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2015年2月11日 (水)

陸自火力の大幅削減は危うい?

軍事に興味を持つネット民の中には、俗に戦車教団などと揶揄され、戦車・火砲万能主義とも見て取れる主張をする方々が相当数います。

彼等は、1年ちょっと前の2013年末、民主党政権が策定した22大綱で大幅削減された戦車・火砲が、自民党政権下で復活することを期待していました。
しかし、自民党が政権を奪還し、安全保障に積極的な安倍政権下で策定された25大綱において、戦車や火砲は、民主党政権下以上の削減が決定されました。

それによって意気消沈したのか、戦車教団の有力メンバーのほとんどが、ちょうど流行りだした萌えミリブラウザゲームに没頭して、戦車万能を唱える声は、最近ではかなり小さくなっています。

ですが、そうした主張の方は、ネットに限らず、マスコミにもいらっしゃったようです。
陸自火力の大幅削減は危うい 中静敬一郎」(産経150131)

 陸上自衛隊の戦車と火砲の大幅な削減が進められている。一昨年末の新たな防衛大綱と中期防衛力整備計画により決まったものだ。

 だが、これで有事に即応できるのか、という不安と懸念がくすぶり続けている。防衛費は3年連続で増えるものの、肝心の防衛力が弱体化するという奇妙な事態が生じている。

中略

 一方で周辺国の火力は、中国(火砲8320門、戦車6840両)が示すように質量とも日本を凌駕(りょうが)している。しかも中国の着上陸侵攻能力の強化は顕著だ。日本の火力の弱体化は「戦力の空白」に映る。自らで撥(は)ね返す抑止の力を強めなければ、危難を乗り越えられない。


当たり前の話ですが、防衛力は、戦車と火砲だけで決まるモノではありません。
現大綱は、戦車や火砲を削減し、その分海空戦力を増強して、侵攻する敵戦力を洋上で撃破しようというコンセプト(ドクトリン)の下で作られています。

このコンセプトに異を唱えるなら、そう主張すべきですが、引用部分以外を含めても、そのような記述はありません。

現状、中静氏が主張する中国だけでなく、ロシアにも日本に着上陸侵攻するような戦力はありません。
洋上で撃破するというコンセプトが、十分機能する環境にあると言えます。

現大綱は、むしろそのような大規模着上陸ではなく、中国が行う可能性の高い(蓋然性のある)離島を巡る争いに効果的に対処する点に主眼を置いています。
そのためには、海空戦力と、陸自では普通科や水陸機動団のような軽量で機動力の高い戦力の方が有用と判断され、それらの増強が計られています。

現大綱が発表された日、ネット上では、戦車教団の方々がパニックを起こしたような状態でした。
専守防衛を旨とする日本は、洋上撃破するよりも、九州に着上陸してきた敵戦力を、地上で後退しながら漸減させ、東京の手前で撃破すれば良いなどという意見さえあったくらいです。

中静氏は、そこまで言っていませんが、洋上で撃破するという現大綱のコンセプトを否定し、海空戦力の増強に回す予算を戦車・火砲の維持に充てるなら、結果的には同じ主張であると言えます。

今後、陸自の戦車部隊が、中東で戦闘するなんてことも、可能性としてはゼロではありません。
しかし、人質救出のために必要な装備ではありませんし、300両もの戦車を持って行く必要は生じないでしょう。

単に、装備の数ではなく、それをどの様に用いて、どの様に戦うかを考えないと、実戦で有効で、費用対効果の高い防衛力整備はできません。

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防衛政策」カテゴリの記事

コメント

戦車支持者が萌豚であるかのように言うのはただのレッテル貼りじゃあありませんかね

Tamu 様
そんな論説はしてませんよ。

グレーゾーン事態で人間に対する危害射撃ができなきゃどんな装備を持ってても一緒だと思う。

いやこれで「そんなことは言ってない」は通じないでしょう。
.
.
.
ま、それはさておき、
>洋上で撃破するというコンセプトが、十分機能する環境にあると言えます。
これはどうでしょうかねえ。
たとえば大戦略(ゲーム)なら賛成してもいいのですが、現実ではどうでしょうか。
海空が手出しできないうちに島や沿岸部を無血占領された上で敵が「和平交渉」
してきたら何も出来ずに終わってしまうんじゃないかと思うんですが…。

というのも「洋上で」迎撃をするには「攻撃を受けた、あるいは受けそうだ」という判断、
「反撃する」という決断の2つが必要です。
それもある程度の余裕を持って(恐らくは敵が国土にまだ到達していない段階で)する必要があります。
それって現実的なんでしょうか。
イスラエルのような国でさえ第四次中東戦争のような例があるのですから。

洋上撃破を否定はしません。
しかし、それは「できればそれに越したことはない」「上手くいったら儲けもの」であって
基本方針にすべきではないとおもいます。

戦車の増産を訴えてくれた唯一の新聞が、
オブの皆様がバカウヨ酷使と日頃罵っている産経とは、
何とも皮肉なものですなぁ・・・

yama 様
>洋上撃破を否定はしません。

それを言うのなら誰も戦車の存在を否定なんてしていませんよ。
最もラディカルな戦車否定論者というレッテルを張られている清谷氏ですら、
実際は「10式戦車は要らない、90式戦車で十分だろ」程度の意見ですし。

>洋上撃破を否定はしません。
>しかし、それは「できればそれに越したことはない」「上手くいったら儲けもの」であって
>基本方針にすべきではないとおもいます。

別に殲滅する必要も無いもの
洋上撃破論を言うと陸自不要論だなんて言い出す人もいるけど、基本的に残存兵力で上陸しても陸自を排除するなりの作戦遂行が困難なら中止でしょ、ね?
まあ陸自が陸上兵力として存在する意義と洋上撃破を可能にするバックボーンでもある訳ですわ

