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2015年3月28日 (土)

サッカーと防衛問題に見る日本人の悲しい性

セルジオ越後氏が、自分が軍事評論家みたいだと述べています。
マスコミは、なぜ本田の批判をできないのか」(東洋経済オンライン150328)

でも、僕としては提言しているだけで、批判しているつもりはないんですよ。僕が提言することで、それを読んだ人たちが興味を持ち、それぞれが問題意識を持って、日本のサッカー界が少しでも良い方向へと進んでいく。それが大事なことだと思います。

僕は『サッカーダイジェスト』という専門誌でコラムを1000回以上続けていますが、これまでに「セルジオさんが危惧されていたことが現実になりましたね」と言われたことが何百回もあります。

当然だけど、まったく嬉しくありません。日本サッカーがそうなって欲しくないから提言し続けてきたのに、「現実になった」ということは、悪い方向に進んでしまったということですから。

最近、自分は「軍事評論家」みたいだなって思うんですよ。良くない事が起きた時にだけ、「セルジオを呼べー」って番組に招かれますから(笑)。


セルジオ氏は、良くない事が起きた時にだけ呼ばれる所が似ていると言っていますが、この記事の他の部分を見ても、サッカーと防衛問題という、全く異なる話題でありながら、それに対する日本人の反応として、類似性があるように思われます。

この記事、タイトルにもあるとおり、本田圭佑選手についても言及しています。
しかし、セルジオ氏が、本田選手に言及している部分は、ほんの少しです。

それにも関わらず、記事タイトルは「マスコミは、なぜ本田の批判をできないのか」です。
それはつまり、サッカーに関するマスコミ報道の問題よりも、読者の興味が、本田選手にあるためです。

防衛問題でも、似たような傾向があります。

セルジオ氏は、派に衣を着せずにセンセーショナルな事を言うため、その点で注目を集めますし、話題は国民的関心事であるサッカーですから、その言説に対する興味を持つ人の絶対数は相当な数です。

そのため、セルジオ氏の言説には、一定数の需要があり、メディアも取り上げます。
ですが、セルジオ氏は、本当に日本のサッカーをどうすべきかを考えているため、ほとんどの読者には興味がほとんどないような事を多く発言しています。

ブラジル・ワールドカップのあと、日本サッカー協会の技術委員会は、惨敗の要因としてコンディションの問題を挙げました。でも、万全のコンディションで臨むというのは、ワールドカップを戦う上での大前提ですよ。

その大前提を整えられなかったのだから、当時の原技術委員長(現専務理事)は責任を取るべきなのに取らないし、マスコミもそれを本格的に追及しませんでした。これはもう、共犯としか言いようがないですよ。


日本サッカー協会の人事なんて、大多数どころか、ほぼ100%の人が興味を持っていません。
日本のサッカーが、本当に強くなるためには、重要な問題であるにも関わらずです。

この読者の興味が、日本サッカーを強くするための方策ではなく、本田選手にあるというのと同じ状況が、防衛問題でもあります。

読売新聞は誤報を誤魔化そうとしている」(GoHoo150220)
読売新聞が訂正記事を出します ―対艦ミサイル誤報問題」(GoHoo150206)

上記リンクは、読売新聞が報じた記事で陸自の持つ対艦ミサイルの有効射程が、実際よりも短く報じられていたとする問題です。

読者の興味は、対艦ミサイルの射程は何キロなのか、という点に集中しています。
本田選手は能力が高いのか、というフォーカスの仕方と同じです。

本来は、その対艦ミサイルをどう使っていくのが有効なのか、という所まで議論が行かなければいけないはずですが、そこまでなかなか発展しないのです。

他の問題でも同じです。
戦車教団は、「10式戦車は強い」にフォーカスしますが、そこには現在の防衛環境において10式戦車の性能が必要なのかという視点は、ほとんどありません。

もちろん、本田選手への興味から、サッカー全体の興味に広がって行くのでしょう。
だから、防衛問題でも同じなのかもしれません。

しかし、それでもやはり海外と比べると、日本人の性が悪影響を及ぼしているように思えます。

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ネタ・トンデモ」カテゴリの記事

コメント

むかし某ブログで10式のスラローム射撃について大盛り上がりしていた所、
私が「日本は狭いんだからこんな曲芸走行能力なんて必要ないだろ」と言ったら、
朝鮮人認定されたのを思い出しました。

マスコミと言えば、海上自衛隊は世界水準に大きく劣る事は無いと思いますが
マスコミと一部の人間は難癖をつけてばかりです。
(私は海上自衛隊に問題点が無いと主張しているわけではありません)

