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2015年8月14日 (金)

尖閣は侵略されない……だからこそ必要な安保法制

安保法制審議はお盆休戦中のようですが、お盆が明ければ、また共産党の小池晃氏のように、的外れな非難が始まるでしょう。どんな官庁でも、成立公算が高い政府提出法案に対しては先行検討をすることなど当たり前……というか、当然やってしかるべきことなんですが……
参院安保特:成立前提で検討資料 防衛省「2月施行」」(毎日20150811)

それはともかくとして、こんな的外れな非難でも、アピールになると言うことは、それだけ安保法制に対する国民の理解が、まだまだ足りない証左でもあります。

政府・与党が、法案審議において中国脅威論を持ち出してきたのは、参院での審議からです。その際、ガス田開発が持ち出されていますが、目的は、尖閣・沖縄に対する脅威を意識させるためでしょう。

しかし、八重山を含む沖縄だけでなく、尖閣に対しても、当面は侵略される恐れはありません。
しかし、それだからこそ、安保法制が必要です。

中国は、チベット侵攻に留まらず、自国の領域を広げるため、四方八方で領土紛争を繰り広げてきましたが、軍が陸軍主体であるため、近年まで海に出てくることはありませんでした。

しかし、現在では東シナ海では尖閣に手を伸ばそうとしていますし、南シナ海では西沙諸島や南沙諸島に手を出そうとしています。また、台湾に対しては、台湾海峡ミサイル危機以降、軍事的手段は封印していますが、『一つの中国』の主張は変わっていません。

現時点で、台湾に対して軍事的手段を封印しているように、中国共産党政府は、挑戦はしますが、冒険はしません。

関係国の軍事的な能力の点では、尖閣を欲しがって強力な自衛隊と対峙するか、埋め立て問題が発生している南沙諸島を欲しがって弱小のフィリピン軍と対峙するか

関係国の政治的な能力の点では、尖閣を欲しがって、今やNATOに次ぐほど強力になった日米同盟と対峙するか、南沙諸島を欲しがって米比相互防衛条約は続いているものの、スービックやクラークから米軍を追い出した米比関係と対峙するか

現時点では、軍事的にも、政治的にも、尖閣を後回しにして、南シナ海の諸島群を狙うのことは間違いありません。

しかし、もし中国が南シナ海を手に入れれば、台湾の南を押えたことになります。次には台湾の北、つまり尖閣を押え、台湾に圧力をかけることを狙うでしょう。
安保法制は、このような中国の侵略政策を牽制するものになります。

米比関係は、日米同盟ほど堅固ではなく、アメリカ世論は、日本防衛以上にフィリピンへの肩入れには慎重です。
中国が、南沙諸島でフィリピンと衝突する際、日本(自衛隊)も関与するとなれば、その地理的環境も含め、米比連合にとって、大きな力になります。

これは、政治的にも勿論ですが、軍事的効果は絶大です。
海上自衛隊を、大規模に南シナ海に進出させる必要はありません。
もちろん、象徴的な意味で、一部を出す必要はありますが、それ以上に、東シナ海において中国軍を牽制することで、中国海軍の北海艦隊を東シナ海に釘付けにし、瀋陽・北京・済南・南京軍区の空軍機を、自衛隊機に警戒させることで拘束することができます。

中国が、自衛隊の存在を無視してくるようなら、有志の民間人が、尖閣に灯台でも作りに行けばいいでしょう。

中国は、当面の間、面倒な尖閣を侵略してくることはないはずです。その前に、南シナ海に手を出します。実際、最近の南沙諸島埋め立て問題は酷い状況です。

ここで、中国の侵略を止めておけば、尖閣や沖縄が侵略されること防げます。

また、南シナ海への侵略を止められなかった場合は、より一層、現時点での安保法制が意味を持ちます。

アメリカ世論は、以前の記事「集団的自衛権問題は、ナゼ今なのか_その背景」で書いた通り、アメリカ世論は、日米安保に基づいて日本を支援することに対して、否定的になってきています。
その最大の理由は、日本が集団的自衛権を行使せず、アメリカと共同歩調を取らないためです。

南シナ海での紛争に対しても、日本が金を出すだけの対応をしていたら、アメリカ世論は日米安保条約など投げ捨てるでしょう。

だからこそ、現時点での安保法制が必要です。

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コメント

安倍総理の私邸周辺には今回の談話に反対する右翼の凱旋車が来ているそうで。まあなにをどうしても叩かれるのは仕方ないんですかね。

南シナ海を中国に取られれば次は東シナ海が脅威にさらされるから、
「中国が、南沙諸島でフィリピンと衝突する際、日本(自衛隊)も関与する」ようにする、自衛隊を大規模ではないが一部を進出させる必要がある、というご趣旨だと理解しました。国民にも相応の覚悟が必要でしょう。

国政政党には、これを選挙で正面から争点にし、あるいは憲法改正で国民の信を仰いでもらいたいところと思いました。


しやもし 様
総理である以上、バランスが必要ですから。

名無し 様
おっしゃるとおり、国民にちゃんと知らせることが正道だと思います。
しかし、それをちゃんと受け止める意識のある国民は、少数に過ぎないというのは現実だと思います。

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