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2015年4月18日 (土)

残念?_空自スクランブル記録更新ならず!

昨年度1年間の空自のスクランブル記録が公開されました。
平成26年度の緊急発進実施状況について

年度途中の段階で、冷戦時のピークであった昭和59年(1984年)の年間スクランブル記録944回を抜くのではないか、と期待?されていましたが、なんと
わずか1回及ばない943回に留まったため、記録更新はできず、タイ記録にもなりませんでした。
Photo
統幕資料より

昨年記録の注目点は、なんと言っても中国による航空活動の激増によって、南西航空混成団の負担が、激増していることです。
Photo_2
統幕資料をもとに、加工

第83航空隊の第9航空団への改変、2個飛行隊化がされるとは言え、現状では恐るべきレベルに、過負荷状態が悪化しています。
2個飛行隊化された以後も、中空、西空は当然ですし、4個飛行隊を擁する北空と比べても、南混の方がはるかに負担が多いと言う状況が続きます。
やはり、下地か奄美に第10航空団を作るべきでしょう。

もう一つ、注目は、Y-9の初飛来です。

Y-9は、中国が老朽化・陳腐化しているY-8の後継として開発していた中型輸送機で、アメリカのC-130J並の性能目指していました……が、実際の性能は大分劣るようです。
Y9_2
統幕資料より

このY-9の情報収集機型が、昨年10月3日に初飛来し、以後年度末までに計7回確認されています。
ミリオタは、戦闘機ばかりに注目しますが、地味ながら、今後の日本にとって、嫌な存在になります。

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航空関連その他」カテゴリの記事

コメント

デーと思いますタ調べれなかったのですが最盛期の千歳でも、年間468回はなかった(三沢からも出せますからね)

それだけに那覇だけでこの数字というのはちょっと見過ごせないです。

まあそんなんでも、無視したり、「日本が悪い」「安倍が悪い」って言い出す人もいるんでしょうな…

南ばかりに目が行くけれどもおそロシア

機体数も重要ですが、パイロットの数をもっと増やせないものでしょうか。
平時から消耗戦を仕掛けられているような印象があります。

今回の内容から外れた質問で恐縮ですが
航空自衛隊、戦闘機隊の飛行訓練時間は年間150時間ですけど
(予算の制限がなければ)日本の戦闘機隊の飛行訓練時間は
年間、最大何時間に出来るのでしょうか?

追加の航空団を設置するとしたら、しばしば話題になる下地だけではなく、奄美も選択肢となるのですね。たいへん勉強になります。「なるほど!」と膝を打ち、グーグルマップでしばらく奄美大島の地図に見入っておりました。奄美大島って、あんなに大きい島だとは恥ずかしながら知りませんでした。現用の空港から程遠からぬ距離に旧空港があって、しかもグーグルマップで見る限りでは、跡地利用もほとんどされていないみたいですね。。旧空港を復活させて新空港と併せて使えないかしら。夢(というか妄想)は広がります。2、30キロの海を隔てて、喜界が島の空港もありますね。陸上自衛隊のSSM部隊とSAM部隊の配備も間近とのことですし。島民の皆さんは自衛隊誘致に積極的とのことですし。鹿児島県ですし。

増えた増えたと言った所で、だから何?って話でしょう。
サーチナが中国の軍事専門家から取ったコメントによれば
「実際は中国機が浙江省もしくは江蘇省の空港から発進しただけでも
空自はスクランブル発進させている」という裏もあるみたいですし。
所詮は日本の事情で上げる話であって、増やそうと思えばいくらでも増やせる数字ですよね。誰かの懐が痛む訳でも無いですし。

都合のいい時は細かに飛行経路を出しますが、大半はノーコメント。
日本とは全然違う方向に飛んでるのでもスクランブルをかけているから
詳細を明らかにすると、スクランブルの水増しがバレてしまうんでしょう。

判ってて煽る為に言っているなら、誠実じゃありませんし
スクランブルの回数=脅威の度合いと思っているなら、頭悪いですよね。

>増えた増えたと言った所で、だから何?って話でしょう。
サーチナが中国の軍事専門家から取ったコメントによれば
「実際は中国機が浙江省もしくは江蘇省の空港から発進しただけでも空自はスクランブル発進させている」という裏もあるみたいですし。