自分は、学校でオタク談義をする際も記事と同様のことを感じてました。
進学校であるせいかなかなか人材豊富で有難い事なのですが、どうも皆「武器オタク」「軍隊オタク」であり、学級掲示板に担任が貼り付けた文官統制や集団的自衛権に関するアホな新聞社説の切り抜きには見向きもしないのです。

そこで彼らと同様に単なる戦闘機オタクだった自分が、どうして情報の授業で防衛予算案を読み漁って隣の女子にヒかれまくるようになったかを考えたところ、自分で言うのもアレですがある種の「愛国心」があったからだと分かりました。
自分は兵器に興味を抱く中で「自衛隊が強くなってほしい」と思っていました。そして当時は十分な知識を持たなかった為、ネット右翼と化していました。そうした流れの後、自分は政治や国防政策まで興味を持ったんだと思います。

つまり、兵器の性能ばかりを論ずる軍オタは、愛国心の有無において国防力の向上を願う軍オタとは根本が異なるのです。
それはサッカーも同様でしょう。本田ばかりを論ずるサッカーファンは、愛国心の有無において日本代表の勝利を願うサッカーファンとは根本が異なるのです。

ですから「本田選手への興味から、サッカー全体の興味に広がって行く」というのは少し違う気がします。
ようは日本の勝利を願う奴が、サッカー全体へと興味を持つのではないでしょうか。

そこで防衛問題に目を移すと、愛国心を持ち、兵器に限らず政治外交まで語る奴はネット上に腐るほど大量に居ます。いわゆるネット右翼です。
そんな彼らに対して、数多さんのようにネットで活躍する軍事ライターが「正しく健全な知識を授ける」ことさえ出来れば、自分と同様にその大多数が「国防オタク」に昇華して、日本の国防に関する議論は一気に深まるのではないでしょうか。

名無しX 様
そりゃ無理ですよ。
IS支配地域で、ムハンマドをけなすような行為ですから……
宗教なんですから。

メリッサ 様
陸海空、それぞれ全てに問題はありますよね。
海が注目されるのは、今の脅威は中国であって、海の戦闘が注目されているからでしょうね。

イダテング 様
愛国心があっても、おかしな方向に行ってしまう人もいますので、十分条件ではないと思いますが、必要条件ではあるかもしれませんね。
少なくとも、目的意識を持つという点では、重要だと思います。

ただ、愛国心はあっても、人の言葉に耳を貸さない人も多いんですよね……

名無しX 様
数多氏の言うとおり、そりゃ当然でしょう。

付け加えるならば、日本はせまいからこそスラローム射撃等の高度運動制御技術が必要だと思いますよ。
建物とか木だとかを避けながら射撃するためには必要でしょう。

さらに言えば、相手の予算を浪費させるためにも必要でしょう。
『日本がそういう能力を持つのなら我々も持つ必要がある』と主張して予算を得るのが常套手段です。
そうして陸軍に予算が回れば海軍にまわる予算が減りますからね。

数多様
しかし、現在の日本にまともな軍事評論家はいるのでしょうか?
兵器や戦術までならともかく、戦略や政治・経済まで理解した上で発言している軍事評論家を知りません。
もしいるなら知りたいので名前をお教え下さい。

知り合いの言った事で本当に納得したのがこれ。
「お前、選手の選定や試合の結果は監督の責任なのはわかるだろ。でも、監督の出した結果についてや、監督の任命責任は誰も負わないのはおかしいやろ。お前はどう考えるよ?」
確かに間違いありません。
監督を選ぶ人間が責任を負わない日本のサッカー協会はおかしいです。
監督より上層部も責任を取るようにならなくては、日本のサッカーが飛躍出来るとは思いません。

みやとん 様
誰であっても、兵器や戦術と戦略や政治の両方を理解するのは難しいですが、日本の場合は、偏り方が極端であるようには見えますね。

Suica割 様
結果よりも、不祥事が起きるまでは首を切らなかったりしてますよね。

名無しXさん
スラローム射撃は実際にその様なことを行うつもりは無く、特科の富士山のような技術アピール
だと思います(実施前にアナウンスが強調してる点も同じですね)。ですからまあ、技術を無駄遣いしやがって(笑)
みたい気持ちで眺めるのがいいじゃないでしょうか。

