強襲揚陸艦と集団的自衛権の素敵な関係
来年度の概算要求に強襲揚陸艦の調査費が計上されるようです。
「強襲揚陸艦を導入へ 防衛省方針、名称変更も検討」(朝日新聞140804)
防衛省は、陸上自衛隊の離島防衛部隊や新型輸送機オスプレイを載せて上陸作戦を行う強襲揚陸艦を海上自衛隊に導入する方針を固めた。2015年度予算の概算要求に調査費を盛り込む。
昨年12月に発表された中期防に「水陸両用作戦等における指揮統制・大規模輸送・航空運用能力を兼ね備えた多機能艦艇の在り方について検討の上、結論を得る」とあったので、中期防を読んでいた人は、昨年の段階で”検討”することは分かっていましたし、そのための調査費なので、別に驚くようなニュースではないのですが、結構話題になっています。
自衛隊応援団の私としましては、防衛省が、”強襲”を取ってソフト路線で導入の理解を得ようとしているようなので、本来であれば、”災害派遣にも役立つ”とかをアピールすべきかもしれませんが、その辺はナゼか朝日新聞がやってくれています。
医療機能を充実させて災害時に利用することも検討し、導入への理解を図る。
中略
小野寺五典防衛相は4日に都内であった講演で「病院船的な機能もあり、災害でしっかり使える。車もしっかり載せられる。そういう多機能なものをこれからの装備では考える必要がある」と必要性を強調した。
なので、私は逆にハード路線の指摘をしたいと思います。
というのも、しばらく前であれば、このニュースは、必ずしも歓迎すべきモノではなかったのですが、最近の政治情勢の変化により、強襲揚陸艦の価値が大きく変化し、基本的に支持したいモノになったからです。
強襲揚陸艦は、その名の通り、元来は着上陸作戦を実施するための艦艇です。
それも、艦自体を砂浜などの海岸に乗り上げさせ、ビーチングと呼ばれる方式で揚陸することが困難であるような、危険な戦場(敵が待ち構えている等)に、空中機動などを加えることで、強引に(強襲)陸上部隊を上陸させる(揚陸)ことのできる艦艇です。
しかし、そのためには指揮機能の充実や、医療機能など、多様な機能を詰め込まなければならないため、近年ではむしろ多目的艦と言える存在に近づいています。
防衛大臣のコメントも、その事を意識したものでしょう。
自衛隊の艦艇で言えば、陸上部隊の揚陸を目的としたおおすみ型輸送艦と、多数のヘリコプターを運用できる全通甲板を備えたヘリコプター護衛艦である、ひゅうが型あるいはいずも型DDHをかけ合わせたような艦艇と言えます。
しかし、当然ながらここで言及されている強襲揚陸艦は、おおすみ型やひゅうが型、それに建造中のいずも型とは異なる艦艇となるはずですし、海自はアメリカ海軍と極めて密接なことから、この強襲揚陸艦は、アメリカの現行強襲揚陸艦であるワスプ級強襲揚陸艦、あるいは建造中のアメリカ級強襲揚陸艦のような艦艇になる可能性が高いと思われます。
そうであることを前提に考えた場合、この強襲揚陸艦が、現在海自が保有・建造している艦艇と何が違うのか、そしてそれがどんな意味を持つのかがポイントです。
そこに違いが無いのであれば、そもそも強襲揚陸艦の導入を検討する必要などなく、従来艦の追加建造で事足ります。
細かい説明を後回しにして結論を言いましょう。
おおすみ、ひゅうが、それにいずも型は、すべて全通甲板を持ち、艦型が空母に似ていることから、一部に軽空母としての能力を期待する人もいます。
しかし、実際にはどの艦も軽空母にはなりえません。
ですが、強襲揚陸艦は、軽空母にもなりえます。
おおすみ型は、航空機を移動させることのできるエレベーターも航空機を整備する格納庫もなく、全通甲板はヘリも離発着できる、車両搭載スペースでしかありません。(車両用エレベータ等はある)
ひゅうが型、いずも型は、装備としてはそれなりのエレベータ等を備え、サイズ次第ではありますが、VTOL固定翼機を運用することも可能です。
しかし、へりの搭載定数を見ると、いずも型で9機、ひゅうが型では4機でしかありません。
搭載容量としては、それぞれ14機、11機ですが、こんなに乗せたら、まともな運用は不可能です。
この容量は、運搬することが可能な容量でしかない訳です。
しかも、VTOLでの離発着しかできませんから、武器の搭載量は制限を受けます。
そして、航空機は、飛行している短い間しか戦力発揮ができず、しかも整備・補給に多大な時間を要するため、相当数の機数を運用できなければ、全く航空機運用ができない時間が必然的に発生します。
つまり、完全な無力となる時間が発生するため、敵にとっては運用次第で単なる的にすることができます。
海自艦艇で最大の航空機運用能力を持ついずも型でも、ヘリ搭載定数は9機しかなく、ヘリ以上にかさばる固定翼機を運用しようものなら、運用可能機数は更に減りますし、本来の機能である対潜哨戒などが全くできなくなってしまいます。
つまり、この程度の航空機(ヘリ+固定翼)運用能力では、軽空母としても小さすぎるのです。(2次大戦の頃の飛行機は運用できますが、当時と比べたら現代の航空機は巨大化しています)
しかし、強襲揚陸艦の場合、アメリカが現在運用しているワスプ級であっても、対潜任務を行うMH-60Rを6機搭載しながら、ハリアーを20機(1個飛行隊以上)も搭載運用可能です。
アメリカ級強襲揚陸艦も同程度です。
(上記の機数は、軽空母として運用する場合の搭載機数なので、本来の強襲揚陸艦としての運用の際には、搭載機数は減ります。)
この違いは、何よりも艦艇のサイズの違いから来ています。
海上自衛隊最大となる予定のいずも型でも、満載排水量は2万6千トン。