それはそれで向こうの話しを鵜呑みしてるだけじゃないかな

>中国機が浙江省もしくは江蘇省の空港から発進しただけでも
>空自はスクランブル発進させている

日本の領空に接近せず、遥か彼方の大陸で離陸するだけの中国機の動向をも自衛隊は掴んでいるのですか。
それならそれで物凄く素晴らしい事実なんですが……まあ、有り得ませんよね。

本邦の政府発表を完全に信じ込むのは駄目ですが、だからといって多少の知識さえあればウソだと分かる話を信じ込むのは輪をかけて頭が悪いですよ。

友引高校校長さま

奄美は中国機が往来する先島諸島や尖閣からも遠いので、アラート待機用の基地としてはイマイチな気がします。有事の代替飛行場として、下地や新石垣などとともに考える価値はあるかもしれませんが……

そこで、数多先生に質問があります。

防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画 パンフレット
http://www.mod.go.jp/j/publication/kohoshiryo/pamphlet/taikou/taikou.pdf

上の資料の14ページ目には、基地の抗たん化を目指す旨とともに
>各種事態発生時に民間空港・港湾の自衛隊による
>速やかな使用を可能とするための施策を推進します。
とあります。
中期防にも似た記述はありますが、この資料では航空基地がミサイル攻撃等を受けた際に「自衛隊以外の飛行場」に「分散」し、そこで「基地機能の確立」を行い「運用基盤の確立」を達成する旨が図示されています。

これすなわち、将来の大規模紛争において那覇基地が大量のミサイルで無力化された際には、空自は整備や補給などといった基地機能を他の飛行場(例えば下地島や奄美)にすっかり移動させ、そこから作戦を継続する意思がある、という事でしょうか。

蓋然性の高い話ではありませんが、大規模紛争における航空団の民間空港への機動展開について、今現在の実現性や将来におけるその可能性はどんなものなのでしょうか。

数多様

南西諸島に第2の航空基地というのは、必要かもしれませんね。

1:スクランブル対策の考え方

スクランブルは「国籍不明機が」「領空に侵入する可能性があるとき」にかけるものだと理解しているので、国籍不明機が「近づいてくる付近」に航空基地を確保できれば、逆に、スクランブルの回数を減らせるのではないでしょうか?

たとえば尖閣であれば、こちらのレーダーで検知された機体が、潜在的に領空侵犯する前に、現地に到着するには、相手の航路が確定する遥か前に我が方がスクランブル発進する必要が生じる訳ですが、先島諸島からであれば、時間の余裕が生まれるので、相手の出方を待ってから離陸できるかと。

その意味で、先島諸島 and/or 奄美に一つ確保できればかなり楽になるかと思います。(中国機は実は奄美付近によく来ているという話しも聞くのですが、どうでしたっけ?)

2:基地の規模

奄美であれば本格的な基地にしてよいでしょうし、先島諸島であれば(有事には短距離弾道弾や巡航ミサイルで壊滅するだけなので)アラート専用の前線基地(本部は那覇か新田原にすればよい)の体裁にしてはどうでしょうか?

また、あくまでアラート専用の前線基地なので、先島諸島の場合には、政治情勢の良好な新石垣空港を推薦します。沖縄問題は、主戦場は政治であり、軍事はあくまで補助的な立場だと考えているので。(軍事的に制圧される可能性よりも、政治的に揺さぶられる可能性の方が高い。相手からすればコストもかかりませんし。。。)

3:機材について

新田原の1個飛行隊をまるまると、小松から1個飛行隊を移動すれば、良いかと思います。

中・長期的には全体の機数が足りないのは問題なのですが、やはりF15用のフライトシミュレータを導入して、戦術訓練や転換訓練の大半をこちらに移行するのが有効かと。(F35はそもそもシミュレータ前提)

システム化された現代の防空戦闘では、実際に飛ばないとできない訓練は、減っていると理解しています。AWACSや地上レーダーからの誘導でBVR AAMを射撃したり、オフボアサイトの赤外線AAMでの近接戦闘は、むしろシミュレータの方がうまく訓練できるかと思うのですが、どうでしょう?ガチンコのドッグファイトだけは、実際に飛行しないと分からないこともあるかと思いますが。。。