その上で上陸する側も上陸するまで撃ってこないと楽観的な想定で作戦なんて立てられませんから

私はむしろ着上陸した敵と正面から戦うような基本方針の方が相当危険だと思うのですが......
限りある防衛予算から時代背景を含めて優先順位を決定するのですから、洋上撃破を第一に目指すのは適切ではないでしょうか。

そもそも現大綱では大規模着上陸の可能性をほとんど否定してますので、焦点は数多氏のおっしゃる通り離島防衛やゲリコマ対策です。
戦車増強論を唱える方にありがちなことですが、前提が「大規模着上陸は(ほぼ)あり得ない」となっているのに大規模着上陸の場合は対処できない〜と話を展開するのはフェアではないように思えます。
それこそ大戦略のように予算が降って湧いてくるわけではありませんし、国内での戦闘となれば民間にも大きな犠牲が出ますから現実ではより合理的な判断を求められますね。

蓋然性がほぼゼロの本土着上陸侵攻にしか使えない機甲戦力に金を使うなら
着上陸侵攻にも離島防衛にもより有効で国際貢献活動にも転用しやすい海や空に
お金使うほうがいいですよね

陸自さんにまず求めるのは、巡航ミサイル対策
上陸対策をどれだけ立派に整備していても、
巡航ミサイルへの備えができていなきゃ意味がない。

11短SAMのようなぼったくりシステムを導入している場合じゃない。

おばんでやす

確かに火砲や戦車は格好よくて大好きですが…海岸線が長い我が国が、対人地雷やクラスター弾の禁止条約なんぞに何で加入したのかです。火砲や戦車を削減するのであれば、面を制圧するこれ等の防御兵器の使用を禁じるなんぞ、こちらの方が大問題。我が国の地形等の環境を無視したバカげたセンチメントー若しくはズレた人道主義とやらの弊害の方こそ狂気の沙汰。あんなバカ条約なんぞ脱退するのが一番です。無理なら在日米軍に、有事の際はクラスター弾や対人地雷を使用して貰えるように頼んで、バカ条約を形骸化してやれんでしょうかねぇ…

ま、まともに大規模着上陸作戦なぞできる国が今んとこないからクラスター爆弾持ってても邪魔でしょうがないってとこかね

@本文
私はあれが良い記事と評価している。

産経は右翼新聞と思われる事が多いが何れにせよ汎用/総合新聞であり軍事誌では有りません。読者のレベルに合わせる必要が有ります。

そもそも、海上撃破と陸上迎撃の優劣は専門家の間でも何時間も議論できるので、とでもこの場面でマトモに出せる物ではない。

なら、もっと簡単に防衛省の見解を披露する方が有効だ。まあ、勿論防衛省も官庁なので棄守した所を明言する訳が無いので、密か抜けた所で棄守した所を推測するしかない。

言わばあの記事を要約すると、こうだ:
「近隣国中国は戦車や大砲を含めて総合的に戦力強化をしている。これに対し我が国は防衛費が減っている最中なら勿論、増えても戦車と大砲を削減している。無論、金は他の所に回せているし、これは総合防衛力にとってプラスなのがマイナスなのが議論できるのでここは敢えて自分の愚見を述べませんが、少なくとも防衛白書等を読む限り、防衛省*自身*が減っていると思っているらしい。

これで良いのが、日本国民よ。」

中静氏の記事は陸自戦車関係者からの請願なのか?

中静氏が防衛大綱を鑑みた上、仮想敵の大規模上陸能力と日本の防御力を考察した
結果、戦車が少ないと述べているなら説得力があります。

あるいは中静氏が適切と思う防衛大綱を掲げた上で、それと比較して戦車が少ないと
云うのもよいでしょう。 これら無くして「昔は戦車1200両、今は300両、戦力の空白、
危機防衛は不可」、と力説?しても説得力がありません。

「専守防衛」を掲げる以上、地上で敵戦車を迎撃するより洋上で撃滅するほうが理想です。
昔風に云うなら雷撃機ともいえるP1,P3Cを百機ほど揃え、潜水艦と連携もするであろう
日本の防御力が、「危機防衛は不可」と嘆くほど脆弱とは思えませんが・・・

そして、支那・南鮮は在日を即ゲリラに動員できる「国防動員法」を制定しています。
南鮮は事大主義の醜悪なる標本にして、支那が殊を起こせば便乗する可能性が高い
のは史実でもあります。 一割がゲリラ化したとしても10万人以上になるでしょう。 

動きが機敏でない戦車や火砲の増設を図るより、素早く全国展開できる「機動戦闘車」を
増やしつつあるのは、費用対効果を考えた時、在るべき姿と考えています。

そもそも、この記事の筆者が自衛隊の戦車、火砲の保有数が国土面積当たりや地政学上で考えても多いのはご存知何だろうか?