対するワスプ級は、4万トンを越え、アメリカ級では、4万5千トンを越えるため、倍近い大きさがあります。
つまり、紛争の状況次第では、空母としての投入が可能であることが、最大のポイントです。
しかし、私のブログを以前から見ていてくれた方は、「お前は空母導入には反対してたんじゃないのか?」と思うでしょう。
確かに、私は自衛隊への空母導入に反対していました。
参考過去記事
「カテゴリー空母保有」全9記事
しかし、これらの記事でも「アフリカへの政治・軍事的プレゼンスを強化して、資源確保や国際世論の形成を誘導するなどと言った目的なら、それを実行するための目標として、インド洋に空母機動部隊を遊弋させることは適切です。必須と言っても良いと思います。」と書いていたように、以前の記事は、現状の安全保障環境が大きく変化しない事を前提に書いていました。
ですが、安全保障環境は、大きく変化しました。
それが、集団的自衛権行使への憲法解釈変更です。
この解釈変更問題も、私は当初それほど注目していませんでした。
集団的自衛権を行使するとは言っても、日米安全保障条約を(実質的に)双務的なモノとし、アメリカに向かう弾道ミサイル防衛に協力するという程度だろうと予想していたからです。
しかし、安倍政権は、支持率を落しながらも、オーストラリアとの関係を、準軍事同盟的なモノにする他、中国が、尖閣以上に露骨な侵略行為を行っている南シナ海における紛争に関して、ASEAN諸国を支持して介入する可能性まで含めて、集団的自衛権を行使可能であるとしました。(韓国に対する支援も入っていますが、韓国自体が、むしろ中国側に付きそうなので、構図が奇怪です)
安倍政権による集団的自衛権行使は、日本の安全保障における、戦略の大変更です。
今までは、防衛力を、ひたすら自国(日本)の安全が脅かされた際にだけ行使し、隣で無辜の他国民が侵略されても見て見ぬ振りをする予定でした。
しかし、今回の解釈変更で、同様の状況で無辜の他国民を助ける替わりに、沖縄や尖閣が侵略を受けた際にも、他国が支援してくれることを期待して行動する方向に舵を切りました。
であれば、南シナ海での紛争等に、プレゼンスだけ、あるいは実際に介入するにしても、空母としての能力も期待できる強襲揚陸艦は、最適です。
もちろん、事態に応じて、空母的装備も揚陸艦的な装備も可能ですし、後方に徹して病院船・補給艦機能として関与することも可能です。
つまり、強襲揚陸艦は、安倍政権が進める積極的平和主義を実のあるモノにするためのツールとして、非常に適しています。
ですが、ここで指摘した軽空母としての活用をするのであれば、問題もあります。
当然の事として、艦載機がなければ、CPUのないパソコンのようなものだからです。
候補は、当然にVTOLステルス機であるF-35Bとなるでしょう。
F-4の後継となるFXとしては、通常離着陸タイプのF-35Aが選定されましたが、この選定により、以前の記事「F-15延命プランは、FXへのF-35選定圧力を高める」でも書いた通り、F-15の性能向上が図られていないPre-MSIP機については、F-35とすべきですし、実際にそうなる可能性が高まっています。
「F35の追加取得検討も 防衛相「価格低下なら」」(産経新聞140709)
強襲揚陸艦が導入されたとしても、そこに常に艦載機を載せておくことは適切ではありませんし、米軍でもそんなことはしていません。
空自機であるF-15のPre-MSIP機後継にF-35Bを選定し、必要な時だけ強襲揚陸艦に搭載して運用することには、海・空自間で、いろいろな問題も生じるでしょうが、統合の時代にあって、それは乗り越えなければならない問題です。
しかし、それができれば、強襲揚陸艦とF-35Bは、積極的平和主義を推し進める強力なツールになります。
前掲リンクに上げたように、この強襲揚陸艦のニュースが、F-35追加取得の可能性を報じたニュースのわずか1ヶ月後にリリースされたことは、決して偶然ではないと思います。
恐らく、時期をずらすことで、一体化した話題ではないとイメージさせながら、それぞれに観測気球とする、あるいは予防線を張ったのではないか……
まだまだ可能性の域を出ない話ではありますが、この強襲揚陸艦の検討は、Pre-MSIP機後継に、F-35Aではなく、F-35Bを導入することととリンクして検討されるでしょう。
民主党・共産党を始め、野党は反対すると思われますがが、私は支持します。
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強襲揚陸艦。良いですね。
特に良いのが、アセアンの島国の災害対策にも使える、という点が良いです。
今の台風をみてもわかる通り、自然災害が巨大化しつつあります。この面からも必要性は高まっていると思います。
フィリピンやインドネシア辺りでの台風被害の増加や地震、火山の噴火等。ベトナムやタイなどの洪水等々。
まさに時代が求めている艦だと思います。
もっとも世界中の国々が賛成しても、アノ国(と支持する)人間は反対するでしょう(笑)
イギリスと共同でハリアーの後継機を開発するなんて事が起きたらもっと嬉しいのですけどね。
投稿: みやとん | 2014年8月 8日 (金) 18時48分
強襲揚陸艦には賛成ですが
サイズ的に軽空母になり得る、と言うのは疑問ですね
ワスプやアメリカ級の排水量があれば確かにと言えるでしょうが同程度のサイズを選択するとは限りません
みうら、あつみ両級から大型化したおおすみ級をもって2個輸送隊から一個輸送隊となり、輸送量は増えたものの隻数的に輸送艦が足らないという輸送隊の状況ではないでしょうか?
