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2015年12月

2015年12月 5日 (土)

創作通信_その10_新刊『深淵の覇者』完成! 電子版18日発売予定!

今月12日発売の新刊『深淵の覇者』ができ上がりました!
Photo

前作『黎明の笛』と比べると、一見して少し厚くなっていることが分かります。
手にしても、やはり重かったです。

著者は、本が出来上がると見本紙として何部かもらえます。
多くは、知人や家族にあげたりするようです。

私の場合は、そうした普通の配り方をするだけでなく、防衛省の広報部署に送り、取材のお願いに使ったりしています。
と、言う訳で、この後、サインをせねばなりません・・・

予定通り、印刷・製本が終わったので、これから順次配送され、12日には各書店に並びます。
アマゾンもそうですが、街中の書店でも、大手は前日の11日に並ぶところもあるらしいです。

電子版は、12月18日(金)に発売予定となりました。

見本紙を受け取りに行った際に聞いたのですが、私の本の場合、普通の本と比べると、売れる場所・土地に偏りがあるそうです。
簡単に言えば、自衛隊の基地や駐屯地のある地域での売り上げが多いのです。

『黎明の笛』の時の状況を踏まえて配本する考えだそうですが、出版社側でできることは多くはないようです。
なので、基地・駐屯地のある場所にお住まいの方は、早めに書店に行って頂くか、予約してもらった方がいいかもしれません。
18日には電子版がでるので、売り切れてしまっていた場合は、電子版を待って頂くのも手です。

もう一つ、受け取りに行った際、同日に発売になる他の作家さんの新刊話題になりました。
編集さんから、「中田永一先生って知ってますか?」と聞かれたのですが、何を隠そう(別に隠しませんが)「好きですよ」と答えたところ、なんと1冊もらってしまいました。
Photo_2

中田永一は、乙一氏の別ペンネームで、最近はむしろ中田永一名義で出している方が多いみたいです。
発売前に新刊を読めるなんて、全国の中田永一(乙一)ファンには垂涎ものでしょう。
役得でした。

編集さんは、私は中田永一(乙一)氏を知らないだろうと思っていたようですが、私はわりかし何でも読む人間です。
ジャンルで判断して手を付けないのはBLくらい。

中田永一(乙一)氏は、私みたいなロジックで小説を書いている人間とは違い、いわゆる天才なんだろうと思います。
学生時代にデビューし、魅力的な短編を多く書いている作家さんです。

最近の作品は読めていませんので、特に好きな作品は古い作品が多いです。
『手を握る泥棒の物語』、『しあわせは子猫のかたち』、『暗いところで待ち合わせ』なんかがいいですね。『手を握る泥棒の物語』なんて最高です。どうやったらこんな作品を思い付くのか……

新作は、さすがにまだ読めていませんが、楽しみです。
『私は存在が空気』は、『深淵の覇者』と同日、12月12日発売です。


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2015年12月12日 (土)

中国空母『遼寧』の弱点と攻略策

中国軍が海洋進出を図るに当たり、大きな役割を期待しているのが空母です。
しかし、就役済みの空母『遼寧』は、多くの問題を抱え、戦力としては疑問視されています。

空母は、直接戦闘するための武装は持たないことが多く、装備していても自衛用の短射程ミサイルや火砲くらいです。
つまり、空母の戦闘力=艦載機運用能力です。

空母『遼寧』が戦力として疑問視されるのは、当然、この艦載機運用能力に問題があるからです。

艦載機運用能力と言う場合、搭載機数や機体の能力を思い浮かべる人が多いでしょう。
イギリスのインヴィンシブル級空母などは、亜音速のハリアーしか運用できなかったため、空母としての能力が高くないというのは、誰しも理解しやすい話しだと思います。