もっと言えば74式でも、最新の戦車がでない限りゲリコマやショボイ軽量戦車の類は十分いじめっ子になれるわけですよね。

陸自の抱えこむ予算人員を海空に解放するでけでも現在のゲームは有利なになる。また陸自単体でも多くの予算人員を消費する戦車火砲を後回しにすれば近代化できるのに。

ショートストップ 様
グレーゾーン事態に限りませんが、危害射撃のスレッショルドを下げるためには、火力は低い方が望ましいです。
その意味では、戦車は不適ですね。

yama 様
「洋上で」侵攻してきた段階で、「攻撃を受けそうだ」という判断が可能です。
着上陸しなければ、攻撃ではないと仰るならば、専守防衛の曲解ですよ。

名無しX 様
彼等も、罵倒するのではなく、議論すれば良いと思うのですが……

シュピーゲル 様
殲滅どころか、洋上で30%も損害が出れば、まず作戦を中止するでしょうね。
日本の場合、クラスター弾より、地雷の禁止が痛いです。

かば 様
フェアかどうかというより、彼等の考え方の基本が、日本を守ることでは無く、戦車が活躍するかどうかですから……

ぽち 様
ホントに、その通りです。
陸自の場合は、特殊部隊や普通科ですね。

あいし 様
11式短SAMは、巡航ミサイル対処が可能という触れ込みで、導入されています。
が、私も良いとは思っていません。
別のネタに合わせて、いずれ書くかもしれません。

土方 様
対人地雷禁止は、陸自が相当頑張って反対しましたが、政治に押し切られてしまいました。
まあ、政治というより、左派系メディアと言った方がいいかもしれませんが。

香港からの客人 様
なるほど、そう言う視点はありますね。

保守系の主張をする方と直接お会いすることも、たま~にあるのですが、軍事について、賛成はするものの、非常に知識が乏しくてビックリすることもあります。

末田 様
恐らく、お知り合いにそうした方が多いのでしょう。
で、知識が乏しいので、説得されてしまっているのではないかと思います。

馬鹿が戦車で立ち往生 様
ドイツとの比較、台湾との比較をしてもらえば良いのだと思いますが、恐らく、そこまでするのは、難しいのではないかと思います。

産経も、そうした事ができる人とも接触して、記事を書いてもらって欲しいところですね。

こんにちは

成程、そう言えば左派メディアが対人地雷はカンボジア、クラスター弾はコソボを引き合いにして、陽に陰に「非人道兵器だ!」って喚き散らしてましたっけ。彼の国々と我が国とでは、地理的条件がまるで違うのに、バカ丸出しのセンチメントで世論を扇動。陸軍が防衛上反対してるにも関わらず、まんまと如何わしい連中の思惑に乗っかって、我が国の地形的条件にマッチングした防御兵器を手放す始末。
あのバカ条約なんぞ破棄してしまえばいいのに。何故破棄しないんでしょうか? 先述した通り、我が国にとって生命線とも言うべき防御兵器の使用を禁じる事は、正に自滅行為。せめて、あのバカ条約を形骸化、空文化してやれる方法はないんですか? 取り敢えず、自分は在日米軍に使って貰うしか思いつかないんですが…

話が逸れますが、"特定の人々"に対して周辺諸国の揚陸能力の低さを理由に戦車の必要性の低さを訴えると、よく「港を確保されれば民間徴用の船舶で……」と反論されますが、しかしRORO船やフェリーで港から大量の機甲部隊を揚陸される事を恐れるなら、尚のこと戦車よりも機動戦闘車の方が役に立つと自分は思います。

MCVなら道路網を高速で自走し、或いは船舶に素早く収用され展開する事が可能で、港湾に駆け付けて「強力な機甲戦力」ならざる敵の上陸第一陣を撃破することも出来ます。
「戦車削減が敵の揚陸作戦のハードルを下げ、結果的には洋上撃破を難しくする」なんて理論もありますが、MCVが増えれば敵はMCVを越える戦力(MBT)を第一陣からいきなり上陸させる必要に迫られ、結果的には敵にとっての上陸作戦へのハードル、すなわち抑止力は寧ろ高まりまるでしょう。

千輌のMBTがノロノロ展開するよりは、僻地や島嶼の港湾に少数のMCVが駆け付ける方が効果は高いと思います。

↑「戦車が不要」という話ではなく「大量の戦車を配備する必要性が相対的に低い」と言う話です。
戦車不要論ではありませんからね、一応。

あと土方さん
クラスター爆弾の破棄は惜しいですが、お陰でJDAMを導入できたので自分は結果的には良かったと思ってます。条約を回避できる新型クラスター弾の開発も中ですし。
何より敵地攻撃を理由にするよりずっと低いハードルで、自衛隊が精密爆撃能力を持つという前例を作ることが出来たのは大きいと思います。

こんにちは

イデタング兄
>>「戦車が不要」という話ではなく「大量の戦車を配備する必要性が相対的に低い」と言う話です。
戦車不要論ではありませんからね、一応。
はい、私も同意します。何度も言うようですが、私個人は戦車も火砲も格好よく、子供の時分はプラモ作ったものです♪ だからといって、我が国の長い海岸線に沿って、戦車や火砲をずらーっと並べるのは現実離れしとります( ̄^ ̄)

JDAM? 精密誘導爆弾ですかい? つまり、バカ条約加入と引き換えに、米から精密誘導爆弾を勝ち取ったという事ですかな?
しかし、只では起きず、バカ条約を掻い潜る新型のクラスター弾を開発中とは!Σ( ̄□ ̄;)一刻も早い完成が待たれます。敵が、我が国の新型クラスター弾の完成を待ってくれるとは限りませんから。
後は、バカ条約を掻い潜った新型の対人地雷の開発ですね。

イダテングと書く筈が間違ってイデタングと書いちまった…申し訳ない。
訂正して頂けると有り難いです。

土方 様
実際、あれのおかげで、かなりの弾薬を廃棄したので、もったいないことをしたと言えます。

イダテング 様
というか、港を確保される程の状況は、既に海空戦力が敗北してるんですよね。
もうその時点で終わってます……

JDAMは、あの条約がなくても買えただろうと思います。
今時、無誘導の通常爆弾だけなんて、バカげてますから。

日本が楽して戦うためには、上陸される前に強制水泳大会を開催してやるのがより良いやり方です。
いくら戦車を運んでも、水底に沈めてしまえば、意味がありません。
また、航空の優勢も近代戦では、有利に勝つための条件の一つです。
その意味で、海空重視は正しい選択肢です。
ただ、それならば、なおのこと、陸上の対艦ミサイル連隊の増強も含めて欲しい。
火砲よりは射程も長く、命中精度も高いので、置くことで、撃ち漏らしの掃討や最後の砦としても、非常に役立ちます。