結局、大型艦艇を整備しても数を揃えなければ肝心なときに使えない状況もおこりえる、ならばおおすみ級の二倍程度の排水量で三隻ほど揃えるのが理想ではないかと
アメリカのように大規模な着上陸を企図する必要は無いでしょうから
投稿: シュピーゲル | 2014年8月 8日 (金) 23時10分
将来ヘリの空母4隻にさらに強襲揚陸艦で哨戒ヘリコプターが足りるんですかね?
いまですらヘリ格納庫が空の護衛艦がいるのに…
汎用護衛艦もヘリ2機搭載可能の艦が多数派になり
護衛艦のヘリ需要に対してヘリコプターが不足しているのではないかと不安です。
投稿: 化石 | 2014年8月 9日 (土) 03時08分
環境が変化したのは理解しておりますが
護りをを固めるためには、強襲揚陸艦や艦上機よりも優先すべき物があるのではないでしょうか?
>安倍政権は、支持率を落しながらも
(一部のマスコミに踊らされて)「安倍総理にお灸をすえるべし」と主張する人が出てきそうで怖いです。
投稿: メリッサ | 2014年8月 9日 (土) 07時46分
どなたかご教示くださるよう、お願いします。
空母は「カネ喰い虫」と言われています。
1.3艦ぐらいセットで揃えないと実効性が無い。
2.艦載兵器、整備場所、その要員の配備に経費大。
3.戦闘機の着艦は超錬度が必要で訓練費が膨大。
4.護衛艦を揃えねばならず、これまた経費大。
5.艦に高速性が必要で動力機関が高価。
等々の理由と思われます。
素人からすれば空母も強襲艦も艦載する兵器が異なるだけで
運用経費での区別がつかないのです。
空母も強襲揚陸艦も掛かる経費は同様と思えばよいのでしょうか?
投稿: 末田 | 2014年8月 9日 (土) 11時06分
一部で話題になったようにフランスの「ミストラル級」を買う‥という選択肢はいかがでしょうかね。
ところで、防衛大臣は装備品の充実には言及しますが、肝心の要員手配はどのように考えているのでしょう。「おおすみ型」3隻を維持したまま、強襲揚陸艦の導入となると、かなり隊員を増やさないと運用できない気がしますが‥
投稿: ブリンデン | 2014年8月11日 (月) 12時40分
戦略の大変更すなわちアジアでも中国に対抗してNATOのようなものができるようにするため・できたときに意味のある参加ができることができるようにするため、日本が本格的な強襲揚陸艦を建造するということなのですね。何隻導入するのか、どんなデザインになるのか、航空機は何を積むのか、アメリカから購入ということはあり得るのか、興味が尽きません。引き続き数多先生の記事を楽しみにしております。
投稿: 友引高校校長 | 2014年8月11日 (月) 15時35分
じつはガイドライン改定の下準備は民主党政権時代に始まってる
だから民主党は安倍内閣のガイドライン改定に無条件で反対!は
筋が通らない
ガイドライン再改定へ戦略協議=中国にらみ役割見直し―日米
http://archive.today/itwK
時事通信 11月10日(土)8時59分配信
>【ワシントン時事】長島昭久防衛副大臣は9日、訪米し、国防総省でカーター副長官、国務省でキャンベル次官補とそれぞれ会談した。
>双方は、自衛隊と米軍の協力の在り方を定めた日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定を視野に、戦略協議を開始することで一致した。
>会談では、中国の軍拡や海洋進出の動きなどをにらみ、日米の役割分担を見直すとともに、共通計画の策定や共同演習の実施、沖縄を含む
>基地の共同使用などを進めていく方針を確認。事務レベルに加え、政治レベルでも協議を重ねていくことを決めた。
投稿: 中核自衛隊 | 2014年8月11日 (月) 20時38分
いずもの14機は格納庫のみでの数字だと思っていましたが
それでも最大まで積むと運用に余裕がなくなってしまうのでしょうか?
投稿: US-2ラブ | 2014年8月11日 (月) 22時53分
おばんでやす
みやとん兄、ハリアーの後継はF-35Bに決まっとリますがね。
末田兄、金銭的な事は私も解りかねますが…艦載機の離着艦の他に、空中給油訓練もやらなあきまへんがね。空自の場合、受油機が楽(?)なフライングブーム方式でやんすが、艦載機の場合、受油機がホネなプローブ&ドローグ方式でやんす。まぁ、世界的にはそっちの方が多数派ざんすが…強襲揚陸艦の搭載機はVTOLでやんすので、陸上機よりも何かと金がかかりやす。
強襲揚陸艦は空母ではあらへんので、カタパルトの維持費と要員の人件費は要らんのさ。ま、それはスキージャンプ式も一緒でやんすがね。強襲揚陸艦が艦載機を発艦させるのに、風上に向かって猛ダッシュ(爆)させるとは寡聞にして聞かないざんすが、数多兄、その辺はどうざんしょ?
賢兄が敬愛して止まない田母神俊雄元大将の言を借りれば、米一辺倒では我が国の防衛装備体系が甚だ歪になりやすので、露に売る、売るなで揉めている仏の強襲揚陸艦を購入するのも一手カモですぜ。何せ我が国は、最後に「雲龍型」を建造して以降、約70年の空白があるざんすからねぇ。仏から購入すれば、自前で建造するよりも安いし、技術が入って来るから、空白がかなり埋まるのでは?