ですが、『遼寧』の場合、Su-33をベースとして開発されたJ-15を運用しており、搭載機の能力が著しく劣ると考える人は少ないと思います。

にもかかわらず、戦力が疑問視されるのは、J-15が艦載運用された際の搭載可能な弾薬重量が著しく少ないからです。

中国の空母を飛躍させる開発に成功? 「電磁カタパルト」は米中関係を変えるのか

中国が保有する艦上戦闘機J-15は、空母「遼寧」から発進させる場合、搭載できる武器の重量が2トンであり、陸上基地から離陸する場合の12トンよりも極めて少ないと報じた。陸上から運用する時の約6分の1しか、ミサイル等を搭載できないということだ。


このデータが正しいとすると、単純計算では戦闘能力は陸上基地から運用される場合と比較して6分の1ということになります。
乱暴過ぎる計算ですが、搭載されるJ-15は、最大36機程度と見られていますが、陸上基地から運用される場合と比較すれば、6機程度の戦力でしかないという計算です。
実際には、ミサイルを命中させるために、牽制のミサイルを撃つなどが必要であるため、実態的な戦闘能力は、更に低くなります。

しかしながら、『遼寧』を中核として空母機動部隊が編成されれば、空母抜きの艦隊と比較して、大きな戦力であることに代わりありませんし、空母の存在という政治的意義は大きなモノがあります。

その脅威を排除するためには、ミサイルによる飽和攻撃がオーソドックスですが、防衛省・海自がすすめている潜水艦を用いた非対称戦術も有効です。

オーストラリアなどから引き合いが来るほど、日本の潜水艦は優秀です。
ですが、通常動力型であることは、空母攻撃にはデメリットです。
海自出身の新進軍事評論家、文谷数重氏も、この課題を指摘しています。(中国の通常動力型潜水艦が、米空母を攻撃できるかを論じていますが、逆でも同じです)
通常潜で空母を補足できるだろうか

 中央が海軍に「米空母間近に接敵し、勝ち誇るように浮上しろ」というのは、無理がある。キロのような在来型潜水艦は、空母機動部隊を追尾できない。水中で高速力を出すとすぐに電池が切れてしまうためだ。このため、ごく短時間のダッシュ以外では2-6kt(4-12km/h)程度しか出さないといった話がある。平時にも12kt以上、戦時には20kt以上で走り回る空母機動部隊を先回りするのは、相手が自艦位置に向かってくる場合以外には、まずはできない。


しかしながら、戦術とは、個別の兵器の性能だけで戦うものではありません。
やりようはあります。

で、問題となる通常動力潜水艦による、中華空母機動部隊攻略策は、ここでは秘密です。m(_ _)m

もちろん、方策の一つではありますが、本日発売の拙書『深淵の覇者』で示しています。
『遼寧』の弱点を突いた方策ですが、「こんな手もあるのか」というのを書いておりますので、ご覧になって頂ければ幸いです。


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2015年12月18日 (金)

女性戦闘機パイロット誕生で浮かび上がるもう一つの課題

戦闘機にも女性パイロットが登場するそうです。
戦闘機に女性パイロット 防衛省、初の起用へ 3年後めどに任務に」(産経151111)

 防衛省は、自衛隊で女性の登用拡大を図るため、自衛隊戦闘機のパイロットに初めて女性自衛官を起用する方針を固めた。安倍政権が掲げる「女性活躍推進」の一環で、週内にも正式決定する。政府関係者が11日、明らかにした。

 これまで自衛隊の輸送機や哨戒機などのパイロットには女性自衛官を配置していたが、戦闘機は重力による体への負担が大きく、妊娠や出産などで長期間任務に当たることができない可能性があることから、女性の起用を見送ってきた。


諸外国の状況、時流を考えれば当然ですし、大きな理由であった妊娠の問題についても、晩婚化と初産年齢の上昇を考えれば、問題はクリアされたと考えるべきです。
35歳以上の初産婦による高齢出産が増えていますが、戦闘機パイロットとしてのピークを過ぎてから妊娠しても、それほど危険性が高い訳ではないからです。

とまれ、空自が戦闘機への女性パイロット採用を渋っていた理由は、報道されている体への負担とパイロット適齢期に妊娠出産で戦線離脱する懸念だけではありません。

課題として、女性を受け入れるための設備投資が必要とする指摘もあります。
空自、戦闘機へ女性を登用 その利点と課題 遅れていた日本」(乗りものニュース151122)

