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2015年3月 8日 (日)

『寄生獣』と自衛隊_漫画『寄生獣』の映像化はナゼ今なのか?

漫画『寄生獣』が、アニメ化、実写映像化され話題になっています。

SF好きな私も、月刊アフタヌーンでの連載時にリアルタイムで読んでおり、単行本も全巻持っていました。(アニメ化されたのを見て、電子書籍も買ってしまいました)
それだけに、映像化されたらいいなと思う反面、映像化は無理だろうなと思っていました。


その理由は、いくつかありますが、私が無理と感じたのは、映像や描写上の問題ではありません。
実写の場合、技術上の問題(SFX)もありますが、アニメなら問題はありませんでした。
相当にグロいシーンが多いこともありますが、年齢を限定すれば良いだけです。

それ以上に問題だろうと思ったのは、物語終盤、自衛隊が超法規的措置を取るのですが、それが消極的ながらも肯定的に描かれていたためです。

超法規的措置発言で更迭された栗栖元統幕議長が、この漫画を読んだか知りませんが、読んでいたのなら衝撃を受けたかも知れません。(連載当時は、まだご存命でした)

以下、ネタばれあり注意。

物語終盤、外見上人間と区別することの不可能な寄生生物を駆除するため、自衛隊と警察の混成部隊が、寄生生物が集結している東福山市役所を包囲します。

識別ができないため、指示に従わない場合、無辜の民間人を射殺してしまうことをやぶさかなしとしたり、

Photo

Photo_5

Photo_3

人質を盾とされた場合は、人質ごと射殺してしまうこともやぶさかなしとしています。

Photo_4

実際に、このような事態になれば、このようにせざるを得ないのですが、『寄生獣』が連載されていた1990年から1995年当時に、これを描くことは衝撃的でした。
こんなのを書いて、作者の岩明均氏が干されてしまわないか、それ以前に、連載が突如打ち切りになってしまわないか心配にもなりました。

幸い、どちらも杞憂でしたが、これらのシーンも、連載で人気が出る前なら、恐らく無理だったでしょう。

ここからは想像ですが、相当人気がでたこの漫画が、なかなか映像化されなかった理由には、こうした自衛隊の描き方があったのではないかと思います。

1995年の連載終了後、映像化の話が水面上に出たのは、10年も経過した後の2005年です。
しかも、この際に映像化権を取ったのは、アメリカの配給会社ニュー・ライン・シネマでした。
つまり、10年が経っても、日本では映像化・商業化が難しいと判断された可能性が高いと言えます。(日本の会社が投資判断をしなかった)

その後、ニュー・ライン・シネマが実際に映像化しなかったため、時間切れで新たな契約が結ばれ、昨年から実写映画化、アニメ化が進行しました。

つまり、19年もの年月が経過し、自衛隊への好印象が92.2%にも達したため、初めてマスコミのバッシングを恐れずに映像化できるようになったのでしょう。
自衛隊に好印象を持つ回答が92.2%と過去最高に 内閣府調査

私が書いた『黎明の笛』にしても、不自然な程、人が死にません。
最初のバージョンからすると、雲泥の差になっています。自主規制せざるをえなかった訳です。

エンターテイメントの世界では、やっと『寄生獣』が映像化できるところまで来たと言えます。

もしかすると、作者が職人気質で映像化にGOを出さなかったのかも知れませんが、少なくとも2005年の時点ではOKしていたことは間違いありません。

にも関わらず、多数の原作ファンを呼び込める日本の映画会社ではなく、アメリカが会社が権利を取った事からすれば、上記の推測は、恐らく間違ってはいないだろうと思います。

ちなみに、私はやはり原作の漫画が好きです。
今なら電子書籍で読めます。



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メディア」カテゴリの記事

コメント

「黎明の笛」死者が不自然に少ないのはそう言う理由だったんですか。

映画の方確認してませんが、原作のままなら自衛隊協力はないし防衛からクレーム付きそうですね。

いつも興味深く拝読させております。
「寄生獣」は原作からのファンで、今回のアニメも毎週楽しく見ておりますが、アニメの市役所攻防戦の部隊って、自衛隊ぽくないですよね?山岸の階級も原作では二佐と明言されてますが、アニメでは言及はありません。なんかSAT?ぽいですね。
自衛隊を悪者にしないという、逆の自主規制でしょうか(笑)

小規模な特殊部隊を投入するより、原作のように普通科部隊(中隊規模?)で、数と火力で圧倒する方が、合理的な気がします。

わたしは原作しか読んでいないのですが、
原作の指揮官て、要は「心に暇の無い生物」なんですよね。
市民を巻き添えにすることに全く葛藤が無い。
その点においてはパラサイトと全く同じ。
仮に問題視されるとすれば、あの指揮官の描写なんじゃ
ないでしょうか。

自衛隊(や自衛隊風の国防組織)を肯定的に描くアニメや小説も増えてきた気がします。
私は素直にいいことだと思います。
フィクションのイメージが人々に与える影響は馬鹿になりませんからね。

本文とは関係の無い質問で申し訳ありませんが
(相手がテロ組織の場合)自衛官の投降者への発砲はどういう罪状になるのでしょうか?