Suica割 様
陸自の対艦ミサイル増強は、確かに敵水上部隊にとって脅威です。
ですが、私はその増強には、あまり賛成しません。

というのも、地対艦ミサイルは、敵水上部隊にとっては拒否的戦力で、それが生きている間は、敵が接近してくることはまずありません。
つまり、潰されるまでの時間稼ぎでです。
なので、機動力のある、海空戦力に対艦ミサイルを持たせた方が適切だと思います。

数多様

つぶされるまでの時間稼ぎとして、陸上配備のSSMは悪くないのではないでしょうか?それこそしらみつぶしに偵察衛星や偵察機で探しまわり、航空攻撃をしかけてくるでしょう。相手の巡航ミサイルを射耗させ、あるいは航空機をこちらの防空ミサイル射程に引きずり込み、何か月も費やさせることができるのではないでしょうか?

同じ航空戦力が、我が方の(少し後方の)陸海空基地や都市、艦隊を攻撃する任務を実施できなくなるので、ボディーブローのように効くと思います。ターゲッティングが問題と言う主張も時折聞くのですが、全く賛成できません。米軍の支援が期待できる本格侵攻時に、敵艦隊の位置が分からないとは、考えにくいですし、衛星通信のバースト転送すらできないほど、徹底して通信装置が破壊されることはあり得ないからです。

(SSM連隊が全力残存していれば)メール一通の指示で、96発のミサイルを完全同時着弾で打ち込めます。SSMの射程は120-200 kmほどでしょうから、3個連隊で南西諸島は防御できてしまいます。九州、四国、本州、北海道であれば、無数のトラックが走る大人口の陸域ですから、合計で5-6個連隊を「保有」するだけで、敵にとっては面倒きわまりない戦力となるかと。

もちろんココで言う「防御できる」「面倒きわまりない」とは、「無傷のままであれば」の話しですが、とにかく敵はこれを無力化する必要がある。ざっと数週間から数ヶ月の労力を割くことになるのではないでしょうか?

防衛戦の本質は、いかに時間を稼ぐかです。主導権を握られている以上、敵殲滅などできる訳も無い(敵はこちらの弱点を丹念についてくる訳ですし、旗色が悪くなれば逃げれば良いだけだから)ので、そんなものを狙う必要は無い。全ては時間を稼ぐことで、味方の増援や、悪天候の季節の来訪、敵の内部分裂、そして敵の後方国の参戦のチャンスを広げる。

そう考えると、森の中や市街地に隠されるただのトラックの集まりであるSSM連隊は、かなり面倒な装備だと思うのですが。(隠れる意味では、88式のトラックの方が、12式より目立たなくてよい)。

いかがでしょうか?

空発:攻撃用、艦発:自衛+機雷戦用、地発:対上陸戦+機雷戦+海峡封鎖用

陸SSMを海に向かって撃った時の射程は30~50㎞、南西諸島をカバーなんて無理で、
水上戦に使えるようにするには、改修が必要であり、実用化はだいぶ先。

という事を押さえて話をしないといけないかと。

あいしさま

>陸SSMを海に向かって撃った時の射程は30~50㎞

これはどのような情報でしょうか?ミサイル本体は海自が使っているSSM1系とほぼ同じ弾体で、わざわざ変える方が大変なハズですが。。

>水上戦に使えるようにするには、改修が必要であり、実用化はだいぶ先。

これが事実とすると面白いです。対艦ミサイルとして設計され試射で海上の標的に命中している以上、「水上戦」のターミナル誘導はばっちりな訳で、「水上戦」に使えないというのは、途中までの誘導に問題があるという話しでしょうか?

ちなみに88式がそうだったとして、12式も同じなのでしょうか?

ドナルドさんが正しいと思います。
陸自SSMが潰されるための時間稼ぎの駒であるのは確かですが、逆に言えばSSMがあるからには、敵は大仰な航空部隊を用いて空自から航空優勢を奪い、SAMを無力化し、陸自SSM連隊を陸地から探し出し、漏れなく潰す、という苦労をしなければなりません。

仮に敵がその労を惜しむ場合は揚陸艦隊を防空艦で厳重に守る必要性に迫られ、結果的に数で勝る敵の海上部隊がダンゴになり、その動向は掴みやすくなります。
そのダンゴに向かって全国から集結した日本の空海部隊が有りっ丈のミサイルを撃ち込めば流石の某国海軍もタダでは済まないでしょう。

別にSSM連隊を2倍に増やせとは言いませんが、有事に先島諸島へ展開することを考えると、沖縄本島に常駐するもう1個連隊程度があったほうが良さそうな気がします。

そうして陸自の部隊が沖縄本島から先島諸島へ素早く展開できるような体制が出来れば、空自のペトリオットは日米の拠点である沖縄本島の防衛に徹して、島嶼部の全般防空?は増強した陸自高射群に任せてしまっても良いのではないか、なんて思ったりもします。

そうすれば、空海重視のご時勢に縮小することを拒否する陸棲のエライ方々も満足し、手薄な先島諸島の防衛も取り敢えず一安心となるのではないでしょうか。

地上(海岸線)からしか索敵しかできないため、陸SSMが海上を飛翔できるのは、30~50km。
著名な軍事評論家が20年前に記事にしている。
今年度の予算にて、陸SSMと海自のデータリンクの調査・研究が計上され、
先生もこのブログで記事にされている。

