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2014年9月

2014年9月 2日 (火)

朝日新聞は、絶対に慰安婦問題を反省できない!

朝日新聞が、慰安婦問題を世界的に広める契機となった吉田証言と、もう一つ植村記者による記事では慰安婦と挺身隊を誤用したと認めました。
しかし、世論調査を見ても、ほとんどの人は朝日の検証は不十分だと考えています。

その焦点は、虚偽と誤用が意図的であったかどうかにあるように思えます。

ですが、意図の有無は、吉田氏と植村記者の問題ですが、朝日新聞の社としての問題は、この虚偽と誤用に気が付いた時期です。

多くの方が感づいている通り、朝日がこの虚偽と誤用に気が付いたのは、今ではなく、下手をすれば32年前だったかもしれません。
しかし、朝日の検証記事は、あくまで今になって気づいたという呈を崩していません。

クオリティーペーパーを自認する朝日新聞がこのような不誠実な姿勢を貫いている事に多くの国民が不信感を抱いています。
そして、それが故に、異例なことに他のマスメディアも朝日の姿勢を糾弾している現状があります。

しかし、朝日が「実は前から気づいていました。申し訳ありません」と、心から謝罪する日は、たとえ朝日が潰れる日が来たとしても、訪れることはないでしょう。

ジャーナリストの池上彰氏は、朝日新聞に対して謝罪すべきだと主張し、しかもそれを朝日新聞での連載記事に書こうとして、結果連載が打ち切りとなったそうですが、朝日の謝罪はありえません。

と、言うことで本題です。
朝日が現在最も恐れ居ている事は、不買運動だという声もありますが、この虚偽と混用に気づいていた事を認めると、不買運動よりも怖い事態が起こりえます。
それは、名誉毀損による損害賠償訴訟です。
(週刊新潮9月4日号の記事によると、日本大学の百地教授らは、既に集団訴訟の準備を進めているとのことです)

慰安婦に関する朝日の主張は、軍が組織として強制して性奴隷を作り上げていたというものです。
非難の矛先は、軍という組織ですが、組織の構成員である軍人、徴兵された方を含めた軍に所属していた人全てが、そのような人さらい・人身売買に荷担していたと言われていることと変わりません。

流石に少なくなったと思いますが、現在も存命の旧軍人の方々は、朝日新聞が報じた嘘の報道によって、名誉を傷付けられたのですから、名誉毀損として損害賠償訴訟を興してもおかしくありません。

私も祖父と叔父が従軍しています。
二人とも他界していますが、死者に対する名誉毀損も、その事実が客観的に虚偽のものである場合は認められます。
(資料・根拠に基づいて真実と誤信した場合は、故意ではないとして、名誉毀損が認められません)

朝日による虚偽報道では、32年間嘘を認めなかっただけでなく、名物コラムである天声人語などで、何度もこれを再主張しています。
つまり、どこかの時点で誤報であることに気が付いていたなら、故意による名誉毀損を続けていたことになります。

また、名誉毀損罪は親告罪ですが、遺族が親族であれば告訴できます。
つまり、配偶者、6親等以内の血族、3親等以内の姻族ならOKという事になるわけですが、多数の人が従軍した戦争でしたから、日本人のほとんどは、軍人の親族でしょう。
私の場合も、当然OKです。

実際に裁判になった場合、争点はいくつもありますが、最大の争点は、朝日が過去の時点で誤報だったと認識していたかです。
つまり、朝日は、「今回初めて気が付きました。ゴメンなちゃい」と言い続けないと、この裁判に敗訴する可能性が極めて高くなります。

もし、集団訴訟が起こされれば、原告の人数は相当数に及ぶ可能性があります。
1万円程度の持ち出しで原告になれるのであれば、私もなりたいくらいです。
その程度であれば、それこそ万単位の原告が現れるかもしれません。

仮に1万人の原告が現れ、慰謝料が100万円だったとすると、賠償額は100億円です。
朝日の経営状態はわかりませんが、相当痛いことは間違いありませんし、それ以上にこんな巨大訴訟を起こされる事によるイメージダウンの方がはるかに痛いでしょう。