こんにちは

メリッサ兄、彼等(テロリストやゲリラ等)は戦時国際法違反ですから、捕虜になる資格はありません。

原作時に読んだ時に、国内でこういう行動がとれるのは警察の狙撃隊の方じゃないかと思いました。

連合赤軍事件の浅間山荘事件がありましたから、縄張りからいっても警察(及び大臣を含む官僚達)が譲るわけがないと思ったものです。

それ以前に永井豪氏のデビルマンがありましたから表現自体はショックではありませんでしたが、国内での自国民(デビルマンやパラサイト化しても自国民でしょう)によるテロは独立した組織での対応以外に方法はないのではないでしょうか。

日本で映像化されなかったのはアニメでは視聴率がとれないと判断されたせいじゃないでしょうか。
玩具メーカーがスポンサーになるのが多いですが、オモチャが売れないアニメでは企画段階でおとされるでしょう。怪獣やガンプラ系とは違いますから売れるのはフィギュア位のものでは元がとれないですよ。

実写版では変形がネックでしょう。今ならばCGでも可能でしょうけれど十数年前では技術もなければ金もかかり過ぎるというわけだと思いますよ。
あのような変形を表現可能になったのはターミネイター以後の事ではないでしょうか。

>土方さん

国際法では合法でも、日本の国内法では違法行為じゃないの?みたいな話でして
今の世の中、日本国内でISILのテロが起こる可能性も否定できませんし
(警察が対処するべきですが、起きたときにどうなるか分かりません)

こういう見方をしたことがなかったので、目からウロコが落ちまくりましたー。
確かに、あの頃はそもそも自衛隊の存在そのものが無視されて、災害で
自衛隊が活躍しても、なぜかTVには映らないという事がありました。

このマンガの原作者さんは、父上が和光大の教授で、本人も和光大出身なので、
その情報を最初に聞いてしまったわたしは、共産党の意見をマンガで表現する
ために、この寄生獣が存在するんだろう、という、思い込みで読んでいたので、
また、自衛隊下げですかあ。って最初に読んだ当初はそう思ったものです。
アオリも、人間の悪意が爆発した!ってもので、素直に読めば自衛隊は悪の組織
です。って言っているようにも取れたので。

でも、↑の記事読んでから、もう一回寄生獣の話見てみると、意外と・・
環境保護団体が人Xし集団だったりとか、ミギーが地球に優しくとかいうヤツが
嫌いと言っていたりとか、サヨクの意見を嘲笑っているようにも取れる。
どっちにもとれるんですよね。人間が寄生獣だって言った市長は自衛隊に
蜂の巣にされるし。
この環境保護団体がX人集団だったというオチが一番ネックになったんじゃなか
ろうかとも思いますが、このマンガは正直地雷が多過ぎてどれが原因でダメに
なったのか、自衛隊も原因の一つになったのは確かだとは思いますが。
しかし、反原発団体が革マルと繋がっていることが証明されたり、それ以外にも
かなり、事実をモトネタに作りこんでいたのではないかと思わせる描写が
沢山ありますが、それが、このところ白日に曝されることが多くなったので、
もちろん、自衛隊人気もあって、アニメ化、映画化決定したのでしょう。
二十年前に書かれた作品とは思えない程ストーリーが色褪せてないです。

アニメ化されて、自衛隊がやたらカッコよくなっているのには笑えたのですが、
それよりも、もっと笑えたのが、外国人がこのアニメの場面をみて、
「なんで、この状況で人間含めて全員Xさないの?甘すぎる!軍隊じゃない!」
って書き込んでいたのがもっと笑えました。
やはり、日本は、ゆるくて甘いようです。

自衛隊がアニメ化でやたらカッコよくなっていたのは、自衛隊悪く描くコンテンツが
人気がものすごい下がるからだと思われます。
あの相棒ですら、映画で自衛隊下げやったら、評判ガタ落ちしてましたし。
なんか、色々感慨深いものがあります。

ネタバレなので嫌な人は読まないでください・・
は、一番上に書くべきでした、すいません。
あと、補足ですが、
相棒が大好きな友人がいて、相棒展に何度も足を運んでいるのですが、
1回目と、2回目は会場に入るだけで4時間待ちとかだったのに、
3回目のときは客が友人以外にほとんどいない状況だったそうです。
3回目の相棒展が開催される直前に自衛隊をディスる内容の映画が
公開されていまして、それくらいしか、客が突如消えていなくなった理由が
分からないって言ってました。
本当にこの頃自衛隊人気が高くなったので、理不尽に自衛隊下げをすると
一気に消費者がコンテンツから離れていってしまうのかもしれません。

>(相手がテロ組織の場合)自衛官の投降者への発砲はどういう罪状になるのでしょうか?