女性用フライトスーツや長時間の任務に必要となる小便用ピドルパック、サバイバルベスト、ヘルメット、マスクなどの装備品、さらには地上の更衣室、産休など福利厚生のための制度の用意に至るまで、多くの課題を解決しなくてはなりません。


しかし、これらの問題は、既に女性を乗艦させている護衛艦などに比べれば、大した事はありません。

また、女性の進出に良い顔をしないパイロットが、阻んできたという意見もあります。
確かに、危険な任務に就いているのはパイロットだけだという変な自負を持った方も、過去には多かったのも事実ですが、それだけではない現実的な問題が、背景にあります。

それは、
自衛隊のCSAR能力が高くないという現実です。
CSAR(シーサーと読む)とは、wikipediaによると、次の通りです。

戦闘捜索救難(Combat Search and Rescue:CSAR)は戦時下において、前線もしくは敵の勢力圏内に不時着した航空機の乗員を救出することである。
主に特殊部隊が行う。

不時着した乗員に対する敵方の捜索以前に救出することが求められ、作戦には救出を阻止する敵に対する上空からの掃討(多くの場合機銃掃射)も含まれる。
戦闘捜索救難任務を行う航空機は主にヘリコプターで、夜間や低空における飛行能力を強化しているほか、空中給油能力を備えるものもある。

日本では航空自衛隊の航空救難団救難隊がその役割を担っている。


航空自衛隊のCSAR能力は、近年まで完全なゼロでした
救難隊のUH-60Jには、機銃さえ装備されておらず、救助だけを想定していました。

それは、日本が全周を海に囲まれており、専守防衛のドクトリンを採用していることもあって、戦域は精々洋上であるため、救助のリスクは救難機が敵戦闘機から撃墜されるくらいだったためです。

ですが、策源地攻撃も個別的自衛権の範疇であると解釈されただけでなく、昨年には集団的自衛権の行使も容認され、戦域が拡大する可能性が出ています。

つまり、撃墜されたパイロットが、敵勢力圏内に降下する可能性も出てきたためCSAR能力を高めなければならないという議論が起こりました。現在では、救難ヘリに、5.56mm機関銃MINIMIも搭載されています。

ですが、この程度でしかありません。
北朝鮮まで飛行するための空中給油用プローブや、チャフ/フレア・ディスペンサー、ミサイル警報装置は一部の機体にしか装備されていません。

この状況で、女性戦闘機パイロットが、北朝鮮上空でベイルアウトしたらどうなるか……
救出は、米軍に頼るしかありません。
米軍が動いてくれれば良いですが、動いてくれるとは限りません。

女性パイロットを救出できないという状況は、心理的に受け入れがたいものがあります。
世論においても、そうでしょう。
そうなると、非難はCSAR能力が不十分な自衛隊に向いてしまいます。

女性戦闘機パイロットを誕生させる以上、防衛省・空自はCSAR能力の向上に向けて、検討を行っているはずです。
ですが、これはかなり大変な道のりとなります。

前掲wikiには、「主に特殊部隊が行う。」とありますが、現状の救難隊は、高い飛行技術を持ったパイロットと屈強なメディックがいるものの、特殊部隊ではありません。

米空軍では、パラレスキュージャンパー(PJ)と呼ばれる特殊部隊要員がいます。
敵性地域に降下したパイロットを救出するため、パラシュートで降下し、少数で戦闘を行いつつ、捜索・救難を行います。そのため、地上での戦闘能力は一級の物が必要になりますし、航空機を誘導するため、航空や通信にも熟知していないとなりません。さらに、医療スキルも必要です。
彼らの育成には、多大な時間と費用を要します。パイロット並です。

また、敵性地に彼らを投入、回収するためには、UH-60Jのような小型のヘリだけでは足りない状況が多く発生します。
米空軍の次世代戦闘救難ヘリCSAR-Xは、CH-47から派生したHH-47になる可能性がありますし、嘉手納にいる第353特殊戦航空群は、救難用途に使用される機体として、MC-130Pなどの固定翼特殊作戦機を保有しています。