一部には、朝日を潰してやると勢い込んでいる人もいらっしゃいますが、裁判で朝日が敗訴すれば、本当に潰れるでしょうし、敗訴しなくても、イメージダウンにより、潰れる可能性はかなりありそうに思えます。

軍が法的な客体であるか、軍が客体であったとしても、招集された軍人の名誉も毀損されたことになるか等、朝日も争うでしょう。
しかし、日本人のメンタリティーとして、そして特にそう言った行為に対して厳しい姿勢を示してきた朝日であるが故になおのこと、争えば争うほど、朝日のイメージは悪化するはずです。

告訴は、6ヶ月以内に行う必要がありますから、今回の場合、この検証記事から6ヶ月以内に告訴が必要だろうと思われます。(朝日が過去の時点で誤報に気づいた事が判明する時点でもいいかもしれませんが)

注視したいと思います。

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2014年9月 7日 (日)

海自いじめ自殺を利用した警察の防衛省攻撃

海自で起きたいじめを苦にしたと思われる自殺に関して、神奈川新聞は、病根の一端が警務隊の存在だとして、警察の片棒を担ぐような記事を書いています。
いじめ自殺:海自の危機意識欠如 続く不祥事 「身内捜査が弊害」」(神奈川新聞140902)

捜査の「プロ」からは、「身内」が警察権を持つ自衛隊の組織構造に温床があるという指摘も上がっている。

中略

 止まらぬ不祥事に、他の捜査部門からも厳しい視線が注がれている。

 1999年から表面化した神奈川県警の一連の不祥事の内実を知る元県警幹部は「内部で捜査をすれば、隠蔽(いんぺい)をしたがるのが普通。外部の目を入れないと、同じことの繰り返しになる」と指摘。「身内」である警務隊が自衛隊員の犯罪を捜査する仕組みを問題視した。

 別の捜査関係者も「何よりも大事なのは透明性。警務隊が自衛隊内ですべての警察権を行使しているような状況のメリットとデメリットを考える時期に来ている」と自衛隊の構造的な問題に言及し、警鐘を鳴らした。


神奈川新聞が言う”捜査の「プロ」”や”他の捜査部門”、”別の捜査関係者”は言うに及ばず、”元県警幹部”も当然全て警察でしょう。

その警察が、警務隊が自衛隊内の犯罪を捜査するという構造を問題視し、当然の帰結として”警察が捜査すべき”という主張を神奈川新聞がしています。

しかし、警察の犯罪を捜査するのも警察なので、非常に自己矛盾した主張ではあります。
が、それには目をつぶるとしても、諸外国を見ても、軍内の犯罪捜査は、警務隊に相当する組織が行う事が普通です。
普通だからそれが正しいとか言うつもりはありませんが、諸外国でもそのような体制になっている理由は、軍事組織の特質として保全配慮が必要であるためと、基本的人権さえ制限される特殊な論理で動く組織の捜査を、一般人の捜査を行う警察が行う事が、必ずしも適切ではないからです。

にも関わらず、警察がこのような考えを持ち、神奈川新聞がその片棒を担ぐ背景には、近年の自衛隊に対する注目と認知の結果、自衛隊が警察の頸木から逃れようとしているからだろうと思います。

戦後、後藤田氏などが主動し、警察は常に自衛隊を統制下に置こうとして、防衛省の主要ポストに警察官僚を送り込んできました。

しかし、次のような報道が行われている通り、近年、防衛省と警察庁の主導権争いが激しくなっています。
女スパイ疑惑を暴露 警察vs防衛の壮絶場外戦」(産経新聞130707)
防衛省が“宣戦布告” 警察庁の牙城に触手」(産経新聞120205)

警察としては、この自衛隊の不祥事を、好機と捉え、この主導権争いを有利に進めようとしているのかもしれません。
流石に、警務隊を解体して、自衛隊を監視下に置こうとしているとまでは思いませんが、警察庁の内部には、そこまで考えている人もいるのでしょう。
だから、このような報道が、”すかさず”出てくるのだろうと思います。

メディアは、警視庁記者クラブの存在を通じて、耳目を集めやすい犯罪及び捜査情報をもらえるため、基本的に警察サイドに立つことが多いですが、この記事ほど露骨なのは、最近では珍しいです。

