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先島防衛

2008年7月 3日 (木)

空母と下地島

しらね後継は軽空母スレにおいて、尖閣などを理由に中国とぶつかった場合に下地島を活用する話題が出てました。
ただし、下地島空港が作られた本来の目的である民間機操縦者向けの訓練が多く、自衛隊が使えないのではという意見でした。また、種子島近くの馬毛島を使用する話題が出ていたので、次のように回答してます。
なお、もともと空母スレなこともあり空母の話題がかなりでてましたが、いろいろな面で現状では不毛な論議なので、ヘリ空母と言って差し障りのない「ひゅうが」についてのみ言及してます。

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下地島は、民間航空機の訓練需要がシミュレーターの発展などで伸び悩み、当初予定されたほど使用されていなかったはずです。
そのおかげで、補助金を当て込んだ自衛隊訓練誘致の話も出ていたはず。

種子島沖では、航空機の作戦基盤としては遠すぎると思います。
空軍力で比較すると、既に中国には量的にも質的にも負けている状況なので、作戦空域までの距離はせめて同程度でないと苦しくなります。
尖閣中国本土間と尖閣先島間の距離が同程度なので、下地、宮古、石垣を使うのがベストではないでしょうか?
(石垣は滑走路長を延長したいけど、環境問題などで難しそう)

ひゅうがが有効に機能するとすれば、先島、那覇(あるいは九州)間の輸送護衛ではないでしょうか。
先島を使うとすれば、補給線が生命線になるように思えます。

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下地島のことを知っている人も多少はいました。
その点では安心しましたが、空母保有が現実的だと思っている方が多いことに、ビックリしました。
下地島については、別の機会に詳しく触れたいと思います。

2008年7月30日 (水)

那覇基地での空中給油機運用可能に

那覇基地でKC767運用が可能となるよう、エプロンの強化が決まったようです。

那覇空港と共用のため、ランウェイはもともと大型機が運用できるスペックを持っていますが、エプロンは大型機の駐機に対応できる強度がありませんでした。
報道では、コンクリートの嵩上げ工事が行われることしか書かれていませんが、空中給油機として運用可能とするためには、エプロン内に給油用のホース接続口も設けられるのでしょう。

そして、報道では言及されていませんが、KC767が運用可能となるということは、E767AWACSが運用可能になるという事でもあります。
防空では、長期に渡って警戒態勢をとり続ける必要があります。AWACSとKCを運用できるようになることで、南西航空混成団は非常に喜んでいるでしょう。F-15の配備に加え、これによって、先島や尖閣周辺での航空機運用能力が強化されます。尖閣上空での航空優勢確保がずいぶんとやり易くなるはずです。

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航空自衛隊那覇基地 給油機飛来へ駐機場強化
7月29日9時45分配信 琉球新報

 【東京】防衛省は28日までに、航空自衛隊那覇基地で空中給油・輸送機KC767の着陸、給油を可能にするため、既存の駐機場を補強整備することを決めた。同日、沖縄防衛局が県と那覇市に説明した。9月ごろから測量などの調査を始め、2009年度末までに完成させる。同基地は本年度からF15戦闘機が配備される予定で、空中給油機の飛来にも対応できるよう整備することで、基地強化がさらに進むことになりそうだ。
 空自は、07―09年度にかけ、愛知県の小牧基地を母基地にKC767の配備を進めている。現在、同基地に2機配備されており、4機まで配備を増やす予定。那覇基地に訓練で飛来する際に、給油が行えるようにする。
 防衛省は、那覇基地を整備する理由について「当該航空機は小牧基地を母基地とするが、南北に長い国土の中央に位置する母基地のみで運用することは、不経済・非効率だ。運用のために必要最低限の整備を行う」と説明している。北海道の千歳基地も同様に整備する。
 総事業費は3億円。那覇空港にある既存の空自駐機場を重い航空機でも対応できるようコンクリートで舗装する。
 那覇基地所属のF4ファントム戦闘機は老朽化のため、08年度中に百里基地(茨城県)のF15戦闘機部隊と入れ替える。空自は「F15航空部隊の展開と今回の空中給油機の整備とは関係ない」と否定している。

