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AAA(対空機関砲)

2012年3月15日 (木)

これはやってみたい!_陸自高射学校の対空戦闘シミュレータ

陸自高射学校に、対空戦闘シミュレータが完成したそうです。
高射校 「GSM17」の改修完了 CGで対空射撃訓練」(朝雲新聞12年3月8日)
Gsm17
朝雲新聞より

同シミュレータは、ドーム型スクリーンにCGで表示される対空目標を、対空火器(12・7ミリ重機関銃、携SAM、短SAM(恐らく目視標準具のことだと思われます)、近SAM)で射撃するシミュレーションが出来るとのこと。

自衛隊のシミュレータと言えば、パイロットの飛行訓練に使用されるフライトシミュレータが、まず念頭に浮かぶと思いますが、たとえ素人が乗ったところで、まともに離陸させることもおぼつかなく、面白いものとは言えないと思います。

ですが、これなら楽しめます。
携SAMは、ろくに字も書けないゲリラでも扱えるような代物ですし、短SAMの目視標準具は、もっと簡単です。
ただし、ミサイルとは言え、ちゃんと操作しないと当たりませんので、シミュレータでは当然それも模擬しているでしょう。
そして、ミサイル以上に、50口径機関銃での対空射撃は、地上に対する射撃以上に、バラバラと撃ちまくるような射撃をすることになるので、興奮すること間違いなしでしょう。
衝撃や発射音まで模擬されているなら(空砲も可能なんでしょうが、こんな閉鎖空間で50口径を撃ったら音が大変ですし、衝撃波でシミュレータが壊れるかもしれません。硝煙も問題でしょうし)尚更面白いと思います。

これが、空自の基地防空隊用として装備されることになれば、おそらくVADSにも対応すると思いますが、そうなれば、50口径以上に面白いんじゃないでしょうか。

是非やってみたいですが、一般公開はしないでしょうね。
防衛秘密の上でも問題ですが、それ以上に、かなりのお金を取ったとしても、客が殺到するでしょうから。

りっくんランドに、廉価版でも作って有料公開したらどうでしょう。

2010年5月15日 (土)

GUN派が息を吹き返すか?

ちょっと日が経ってしまいましたが、週間オブイェクト様が将来装輪戦闘車(対空型)について記事を書いてます。
将来装輪戦闘車(対空型)はきっと格好良くリファインされて出て来る筈だと思います

やっと待ち望んでいたモノの形が見えてきたので、今回はこの将来装輪戦闘車(対空型)を空自が配備する可能性について書いてみます。

「空自にそんな可能性あるのか?」と思う向きもあるかと思いますが、ゼロではありません。

現在の空自の基地防空火器は、短SAM、携SAM、VADSの3本立てです。
SAMとGUNを組み合わせ、双方の長所を生かし短所を補うガン・サム・コンプレックスと呼ばれる防空火網の構成を続けてきました。

しかし携SAMについてはSAM-2に置き換わりつつあるので問題ないのですが、短SAMとVADSは現在の脅威について行けているかとなるとどうしても疑問が出てきます。
短SAMについては、空自がSAM-1Cを採用しなかったため未だにSAM-1Aです。
VADSについては、M163を含め米陸軍では完全に退役してしまっています。
(ちなみにwikipediaの81式短距離地対空誘導弾のページに「航空自衛隊は短SAM改(SAM-1C)が対巡航ミサイル能力に劣っているとして導入していない。」と載っておりSAM-1Cを買わなかった理由を対巡航ミサイル対処能力だと書いています(出もとは恐らくkeenedge氏のMissle&Arms)が、あれは間違いです。ホントの所は×××(自主規制))

短SAM改Ⅱが出来上がると、改Ⅱで1Aを更新する可能性が高いですが、VADS後継の話は聞こえてきません。

しかし、VADS後継用として、メーカーによるセールスはありました。
具体的にはエリコンのAHEAD弾を使用するスカイシールドとボフォースの3P弾を使用する40mmガンシステムです。
共に調停時限信管を利用したシステムです。

Skyshield 35 Ahead Anti Aircraft Artillery System

Bofors 40mm 3P - All Target Round


砲システムのFCSも高度なものが採用されており、巡航ミサイルをはじめとした対地ミサイルの迎撃が可能です。

結局空自はこれらの調達には動いていない訳ですが、関心を持つ人(GUN派)も少なからずいました。(私もその一人でした)

短SAMが改ⅡになりECCMやIRCM能力が高くなったとしても、ミサイルシステムはチャフやフレアなどで無力化されてしまう可能性がどうしてもありますし、ミサイルでの低高度目標の迎撃にはどうしても運用上の制限も多く発生します。
メーカーや技本は低高度目標対処能力も高いと言いますし、事実その通りなのでしょうが、現場ではカタログデータ通りの性能は出ないことは嫌というほど思い知らされてますし、打ちっ放し性の高いミサイルほど、オンボードの貧弱な誘導装置で誘導されるため、現場での運用は制限を見越した注意をする必要があります。

一方、ガンの怖さを理解している人も多く、FS乗りには結構好評?でした。

そして、短SAM改Ⅱの開発やGUNのセールスがされる中、基地防空火器の更新が検討されれば、当然ながらその中で開発中の将来装輪戦闘車(対空型)の話も出てくる訳です。
なにせ、現在公開されている将来装輪戦闘車(対空型)はスカイシールドのコピーじゃないのか?と思うようなスタイルです。
実際には、砲自体がCTAとして開発中なのでコピーではないのですが、コンセプトが意識されていることは明白です。