最も、本来の購入相手である露を差し置いて、果たして我が国が搔っ攫うなんて真似が出来るモンやら…
嘗て戦車の事を「特車」だなんて阿呆な名称で呼んでた事があったので、強襲揚陸艦もそんな阿呆な事態にならんように…
強襲揚陸艦は、離島奪還という本来業務の他に、災害救助等色々と使い道があるので、満更高い買い物どころか手頃な買い物とちゃいますかねぇ
投稿: 土方 | 2014年8月12日 (火) 23時21分
みやとん 様
災害対処用としては、おおすみやいずもでも使えますが、欠けた機能がないというのが、強襲揚陸艦の強みでしょうね。
ハリアーの件は、他の方も言及されていますが、F-35Bで決まっているので、新たな開発はないはずです。
シュピーゲル 様
記事は、記事中でも断っていますが、あくまでワスプ級並であることを前提に書いてます。
船体規模が小さければ、軽空母にはなりえないでしょう。
化石 様
懸念は、もっともだと思います。
当然、そう言う点も含めて、検討されるでしょう。
オスプレイ哨戒機型の可能性なども含めて検討されるのではないかと思います。
メリッサ 様
私も以前から海自艦艇の大型化傾向には、懸念を持っています。
その点で、検討されているコンパクト護衛艦など、防衛省・海自も考えているようです。
更なる陸自のスリム化が必要かもしれませんが。
末田 様
細かな話は割愛しますが、強襲揚陸艦も大きな船ですが、空母ほどには金は食わないはずです。
ただし、あまり多機能性を追求しすぎると器用貧乏で費用対効果は悪くなりそうですが。
ブリンデン 様
ミストラルについては、私は反対です。
サイズが小さいですし、それよりも、何よりもフランス製です。
フランスは、中国(特に海軍)とかなり仲が良いので、ミストラル級の図面を渡される可能性を考えると、フランス製は論外だと思っています。
要員の問題も、もちろん含めて検討です。
友引高校校長 様
そう言う意図があっての検討だと思っています。
ただし、高い買い物になるので、実現するかはまだ不透明ですが。
US-2ラブ 様
多い方の数字として搭載容量の方を書きましたが、搭載定数は9機です。
つまり、まともな運用としては、この程度の数が望ましい訳です。
狭い格納庫をいっぱいにしながら、エレベーターで上甲板に運んで運用するとしたら、格納庫内はパズル状態でしょうし、事実上奥の機体は出せないのではないでしょうか。
土方 様
風上にダッシュする必要は、必ずしもないでしょうが、STOL離陸するのであれば、望ましいことですから、艦首は風上に向けるでしょうね。
固定飛行場でも、風向きに合わせて滑走路の運用方向は変えます。
ミストラルの件は、他の方のコメントに書いたとおり、私は反対です。
イギリス製ならいいですが、フランス製は・・・
共同研究も、フランスとのものは、反対です。
名前は、面白いモノが付くかも知れませんね。
投稿: 数多久遠 | 2014年8月13日 (水) 13時49分
確かに純粋に軍事面からいえばF35でしょう。しかし、政治的な面からいえばハリア―も捨てたもんじゃないのですよ。
そして問題はなによりも値段です。F35Bは高過ぎると思うのです。
イギリスに機数をそろえるだけの財政的な裏付けがあるのか、という事です。(特に議会の連中にとってアメリカ製を買うというのは・・)
ましてそれが安価で輸出されるとなればなおさらです。F35Bの半額、いや三分の二でも良いですが、ならば求める国は相当あるのではないでしょうか。
日本が外国と共同で兵器を造るという意味は想像以上に大きいですからね。
アメリカ以外の国と戦闘機の開発をしようとする場合、日本の利益(技術的面)になれるような機体は見当たりません。
もし日本がイギリスと共同開発を行なえれば、F35の価格も下げてくるでしょう。今のままでは高過ぎます。
イギリスと共同開発をするというだけでも価値はあると思いますね。
それにイギリスと共同開発で他にナニがあるのか、という事です。ドイツなら戦車ですが、他にナニもないじゃありませんか。
日本が世界と兵器の共同開発をどれだけの規模と速度で行なうのかは政治的な決断ですが、夢物語のような話ですが対中関係(そしてオバマのアメリカ)を見ているとまんざら有り得ない話でもないのではと考えています。
シュピーゲル様
軍事面からいえば適当な大きさの船を何隻可作る方が良くても、政治的な面からいえば大きな船を一つ造る方がよかったりします。
特に中国に対しては大きなものを造るというのは圧力になり得ます。あの人達は大きいモノとかに異常にこだわったりしますからね。
投稿: みやとん | 2014年8月13日 (水) 18時22分
みやとん様
>シュピーゲル様
>軍事面からいえば適当な大きさの船を何隻可作る方が良くても、政治的な面からいえば大きな船を一つ造る方がよかったりします。
>特に中国に対しては大きなものを造るというのは圧力になり得ます。あの人達は大きいモノとかに異常にこだわったりしますからね。
あまり意味はないんじゃないですかね?あちらも噂では大型の強襲揚陸艦を作ったりしてるようですから、空母ではとの話しもありましたが
政治的と言いつつ単なる見栄の張り合いに過ぎず、軍事的効率性の利点を捨ててまで大型艦艇にする必要を感じません
投稿: シュピーゲル | 2014年8月14日 (木) 16時31分
それとワスプ級強襲揚陸艦と同等となると乗組員は1000名規模です
1隻揃えるにも現在の海自では要員を揃えれないんじゃないですかね
投稿: シュピーゲル | 2014年8月14日 (木) 16時50分
数多様
コメントが大変遅くなりました。