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後は、下地島空港、宮古島空港の基地化ですね。

2008年8月17日 (日)

陸自の宮古島駐屯

陸上自衛隊の宮古島駐屯は、ほぼ規定路線のようですが、今までのところ防衛省からの発表はありません。

来年度予算の概算要求が今月8月末なので、費用(部隊改編、用地取得、施設整備など)が来年度予算に盛り込まれるとすると、そろそろアナウンスがあるはずです。
そこで今回は、現在ある情報を元に、陸自の宮古島駐屯について、勝手な予測を書いてみます。

現中期防(H17~H21)には、混成団の旅団への改編が明記されており、来年が最終年度にあたるため、第1混成団の旅団への改編は、間違いなく来年でしょう。
2006年10月4日付の琉球新報の記事では、宮古島に2百人規模の部隊を配備させると書かれています。この記事では、空自の宮古島分屯基地とは別の基地(陸自だから駐屯地のはず)を建設するとなっています。200人もの部隊が出来れば、非常に狭い空自の宮古島分屯基地の中に入りきらないことは当然なので、やはり新たな駐屯地が出来ると見るべきでしょう。(200人という規模からすれば分屯地か?)

どのような部隊が配備されるのかという点については、現在のところ具体的な情報はないようです。推論の手助けになる情報としては、防衛計画の大綱くらいです。大綱では、島嶼部に対する侵略への対応として、「島嶼部に対する侵略に対しては、部隊を機動的に輸送・展開し、迅速に対応するものとし、実効的な対処能力を備えた体制を保持する。」と記述されています。
大綱に沿った部隊が配備されるとすると、ヘリを運用する飛行隊の可能性があります。また、それ以外だとすると当然、普通科部隊ということになります。
200人と聞くと、多いような気もしますが、この部隊だけで先島、八重山全域(尖閣諸島を含む)を担当することは出来るはずはないので、やはり、第1混成団から改編される旅団、あるいは西方普通科連隊を受け入れるための部隊となるのでしょう。
とすると、一部が普通科、一部が航空科という可能性もあります。

場所については、新規に用地取得されるとすると、先島の地勢について、そこまで深く承知しているわけではないので、推論することも難しいのですが、一部でも航空科部隊が配備されるとすると、現在は利用されていない宮古空港の旧ターミナル地区の可能性が高いのではないかと思います。エプロンも広いので、ヘリの運用には十分すぎる地積です。

ざくっと書いて見ましたが、果たしてどの程度的中しているでしょうか。あと10日もしない内に答えが出てくると思います。

2008年8月28日 (木)

陸自の宮古島駐屯と1混団改編 続報

ちょうど10日ほど前の記事に、陸自の宮古島駐屯について、あと10日もしない内にわかるだろうと書きました。
そんなわけで、全国紙だけでなく琉球新報、沖縄タイムス、宮古島毎日新聞などもチェックしてきましたが、概算要求関連のニュースはあるものの、「宮古島」の文字はどこにも現れません。さては見送りになったのでしょうか。

確認のため、防衛省のHPをのぞいて見ましたが、まだ21年度の概算要求資料は公開されていません。

各社の報道の中、1混団関係は、沖縄タイムスの昨日26日夕刊が詳しく報じています。
名称は第15旅団となり、定員は3百人増の約2100人、唯一の離島タイプの旅団だとされている。化学防護隊も編成されるようだ。
離島タイプとして機動力の高い部隊となる予定のようだが、現有の航空機の数は維持するとしている点が少々疑問。
沖縄は、ただでさえ急患空輸の災害派遣が多く、普段から忙しい業務をしているのに、それに加えて訓練が増えることになるだろうから大変だろう。

