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2014年5月22日 (木)

防衛省における男女共同参画の問題点

防衛省における男女共同参画に係わる基本計画が更新されています。
防衛省における男女共同参画に係る基本計画

防衛省・自衛隊というだけでなく、日本社会全体が男女共同参画社会になろうとしている中で、防衛省・自衛隊として、どうあるべきかという方向性を打ち出しています。
具体的には、女性自衛官の採用・登用の拡大を計る他、庁内託児所や男性職員の育休取得推進などの勤務環境の整備などが盛り込まれています。

社会全体の方向ですし、優秀な人材確保のために必要な施策だと思いますが、一つ欠落している視点があるように思います。

それは、男性職員の育休取得推進が盛り込まれているものの、基本的には自衛官の人事制度全体が、配偶者が専業主婦(主夫)であることを念頭に考えられており、防衛省・自衛隊職員は男女共同参画になったとしても、その配偶者までが男女共同参画になるような方向で計画されていないということです。

分かりにくい話だと思いますので、実例を出しましょう。
自衛官の奥さんが、就業したいと思っても、実際にはかなり困難です。

陸自の場合、曹以下は転勤が少ないので、あまり当てはまりませんが、陸の幹部、海空については幹部曹士の別なく、結構な頻度で転勤します。
そうなると、奥さんが就業しようとしても、数年しか働けない可能性が高く、どこに行っても引く手あまたな看護師資格でも持っていないと、なかなか条件の良い就業先が見つからないという結果となり、働きたくてもパートでしか働けないという事が多いです。

単身赴任すれば良いとも言えますが、家計が2重化するわけですから、収入が増えても支出も増える結果となり、やはり苦しい状態になるでしょう。
それに、家族が一緒に暮らすことと男女共同参画は、背反して良いものでもありません。

この問題に対する策は難しいと思いますが、知恵を絞って、何らかの施策を講じて欲しいと思います。

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コメント

配偶者が勤務する転勤先の自衛隊基地などで、奥さんが優先的に雇用されるような制度があれば、多少はなんとかなるかもしれませんね。それでも自衛隊の基地に存在しない職業(プログラマやデザイナー等のように専門性のあるもの)を希望する場合には、なかなか難しいかもしれませんが。

はじめまして、いつも読ませていただいてます

幹部、海空曹自衛官の転勤が多いのは、任地・経歴管理の公平性の確保と個々の能力伸長、調達関連部署の倫理の保全のためと聞きかじったことがあるのですが、そういうことであれば転勤自体を少なくするのは厳しそうですね。
むしろ任地の公平性という意味で、防衛大綱内でうたわれている島嶼部に対する攻撃への対応として「安全保障環境に即して配置された部隊」を編制するとなれば、陸曹も一部転勤が増えるかもしれないと感じます、誰しも知り合いのいない離島よりも地元、あるいは大都市圏で勤務したいのは人情ですので。

また、これは民間企業でも見られる事象ですが、女性の産休や、産後であっても子供の世話のためシフト勤務や当直勤務ができないなど、同部署の人たちの負担が大きくなるようなことがあっても良くないと感じます、自衛隊の各部隊の定員がそうそう動かせるはずないので、民間以上に厳しいことになりそうです。

女性自衛官の採用・登用の拡大は時代の流れとして当然として、本人と部隊に対するサポートも考えていかなくてはならないですね。

石水 様
配偶者を基地等で雇用するのは確かにいい手かもしれませんね。
ただ、現状では部外委託する業務はあまり多くないので、アウトソーシングを拡大しないと使えない手だと思います。
プログラマーやデザイナーは、ITが普及してきて在宅での仕事もできますが……信じられないような薄給だったりしますから、なかなか難しいですね。

CCXXII 様
転勤を少なくすることは私も反対です。
奄美や先島に陸自配備が検討されていますが、確かにこれで陸曹の転勤も増えるでしょうね。

シフト勤務部署での女性自衛官に対する風当たりは、確かに強いですね。策として考えられている託児所などが整備されると、状況も変わると思いますが。

以前に一度投稿致しましたが、投稿名を失念致しました。末娘が驚いたことに、警官か、自衛官か、保安官を志望しているようです。本人の中ではイメージ的に違いがないそうですが、一番可能性が有るのが警官とのこと。その理由がズバリ転勤なのだそうです。中々外からは事情がわかりませんので、また何かこのような話題があれば是非お願い致します。 

bb 様
参考になれば幸いです。

地元から離れたくないという人にとっては、自衛官、海上保安官は少々ハードルが高くなるかも知れませんね。

陸自は、転勤の可能性は低いですが、それでも絶対にないとは言えませんから……

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