>しかし、へりの搭載定数を見ると、いずも型で9機、ひゅうが型では4機でしかありません。
>搭載容量としては、それぞれ14機、11機ですが、こんなに乗せたら、まともな運用は不可能です。この容量は、運搬することが可能な容量でしかない訳です。
技術的なコメントですが、上記は私の理解と異なります。
1:英海軍との比較
英海軍の搭載機の基準は、「悪天候時に格納庫にしまえる数」だったと記憶しています。
「ひゅうが」型の格納庫は、エレベータを含んで120mx19-20mほど、「いずも」型は125mx20-21m (ただしエレベータが一つ外)ですが、インビンシブル級の140mほど(エレベーター込み)でしかもかなり細いです(数字は出てきませんでしたが)。つまり両者は似たサイズであり、インビジブル級軽空母と同等(「ひゅうが」がたでも、せいぜい2-3機少ない程度)の搭載力があります。つまり英軍の基準でも、「ひゅうが」「いずも」は軽空母として使えます(むろん改造は必要)。
2:米海軍との比較
米海軍は格納庫に入りきらない機体を露天係止で搭載することは、良く知られています。「タラワ」級の格納庫は 84mx24mであり、「ワスプ」級でも格段に拡大した訳ではありません(2000名の海兵とLCAC x2を搭載する以上、当然かと)。これも「ひゅうが」「いずも」と面積でほとんど変わりません。
上記「1」「2」より、米軍の強襲揚陸艦の搭載機数をもって、「強襲揚陸艦なら軽空母に使える」と言う一方で、「ひゅうが」「いずも」級は軽空母として使えない、というのは、いささか間違った主張と思います。両級とも(英海軍の)軽空母に匹敵する十分な甲板と格納庫を持っており、4万tの米軍の強襲艦も格納庫サイズはほぼ変わらないからです。違うのは、後者は露天係止する甲板が広いことだけかと。。。
<以下は私見です。>
「ひゅうが」「いずも」が、それぞれ11/14機を格納できるという数字は、荒天時にこれだけ格納できるといういみで、搭載機数の一つの指針と思います。作戦時は、ヘリパッドには影響ない範囲で、甲板上に5/7機は露天係止できそうです。のこる6/7機を格納庫に入れておけば良いので、問題なく運用できると思います。
一方で、私はDDHを、(固定翼機を含む)軽空母として運用すべきとは思いません。F-35BはF-35Aより調達費も維持費も3割高いとされており(英軍資料)、100機のF-35Aを整備する代わりに、F-35Bを整備すると70機しか調達できない訳です。しかもDDHに搭載できるのはせいぜい8-12機程度。近代的な空軍相手ではなんの役にも立ちません。
強襲揚陸艦の意義は、まだ少し考えてみないと分かりませんが、例えば3隻整備すれば、艦と搭載機の調達費だけで1兆円規模、運用費も含めれば、ただこれだけで陸自を5%削減するほどの予算が必要と思われます。
しかも現時点の建艦数からすれば、海自の護衛艦は早晩32-36隻程度に減ってしまう訳で、これを48隻程度に維持し、潜水艦を16-->22隻に増勢するにも、さらに陸自を5%ほど削るほどの予算が必要。(強襲揚陸艦を整備するなら、護衛艦は減らす訳に行かないので)
つまりもともと陸自の5%ほど削減は不可避と考えていますが、これをさらに10%まで削減するだけの価値が、強襲揚陸艦にあるか?ということなのだと思います。
投稿: ドナルド | 2014年8月14日 (木) 21時55分
土方さま、こんばんわ レスありがとうございます。
兵器の大半を米奴に頼る現状では、特亜との防衛戦ですら米の御意向を伺わねばならないのでしょう。
田母神閣下ならずとも憂慮多端と思います。 インドの国家戦略、「兵器は3割以上を一国から買わない」
は立派ですね。
強襲揚陸艦を最初に建造したのは日本陸軍と仄聞しています。 戦後、不可能とされていた数十万トン級の
タンカーをハイテン鋼(超力鋼?)を使用して建造したのも日本とか・・・
数多様の見解をチラ見しますと、「仏の揚陸艦などもっての他」との信念すら感じます。 時間とカネが
かかろうとも自国開発が最も優れた世界スタンダード艦となるのかも知れませんね。
艦の名称は土方さまがガックリ肩を落とされる「災害有事特別艇」とか苦笑するモノになるのかも知れませんが、
兵器の種類が増えるのは喜ばしいことです。 デフレ基調の今こそデッカイ艦を作ることを応援しています。
技術は蓄積され景気浮揚の下支えにもなりますから。
投稿: 末田 | 2014年8月14日 (木) 23時29分
おはようございます
みやとん兄、私もF-35に対して腸が煮えくり返っておりますので、賢兄の意見は理解出来ます。しかし、英は好む好まざるに関わらず、F-35の開発に噛んでますから、ハリアーの後継にならざるを得ないでしょうねぇ…私も現物が無いのにFXがF-35に決定した事に強い憤りを感じてます。開発遅延とそれに伴う価格高騰…BSフジの番組で、民主党の神風とやらが「納期も価格も守られ、しかもFACOもとりつけた」なんてドヤ顔で勝ち誇ってましたが…FACOだなんて格好つけたって、莫迦だらけの民主党の事だから、体のいいノックダウンじゃろ。元々開発国でもない我が国の企業の参加率(ライセンス率)なんて皆無(絶無とまでは言わんでも)じゃろ。
末田兄、どうやら私は目先の事に囚われていたようだ。不明を恥じます。そうです、仏は確か、中にヘリコの着艦フックを売ろうとしていたんでしたよね。中も仏も似た者同士(!?)だから、存外仲が良いのカモ(-.-)
対特亜戦に際し、米の機嫌を伺わない意味に於いても、FXはユーロファイターがグレイトな選択だったのに…開発遅延と価格高騰を口実に、ユーロファイターに変更出来んモンですかねぇ…