もうしばらく、ニュースと防衛省HPをチェックしてみます。

以下沖縄タイムスの引用です。
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陸自第1混成団を増強/防衛省
300人増 2100人体制に/唯一の離島対応型
 【東京】防衛省は二十六日、陸上自衛隊第一混成団(那覇市)を二〇〇九年度中に「第一五旅団」に格上げし、定員を約三百人増強、約二千百人体制とする方針を固めた。関係予算を〇九年度予算概算要求に盛り込む。事態対処能力を向上させるため、混成団の混成群を廃止して普通科連隊を新編する。そのほか、敵情を視察する偵察隊や化学防護隊もそれぞれ新編するなど、大幅に組織を改編する。
 第一混成団の旅団化は、〇四年に閣議で決定された中期防衛力整備計画(〇五―〇九年度)に基づく措置。

 第一混成団は「離島タイプの即応近代化旅団」に変容。島しょ侵攻への対応が重視される中、「離島タイプ」と位置付けられる国内唯一の旅団となる。

 機動性の向上を図るため、軽装甲機動車、高機動車を新たに導入。そのほか、航空運用能力を向上させるため、現有の航空機の数は維持しながら、待機体制を強化する方針だ。

 旅団化をめぐって〇八年度は、陸上自衛隊那覇基地内に旅団の中枢機能を果たす司令部庁舎のほか、隊舎を建設中。

 県内では一方で、航空自衛隊が那覇基地の旧型主力戦闘機F4部隊を茨城県百里基地のF15部隊と入れ替える計画もある。〇八年度は施設整備と整備機材の取得が進められており、年度末にも那覇基地へのF15移駐が始まる見通しだ。

 第一混成団の旅団化や那覇基地のF15配備は、軍備力を急速に増強させている中国などをにらんだ「西方シフト」の象徴的な動きといえる。
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2008年9月 3日 (水)

H21概算要求-第1混成団の旅団化

やっと21年度概算要求の概要が防衛省からリリースされました。
http://www.mod.go.jp/j/library/archives/yosan/2009/yosan_gaiyou.pdf
そこで、これから何回かに分けて、気になる点などを書いてみたいと思います。


第1回目としては、今まで何度もブログで取り上げた第1混成団の旅団化改編について書きましょう。なお、宮古島への駐屯についてはなんら記載がないので、少なくとも21年度は見送りになったようです。


まず名称ですが、まだ仮称になっているものの、第15旅団と明記されました。
人員は、1800名から300名増の2100人規模
このあたりは、新聞でも報道されていた通りです。


部隊としては、混成群が増強解体され、普通科連隊、偵察隊、施設中隊、通信隊ができます。普通科、偵察、通信、これらは機動力を高める離島対処旅団らしい編制です。施設中隊は、離島での防御陣地構築や侵入したゲリコマがIEDを設置することへの対処でしょう。


ちょっと意外だったのは、化学防護隊が新編されることです。普通科部隊でもそれなりな事はできるはずですが、化学防護隊を新編するとは思いませんでした。中国が、簡単に大量破壊兵器を使用するとは思えないので、台湾海峡危機なども考慮してのことかも知れません。
また、化学防護隊の組織図上での位置が、旅団司令部・付隊の下に書いてあることが疑問です。ただし、リリースされた資料の図は簡略化されており、司令部の位置もおかしいので、気にしても仕方ない部分かもしれません。


それと、上記の図には、気になる点があります。化学防護隊と同様の位置付けで未掲載の部隊があることを匂わずようなマークが付いています。
もしかすると、「宮古島準備室」というような組織が作られるのかもしれません。


戦力増強している点の定性的な表現を見ると、普通科部隊と車両の増強が図られることになっています。これは、新聞報道にもあったとおり、人員増と軽走行機動車や高機動車の増加を意味していると思われます。
飛行隊については、態勢の充実と記述されており、装備機数が増えないことが分かります。沖縄では急患空輸の仕事も多く、飛行隊は多忙なため、人員増を図り緊急対応能力の向上を図るという意味だと思われます。