しかし、今回のいじめ自殺のように、ひどいモノが出てきしまうと、このように付け入れられます。
あんないじめが横行しているようでは、組織も強くなりませんし、本当に、しっかりした対策を講じて欲しいものです。

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2014年9月13日 (土)

朝日新聞木村社長会見に見る、今後の慰安婦報道姿勢-報道と言うより推理小説-

朝日新聞の木村社長会見の注目度は、内外とも非常に高いものがあります。

それは、日本では最高のクオリティペーパーと呼ばれる朝日新聞の取材・報道姿勢に、体質的で根源的な問題がある可能性を自ら認めた会見であり、内外への影響が非常に大きいからでしょう。

このため、木村社長は、組織体制を含めて大きな改革を行うと言っています。
しかし、2時間近くにも及んだ会見の報道を見ていると、その中には、この改革を、かなり怪しいモノにしそうな病根の一端が見て取れます。

気になったのは、先日の記事「朝日新聞は、絶対に慰安婦問題を反省できない!」でも書いた、従軍慰安婦についての言及でした。

私も、作家の端くれとして、文章の善し悪しや、そこで使われるレトリックなどは気になります。

朝日の記事を見ていると、その主張には納得いかないものの、文章としては、流石だなと思わせられることが多々あることも事実で、記者に要求する文章能力については、朝日が最も厳しいと言われるのも納得できる話です。

しかし、だからこそ、会見で述べられた慰安婦報道の方向性については、そこにゾッとするモノを感じざるを得ないのです。

【朝日新聞会見詳報(6)】慰安婦報道、それでも「広い意味での強制性あった」再度主張」(産経新聞140911)

 記者「8月の特集記事では吉田証言を取り消したが、多くの朝鮮人女性が無理やり連れて行かれたことは否定していない。今も見解は変わらないのか」

 杉浦取締役「強制連行は、そういった事実はないと認めた。しかし、いわゆる慰安婦、自らの意思に反して軍に性的なものを強いられる。広い意味での強制性はあったと考えている」


この質疑は、質問からして朝日の姿勢に近いメディアの方が質問したのではないかと思われる聞き方ですが、杉浦取締役の回答は、「流石に朝日の取締役だ」と思わせられるものでした。

ナゼ流石なのかと言えば、この言葉には、吉田証言に見られるような捏造や誤りはなく、”正しい”言葉だから、そして同時に、非常に作為的でミスリードを誘う言葉、言い換えれば、わざと誤解させるための言葉だからです。

ここでは、プロパガンダ的手法が使われています。
具体的には、主語の省略、と言っても国語的な主語ではなく、文脈の中での主語の事で、主体(客体の反対語としての主体)の省略です。

文章の基本である5W1Hは、小学校で習う事だと思いますが、意図的にWhoを抜いているようです。

杉浦取締役の言葉を”正確に”主体を補ってみます。
(日本の軍人による)強制連行は、そういった事実はないと認めた。しかし、いわゆる慰安婦、自らの意思に反して軍に性的なものを強いられる。広い意味での(女衒:人身売買の仲介業者による)強制性はあったと考えている」
まだ、不服な人もいるでしょうが、基本的にはそのとおりでしょう。

しかし、朝日新聞の読者層、及びリベラルな方々は、今まで朝日から得てきた情報を踏まえて、この主体を少々取り違えて読むと思われます。
(軍の組織的な命令による)強制連行は、そういった事実はないと認めた。しかし、いわゆる慰安婦、自らの意思に反して軍に性的なものを強いられる。広い意味での(軍人による)強制性はあったと考えている」

この省略による作為的なミスリードは、本来、報道では使われてはならない手法なはずですが、推理小説ですと、よく使われます。

例えば、犯人あるいは犯人を知る人物のセリフを、伏線として仕込む時なんかに使用します。
最初に読んだ時には、読者が脳内で勝手に補って理解するため、主人公に好意的な発言だったのに、最後のどんでん返しの後で読むと、脳内補完が間違っていた事に気付き、とんでもない悪意のこもった発言だった……なんて場合です。