あいしさま

お返事ありがとうございます。

おっしゃることはその通りで、88式の配備の時代には、「他のアセットからのターゲティング情報」をもらうという仕組みはありませんでした。12式にもまだ無いかもしれません。

一方で、SSMそのものは、中間誘導を慣性航法装置で、ターミナル誘導を自機のレーダーで行う仕組みです。この「レーダーのスイッチを入れてターミナル誘導モードに入る地点を入力する」という作業がターゲティングのほとんど全てです。実際、88式と弾体の技術をかなり共有している、海自の90式SSMでは、ヘリコプターからの情報をもとに射撃しますので、「他のアセットからのターゲティング情報」を用いることが、最初から取り込まれています。

このような技術的な特徴から、「他のアセットからのターゲティング情報」をもらうためのデータリンクの実装は、比較的安価に実施できると想像できます。

88式そのものも、遠隔に設置したレーダーから、発射管制装置まで、データを中継するシステムがあります。従って、発射機は適宜島内に隠すとして、八重山、宮古、沖縄周辺のいくつかの島にレーダーだけを配備しておけば、今でも、射程200kmと活かした運用ができるはずです。もちろんこの中継システムの有効距離次第ですが、有効距離が足りないのなら、別の長距離通信の上に信号を載せることは、「難しくありません」。(1988年時代のデータ量なら、2015年の通信容量の桁違いの大きさを活かして、その上に載せてしまえば良いから)。

というわけで、「SSM連隊が、他のアセットからのキューイングで射程150-200 kmで射撃できるようにすることは、まだ実現していない(だろう)のは確かであるが、その気になれば比較的容易に実現できるし、大事なことなので、きちんと開発することが大切である」というのが、私の主張です。

>著名な軍事評論家が20年前に記事にしている。

http://gohoo.org/14112802/
http://gohoo.org/15020601/

あいし殿、ドナルド殿参考にどうぞ

シュピーゲル様

記事ありがとうございます。大変勉強になります。

要は88式の時代から、外部入力でターゲティングできる仕組みはあり(技術的に考えて極めて妥当)、それは今も有効に働いている。一方で「それができない」という誤報がY新聞からつい最近流れていて、誤解される可能性がある、ということですね。

つかデータリンクが無ければ無理、という思い込みですね
基本的にはアクティブホーミングですんでミサイル自らロックオンすることが可能、AAMとは違い対象は高速体ではないので中間誘導は慣性のみで十分となれば初期目標を手動入力し発射できれば良し、となりますね

機能上手動で、外洋の敵を攻撃できるが、ミサイルシステムとして敵目標に有効な打撃を与えるとは言っていませんね。
システムとしてはその有効性が不十分であるからこそ、データリンクの予算要求、研究試作という事になっているわけです。
(現状で問題なければ、予算は通りません。)

緊急事態用の手動入力にて行い、データリンク無しに遠洋の敵を狙うものですが、
・見敵からSSM部隊までの連絡時間、目標入力から発射準備完了までの時間はどれだけ伸びるのか。
 (ミサイルが目標位置に移動したときに、敵艦がアクティブシーカーの探知範囲内にいる必要がある。)
・12SSMに至っては、88SSMから向上したや同時弾着機能の向上が意味をなさなくなる上に、
 目標情報更新機能ができなくなるので、伸びた射程を生かすことができなくなる。 
と、射程・機能を十分生かせるかどうか気になる点は色々あります。

一番大事なことではありますが、例え射程150kmフルに使えたところで、その程度の射程では対上陸戦しか使えないので、
接近防止の対水上戦能力は、「現状においては」機動力を持つ海空に注力すべきであり、という結論は変わりません。

海空は機動力に優れていても隠れることができないのは不利ではないでしょうか?
陸はいろいろ地形を利用して隠れることができるのは有利ではないでしょうか。
機動力も道路があれば機動できますし。

>機能上手動で、外洋の敵を攻撃できるが、ミサイルシステムとして敵目標に有効な打撃を与えるとは言っていませんね。
>システムとしてはその有効性が不十分であるからこそ、データリンクの予算要求、研究試作という事になっているわけです。
>(現状で問題なければ、予算は通りません。)

>緊急事態用の手動入力にて行い、データリンク無しに遠洋の敵を狙うものですが、

偏向しすぎですね、手動入力は緊急事態用でもありませんし、現状の機能で十分であっても利便性等から機能向上は図られる訳ですからと、だけではなくデータリンクは三自を現場レベルで並列に情報共有するために必要ですので

シュピーゲル様、あいしさま、あさま

陸自のSSM連隊の意義については、皆さんのおっしゃることはもっともと思います。私は、戦術的な利点、地理的な条件、そして実現性の3点から、たまたま「今の南西諸島において」、大いに価値がある、と考えている立場です。


1:戦術的な利点

日本が航空優勢と制海権を「24時間365日」確保できる情勢であれば、対艦ミサイルは機動力のある海空に重点的に装備するのが妥当なことは自明です。数多さんもあいしさんも、正しいと思います。

ただ私は、南西諸島で、今後10年以上に亘って、これは維持できないし、今でも怪しいと考えています(嘉手納と那覇基地に、弾道弾と巡航ミサイルを、奇襲攻撃で数百発打ち込めば良い)。もっと大事なことは、中国側がどう考えているかなわけで、「いざ有事となれば奇襲で日米の航空戦力を無力化できる」と彼らが思えば、それだけでもう抑止力としては不足な訳です。