この他、改編関係では、第9師団の改編(機甲、特科戦力を削減し、普通科を増強)と第14師団の改編(14飛行隊の新編)が盛り込まれています。

いずれも、大規模な戦争よりもゲリコマなど、非対称戦を強く意識した改編が予定されています。

2008年9月13日 (土)

沖縄の対自衛隊感情

1混団の旅団化改編など、沖縄の問題にたびたび触れてきました。
尖閣の領有権問題や中国の軍拡問題など、防衛問題のホットな地域だからということはもちろんですが、現役自衛官時代に2年以上も住んだ場所だからでもあります。
思い入れもありますし、ある程度は事情を承知しています。


一昨日(9月11日)、那覇空港でF-4型機がフラットタイア(パンク)し、滑走路閉鎖となる事象が発生しました。
そこで今回は、このフラットタイアを報じる新聞記事を比較しながら、沖縄の対自衛隊感情について書いてみます。


沖縄は太平洋戦争で唯一地上戦が行われた場所として、旧軍に対する嫌悪感から自衛隊感情も悪いと良く言われます。
諸先輩方の話を聞いた所では、たしかに昔はそうだったようです。ですが、私が勤務した数年前でも、他の地域と比べて特に自衛隊感情が悪いと感じることはほとんどありませんでした。
むしろ、那覇などでは自衛官が多いこともあり、自衛隊慣れしているようにも思います。(制服でコンビニに入っても、特に気に留める人もいない。)


さて、昨日の那覇空港でのフラットタイアですが、まずは事故の概要を押さえておきましょう。
発生日時は11日午後0時50分頃、空自那覇基地所属のF-4型機が訓練飛行を終えて那覇空港に着陸した際、左主脚のタイヤがパンクし、誘導路上で停止しました。滑走路上に散乱したタイヤ破片等の回収のため、滑走路が約1時間閉鎖されたとのことです。


この事故をネットで報じていた新聞は、沖縄の主要地方紙2紙(沖縄タイムス、琉球新報)、それと石垣島を中心とした八重山諸島の話題を中心に掲載する八重山毎日新聞オンラインでした。宮古島の宮古毎日新聞と八重山日報には掲載されていませんでした。

事故は単なるパンクで、記事にするほどのことはないと思われる方もいるでしょうが、本土と距離のある沖縄では、県外とのアクセス手段はほぼ空路に限られると言って良い状況です。おまけに沖縄本島の空港は那覇空港のみです。
事故の影響は、東京在住者にとって東海道新幹線が止まる以上の影響があります。記事となることはもっともことでしょう。
それは、滑走路閉鎖になるような事故を起こした機体が、たとえ民間機であっても同様にニュースになることから見てもわかることです。


掲載紙の論調を見てみると、沖縄タイムスと琉球新報は、事故概要と影響を淡々と報じており、特に反自衛隊的な感じは受けません。沖縄タイムスの方は、県が原因究明と再発防止策の徹底を申し入れた事も報じている一方で、ランウェイ閉鎖の影響で嘉手納に着陸した別の自衛隊機を気遣うような文面もあり、特段自衛隊を問題視しているようには思えません。


沖縄本島の主要2紙、特に沖縄タイムスの方は、左に偏向しているとの言葉も聞きますが、この事故報道に関する限り、淡々と報じている印象です。


その一方で、八重山毎日新聞には「乗客からは「自衛隊機が民間飛行場を利用するからこんなことになる」と怒りの声が上がった。」という文面が見られ、反自衛隊的な論調になっています。
八重山毎日新聞は、石垣島を中心に発行されている新聞で、すぐ近くにある宮古島の宮古毎日新聞と八重山日報が事故自体を報じていないことと対照的です。