そこまで作為的でなくとも、読者をミスリードさせ、犯人を分からなくするようにするのは、ある意味、基本中の基本です。

これでは、報道ではなく推理小説です。
残念ながら、朝日による今後の慰安婦報道は、こう言う方向になるようです。

なお、杉浦取締役の言葉は、いわゆるレッテル貼りの手法も使っています。
「いわゆる慰安婦、自らの意思に反して軍に性的なものを強いられる」と言っていますが、実際には、慰安婦の中には、金銭を目的として自発的に慰安婦になった方も多かったようです。
杉浦取締役の言葉は、そう言う方々も、意に反して慰安婦にさせられた人だという認識を持たせようとする言葉です。

根は深そうです。

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2014年9月18日 (木)

江渡防衛相の安保相兼任に疑問

安倍改造内閣の防衛相兼安保相は、江渡聡徳(えと・あきのり)議員となりました。

のしかかる重責の山 抜擢の江渡安保相、記念撮影では笑み一つ漏らさず」(産経新聞140905)

防衛副大臣を3回に、衆議院の安全保障委員長も務めていること、空自三沢基地や海自大湊基地を抱える青森2区選出のため基地問題等の実情にも詳しいであろうこと、を考慮すると、防衛相・安保相を勤める実務能力”適性”には不安はなさそうです。
また、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会や日本の前途と歴史教育を考える議員の会のメンバーであり、しっかりした保守なんだろうと思います。
個人的には、反創価学会の政教分離を貫く会メンバーであることも、期待しています。

しかし、防衛相と安保相の兼任は疑問です。

前掲記事でも、重責がのしかかると報道されていますが、そもそも安保相が新設されたのは重要かつ困難な懸案が多く、防衛相一人では処理するには無理があるとされたからだったハズです。
それを兼任してしまったのでは、意味がありません。

スタッフは若干増えるかも知れませんが、事務処理は増えるでしょうし、何のための安保相新設だったのか、疑問です。

実務能力”適性”には不安はなさそうと書きましたが、適性はあっても人間の体力は限られています。
過剰な負荷がかかればミスも起こすでしょう。

前掲リンクでも、江渡防衛相には笑みがなかったと報じられており、困難な仕事を引き受けたという認識が強いと思われます。

同氏周辺は「火中のクリを拾う覚悟を決めたようだった」という。


江渡防衛相を支えるべき副大臣は武田良太議員であり、防衛大臣政務官や衆議院安全保障委員長の経験もあって、江渡防衛相とも接触のあった人ですからいいですが、防衛大臣政務官の木原稔議員と若宮健嗣議員は、ともに1年前から政務官ではあるものの、二人とも防衛にはそれほど明るく無さそうです。

あまり情報がないので、経歴ぐらいからしか推し量れませんが、大変な事は間違いないはずです。

がんばって欲しいと思います。

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2014年9月23日 (火)

H27概算要求-その2_SSMへのリンク搭載に見る陸自作戦構想の変化

来年度の防衛省概算要求で目立っていた事の一つに、地味で分かりにくい内容ながら、陸海空3自衛隊の統合を進めるための要求が多かった事があります。
しかも、その内容を見て行くと、陸自の作戦構想の変化が見て取れるものが、多く要求されていました。

その中で、最も象徴的な要求が、12式・88式地対艦誘導弾に対するリンク機能導入です。

・陸上自衛隊へのリンク機能導入に係る調査・研究(0.4億円)
陸・海・空自衛隊のリアルタイムによる目標情報等の共有を実現するため、主に陸上自衛隊地対艦誘導弾システムへのリンク機能導入に係る調査・研究費を計上

Photo
我が国の防衛と予算-平成27年度概算要求の概要-より

この要求は、地対艦ミサイルの”実質的”射程を、大幅に延伸するものです。
12式・88式地対艦誘導弾の射程は200km弱と言われていますが、現状では、目標情報は捜索・標定レーダー装置によっています。

このレーダー装置を沿岸に置き、目標を捜索する訳ですが、石垣島の於茂登岳に置いたとしても、標高500mしかありませんので、目標艦の高さが30mとしても、100km先の目標しか発見できません。
西表島なら450mとして95km、与那国島なら200mとして70km、宮古島では100m程しかありませんから55km先までしか発見できず、当然攻撃もそこまでしかできません。
実際には、山頂付近までレーダー装置を持って行くことはできませんから、射程は更に短くなります。
Photo_2