こうすれば、機種転換訓練は大幅に削減できるし、通常の訓練も、少なくともその半分はシミュレータに移行できる。機体の飛行時間も節約して疲労を減らし、システム化して高価になった戦闘機を、長く使い続けることが可能になるかと。

#この辺りは、マングースさんの最近の記事で、F-22がシミュレーションを多用することで、技量を維持しつつ飛行時間を削減したけっか、第6世代戦闘機の開発開始を5年ほど遅らせることができた、という記事からヒントを得ています。


もし南にアラート専門部隊を作るなら
数多さんが過去の記事で指摘した通り
教育部隊の実戦復帰で部隊を捻出し
辺鄙で広大な下地島に部隊を置くのが
よいのではないでしょうか

4/23 20:18の名無し様

おっしゃるように、下地(3000m滑走路あり)に完全な航空基地を、というのが数多さんのご意見であり、特に「平時において」「軍事的合理性だけ」を考えれば、最も望ましい案であると、私も思います。

私のコメントは、以下の問題提起です。

A: 有事において、中国から近すぎるので、弾道弾や巡航ミサイルで容易に無力化され、2個飛行隊36機、総兵力の15%ほどを、開戦初頭の1-2時間で、一気に失うリスクがあるのではないか?

--> そうであれば、アラート専用の前線基地とし、常時配備する機体を減らしてはどうか?

マザー飛行隊は後方におき、ここには2個フライト4機と予備x2 = 計6機だけを展開しておく(昼間だけアラート=夜間は那覇基地だけにする場合)。24時間アラートにする場合は、計10機(4+4+2)。日々の訓練や整備の主力も後方なので、前線にいる人員も少なくなり、開戦初頭で失われる装備・人員は、大きく削減できるのでは?、という提案。

なお、この飛行場は有事には放棄する訳ではなく、前線基地=燃料とミサイル弾薬の補給用に使う前提です。言い換えると、高々6 or 10機しか機体がいない島に、敵が数十発の弾道弾を打ち込むとは思えないし、打ち込んだら打ち込んだで、軍事的には黒字かとおもいます。


B: 現状の沖縄の情勢を考えると、軍事的合理性よりも政治情勢を優先すべきではないか?

-->アラート専用と割り切れば、おそらく2000m級の滑走路があればどこでもよいので、「地元の支持」があるところならどこでも良いのでは?(他の空自基地のように2700mが必須だとすると、話しは変わる)

先島諸島の空港で、>2000m級は、与那国(2000)、新石垣(2000)、下地(3000)、宮古(2000)の4つがある。下地が政治的にOK=地元の民意があるのなら、それが一番良いが、別に下地にこだわる必要は無いのでは?、という提案です。たった6機(or10機)の配備で良いのだから、与那国ですら候補となりうる。

ここでのキーワードは「民意」です。市町村がwelcomeなら県も反対できない。そもそも、先島と沖縄本島では、対中国の危機意識が異なるようですし、交渉相手が4カ所(下地と宮古はどちらも宮古市なので、自治体は3こ)なので、自由度が高くなる。


以上をまとめると、本格的な空自基地にするには、2700mくらいの滑走路が欲しくなるが、その条件を諦めてしまえば、空港候補は増え、政治的な柔軟性が大きく高まり、結果として実現性が高くなる上、実現後も政治的緊張が生まれずに、いいこと尽くめになるのではないか?というコメントです。

すみません、用語を間違えています。

フライト=4機、エレメント=2機なので、

「昼間のみのアラートなら2個エレメント4機+予備2機で6機、24時間なら 4+4+2=10機」が正しいですね。

失礼しました。

しやもし 様
今の那覇の負担は、異常なレベルです。

あいし 様
冷戦期のソ連には、(侵略の)「意志」も「能力」がありました。
今の中国も同じです。

ですが、今のロシアには「能力」はあっても「意志」はありません。

ルフトバッフェ 様
パイロットは、それほど不足しているという話は聞きません。

しかし、こうした対領侵負担でパイロットが不足するなら、30後半以上で飛びたくても飛ばせてもらえずに地上勤務をさせられている方を、対領侵専属で現場に戻すなんて方法もあるように思います。
通常の対領侵なら、体力は必要なく、経験は生きるので、適任だと思います。