フラットタイアに対する報道を見る限り、全体としては特に自衛隊感情が悪いとは思えませんでした。

その一方で、先島、八重山の局地地方紙?の違いにはちょっと興味がそそられます。
以前から空自の分屯基地がある宮古島の2紙は、事故自体を報じておらず好意的に見えます。
それに対して、自衛隊の駐屯地などがない石垣の新聞は、批判的な記事を掲載しています。

やはり、民心の安定のためにも、先島・八重山に自衛隊が駐屯した方が良さそうです。


ちなみに、自衛隊に好意的と思われる八重山日報と、批判的と思われる八重山毎日新聞は、ともに日本最南端の新聞社と自称して張り合っています。

2008年9月15日 (月)

与那国島への自衛隊配備

前回の記事で沖縄の対自衛隊感情について書いたばかりですが、与那国島で自衛隊の誘致活動が行われているというニュースがあったので、今回は与那国島への自衛隊配備について書きます。


ニュースの内容は、与那国防衛協会が与那国町の人口の30%に及ぶ署名とともに、町と町議会に対して自衛隊の誘致要請を行ったというものでした。

掲載紙は、八重山毎日新聞の9月13日付です。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/11928/
また、この誘致活動が、来年の町長選挙にも影響するという記事も載っています。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/11925/


誘致活動が行われている理由は、中台関係や不審者(船)などに対する対応能力への不安がある他、町の過疎化対策や活性化という側面があるようですが、記事では専ら補助金などによる町の活性化についてばかり書かれています。


住民の治安面での不安や補助金などについては、次のサイトが詳しいのでコチラをご覧下さい。
http://naha.cool.ne.jp/nanao320/topics/topics08.htm


このブログでは、与那国島に自衛隊を配備する場合の部隊種別や規模、その効果について書きます。


配備した場合、最も効果の高い部隊は、空自のレーダーサイトです。
現在あるレーダーサイトは、宮古島の第53警戒隊が最も南西にあるサイトとなります。次は沖縄本島与座岳にある第56警戒郡と久米島の第54警戒隊になるので、宮古の53警隊が非常に重要な役割を担っていることになります。
尖閣との位置関係で言えば、宮古島と与那国島は大差無いので、尖閣諸島の上空に関しては与那国島にサイトを建設してもそれほど大きな影響はありません。
しかし、尖閣諸島をめぐる衝突発生時や平時の離島警備に関して言えば、与那国島にサイトを建設する意義は非常に大きいものがあります。


尖閣や与那国島は、宮古島から150マイル近くもの距離があり、53警隊のレーダーでも中高度以下は見えません。
彼我不明機が高高度を飛行していたとしても、53警隊が探知できるのは、尖閣や与那国まで100マイルを切ってからということです。
尖閣や与那国は、スクランブル機が上がる那覇から250マイル以上もあるため、今年度末に配備機がF-15に変わったところで、スクランブルでは到底間に合わないということになります。(情勢緊迫時はCAPが必要ということ)
加えて中国や台湾は、平時の偵察活動を通じて(ESMや那覇からスクランブル機が上がるタイミング)、53警隊のレーダー覆域をある程度把握しています。その下を飛行されれば、こちらは気が付くことさえできません。


もしも与那国にレーダーサイトがあれば、与那国からは台湾の山が見える位ですので、台湾による活動は、LO-LO-LOでない限りすぐに把握できます。中国機が尖閣に接近する場合も、同様です。


加えて、平時ではADIZやFIRの境界問題がありますが、レーダーで早期に情報が得られれば、現実的な問題は回避できます。


中台危機の場合、台北は宮古島から200マイル以上もあり、通常の航空活動を監視することは不可能です。
与那国にサイトがあれば、台北を含めた台湾北部の状況をかなり把握できます。
これからサイトを作るとなれば、おそらくFPS-5になるでしょうから、中国が台湾に打ち込むSRBMもほとんどが捕捉できるはずです。そして、その情報はJADGEを通じてリアルタイムで米軍にも流れることになります。(日本政府が積極的に意図しなくても、台湾と米軍を支援することになる。日本に対する攻撃も警戒する必要が生じるため、止めることも出来ない。)
ただし、与那国にガメラレーダーを建設するためには、おそらく発電設備の建設などが必要になります。(町はその方が喜ぶ?)