陸上のSSM部隊は、航空基地に比べて、空襲に対してはるかに強いのは間違いありません。強力な対地攻撃能力を持っている米空軍ですら、砂漠でのスカッド狩りであれだけ苦労したのに、防空重視の中国空軍が、陸自のSSM部隊を探し出して壊滅させるのは、相当に時間がかかるでしょう。粘り強く防勢に立ちつづけることで、本州の我が部隊やアメリカ軍の立ち上がり時間を稼ぐことが期待できます。


2:地理的な利点

地上配備したSSM部隊は機動力を欠きます。射程も200kmそこそこでは沿岸防衛の域を出ないので、敵がそこに攻めてこなければ出番は無く、完全に遊兵と化します。このため、原則として地上SSM部隊は、明らかに「悪手」なわけです。そこは皆さんのおっしゃる通り。

しかし、南西諸島の場合は、敵がどこに来るかある程度予測でき、かつ、200kmの射程が(12式に)あれば、先島諸島、沖縄本島、奄美大島に1個連隊ずつ配備すれば、全ての有人島(大東島を除く)をカバーできてしまうのです。つまり、脅威が南西諸島に集中している事実と、現有SSMの射程の組み合わせが、我が方にとても有利なのです。地積を有している利点を最大限に活かせる訳で、今後経済力で差を付けられてもなお、有効な手段となりつづけます。まさに、A2ADそのままですね。


3:実現性

イダテングさまもおっしゃる通り、「陸自予算と人員を2/3にして、海空を増強せよ」と言っても、なかなか実現しそうにありません。一方で、現在の情勢では、南西諸島にSSM連隊を配備することが極めて有効となれば、「陸自の1個旅団を解体して、4-5個SSM連隊(+警備普通科中隊を複数)を増強」しても、陸自の「総合的な戦力」(その本質は、敵に着上陸を思いとどまらせ、時間を稼ぐこと)は減らないわけで、陸自としても悪くない話しです。それゆえに、実現性が高いかなと思っております。

#米陸軍もミサイル化を要求されていますし、「世界の陸軍トレンドの先端をいく」とか、幾らでもポジティブな言いようはあります。

「1、2」に示したように、南西諸島へのSSM連隊配備は、現在の情勢と地理的な条件、装備の性能の一致から、決して悪手ではなく、かなり良手と思われるので、陸自もその気になってくれないかなぁと、期待しています。(笑)

みなさま

SSMの有効性について、以前にも似たような記事を書いていますが、皆様のやり取りを見ていると、もう少し踏み込んで書いた方がよいのかもしれないなと思いました。

私は、SSMは有効な装備だが、現在の情勢と中国の選択を考えた場合、これ以上増強する必要は無いと思っています。

なお、記事を書くにしても、少々先になると思います。

私も管理者様同様。SSM部隊の有用性は認めますが増強する部隊とも思いません。それはあまりにも戦局中の終盤付近での活躍が求められる部隊ですので普段のパワーゲームには無駄が多いからです。むしろ、装備等は普段予備保管として、戦局が緊迫した時に活動を開始する予備自衛官による部隊にすべきと考えます。

北海道や一部の部隊は、予備化。一部の部隊のみ普段アクティブを維持すれば良いでしょう。

もし増やすなら。陸自管理のミサイル艇部隊なんかどうでしょう?戦略機動力はトラックより上。変に速度を求めなければ低コスト化できるかもしれないし。なんとなれば。人員や物資の軽輸送にも使える。沿岸警備や災害派遣などの普段業務にも有効でしょう。

馬鹿が戦車で立ち往生 様
陸自管理のミサイル艇ですか。
海自がミサイル艇を持ちたがらないからの案だと思いますが、管理・運用ノウハウを持たない陸自が持つのは大変でしょう。
その上、連携と識別を考えると、適切だとは思いません。

対艦ミサイルは、目標の数が決して多くはありませんから、プラットフォームの数よりも、速度など質的向上にお金をかけるべきだろうと思っています。

馬鹿が戦車で立ち往生さま

ミサイル艇は空襲に極めて弱いです。過去の戦史でも、航空優勢を失うと、航行すれば瞬殺されていますから、実は機動力もありません。開戦前の機動であればもちろんあり得ますが、地図を見ても、南西諸島の海岸でミサイル艇を隠せそうな場所は少ない。グルジアvsロシアの時も、ミサイル艇は港であえなく瞬殺されていました。1隻(SSM搭載はたった4発)で100億円もするので数もそろえられず、陸上のSSM部隊(SSM 192発込みで調達費は309億円)と比べて格段に空襲への耐久力に劣るので、私の考えではミサイル艇は全く必要のない装備です。

あり得るとすると、SSM連隊を開戦前に高速フェリーで急速輸送する方が良いと思います。


数多様

>私は、SSMは有効な装備だが、現在の情勢と中国の選択を考えた場合、これ以上増強する必要は無いと思っています。

ありがとうございます。私もコメントに記した前提条件で書いていますので、その辺の理解に、足りない点などあると思います。記事を楽しみにしております。

>数多さま

陸自管理は特別難しいとは思いません通信装置が発達した統合の時代に。初期は海からの人員の派遣も必要でしょうが、海上自衛隊の教育課程への陸自隊員派遣などいくらでも手はあるでしょう。
海上自衛隊が大洋海軍として沿岸防衛的任務はどちらかと重視しないなら後方の沿岸任務は陸自にでもやらせるのは一つの方策です。むしろ島国の陸軍として船の自前運用はそんなにおかしくない。細かい島嶼での小型艦艇はそれなりに活躍の場面は想像できます。