確かに、我が国は嘗て英から艦を購入した歴史があるから、英製の強襲揚陸艦を購入する方法がありましたか。何でもかんでも米一辺倒よりも健全ですなぁ♪
「護衛艦」だなんて阿呆な名称をやめて、普通に健全に駆逐艦と呼ばれる日は来ないんですかねぇ…「コンパクトな護衛艦」なんて莫迦丸出しの名称の艦が取り沙汰されとるけど…フリゲートだのコルベットだのって呼べばいいだけの簡単なハナシなのに何だかねぇ( ̄^ ̄)
投稿: 土方 | 2014年8月15日 (金) 09時02分
>土方さま
私も、確かにF35Bにならざるを得ない、とは思います。
しかし、あのソードフィッシュを運用していた国ですよ。あの国の粘り腰は甘く見れないですよ。
F35Bを値引きさせるためだけでも日本に新型ハリアー(エンジンだけでも)の開発を持ちかけてもオカシクはない、と思います。
新型エンジンと新素材(による軽量化)、ステルス塗装と電子兵装。これだけでもかなりいけるんじゃないでしょうか。(エンジンはともかく、それ以外は開発中でしょう。これなら費用も最小限ですみます。F35の値引き分でお釣りがくるんじゃないでしょうか)
ユーロファイターはエンジンと情報の漏えい(特に中国に)が問題ですから、変更は出来ないでしょう。
末田さまもいっていますが、デフレの時こそでっかい船を--というのと、病院船機能を強化する必要があると考えますので、大きな船なのです。
室内はもとより廊下や倉庫にいたるまで徹底した殺菌(ウィルスを含む)機能とホテル並みの居住性(ビジネスホテルでも可)が必要になるかも知れないのです。
エボラはアフリカ原産ですが、世界の脅威になるのはペストにしろインフルエンザにしろ中国原産が多いのです。
最悪、上陸させないで治療が可能な位の装備をして欲しいものです。
それに予算の問題もあります。
船を造っても運用しなければ意味がありません。どこかの国のように港に引きこもっていたのでは野党からも追及されるでしょう。
その場合、アセアンの国々を(病院船として)まわらせるのが一番良いと思われます。
自衛隊の予算ではなく別会計からまわしてもらうわけです。
とはいえ、軍人は戦闘機能を重視しますから無理でしょうかねぇ。
投稿: みやとん | 2014年8月15日 (金) 13時36分
今の防衛予算と海自の人員で考慮したら艦の規模は、ミストラル級と同等か一回り大きく乗員数を100〜150名位にした艦を3隻する者になるのが妥当な線ですかね。
投稿: 通りすがりの者 | 2014年8月17日 (日) 21時23分
ドナルド様
ご無沙汰してます。
いずも級はわかりませんが、ひゅうが級であれば、数多様がおっしゃることは当たらずと言えど遠からずです。
飛行甲板のクリアランスや格納庫と昇降機の配置上、米強襲揚陸艦とひゅうが級では、航空機の取り回しでは天地の差があります。まあ、それは船体規模や、任務環境の違い、その他の事情で止むを得ない事情なんですが…
ひゅうが級ってそういう意味でも、「DDH」なんですよねぇ…
投稿: アルフォンス | 2014年8月17日 (日) 22時18分
おばんでやす
>みやとん兄
ソードフィッシュ!Σ( ̄□ ̄;)
さて、賢兄のビジョンは概ね解りましたが…
ところで、ユーロファイターに情報漏洩とエンジンに問題ですと?
情報漏洩については、中の電脳部隊の前に、我が方の電脳セキュリティは脆弱だと言いたいのでしょうか? そう言う意味でしたら成程ですが…
しかし、エンジンにどんな問題ですと!? 三機種中、唯一スーパークルーズ機構を搭載していて、油に乏しい我が国には是が非でも欲しい技術。
エンジン技術が脆弱だった我が国にとって、今のF-2が決定したFXは、屈辱以外のナニモノでもない破廉恥な話です。スペックはともかく、F-2なんか強姦で生まれた子供に等しく、喜ぶつもりは一切ありません。石破長官が打ち切りを決定した時は「様ぁ見ろ」と嬉しく、喜んだものです。ここで少し脱線…戦闘半径四百浬で且つ対艦ミサイル四発搭載出来る機体は三機種中トーネードだけだったから、米への意趣返しでトーネードにしてやったらどうなったでしょうねぇ…戻します。そして、今度のFXこそ自主の力で決定すべきなのに、民主党の「普天間は最低でも県外」自爆テロで、文字通り今度のFXは自縛…
ユーロファイターのスーパークルーズ機構、ブラックボックスを設けないライセンス率、そして米軍が提供を拒否し続けた戦闘データ…自前のミサイルも搭載できますしね。F-35では考えられないです。
強襲揚陸艦ですが、確かに内一隻位は病院機能を強化した艦を保有するのも納得ですね。普通の病院船が行けない所だってあるでしょうからねぇ(^_^;)
投稿: 土方 | 2014年8月17日 (日) 23時13分
アルフォンス様
コメントありがとうございます。
「ひゅうが」型は、第1世代の現代型軽空母である、英海軍のインビンシブル、イタリアのガリバルディ、スペインのアストリアス級に良く似た仕様で(格納庫サイズやエレベータ配置を含めて)、これらの軽空母でも機体運用には苦労しているようなので、同等レベルで困難はあるのでしょうね。
「いずも」型は、第2世代のイタリアのカブールと似た感じで、船体を3万t級弱にすることで、ある程度改善されそうです。
いずれにせよ、固定翼機搭載の軽空母としての運用には、個人的に反対ですが。。。
強襲揚陸艦は、どうなるか分からないですが、建造するとして、個人的には、スペインのカルロス級に似た船2隻ほど(スキージャンプはなしで)になるのではないかと想像しています。あまりにみ、あんパイなコメントですが。。(苦笑)