メリッサ 様
日本の場合、飛行時間は予算の制約で短くなっている訳では無いと思います。
単に飛んでいるだけでは技量は向上しません。
ブリーフィングや、特にデブリーフィングは非常に重要です。
飛行時間を増やすと、予算よりも、パイロットの休暇がなくなると思います。

友引高校校長 様
防衛省は、奄美の拠点化を考えているみたいですね。
過去には、こんな記事も書きました。
http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/h275-f2c1.html

名無し① 様
中国本土の基地から離陸しても、日本のレーダーでは捉えることはできません。
感知する方法としては、スパイがそれら基地の周辺で双眼鏡でも覗いているしかありません。

少なくとも、私が現役の時は、憶測で思われているような余分なスクランブルはかけていません。
自衛隊も、そんなにヒマではありません。

シュピーゲル 様
名無し② 様
上のコメントで書いたようなリテラシ―がないと、鵜呑みにしてしまう、あるいは中国紙の擁護をしたいのかですね。

イダテング 様
守秘義務にも関わるので、一般論として書かせて頂きます。

有事においては代替飛行場を確保することは、国防・空軍担当者としては、当然の発想です。

日本の民間空港は、基本政府の管理下にありますから、細かい問題はいろいろとあるものの、法的には使用可能です。
米軍の場合、それができませんでしたが、周辺事態法の改正の折り、米軍でもそれができるように法制度が変わりました。

ですので、当然、そうした考えを持っていると分析すべきでしょう。
計画上どうなっているかはNCでお願いします。

ドナルド 様
お考えの通り、那覇のスクランブルが多い理由には、那覇が守るべき領空(尖閣や与那国など)から遠いというのも、間違いなく関係しています。

ですので、例えば下地にから上がれる状態であれば、それだけでスクランブルは減るはずです。

基地は、生起する事態の蓋然性を考慮すれば、先島の方が良いと思います。
有人島に弾道ミサイルを撃ってくるような脅威は、当面発生しないでしょうし、やるつもりなら中国の場合、那覇に対してもいくらでも撃つ能力があります。

シミュレーターは、活用すべきですが、大幅に実飛行での訓練を代用することは無理だと思います。
良く出来ており、何が起こるか、特に特殊な状況を理解する上では有効なツールですが、実飛行訓練には及びません。

また、名無しさんのコメントに対して書かれた、本格的な基地にせず、限定的な運用を行う基地という発想は、現場でも、当然として、存在するプランです。

名無し③
私もそう思っています。
下地に部隊を置いても、騒音問題なんてほぼ発生しませんから。

数多先生

"国防・空軍担当者としての発想"などは意外で、為になります。ありがとうございます。
それと、変な質問をしてしまいすいません。
代替空港について必要性が叫ばれながら現状について殆ど情報がないので、ついつい数多先生に聞いてしまいました。

しかしヨクヨク考えてみれば「公刊物で把握しにくい情報」は「センシティブな情報」であるかもしれないわけですな。
自分できちんと考えるという意味でも、以後気を付けます。

台湾の飛行時間が年間180時間らしいので、日本は予算の制限で短いと思っていました
航空自衛隊は(外国の空軍よりも)ブリーフィングやデブリーフィングを重視しているのでしょうか?

イダテング 様
お気遣い無用です。
答えられない情報は、答えられないと書くだけですので、気にして頂かなくてOKです。
例えば、当然そうであろうけれど、在職中に知ったのでなければ書けますので、そうした話も、たまにはあります。

メリッサ 様
他国と比較してどうかという点は、米軍くらいしか分かりませんが、空自はデブリに相当時間を使います。
米軍も、かなりデブリを重視していると思いますが、空自はそれ以上ではないでしょうか。
高い技量を維持するためには、非常に重要です。反復練習だけしていればいい簡単なことばかりやっているわけではありません。

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