名無し 様
スラローム射撃は、戦術上は価値のある、砲安定技術のアピールですから、それが出来る事は悪くないと思います。

問題は、それを実現するために、”今”戦車にコストをかけるべきかという問題だろうと思います。

MBTでも戦闘機関連・要素技術でも艦艇建造技術でもなんでも、技術は
無いよりはあるほうがいい、国家として。そのためには製品あるいは商品
の形にまとめ上げて実際に使ってみる事も、特に不要とは思われない。
防衛関連技術や素材開発などにここまで独自で注力してきたからこそ、
米国とのMD共同開発になり、インドへのUS-2供与になり、英仏など
との装備品共同開発につながっているのではないですかね。こういう話は
国家の安全保障や二国間関係強化、なんていう次元で評価すべきかもし
れません。
個々の装備品の評価やコスト(開発費用含め)よりも、もう少し上の階層
で元をとってる、あるいはとろうとしている可能性は否定できないと思います。

あと、記事タイトルと内容を拝見して、なるほど、視野・視点は
顕微鏡・肉眼・双眼鏡、デジイチ広角レンズ、あるいは蟻の視点、
人の視点、鳥の俯瞰視点、いろいろ多方面から見なければならぬ
のだなぁ、と気づかされました。
しかしコメント欄が10TKのスラローム射撃云々に終始しているようで、
記事内容との相違に少し驚きました。

yomoyama 様
どんな技術もある方がいいのは当然です。
問題は、その技術を保有するために投資すべき開発資金です。

それ以上に利益を回収できるなら、なんでもやればいいですが、日本の能力・政治的方針では、開発資金以上に回収するのは不可能です。

そのため、集中と選択が必要です。

企業でそれができないところは、放漫経営と呼ばれます。
政府だって同じことです。

ご指摘の通り、この記事に関しては、コメント欄も、細部にフォーカスしてしまってますね。

ブログ主様、レスありがとうございます。
ただ、抽象論のご返答であまり腑に落ちない部分も正直ございまして、
また2,3伺いたいと思います。

>日本の能力・政治的方針では、開発資金以上に回収するのは不可能です。
この断言の論拠はどういった具体的事象に基づいているのでしょう?
(こちらは投じた金の回収を同額の金で行うとは考えていません)

>企業でそれができないところは、放漫経営と呼ばれます。
>政府だって同じことです。
こちらは、国家予算という金銭によって技術を獲得・研鑽し、その成果を
他国との二国間安全保障面という政治に生かす、という「損して得獲れ」
的な評価はできませんかね?という問題提起だったんですが・・・

日豪安全保障で潜水艦建造・運用技術が重要なポイントになっている、
日印安全保障でUS-2という航空機分野でのニッチ商品の供与の話が
持ち上がっている・・・等、戦車に関しても複合装甲技術や日本製鋼の
火砲製造技術が今後なんらかの形で米欧との国家間の取引材料に
ならないとも限らないのでは?と愚考いたします。

それと、10TKも新型の火力戦闘車も、AAV7と同様、沖縄以西の有人島
防衛・奪還装備だと思っていましたが・・・そういう使い方は噴飯モノですかね?

yomoyama 様
回収という言葉を使ったのが悪かったかもしれませんね。
私が、回収と行ったのは、資金的に回収するというだけではありません。
開発した装備が、日本の防衛に役立っていれば、それは効果を発揮したのですから、回収したと考えても良いと思っています。

日本の地理的環境を考慮したとき、10式戦車を保有(開発)したことは、ほとんど抑止力として機能していません。
この考え方は、文谷氏等が、10式など開発しなくても90式、あるいはもット古い74式戦車の改良でも、用を成すと言っているのと同じ考えです。

10式が無駄だというつもりはありません。
しかし、あれだけの資金を投入する対象としては、他と比べて効果が薄いと考えています。

お返事感謝です。

74TKは・・・さすがにアレはもう粛々と舞台の袖から下がってもらっていいでしょう。
これまで国防の一角を担ってくれて心から感謝、感謝です。

90TKとなると・・・どうでしょうね、90TKすら作らずにむしろドイツ製でも米国製でも
輸入して済ませればよかったかもしれない?でも私は90TKと10TKの機密情報
の一欠けらも知らないので、まぁ今後のネットワーク戦に90TKでは不都合があった
ような噂をなんとなく信じる以外は特になにもできませんけれどね。

私のような素人は断言せずに「私はこう思います」調でいかないと、お詳しい皆様に
笑われてしまいますしね。

今後ともよろしくお願いいたします。

yomoyama 様
90式のネットワーク戦対応は、無線と指揮表示システムを入れ替えるだけですから、どうにでもできたと思います。
プラットフォームとしては、むしろ90式の方が大きいのですから。

戦車のネットワーク化が必要なのか、という点がそもそもですが。

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