レーダーサイトを設置するとなれば100人以上の自衛官が常駐することになるため、不審船が来航した場合などでも、警察の支援に十分以上の貢献ができるでしょう。
(現在は島にある武器が拳銃2丁と言われる。それが小銃100丁以上になる。近年は空自も基地警備能力を向上させているため、陸自の1個小隊程度の能力にはなる?)
しかし、サイトを新たに建設するとなれば、費用的にも相当になる上、防衛計画の大綱別表に示された基幹部隊数も変更しなければならないため、ハードルは極めて高いと思われます。


レーダーサイト以外には、2000mに延長された与那国空港の滑走路を利用して、航空部隊を配備する可能性も考えられます。
しかし、戦闘機を運用するには滑走路長が十分とは言い難い上、レーダーサイトなしに戦闘機部隊を配備しても効果が薄いでしょう。
海自の哨戒機(P-3やP-X)を配備しても良いですが、足(航続距離)がある上、水上、水中目標は速度が遅いため、那覇からの運用でもそれほど問題がありません。
となると、陸自のヘリや連絡偵察機ですが、島に普通化部隊も配備されるなら、有効な機動力となるでしょう。尖閣が紛争の場になれば、数時間で陸自部隊を上陸させられるため、前進待機する意義は十分にあります。
島の人々にとっては、急患空輸にも威力を発揮するため、もっともありがたい部隊かもしれません。


海自の水上艦艇を配備してパトロールすれば、不審船監視などでは威力を発揮するでしょうが、これは一義的には海上保安庁の任務です。
(海保の小型艦艇、あるいはヘリの常駐はやるべきだと思う)


これ以外となると、もう陸自の普通化部隊しかないでしょう。沿岸監視レーダーを装備した普通化部隊は、島民の安全確保のためには最良ですが、噂されていた宮古島駐屯も現実とはなっていないため、なかなか難しそうです。
配備するとなれば、最低でも1個中隊規模になるでしょうから、家族も含めると島民は10%から20%程度増えることになります。


これまでは、住民の反対を言い訳として、日本政府は南西地域をあまりにも軽視してきたように思えます。
しかし、これからはそれも通用しないでしょう。
与那国への自衛隊配備は、軍事的には意義のあることです。たとえ住民の賛成が得られなくともきちっと検討すべき事項です。

2008年12月 1日 (月)

石垣島に米軍ヘリ

米軍の艦載ヘリが、石垣島の空港を使用したことが、沖縄でニュースになっています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-138505-storytopic-1.html
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-11-29-M_1-027-1_003.html

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(琉球新報)

飛来した2機のヘリは、米海軍のMH-60Sで、グアムにあるアンダーセン基地の第25ヘリコプター海上戦闘中隊所属、強襲揚陸艦エセックスに配備されている機体です。
エセックスは香港から佐世保に帰る途中で、石垣近海を通過したもよう。
今回の飛来は、米海軍が船上で「貴賓イベント」を催し、在沖米総領事館が八重山防衛協会(三木巖会長)の会員ら14人を招待したことから、その送迎のために実施されました。

イベント自体は、各地で行われるオープンハウスなどと同様に、安保体制の重要性や米軍の活動への理解を深めるため行われたものです。
飛来は、米海軍から沖縄県空港課に対して事前に届け出られており、淡々と実施されました。

従来、米軍機による沖縄の民間空港使用は、緊急時を除けば、機体の長距離フェリーのための給油目的程度でした。
それが、今回はイベントのためということで、メディアだけでなく、沖縄県知事や石垣市長も噛み付いたため、結構なニュースになったというところです。