>ドナルドさま

100億とは高級なミサイル艇ですね。私はそんな高い代物を望んでいません。もっと安い、やや高速の巡視艇に毛の生えた雑作業に使えるイメージのミサイル艇です。
平時はミサイルを外していても良い。しかし普段は輸送を含む雑作業や哨戒任務。ゲリコマ侵入ともなれば陸上部隊を海から支援する。海自の不足をカバーし陸自の作戦能力を高める代物なければならない。

また情勢が緊迫ともなれば必殺のミサイルプラットフォームとして各島嶼で隠ぺい待機して抑止力として機能する。

ミサイル艇の弱点は承知しております。しかし有事における運用や平時の使い方を考えれば存在価値はまだある。それも陸自にさせることに意味がある。

>また情勢が緊迫ともなれば必殺のミサイルプラットフォームとして各島嶼で隠ぺい待機して抑止力として機能する。

それぐらいなら文谷氏が云われる棹や竹竿方式(軽トラに載っけといてぶっぱなす)で十分じゃないですかね?

〉シュピーゲルさま

竿竹方式、ぶっちゃけ対艦ミサイルの発射台なんて今時それで十分という話も有ります。

索敵は人任せ、操作システムも大袈裟な情報システムではなくシステム無線機に繋いだ業務用タブレットにでもアプリインストールしてやる位は現在の技術なら出来そうです。

馬鹿が戦車で立ち往生さま

お返事ありがとうございます。

>100億とは高級なミサイル艇ですね。私はそんな高い代物を望んでいません。

お分かりと思いますが、「はやぶさ」型の値段をしめしただけです。

どんな性能のものを、どんな価格で、数をどれほどそろえるのか、馬鹿が戦車で立ち往生さまの案はいかがでしょう?

いずれにせよ、ミサイル艇は「必殺のミサイルプラットフォーム」たりえません。海に出れば空襲でやられてしまうし、4発程度のミサイルでは、フリゲート級の防空システムすら突破できない。10隻単位で一つの戦場に潜んでいないと、敵の揚陸部隊の脅威にはならない。しかし、南西諸島の地図をどう見ても、10隻規模のミサイル艇を隠せる地形ではないかと。。。

1-2隻の場合は、敵が揚陸した後に、その兵站線に対して攻撃する戦術はある訳ですが、海に出てもすぐやられちゃうので、ほとんど隠れ家からそのままSSMを射撃するしかない。つまりSSM連隊でできる仕事。結局ミサイル艇の存在意義は、開戦時に敵の空襲を一身に背負うことで、時間を稼ぐことだけかと。そしてその一点において、SSM連隊に勝てる要素が何も無いと思っています。

おっしゃる汎用の哨戒艇はあってよいと思いますが、まさに海保の巡視船そのままで良いと考えます。データリンクも最低限、戦闘システムも簡素、武器は20mm砲だけ。コストがかさむだけのSSMなんていらない。むしろ重要なのは、機雷敷設かと思います。

#さらに言えば、ゲリコマ対策は、治安維持の側面もあるので、その点に限ってでよいので、海保と陸自が連携できれば、新たな調達すら不要になるのですが。。。

あとミサイル艇を陸自が運用するのは、数多さんのご意見に賛成で、難しいし、コスト効率も悪いと思います。

>ドナルドさま

お相手していただいてありがとうございます。

まずもう一度申し上げますが。SSM部隊は否定しておりません。どうぞ高速輸送艦で展開するなり、常駐するなりして島嶼防衛にお役立て下さい。
ただしそれをわざわざ増強する必要はありません。それが主張の根本です。北海道なりにソ連崩壊ロシア弱体化で遊兵化した既存の部隊の転用で十分でしょう。ついでに言えば失礼ながら、島嶼ではSSM部隊もそんなに隠れるのは容易とは思いません。ミサイル艇とどっこいどっこいだと思いますよ。

ドナルドさまが陸自の人員・予算削減が難しいから陸自内部の編制替えでSSM部隊にすると主張したので、まだ普段の使いでがある陸自ミサイル艇部隊を提言しているわけです(考えたら対艦任務は元来海軍の領域ですね)。

別に本来私が考えるように陸自の人員・予算・不効率な組織に必殺の大ナタを振るい陸自をバラバラにさばいて人員予算をはぎ取れるなら海自・空自・海保に予算人員を回して効率良く増強しますよ。

無駄に陸自が存在するから、その他得失点を知りつつも提案をしなくちゃならない。陸自人員予算をはぎ取れないなら。せめて役に立つ使い方をさせなくてはならない。それが海自・海保の任務を一部補完させて押し付けることです。その一環が島嶼・沿岸防衛に使用するミサイル艇です。

しかし陸自に船の運用をさせるのは真剣に考えたほうが良いと思います。沿岸付近でのミサイル艇でなくとも小型高速艇から従来型LST。島国における陸軍としてある程度の海上作戦能力は必要でしょう(米陸軍でも各種船艇を持っている)。

SSM連隊の常駐配備には反対かな?
補給体制やらが万全であればそれもアリかもしれんけど島嶼に配備されっと他地域で不測の事態が生じたさいに移転が難しいことになる。それはミサイル艇にしても同じ(例:宮古島から五島列島へ配置転換等)
まあ常駐配備しようとしたら今の連隊数では無理で増強が不可欠かつ補給の負担が大きい。
馬鹿が戦車で立往生氏の説も結局同じで負担の大きいことを言っている。(ミサイル艇を何隻用意すれば良いのか、当然整備のための回航が必要となりローテーションを組まないと稼働率が落ちる等の考慮が全く足りない)
自分としては基本的には空輸、海上輸送による機動運用が肝要と考えており、それとは別に陸SSM連隊の数が今で十分であるかについては疑問がある次第(南西諸島に緊急配備したとして、他方面での不測の事態に対処できる予備があるか等)