リンクを搭載すれば、この射程が、ほぼスペック通りの数値になります。
実際の運用では、単に到達させるだけでなく、ミサイルを命中させるために工夫も必要になりますが、リンクを搭載すれば、海空自と同時弾着を狙う協力も可能になりますから、この意味でも意義があります。

これだけ効果のありそうなリンク導入が、”なぜ今まで導入どころか、検討さえされてこなかったのか”という理由にこそ、陸自の作戦構想の変化を見る事ができます。

この要求が、陸自作戦構想変化の一端である図式は、海及び空自は、以前から同じ戦場で戦う事を想定していながら、陸自だけが、同じ敵を想定していても、同じ戦場を想定していなかった事にあります。
ここで言う戦場は、具体的には、場所もさることながら、時間軸です。

端的に言えば、海空が敵の侵攻を洋上で撃破するつもりだったのに対して、陸自は、海空自が壊滅した後に、敵が行う着上陸侵攻を、沿岸及び内陸で迎え撃つ事が作戦構想だったと言うことです。

88式地対艦誘導弾のwikiには、次のような記述があります。

江畑謙介は、水平線の向こうを捜索できないレーダーの特性上、JTPS-P15に捜索標定を依存する陸上自衛隊の運用法では、十分な運用ができないとして批判。これからは捜索標定に無人航空機(UAV)などを活用すべきであると主張した。
中略
同ミサイルの運用は沿岸に接近した敵艦を内陸深くから発射地点を隠して攻撃するものであり、沖合の艦隊を攻撃するために長射程を有している訳ではない。


つまり、12式・88式地対艦誘導弾の長射程は、陸から遠く離れた目標を攻撃するためのモノではなく、捜索レーダー以外のシステムを内陸に隠すことで、ミサイルの生残性を高めるためのものでした。
射程だけでなく、威力も桁違いのため、狙う目標は大型艦ですが、地対艦ミサイルの陸自の運用構想は、対舟艇ミサイルと大差なかった訳です。

この事は、防衛省の資料にも書かれています。
Photo_3
防衛省HP「わが国防衛の現状と課題

このような運用構想だった地対艦ミサイルにリンクを搭載すると、彼我双方にとって存在意義が変わります。
150km
射程150kmとし、主要島嶼に配置した場合の射程

尖閣諸島周辺で紛争が発生した場合、中国海軍は尖閣周辺の海上優勢確保を狙うでしょうが、リンクなしであれば、地対艦ミサイルは、無視はできなくとも留意しておくだけで、特に対処せずに放置しても構いません。
しかし、リンクが装備されれば、海上優性確保のためには、必ず事前に潰しておかなければならない存在になります。

従来の陸自の作戦構想では、敵による着上陸作戦備えるため、着上陸部隊が接近するまで、戦力は温存されていなければなりませんでした。
そのため、沿岸から遠く離れた目標を攻撃するためのリンクは、不必要であるどころか、それを装備することで、早期に敵の攻撃目標とされるため、ある意味邪魔でさえあった訳です。

また、着上陸侵攻が行われる状況が生起するとしたら、それ以前に海・空自は、ほぼ壊滅していますから、リンクを装備したところで、目標情報を送ってくれる航空機も艦船もないハズでした。

こうした理由から、効果的であるはずでありながら、リンクは検討さえされてきませんでした。

この図式は、陸自の高射特科の使い方や空自の近接航空支援にも見られます。
参考過去記事
これが陸自の生きる道
陸自高射特科の全般防空使用は試金石

陸自は、島嶼戦を戦うため、従来の敵による着上力作戦が行われるまでは、戦力を温存するという作戦構想から、早期に攻撃目標とされても、海空自とともに統合作戦を戦う方向に作戦構想を変えて来ています。

概算要求には、この他にも多数の統合関係、陸自の作戦構想に関わる要求がありましたが、地対艦ミサイルネタだけで長くなってしまったので、それらについては、このシリーズの次回に回したいと思います。

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2014年9月27日 (土)

浜名湖に沈む四式戦車は、自衛隊が探査したら良いのでは?

