自衛隊とサブカルの親和性
自衛隊の広報誌『MAMOR』が売れているらしい。
「アイドルも登場する自衛隊広報誌 5月号で過去最高部数更新」(NEWSポストセブン)
創刊当初から部数は伸び続け、今年5月号は過去最高の3万3000部を発行した。出版不況のなかにあって、珍しく景気のいい話だ。
毎月3万部も売れているのか?
私が現役自衛官だった頃の事を思い返すと、笑っちゃうような話です。
しかし、自衛隊のメディア露出は、自衛隊が舞台の映画等を除いても、探してみると結構な数が見つかります。
youtubeにあるMVだけでも、3つありました。
RIVER(AKB48)_CH-47in入間基地
ピノキオ軍(SKE48)_朝霞駐屯地、90式in富士学校
SAVIOR OF SONG(ナノ(nano) feat. MY FIRST STORY)_きりしま
これらは、自衛隊側が広報のために売り込んだというより、商業的にネタを探した結果自衛隊を使っているという側面が強いですから、本当にスゴイです。
10年一昔と言いますが、まさに隔世の感があります。
その理由を考えて見ると、ここには、二つのムーブメントがあると思います。
一つは、阪神と東日本という二つの大きな大震災で自衛隊が活躍した事による対自衛隊感情の大幅な好転、そしてもう一つは、ガルパン、艦これといういわゆる萌ミリと呼ばれるトレンドです。
連休初日の昨日の事ですが、神保町の書泉ブックマート5F(ミリタリー&乗り物フロア)に行くと、萌ミリの浸食が凄まじい状態でした。
その結果なのか、逆に萌ミリからリアルに波及したのでしょう。
なんとこんなモノまであります。
この本、面白いというか、興味深いのは、国防女子がamazonランキングで117位(5/5時点)なのに対して、国防男子が63位(5/5時点)であることです。
女性の方が、自衛官をビジュアルで見ているって事でしょうか?
なお、前掲のMVですが、3件中2件がAKBグループです。(応援せねば)
そして、もう1件は艦これの元ネタと言われるアニメ関係。
やはり、ミリオタ、アイドルオタ、アニオタは、オーバーラップしている比率が高いのでしょう。
冒頭で上げたリンク先にもありますが、『MAMOR』にもほしのあきや前田敦子、里田まいなどが登場しているそうです。
『黎明の笛』が発売されてから、関係者の中からは「映画化されたらいいね。その時には主役は天海祐希さんで」なんて声も聞くのですが、こう言う状況をみるとAKBなんかもいいかもしれません。
もっとも、主役の日見子は、設定を若く変えたとしても、せいぜい20台後半にしかならないので、日見子役ではなく、杉井役でしょう。(残念ながら、映画化の話が出ている訳ではないですが)
自衛隊とサブカルという点では、現時点の最強は、やはりコレでしょう。
残念ながら、「やり過ぎだ!」という事になっているようですが、首相がニコニコ超会議にでる時代ですから、別に構わないと思うのですが……
という訳で、自衛隊とサブカルにはかなりの親和性が見られますが、海外では似たような話は米軍機のノーズアートくらいで、あまり耳にしません。
そのノーズアートにしてもこんな感じで、日本のサブカルとはちょっと路線が違います。(ディズニーキャラクターが描かれたケースもあるようですが)
Wikipediaより
海外だと軍隊と親和性のあるカルチャーは、むしろ、こう言う路線が多いです。
Wikipediaより
どうも、軍事とサブカルに親和性があるのは、日本独自の文化のようです。
それがナゼなのかは大変興味深いですが……ナゾです。
« オバマ来日で露見した尖閣の危機 | トップページ | 集団的自衛権問題は、ナゼ今なのか_その背景 »
「軍事一般」カテゴリの記事
- 中国空母『遼寧』の弱点と攻略策(2015.12.12)
- 海自いじめ自殺を利用した警察の防衛省攻撃(2014.09.07)
- 自衛官は靖国への合祀を望むか?(2014.06.29)
- 異常接近と靖国神社(2014.06.22)
- 自衛隊とサブカルの親和性(2014.05.04)
海外のサブカルとミリタリの親和といったら、かなり昔の歌ですがVillage People の In the Navy(http://www.youtube.com/watch?v=InBXu-iY7cw)とかもあるので、海外にも結構なおふざけ路線が存在していますね。
海軍の同性愛問題を皮肉ってるちょっときわどい歌ですが…PVの撮影場所がノックス級フリゲートの甲板上だったり海軍航空隊のアクロバット飛行を映してたりと海軍の協力のもとの撮影です。(なんて恐ろしい…)
投稿: 化石 | 2014年5月 5日 (月) 02時54分
自衛隊と萌え・・・
敵国に舐められない範囲でやってもらいたいですねぇ・・・
投稿: 名無しX | 2014年5月 5日 (月) 21時15分
化石 様
リンク先を見ましたが、性的マイノリティに触れているとは言え、大分路線が違うみたいですね。
名無しX 様
なるほど。
確かに、そういう懸念はありますね。
投稿: 数多久遠 | 2014年5月 7日 (水) 00時14分
日本独特の慣習に車両等に絵を描くというのが有ります。 古くは山車から昭和では絢爛なトラック(今でもやってるのでしょうか?)そして現在の痛車。 その良き(?)伝統と現在で一番人気のあるタイプの絵が合体したのではないのでしょうか? あとノーズアートの影響も当然ありますよね。其れを日本風に極めたのでは。(因みに「極める」という単語・概念は英語にはありません。これも日本の特徴です)
投稿: オレゴン在住 | 2014年5月10日 (土) 03時30分
オレゴン在住 様
なるほど、車両に絵は他国だと見ませんね。
アメリカだと、ファイアーパターンはくらいならありますが、あれば絵ではなく模様ですね。
デコトラは、少なくなりましたが、絶滅はしていません。
投稿: 数多久遠 | 2014年5月11日 (日) 10時53分
AKB48といえば、日美子役には、まりり(塚本まり子)がいいかもしれませんね~
投稿: しゃもし | 2014年5月25日 (日) 16時15分
しゃもし 様
確かに年齢的には合いますが、サブカル好きが彼女を持ち上げるとは思えないので、ネタとしての効果だけでしょうね。
それに、期間限定らしいので、ちょっと無理かなと。
投稿: 数多久遠 | 2014年5月27日 (火) 21時11分