馬鹿が戦車で立ち往生さま、シュピーゲルさま

ありがとうございます。

お互い、具体案・結論は異なれど、陸自に海空の負担の一部を担わせるための提案ということで、誤解はなくなってきたと思います。

1:ミサイル艇の抗堪性について
> 島嶼ではSSM部隊もそんなに隠れるのは容易とは思いません。ミサイル艇とどっこいどっこいだと思いますよ。

ここは全く異なると思います。実際にグーグルマップの衛星写真をご覧ください。

南西諸島では、珊瑚礁が発達しており、ミサイル艇を岸辺に寄せられません。岸辺に寄れなければ、レーダーで一発で見つかるのでこの海岸は使えない。岸に寄れそうなところは数えるほどしか無く、素人目にも簡単に見つけられそうです。一方で、SSM搭載のトラックの大きさを考えると、陸上のあそこもここも隠れられます。偽装もしやすい。ミサイル艇の無力化は3日もあればできるでしょう。一方で、SSM連隊の制圧に3か月かかっても驚きません。短くても1か月はかかる。


2:陸自の積極的なA2AD化について

南西諸島空域で、我が方が航空戦力で不利になるのは時間の問題です。一方で我が方は「守る側」という特徴があり、「地積を有している」という利点があります。地積を有している圧倒的な利点は、航空優勢を失ってなお、存在し続けられる陸上戦力を配置できるからです。海空戦力は(潜水艦を除き)航空優勢を失ったら、全滅か撤退の2択です。

島嶼は守るのに向かない。それは分断され、遊兵ができやすいからです。歩兵や機甲部隊を宮古島に1個旅団配備しても、石垣島の防衛には何の役にも立たない。

しかし、大射程のミサイルがあれば、原理的に(その射程の範囲内では)遊兵は発生しなくなります。各島に1-3こ中隊ほど配備し、ゲリコマ対応と情報収集をする。敵の大規模攻撃には、遠隔からの長射程ミサイルで対応する。

ここまで考えたときに、「陸自を削る政治的労力が大きいから、海空の負担軽減となる何かをさせる」というネガティブな発想から、ミサイル化を推進することで、「陸自だからできる南西諸島のA2AD」というポジティブな発想に変わりました。SSM連隊は、平時のつばぜり合いには出番はありませんが、本格有事には主力たりうると理解しています。その意味では歩兵部隊、機甲部隊と同等という訳です。


3:陸自の第2海自化あるいは第2海保化について

諸外国で陸軍が保有する艦艇は、兵站線のための船と小型のボートです。その意味では、CB90シリーズを100隻ほど陸自が保有するとか、なっちゃん系の高速輸送船、あるいはRoRo船を2-3隻、陸自隷下おくのは良い考えと思います。

一方で、哨戒艇やミサイル艇を持たせるのは、反対です。

一つにはモラールの問題。海自や海保と比較して、海ではこの2組織に全く勝てないので、陸自哨戒艇部隊は「出世できない場末の部隊」の代表例となるでしょう。その後の昇級の道も見えません。陸の人が、そのキャリアの途中で「ちょっと船も操縦したことがある」程度の話しにしておけば、何とかなりますが、「最初の10年のキャリアの大半が海の上」、となると、昇進の道がない。。。

もう一つは指揮系統の問題。例えば海自の潜水艦は、探知した哨戒艇が陸自のものか、敵のものか、判断をする必要がある訳ですが、海自内ですら連絡の不行き届きがありそうなのに、組織をまたいだらもっと大変になります。

最後の一つは、訓練の問題です。3個目の海上組織をつくるということは、3個目の海上教育機関を作ることを意味します。これはさすがに無駄でしょう。

すみません、項目2で分かりにくい点を修正します。

---
しかし、大射程のミサイルがあれば、原理的に(その射程の範囲内では)遊兵は発生しなくなります。各島に1-3こ中隊ほど「歩兵部隊を」配備し、ゲリコマ対応と情報収集をする。敵の大規模攻撃には、「拠点となる島に配備したSSM連隊による」遠隔からの長射程ミサイルで対応する。
---
です。

>ドナルドさま


グーグルマップという同じソースを見ながら見解が分かれるのは、まあ良いとしましょう。少なくともグランドクラッター等で攻撃しずらく識別しにくい各種偽装するミサイル艇等が攻撃・撃破段階はSSM部隊にとっても相当危機でしょう。制空権は喪失して、UAV等がわが方上空を闊歩する状況が考えられます。

>識別
それは別に水上はIFF等水中は音紋など今まで通りのことだと思いますが?

>陸軍の船
私も第一義はは兵站ボートですよ。しかしどうせなら哨戒・ミサイル運用もさせれば良いのです。別に経歴管理は陸自の問題です。これから縮小する戦車・火砲に代わる道として扱えば良いだけです。それから教育は海自に丸投げで良いでしょう。そういうモノは陸海空案外以前から存在します。海が所管する潜水やらボートの運用。陸自が所轄するパラシュート降下など。前例はいくらでもあります。

そもそも陸自ミサイル艇のSSMに対する優位点って何ですか…

戦略機動性ならASM抱えたF-2の方が優れていますし、継戦能力や抗堪性はSSMの方が優れているでしょう。

F-2より遅く、SSM連隊より長居できず、それでいて同規模の打撃力を持つSSM連隊よりはるかに高コストな陸自ミサイル艇部隊を整備することに、一体どんなメリットがあるのでしょうか。

もしメリットが無いなら、陸自ミサイル艇部隊を整備するカネをSSM連隊の増強に使った方が効果的だと思うのですが。

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