当該事態において自衛隊が行動している場合とは、多分治安出動命令下令下でしょうから「警察官職務執行法を準用」ということになろうかと。

>(武器の使用)
第七条  警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十六条 (正当防衛)若しくは同法第三十七条 (緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
一  死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる充分な理由のある者がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。
二  逮捕状により逮捕する際又は勾引状若しくは勾留状を執行する際その本人がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。

>myu5さん

詳しい説明、ありがとうございます。
日本では(テロリストが相手でも)投降者への発砲は禁止なのですね
警察の役割が犯罪者の逮捕ですから、当然ですが

しやもし 様
問題のシーンは、映画では完結編なので、撮影がそろそろ終わる頃でしょうか。
最近は、映像制作会社もミリタリーな服装などをかなり持っているので、あの規模の描写なら、調整の面倒な自衛隊の協力を仰ぐより、普通に制作した方が楽でしょうね。
なので、協力はなしで撮影しているだろうと思います。

ハリー 様
問題の回の描写ですが、原作同様、自衛隊が警察を偽装している想定だったはずです。
なので、見た目は警察風にしているということだと思います。

きらきら星 様
あの指揮官像は、わたしも大分来てるな~とは思いましたが、結構普通の人のイメージでは、ステロタイプな自衛官像じゃないかと思います。
ある意味、理想ではありますが、なかなかあそこまでできないですよね。

ルフトバッフェ 様
ありがたいことに、増えてきてると思います。
私が小説を書いているのも、同じ動機です。

メリッサ 様
土方 様
myu5 様
投降するテロリストに対する発砲に関しては、適用される法令は、どのような行動命令(防衛出動や治安出動等)を受けているかによります。
大抵は、myu5が言われるとおり警職法の準用になります。

ですが、特に対テロリストの場合、警職法準用状況でも、単純に禁止とは言えません。
というのも、投降の意志を示していても、本当に投降するつもりなのか判断が難しく、それらに対しても必ず禁止だとするほど、法律も杓子定規ではないからです。

例えば、爆弾を体に巻き付けたテロリストが、投降すると言って両手を上げて検問所に接近してきた場合を考えて見ると、面白いでしょう。

無線で自爆する可能性もありますから、こちらが逃げることができなければ、接近を阻止するために危害射撃しても、緊急避難に該当するとして適切な武器使用だと判断できるかもしれません。

こうしたケースもありえますから、細かいROEは必要です。

みやとん 様
現実では、恐らくみやとん様が仰るように、警察がやるでしょうね。
オウムの上九一色村捜査の時も、自衛隊の支援は受けませんでしたし。

確かに、当時は深夜アニメなんてなかったので、玩具化できないためマネタイズできなかったという側面もありそうですね。

ネタバレなので嫌な人は読まないでください。 様
和光大学がどう言う学校なのか知らなかったのですが、ちょっとググッてみると、なかなか面白そうな校風ですね。
個人的には、嫌いじゃないです。

批判的な目で物事を見れる人にとっては、そこで見た左翼思想や環境保護に虚構が見えたんでしょうね。

外国人の反応は面白いですね。
日本の場合、浅間山荘などでも警官が何人も死傷しつつ、警察らしく行動してますから、この描写でも頑張っている方だと思います。

相棒の話は知りませんでしたが、ググッて見ました。
メディアには、未だに相当左巻きな人もいます。

戦争屋が弱過ぎます。戦争屋は基本、目視射撃はしません。
戦争屋は線、面、空間、時間、を組み合わせて、攻撃を開始します。
全くのゼロの空間にも戦力を入れ、指揮官の「撃ち方初め」命令でタイミングで射撃を開始し空間に隙間無く、弾幕を張ります。弾幕にダメージを受けると、予備兵力が補充します。
「撃ち方止め」のタイミングで射撃は中止され、ダメージの見物の時は目視が使用されます。

とろろ 様
ご指摘のような戦闘(指揮)は、旧来のスタンダードかと思います。
ですが、民間人が混在した地域で行われる事が増えた最近の戦闘では、かなり異なる戦闘が増えています。

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