浜名湖に幻の戦車が沈んでいるそうです。
浜名湖に眠る“幻の戦車”を探せ…終戦時に沈められた旧日本軍の「秘密兵器」、最新ハイテク技術で姿を現すか」(産経新聞140917)

四式中戦車チトは、わずか2両しか制作されなかったという幻の戦車で、「もし量産されていれば……」というミリオタの夢想をかき立てそうな代物です。
戦闘機で言えば震電のような存在でした。

これが、どうも浜名湖に沈んでいるらしく、町おこしの一環で、「ステキみっかび発信プロジェクト」という有志が調査を行っています。

今まで、ダイバーによる潜水調査や音波探査を行っているものの、発見には至っておらず、クラウドファウンディングで資金を集め、360万円かけて磁気探査をしようという動きになっているそうです。

しかし、磁気探査で有意な反応があったとしても、それが戦車であると確認するためには、湖底の泥を掘り返す必要がありますし、最終的には引き上げたいのでしょうから、その先にも多額の費用が必要になります。
ですから、お金をかけずに探査できるなら、それに越したことはないはずです。

今までのプロジェクト報告を見ても、防衛省にかけ合った様子はないのですが、地元選出議員にでもかけ合って、防衛省に協力を依頼したらどうかと思います。

具体的な手段としては、海自の対潜ヘリを使う事が可能なはずです。
SH-60J、SH-60Kは、哨戒用器材として、磁気探知機(MAD)を搭載しています。
1280pxa_nasq81v_mad
AN/ASQ-81 磁気探知装置(MAD)(wikiSH-60Jページより)

これは、近距離(500m)以内に存在する潜水艦を探知するための器材ですが、潜水艦よりも遥かに小さい戦車を捜索するなら、探知範囲が相当程度小さくなるはずですので、ちょうど良いくらいではないでしょうか。
これを湖水上でホバリングしたSH-60で、ゆっくりと曳航し、探査範囲を走査すれば、それほど苦労することなく、信号が得られるだろうと思います。

戦車だけでなく、車だろうが何だろうが、湖底に沈む金属物質は、なんでも探知してしまうので、恐らく相当程度の誤探知があるだろうという点が問題ですが、これは磁気探査に共通した問題なので、どうしようもありません。
信号強度などで、有力なポイントを掘り返すしか手はないでしょう。

ヘリの運用は、10キロ少々しか離れていない場所に空自浜松基地があるので、そこから運用すれば問題ありませんし、SH-60は館山か舞鶴から展開すれば良いはずです。

最大の問題は、自衛隊が協力する根拠です。

国体や南極観測などの協力を行う根拠としている、いわゆる百条任務(自衛隊法第100条を根拠とした任務)には該当しそうにありません。
遺骨収集事業などに対する協力は、厚生労働省所管の業務であり、それに対して、国家行政組織法第2条を根拠とした官庁間協力として行っています。
ですが、戦車の探査は、文化庁あたりが文化事業としてやってくれている状況でもないので、これも使えません。

札幌雪まつりに対する協力が、行為しては近いイメージですが、雪まつりに対する協力は、社民党など左派勢力からは、批判も受けている状況な上、実際、少々怪しい根拠で実施しています。
久間防衛相「海自動員雪まつり同様」 自衛隊法根拠示せず」(琉球新報070525)

雪まつりは、野戦築城訓練あるいは広報活動の一環として実施していますが、これを適用するなら、潜水艦探知訓練と言ってもよいハズですし、広報活動としてやっても良いと思われます。
雪まつりは、広範な支持を受け、批判するのは社民や共産くらいです。
戦車の探査でも、今の世論からすれば、問題が出ることは少ないでしょう。
批判が上がるとすれば、燃料代くらいですが、実際に訓練にもなるでしょうから、問題ないと思います。

海自とすれば、そうした批判よりも、もし探知できなかった場合、対潜哨戒ヘリの能力が露見しかねないという懸念の方が強いかも知れませんが……

プロジェクトの関係者は、ダメ元で折衝してみたら如何でしょうか?

なお、もし発見し、引き上げできた場合、地元で保存するのが一番でしょうが、管理に困るようなら、陸自に渡したら良いのではないでしょうか。
陸自の広報センター「りっくんランド」にでも置けば、目玉の一つになりそうです。

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