メディアでのいろいろな批判はあれ、沖縄(八重山)の対米軍感情が、イベントに人を招待できるほどに改善したということは良いことだと思います。
たとえ本土でも、米軍が変わったことをすれば反対する人はいるのですから、ニュースになったことをもって沖縄の特異性を語ることは適切ではないと考えてます。

ただし、今回の記事でも、沖縄タイムスの次のような、一部個人の意見を殊更に取り上げる報道姿勢は、マスメディアとして自戒すべきモノでしょう。
以下沖縄タイムス記事の引用
********************
一方、三人の子どもを連れ、同空港を訪れたライアン・千鶴さん(38)=石垣市平得=は「米軍の活動に丸め込もうとしているようで気持ち悪い。子どもたちが戦争に巻き込まれないよう自分の目で何が起きているかを見ようと思って来た」と話した。
********************
今回のイベントに参加した石垣防衛協会のメンバーの一人は、「(エセックスの)規模の大きさに驚いた。島に住んでいると分からないが、この艦船が八重山近海を警戒しなければならない状況に不安を持った」と語っています。
中国の軍事力が急拡大するなか、八重山の方の心配は、首都圏に住む者が考える以上のものがあるのでしょう。

地勢を見ると、台湾から八重山、沖縄本島のラインは、中国の東の海岸線の半分を封鎖する形となっています。
この地勢は、結氷するという条件の違いはあれ、ウラジオストクに対する千島列島と北方四島の関係に似ています。
中国が、大陸国家から海洋国家に姿を変えようとする時、八重山、先島に触手を伸ばさないと考えることは、楽観的すぎる考えに思えます。
石垣防衛協会には、もっと頑張ってもらい、自衛隊や米軍との交流を深めて頂きたいと思います。

2008年12月16日 (火)

那覇空港の拡張案は軍事的にも評価できる?

空自那覇基地と滑走路を共用する軍民共用の那覇空港では、以前からトラフィックがの過密が問題となり、空港拡張が議論されてきました。
これに関して、12月10日、琉球新報が拡張案について報じています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-138878-storytopic-3.html

今回の報道は、拡張の方向が、現在の滑走路の沖合1310mに平行滑走路を設けるものになりそうだとのいうものです。
現在検討は最終段階で、候補には2つの案が残っています。ともに現在の滑走路と平行の滑走路を新設するもので、現滑走路との離間距離を1310mと850mとするものです。
10120475732

10120475737
共に琉球新報より

両案共に、現在ある滑走路の北側からタクシーウェイを経由して沖合の滑走路に向かうもので、お世辞にも利便性が良いとは思えません。ですが、現状より改善されることは間違いないでしょう。

報道では、環境とコストのことばかりが書かれ、防衛への影響は一言も言及されていませんが、拡張プランの策定には当然防衛省も咬んでいるはずです。
もうずいぶんと前になりますが、私が沖縄で勤務していた頃にも、検討状況は防衛庁(当時)にも入ってきていました。

防衛省が実際にどのような要望を国交省側に渡しているのかは分かりません。
また、2本の滑走路の使用を防衛省と国交省で分けるのか、分けるとしたらどちらを使うのかなど、細部はまだ見えてきていないようです。
細部は未定ながらも、今回報じられている方向は、防衛省にとっても悪いものではないと思います。

その理由は、抗坦性、特に弾道ミサイルに対する抗坦性(冗長性も含め)が高まるからです。(中国本土から沖縄本島を航空攻撃することは、政治的にだけでなく航空機の航続距離の面から困難なこともあり、DCAはあまり重要ではない。)