空自が将来装輪戦闘車(対空型)を配備することはオーバースペックだという意見はあるでしょう。
装輪とは言え、装甲車両が必要なのかという疑念はもっともだと思います。
ですが、私は必要な装備だと思っています。

自走能力のある対空GUNシステムとして、急遽FPS-5の防護が必要になった、なんて時にも迅速に機動できるなどのメリットもありますが、必要な理由は、必ずしも対空用にと言うわけではありません。大きな理由としては基地警備にも共用できるからです。
貼り付けた動画を見て頂けると分かりやすいですが、スカイシールドの方は対地用には向かないものの、ボフォースの3P弾の方は遮蔽された窪地に潜む敵兵やビルの室内にいる敵兵など、地上目標にも効果的です。
CTAの方はまだ開発中なので、同様の機能を具備するかどうかは不透明ですが、技術的には十分可能なはずです。

基地警備に対する認識を改めた空自は軽装甲機動車を調達中ですが、基地に対するスタンドオフを含めた攻撃に対処するには十分とは思えません。
公開している小説中でも描きましたが、受動的にならざるを得ない基地警備では軽装甲機動車だけでは防御力も攻撃力も不足ですし、VADSはコラテラルダメージなどを考慮すると使い難すぎます。(湾岸戦争でも対歩兵用としてM163が活躍したので、火力的に不足する訳ではありません)
もちろん、要事には陸自が展開すれば良いという考え方はできますが、基地の直ぐ横まで市街地が広がっているような基地が多いなかでは周辺環境を熟知していないと、コラテラルダメージばかりが増えます。それに陸自もそんなに暇じゃありません。空自基地の警備が必要な事態には原発等の警備もしなければならないでしょう。
空自基地攻撃を意図するゲリコマでも、対空型とは言え装輪戦闘車が1両でも居れば、攻撃を躊躇する可能性は相当高くなるでしょう。

予算的には苦しいので、もし将来装輪戦闘車(対空型)を導入するとすれば短SAM改Ⅱの調達は苦しくなるでしょう。
ですが、予算が削られ中途半端になってしまったこと(新短SAMではなく改になってしまたこと)も含めて考えると、短SAMの更新は諦めて、空自の基地防空火器をSAM-2と将来装輪戦闘車(対空型)の2本立てとすることを考えても良いと思っています。

少なくとも、戦闘機の3機種態勢や戦車の更新以上に、基地防空火器の3火器態勢は先に諦めざるを得ない部分だと思います。

将来装輪戦闘車(対空型)がもっと具体化すれば、空自内のGUN派が息を吹き返すかもしれません。
というかして欲しい。

2008年6月29日 (日)

対空機関砲の有効性

「自衛隊が、1980年代になってもM42などの対空機関砲を装備していたことに対して、当時のソ連と戦闘になった場合に、果たして「対空兵器」として役に立ったのか?」という質問が出ていました。
これに対して、名なしさんによる
>たとえ低性能なAAAでもそれが存在すれば無視する事は出来ません、M42の>40mmなら一発当たれば落とされます、
>制圧しなければ自由な行動は出来ません、存在するだけで攻撃時間・攻撃方>法が制約されます。
>いなければ部隊全体がそれこそ一方的に惨殺されます。
という、的を得た回答がされていたのですが、質問者から、「無いよりマシ」というもので、ミサイルでアウトレンジされてしまい、交戦する機会さえないのでは、との疑問が再度提示されていたため、次のように回答しておきました。

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無いよりマシなんて、とんでもありません。
他の方の回答に書かれているとおり、存在するだけでも非常に価値があります。

40mmクラスの砲なら、5km以上先でも十分な集弾性があります。
高速に移動する航空機を狙うためには、適当な見こし角をとらなければ命中しないため、有効射程と言われる範囲は狭くなりますが、実際にはもっと広い範囲に脅威を与えることができます。
極端な例を書くと、ホバリングしているヘリと5kmの距離で打ち合った場合、撃ちっ放し能力のあるミサイルでなければ、破壊されるのはヘリの方になります。
(もっとも、回避を優先すれば、射弾を見てから回避することも可能)

出典を忘れてしまって申し訳有りませんが、2次大戦以後、事故を除いた戦闘で撃墜された航空機の50%以上がAAAによるものだったはずです。
AAAについでSAM、航空機の順でした。
これは、相手が十分な防空能力を保持している間は、攻撃が行われること自体が稀だからです。
逆に言えば、仰られるとおり、スタンドオフ攻撃で防空戦力をつぶしてから、本格的な攻撃が行われるということになります。
しかしSAMと異なり、AAAは航空機と比べると、配備も維持も極端に安価です。
高価なPGM兵器で、M42など低性能なAAAをちまちま攻撃することは、より重要な目標を攻撃する機会の損失にもなるため、最も高度なPGMによるスタンドオフ攻撃の能力を保持する現在の米軍でも必ずしも行いません。
そのつもりも無いことは、2020年を超えてもA-10を運用する予定になっていることでもわかります。

湾岸戦争でも、PGMスタンドオフ攻撃は一部に留まっていますので、1980年代のソ連軍相手では、それなりに成果をあげられたでしょう。

ECMなどによるソフトキルが難しいこともあり、攻撃機パイロットにとって最も恐怖心を与える兵器がAAAだそうです。

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光学FCSがあればECMにも強く、個人的には非常に好きな兵器なんですが、残念ながら、やっぱり現代戦には通用しないのでは、という疑問があるみたいですね。
余談ですが、アニメの押井守監督も、AAA(トリプルエーと読む)好きだそうです。
いわゆる反戦の傾向が強い宮崎駿監督も、それらしい描写をしています。
絵的に映えるだけじゃないんですが、ミサイル万能主義の影響でしょうか?

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