投稿: ドナルド | 2014年8月18日 (月) 00時22分
ドナルド様
いやぁ、ま、正直私も欧米海軍ってどうやってんのかなぁって感心してしまいましたよ。
そういう意味では、まだまだ…な面もあるのかもしれません。
投稿: アルフォンス | 2014年8月18日 (月) 07時47分
土方さま
問題はフランスです。フランスはイスラエルにミラージュの設計を渡しました。クフィールは確かミラージュが原型ですよね。
(もし日本が採用したとすれば)中国に対しても情報を流すでしょう。
レーダーに関しては日本の方が進んでいる様ですから、その機密まで渡されたでしょう。
ヨーロッパのエンジンはアメリカのものに較べて出力や発展性に関して劣るように思えます。
あのレベルであれば日本の技術力でも開発は可能でしょう。
スーパークルーズにしてもアフターバーナー全開で果たしてどれだけ飛び続けられるのか疑問です。(特に燃費と熱問題で)。
タイフーンのエンジンは本体とアフターバーナーが独立した時代に設計されたものでしょう。基本設計が旧いのが弱点と考えられます。
それに武装と航続距離に矛盾があるように思えます。非武装ならスパークルーズが可能でも武装した状態では不可能としか思えません。
本気でスーパークルーズ性能を発揮させようとするならアフターバーナー使用時の熱問題がもっと出てきている筈です。(アフターバーナーを使用しないで可能というのには出力的に無理があります)
アメリカのホーネットでも熱問題でずいぶん苦しんだようです。それなのにタイフーンでそういう話題が少ないのはスーパークルーズ性能を本気で開発しているのか疑問に思えます。
それこそソ連・ロシアの機体のようにエンジンを意味で使い捨てにするというなら別でしょうけれど・・・。
それにいくらブラックボックスが無いからといっても、基本設計自体が旧ければ利点はあまりないでしょう。
心神でデータを集めた方がよっぽど良いのではないでしょうか。
ちなみに心神のエンジンで感心したのはこれなら全力運転しても燃費が良いだろうなって事です。
強襲揚陸艦の大きさはオスプレイをどれだけ運用できるかで決まるんじゃないでしょうか。
中国や国内のサヨクがあれだけ反対したという事は、それだけ嫌だという事でしょう。
オスプレイの中継基地として使用できるような大きさになるのではないでしょうか。アメリカは空母を持っていますからともかく、日本に対してはオスプレイの運用が可能なモノが望ましいというんじゃないでしょうか。
投稿: みやとん | 2014年8月18日 (月) 21時02分
みやとん氏
ちと意味不明なコメントになってます
ユーロファイターにはフランスは加わってませんが?
こういう基本的な部分を誤ってるとコメントの信用性が疑われます
投稿: シュピーゲル | 2014年8月18日 (月) 23時38分
すみません。
確かにフランスは初期段階で降りていたんでした。
申し訳ありません。
投稿: みやとん | 2014年8月19日 (火) 00時35分
みやとん 様
イギリス自身が、F-35とは別の機体を新たに開発する余力がないだろうと思います。
ドナルド 様
このブログも、コメントを下さる方は、相応に知識を持ってらっしゃる方が多いですが、恐らくそれが大勢だとは思っていません。
それに、転載されるBLOGOSでは、間違いなくそんな方は、極少数です。
なので、説明もそれら大勢の方に合わせて書いているつもりです。
単純な船体サイズで決まるとは、私も当然考えておりません。
幸いにもアルフォンス様が、情報を下さったので、参考にされて下さい。
なお、航空機の有用性を考える時には、攻勢作戦で使用するのか、防勢作戦で使用するのかで、同じ機数でも価値が大きく異なります。
末田 様
アメリカから買うのも手だとは思いますが、その後のメンテナンスや造船業界の事を考えても、作るのであれば国産にして欲しいと思っています。
通りすがりの者 様
ローテを考えることも必要ですが、帯に短したすきに長しになっても困ると思います。
投稿: 数多久遠 | 2014年8月21日 (木) 00時44分
数多様
お返事ありがとうございます。アルフォンス様ともやり取りさせていただきましたが、私の論点は、
・「ひゅうが」型は、飛行甲板と格納庫のサイズ、エレベータの配置ともに、英海軍「インビンシブル」とほぼ同等の仕様である(ここはアルフォンスさまも反対はされていないかと...)。
・12-20機のヘリ(+ハリアー)を搭載する代表的な軽空母として運用され、フォークランド紛争の実戦経験まである「インビンシブル」(と同等の艦)にたいして、「この船はヘリを4機しか運用できず、9機も搭載したら作戦できない」と言う表現は、正確でない
というだけです。(「ひゅうが」で、(たとえば)9機のヘリを運用するときに、「苦労があるかないか」とは別の話)
ただ、素人さんにアピールする上では、確かに関係のないレベルの話かもしれません。
<以下、玄人さん向け..(笑)>
しかし、今回色々調べてみたのですが、インビンシブルの格納庫、ものすごく狭いですね(特に幅が)。F-35なんて1機でつっかえそうです。「ひゅうが」の方がまだ余裕がありそうです。英海軍の執念と言うか、工夫というか、を感じます。
# ukarmedforcescommentary.blogspot.jp/p/future-force-2020-carrier-vessel-future.html の3つめの図を参照。
米海軍の空母(強襲揚陸艦も含む)も、格納庫に入りきらない機体を搭載して、重整備もしつつ、防空+対地攻撃の実戦で運用してきた訳で、訓練に訓練を重ねて、「合理的な運用体系」を構築してゆくことがいかに大切か感じられます。