中国は、台湾制圧用に大量のSRBMを配備し、それを開戦劈頭に空港に対して使用することで、空港を使用不能にする戦術を採ると見られています。
SRBMは那覇まで届きませんが、MRBMを用いた同様の作戦を考えている可能性は高いでしょう。
那覇を十分に射程内に捉えるDF-21は、100基弱が配備され、CEPは300mから400mと見られています。もちろん、核弾頭を使用されれば話になりませんが、DF-21が使用可能と見られる通常弾頭や化学弾頭の場合には、滑走路の離間距離は結構重要な問題です。

離間距離が850mでは、ほぼ中央部を目標として発射すれば、どちらかの滑走路に影響を及ぼす可能性が高いでしょう。しかし、離間距離が1310mだった場合、目標をどちらかの滑走路に絞らなければ、無駄となる可能性が高い数値になります。

また、さらに重要な問題として、パトリオットの配置があります。
現在那覇基地に配備されているパトリオット部隊は、PAC-2を装備する第5高射群第17高射隊です。装備がPAC-2なので、南西地域(特に尖閣や先島)に対する脅威が高まれば、5高群は飛行部隊と共に下地島及び宮古島に展開すべきです。代わりに那覇にはPAC-3装備の高射群が配置されるでしょう。
PAC-2ではMRBM対処は不可能ですし、下地島にはSRBMが届くと共に、PAC-2でも効果が期待できます。もちろん対航空機対処(DCA)も重要です。

現在の17高射隊のサイトは、那覇基地の主要区画から離れ、地図中の大嶺崎と記載されている辺りにありますが、もし850m案が採用された場合は移転せざるを得ないでしょう。
那覇基地内で移動できればまだ良しですが、最悪基地内展開は無理かもしれません。基地の主要部から離れ過ぎると、MRBM相手ではPAC-3でも防護範囲が狭いため、対処できなくなる可能性があります。

その点、1310m案では、17高射隊のサイトを移動させる必要はないので、両滑走路の中央から基地全体を防護できます。

おまけ
久々に那覇基地の公式HPを見てみたら、5高群のワッペンがロービジデザインに変わってました。
年度末には飛行部隊も入れ替わるので、那覇は変化が激しいですね。

2009年1月13日 (火)

那覇基地にF-15到着

今年度の事業として計画されていた那覇基地のF-4と百里基地のF-15入れ替えですが、いよいよ部隊移動が始まりました。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-09-M_1-027-1_005.html?PSID=c15df5685317d43e328534c7deb5b648
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-139704-storytopic-1.html


今回の報道は、F-15を装備する204飛行隊の10機の那覇に飛来したというものです。
ビッグスコードロンだった302の後を継ぐため、配備される204飛行隊もビッグスコードロン化されるのかと思っていましたが、配備機数は20機に止まるようです。
整備所要を考えると、機数的には同数以上かもしれません。


今後、204飛行隊の順次展開と慣熟の後、対領空侵犯措置の任務付与が行われ、302飛行隊が百里に移動することになるようです。


部隊入れ替えの理由は、「F-4の減勢対応と島嶼部に対する侵略や領空侵犯等に実効的に対応できる体制を確保する」(防衛省の本年度予算の概要より)となっていました。
急激な質的向上を続ける中国の航空戦力に対して、長らく待たれていた処置です。
今回の措置には、おそらく中国空軍でも注目しているでしょう。


関連する話になりますが、防衛省発表の本年度予算の概要では、「島嶼部に対する侵略や領空侵犯等に実効的に対応」という表現で、F-4による対応がキツイことが書かれていました。
この事について、空自が取材協力しているコミックチャージで連載中の「レディイーグル」にもF-4の足の長さが分かりやすく表現されてました。
南西地域の防衛に興味のある方は、見てみると良いかもしれません。(私も、現在刊行されている単行本3巻までしか見ていませんが)


なお、実際にF-15が配備されると、沖縄のメディアは批判的な記事を書くのかと思っていましたが、主要2紙(沖縄タイムズ、琉球新報)はともに、淡々と報道しています。

より以前の記事一覧

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