創作通信_その3(てつのくじら館取材)
創作通信第3回は、「てつのくじら館」取材記です。
第1回の時に、次回作は海自メインと書いたのですが、その中でも主要な兵器は潜水艦の予定です。
が、何を隠そう、現役自衛官時代も含め、私は潜水艦には乗ったことがありません。関係する所に、顔を出していた事も多いのですが、やはり現場がイメージし難いと、書くことに難儀します。もちろん、海自に取材を申し込むことは正道なのですが、何せ潜水艦ですし、申し込んだところでどうなるか怪しい。それに、間違いなく時間がかかります。
と、言う訳で、現物の潜水艦が、いつでも見られる「てつのくじら館」に取材に行ってきました。
海上自衛隊呉史料館 / てつのくじら館
愛称が「てつのくじら館」なので、潜水艦の展示だけかと思いきや、正式名称が海上自衛隊呉資料館ということで、潜水艦だけではなく、掃海についても展示されています。
なんで掃海と潜水艦だけなんだ?と思ったら、水上艦については佐世保史料館(セイルタワー)があり、航空機については鹿屋航空基地史料館があるからみたいです。
海自は、贅沢だなぁとも思いますが、伝統を大切にする文化の現れでもあるんでしょうね。
しかし、大量に撮ってきた写真を改めて見ると、取材目的が明確すぎたためか、ブログに載せて映える写真がほとんど無い!!!
てつのくじら館の玄関やら、引いた全景写真なんかがほとんど……というか、皆無だった・・・。
唯一に引き写真がこれです。隣の大和ミュージアム前から撮った写真に、背景として『あきしお』が写っています。
と言う訳で、てつのくじら館の紹介は適当で、所感を書いて行こうと思います。
まずは、入館時、朝早かったせいもあって、人が全く居ない。
思わず、入り口に居た案内の方に、「もう空いてるんですよね?」と聞いてしまいました。
1Fは、海自の歴史フロアで、2Fの掃海艇展示とリンクして、海自発足が掃海からスタートしたことが良く分かる内容になってます……が、地味です。館外にある巨大な潜水艦が目を引くとは言え、入って最初の展示がこれでは、このままUターンしてしまう人もいるのではないかと思うくらいです。
2Fは、掃海についての展示なのですが、現物の機雷や処分具が展示されており、ミリタリーに興味のある人にとっては、なかなか面白い展示です……が、例えば戦闘用の車両と言えば戦車しか思い浮かばない普通の人にとっては、「なんだこれ?」になりかねない気もします。
こんなですから……
海自としては、潜水艦で客を呼び、他にも見せるということで掃海関係を展示したのでしょう。
で、3階になって、やっと潜水艦です。魚雷の現物などもあるのですが、
3Fで一番興味を引くのは、やはり艦内生活に関する展示です。
ベッドや食堂、トイレにシャワーといった、展示は、だれでも分かりやすく、潜水艦勤務が大変だろうというのが良く分かる内容になっています。
しかし、残念なのは、潜水艦の戦闘に関しては、ほとんど展示らしい展示がないことです。さすがに最新の情報を展示するのは無理でも、30年くらい前の情報は、潜水艦の戦闘がどんなものか分かるような展示をしても良いのではないかと思いました。
もっとも、コレに関しては、潜水艦だけでなく、他の装備もそうですし、陸空自もにたようなものですが。
そして、3Fの展示コース最後に来ると、いよいよ「てつのくじら館」のボスとも言うべき現物の潜水艦「あきしお」艦内に入れます。
潜水艦は狭いと聞きますが、軍用の装備品は、みんなこんな感じだよな、というのが私の第一印象でした。
しかし、ここで常時暮らすのは、やはり大変でしょうね。
さすが海自と思ったのは、あちこちにあるメーター類の中で、圧力関係のメーターです。
当然、可潜深度を推測させないため、数値は消してあるのですが、メモリは付いています。メモリの数を読めば、ある程度推測できるんじゃないか?と思って良く見たら、文字を消しているだけでなく、プレートごと変えてありました。お見事!
私は、それなりに長く艦内を見てましたが、やはり現物の潜水艦が見られるのは珍しいのか、外国の方も来てました。30分くらいの間に、韓国の方が1組と欧米の方が1組いました。情報収集で来ている軍関係者も多いでしょうね。
「てつのくじら館」を見終わった後は、日本で唯一現役の潜水艦を間近で見る事のできる公共場所である、公園アレイからすこじまに行きました。
当日も、潜水艦桟橋にはそうりゅう型とおやしお型が1隻づつ停泊していました。
このアレイからすこじまの直ぐ横には、第一潜水隊群や潜水艦教育訓練隊のある呉基地昭和地区があります。
その後は時間が余ったので、ついで、あくまでついでに「てつのくじら館」の直ぐとなりにある大和ミュージアムにも足を伸ばしました。
驚きとともに、なんだかな~と思ったのは、「てつのくじら館」と打って変わった人の多さです。
人間、結局引かれるのはドラマなんでしょうね。たぶんこれが武蔵ミュージアムだったら、たぶん閑古鳥がないているんでしょう。
私が小説を書いているのも、それを認識しているからです。
と、言う訳で、呉に行ってきました。次作は、鋭意執筆中です。もうしばらくお待ち下さい。
最後にオマケの呉焼きも載せておきます。美味しかったですし、ボリュームにビックリしました。
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初めてのカキコミで、失礼します。
呉まで来られて、アレイからすこじままで行かれたなら
呉港から出港する艦船めぐりの遊覧船にも乗っていただきたかったです。
自衛隊のOBの方(?)が説明しながら各種艦船の近くまで行ってくれます。
今度呉に来られたら是非乗っていただけたらと思います。
またの来広を県民としてお待ちしております。
投稿: ヘモ | 2014年11月24日 (月) 22時43分
勉強になりました。てつのくじら館、わたしもいずれぜひ行ってみようと思います。ところで、上から四枚目の写真ですが、「あきしお」はスキュードプロペラではなくて普通のプロペラなんですね。。それともこれも情報秘匿のために「あきしお」展示の際に海自がわざわざ普通のプロペラに付け替えたのかしら。
投稿: 友引高校校長 | 2014年11月28日 (金) 12時51分
ヘモ 様
呉にも艦船巡りがあったとは知りませんでした。
横須賀の方は、近いし盛況だということで有名ですが、呉にもあったんですね。
また行く機会があれば、乗ってみたいと思います。
ありがとうございました。
でも、一応現役自衛官時代に、呉-江田島間と江田島-岩国間は、自衛隊の小型船で見て回った事があります。
雰囲気あっていいですよね。
友引高校校長 様
自衛隊の広報施設は何カ所かありますが、私は個人的にはここが一番見るべきモノがあると思います。
陸・空含めて全部見て回った訳では無いですが、大半は見ました。
プロペラですが、ゆうしお型からスキュードプロペラだったはずなので、変更されていると思います。ピカピカでしたし。
投稿: 数多久遠 | 2014年11月30日 (日) 00時06分
私もてつのくじら館を見物した事があります
案内の人が掃海艇でペルシャ湾に派遣された方で
色々とお話が聞けて良かったです。
ところで、てつのくじら館も良いですけど
江田島の幹部候補生学校は最高でした。
投稿: メリッサ | 2014年12月 1日 (月) 11時23分
メリッサ 様
江田島と教育参考館は、イイ感じ出してますね。
空自にはどうやってもマネできないな~と思ってました。
投稿: 数多久遠 | 2014年12月 6日 (土) 17時45分