日本が、本機でCSARを行うなら、こうした装備を、もちろん米軍ほどではないにせよ、装備してゆかなければなりません。

こうした装備・部隊を作り上げることは、そう簡単にはできないでしょう。

そのため、戦闘機に女性パイロットを搭乗させるとしても、そうした危険性の高いミッションには投入しないという運用をせざるをえないかもしれません。
しかし、現場でそんな配慮をすることは大変ですし、そんな扱いをされる彼女たちにとっても、屈辱でしょうし、心苦しいことになるでしょう。

課題の存在は明らかですが、解決の方向は、今のところ見えてきません。
注目して行きたいと思います。

私としては、大変な道のりであても、こうした能力を付けるべきだと考えています。
救難能力あるなしでは、その家族も含め、パイロットの士気にかかわります。
そして、それ以上に、パラレスキュージャンパーは、地上戦闘だけでなく、航空機の運用にも詳しいため、ノドンハントを行うなうための誘導なども可能です。イラクやアフガンでも、空港の占拠などの作戦において、航空との連携能力の高さから投入された実績があります。

CSARについては、なかなか分かり難いと思いますが、いい映画があります。

BAT★21

エネミー・ライン


この二つはオススメです。

なお、余談になりますが、今年2月に、この戦闘機パイロットへの女性登用を予測していた方もいらっしゃいます。
日本でも「女性の戦闘機乗り」は生まれるのか」(東洋経済150227)
慧眼ですね。

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2015年12月29日 (火)

日韓合意は、「人命は地球よりも重い」発言に等しい

慰安婦問題が、日韓政府間で合意に達し、「最終的かつ不可逆的に解決される」ことになったそうです。

ですが、この合意は、日本がテロに屈することを宣言した「人命は地球よりも重い」発言に等しいように思えます。

日本政府は、日韓請求権協定が存在するため、従来より、慰安婦問題は”最終的に”解決済みとしてきました。
ですが、今回の合意で、”2度目の最終合意がありうる”ことを示したことになります。

これは、テロの有効性を示した「人命は地球よりも重い」発言と同じように、徴用問題などでも”2度目の最終合意がありうる”と韓国人に印象づけてしまうように思えます。

政府は、今回の合意に、日韓請求権協定の確認を明文化して入れ込み、そのことによって徴用問題なども解決済みであることを韓国政府に迫っているようです。
しかし、尹外相は、日韓請求権協定に対して、「私たちの立場は変化がなく、この先も変化はない」と語ったということで、この合意に確認が明文化されようとも、慰安婦問題以外の徴用問題などは、引き続き懸案とし続ける考えのようです。
28日午後に日韓外相会談、共同会見も予定 韓国メディアは慰安婦像撤去など日本側要求を批判」(産経151228)

また、政府間の合意であれば、普通は、政権が交代しても、その合意は守られるべきものです。
しかし、韓国相手には通用しないでしょう。
既に死に体となりつつある朴政権との合意など、前大統領が軒並み訴追されるような韓国にあっては、政権が変われば簡単に変わりそうです。
特に、次の政権交代が、今回の合意を認めないことを主張して実現されれば、選挙公約のため、間違いなく反故にされるでしょう。

韓国は、合意の文書化に反対しているようです。
文書化されなければ、100%反故にされそうです。

2度目の最終合意がありうる事を示し、徴用問題などに火を注いだ上、慰安婦問題も結局解決しないようなら、この合意の責任は、一体誰が取るというのでしょうか。

不利益を被るのは、我々国民です。
10億円の基金は、我々の税金で支払われるのですから、強制的に一人頭10円の募金をさせられたようなものです。
10円は、金額的には大したことがなくとも、政府の意図とは逆に、韓国人に日韓請求権協定が意味のないものだったと認識させ、日本批判を勢いづかせるようなことにならないか、それが不安です。

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