「ひゅうが」型も、あるいは「いずも」型も、運用を重ねることで、どんどんと能力が上がってゆくのでしょうね。。。
投稿: ドナルド | 2014年8月21日 (木) 10時02分
ドナルド様
詳細を書くと色々差し障りもありますし、何より、英艦での勤務経験もありませんから、インビンシビルがどうかというのを知悉しているわけでもないですが、少なくとも、ひゅうが級をインビンシビル同等とは、現状では呼べないと思います。実際航空機運用という面では同等なことはできない訳ですし。
なので、数多様がおっしゃるように11機を乗せたらまともな運用は不可能というのは、当たらずと言えども遠からずですね。
投稿: アルフォンス | 2014年8月22日 (金) 20時39分
アルフォンス様
ありがとうございます。
うーむ、「ひゅうが」型、航空機運用能力の不足に「不満」を抱えていた、インビンシブルに匹敵すらしない航空機運用能力なのですか(もちろんあくまでへり空母として、です)。そのコメントは重く受け止めないと行けないと思います。ありがとうございます。
うーむ、うーむ。ハードウェアの問題なのか、ソフトウェア(運用方法などの熟練度)の問題なのか、気になりますが、(前者は丹念に資料を漁れば分かるでしょうが)、後者は確かに英軍と海自の両方に勤務しないと、分からないかもしれませんね。。。
私が「4機はおかしいだろう」と考えたもう一つの根拠は、海自は、「はるな」「しらね」型でSH 3機を運用していた事実です。旧DDHの格納庫サイズは目測で34x15m (うち17x7mは格納庫でない)で、「ひゅうが」型の前部の格納庫が60x19m、後部の整備区画が 20x20 m。「はるな」「しらね」型と「同じ運用をする」のであれば、前部格納庫に5-6機、後部整備区画に3機は搭載でき、これで特にキツキツでもないと考えていました(旧型DDHと同じだから)。
#後部整備区画には1機しか設置しない「建前」なことは知っております。
アフロンス様にはコメントできないのかもしれませんが、私自身は、上記の根拠から、少なくともハードウェアとしては、「「しらね」型と同レベルの運用で良いと思えば、8-9機はしっかりと運用できる」、と考えています。むしろ、4機分の整備員とか整備ジグしか搭載してないのだとすれば、それが制約になっているのだろうと。。。(つまり艦としての制約ではないのではないかと)
まあ、素人のコメントなので、この辺で。。。
投稿: ドナルド | 2014年8月22日 (金) 22時20分
ドナルド 様
少し誤解もあるようです。
本文を見直して頂きたいのですが、いずも型、ひゅうが型とも、搭載数についてはヘリの情報しかありませんから、ヘリの搭載数を書いていますが、言及しているのはVTOL固定翼機についてです。
念頭にある機種はF-35Bですが、B型はC型と異なり、翼の折りたたみ機構を持ちませんから、全幅は10.67mもあります。
対して、インビンシブルで運用されていたシーハリアーは、7.7mとF-35Bと比べるとかなり小型で、翼端を折りたたんだ零戦よりも、遥かにスマートです。
その上、ここで数値上で比較しているのは、ヘリですが、翼を折りたたんだSH-60Kは、全幅3.3mしかありません。
インビンシブルの図を見られて、かなり厳しいと感じられたとのことですが、実際に運用するとなれば、故障状況に応じて修理完了もまちまちでなので、格納庫の奥に入れた機体を出したい状況も生じます。
3.3mのヘリであれば、すれ違うようにしてエレベーターまで移動できるかもしれませんが、F-35では、手前の機体を先に出さないと、奥の機体が出せないという状況になるでしょう。
そして、出せば甲板上が混雑します。
これでは、「マトモな運用は不可能」なので、このように書かせて頂きました。
インビンシブルでのフォークランドでの運用実績も、小型のハリアーならではだろうと思います。
実際、F-35Bの運用を前提としたクイーン・エリザベス級空母は、搭載機数も多いですが、ワスプ級やアメリカ級よりも遥かに巨大です。
投稿: 数多久遠 | 2014年8月24日 (日) 11時35分
せめて現用艦の図面ぐらいは見てはどうか
お粗末すぎて続きを読む気が失せた
投稿: | 2017年3月18日 (土) 10時21分
4年経った今、各種報道や考察に触れてこの記事のことを思い出しました
先見の明がおありでしたね
投稿: | 2018年12月 8日 (土) 17時03分
名無し 様
書いた本人も忘れておりましたが、良く覚えてらっしゃいましたね。
第2次安倍政権が2012年から始まり、この記事を書いた2014年頃には、確実に現在に繋がる防衛政策の大きな方向転換の流れができていたということなんだと思います。
私の先見の明というより、安倍政権の着実な歩みの結果だと思います。
投稿: 数多久遠 | 2018年12月 9日 (日) 15時09分
この記事をコメントを含めて全部読みました。この時と今と比べて更に大きく安全保障環境が変わったのではないかという印象を受けます。なので、このブログ内に新しく安全保障に関する記事を書いてもよいかと思います。後、すごく今更ですがこの記事はカテゴリー空母保有にしておいた方が良かったのではないかと思います。今まで見落としてました。もしかしたら見たのを忘れていたのかもしれませんが
投稿: F-35の追加配備といずも型護衛艦の改修について意見を聞けてよかったです | 2018年12月15日 (土) 17時51分