ、にんじん、コブ巻きがきれいに並べられて入ってます。
味はちょっと濃い目でしょうか。
野菜にもますの味が染み込んでいて、なかなかです。

さて、なんで今さらこんなものが出てきたかと言うと、一言で言えば缶メシが敬遠されていたからです。
この缶メシ、味は決して不味くはありません。種類も結構多くあります。
ですが、どれも似たような味付けなんです。
という訳で、飽きます。

訓練の折、これしか食べることができなければこれを食べますが、他のものを食べることができれば、そちらを食べて缶メシを残しておくということをよくやります。
当然保存も利くので、とっておけば食事に手をかけたくない時に重宝します。
そんな訳で、棚の奥から発掘されました。

ご紹介できなかったのですが、主食の方は缶ごと鍋で煮て温めることで、半日ほどは暖かいままおいしく食べられます。

これで缶メシも食べ納めかな。

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