都民はグリーン電力ならぬ脱原発電力を
脱原発が都知事選の主要論点になっています。
都内には原発がなく、今後も建造計画などないにも関わらず。
となれば、もし東京が脱原発を宣言するなら、純粋に電気の消費者でしかない都民に可能な行動は不買運動しかありません。
つまり、原発で作られた電気の不買運動です。
”そんな事は出来るはずがない”と思う方も多いでしょうが、実際にそれに近いものは現存します。
それはグリーン電力です。
グリーン電力入門
グリーン電力は、風力、太陽光、バイオマス、マイクロ水力、地熱などの自然エネルギーによって作られた電力を購入する制度です。
実際に送電される電気を選べる訳ではないのですが、自然エネルギーの発電が高コストであるため、グリーン電力を通常よりも高い金額で購入し、その費用を自然エネルギーのコスト分に充当して、自然エネルギーの発電比率を高めようという制度です。
脱原発を東京都民が実現するなら、東電にこれと同様の制度を作らせれば良いのです。
脱原発を図るなら、現状では火力に頼るしかありません。結果、燃料費の高騰で、電気料金が値上げされていることは、誰もが実感していることでしょう。
実際のコストがどの程度になるかまで試算できませんが、脱原発電力として、東京都民は、多少高い電気料を払って頂けば良いわけです。
脱原発が東京以外でも一般化し、原発の電力を誰も買わなくなれば、当然原発はなくなるでしょう。
電気代の値上げなんて、真っ平御免ですが……
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震災後に判明したことを考えれば燃料費による電気料金値上げを正当化ずける根拠として主張付けるのは失当では?
現在原発を正当化付けるとしたら資源の多角化ぐらいでは?
投稿: | 2014年1月15日 (水) 22時11分
危険だから・怖いから止めようという逃げ腰の戦略ではなく、日本人の叡智は原子力のような暴れ馬ですら手懐けるのだという武士の気概を少しは見せてほしいものです
投稿: US-2ラブ | 2014年1月16日 (木) 22時03分
理系としての私個人の意見です。(ちょっと本音ベースで済みません。)
原発がテクノロジーとして本質的に不安的なことは間違いないと思います。それはその動作原理からして、暴走へ至る不安定性を常に抱えているからです。核融合発電の実現までのストップギャップであると、私は理解して来ました。
ここ数年の日本経済を支えるために、原発の再稼働が必要なことは私も合意します。しかし、30年後には原発が大幅に減っていることが望ましいとも、考えています。それは原発の廃棄/処理コストがかなり膨大で、いま我々は未来へそのコストを「ツケ」にすることで、安価に「見える」電気を使っているに過ぎないからです。また、100年200年と原発を使い続ければ、また東北大震災のような「1000年に一度」の大災害が、原発を直撃するリスクがどんどん高くなるからです。
#あるいは、戦争とか。
原発の議論が、「即再稼働=未来永劫使う」派と、「即廃止」派に別れているので、私のような「とりあえず半数を再稼働=30年後位を目処に、大幅に削減(廃止でなくても良い)」という立場の人間は、支持すべき政治指導者がいません。
むろん、政治的に考えれば、私のような「中途半端な」立場が取れないのは理解できます。まず、票が集まらない。それに加えて、「推進派」と「廃止派」が、どちらも強力なので、中途半端な方針をとると「推進派」の「延命工作」に敗北する可能性があるからです。
まあ、私に言わせれば、核廃棄物の処理の目処を立て、福島原発の解体のメドが見え、それらのコストを白日に下にさらすことが、もっとも大切と思います。特に前者は、4-5年で決着させてその(社会的)コストを「見える化」することは、推進派の「義務」だと思うのですが。。。
また即時廃止派に聞きたいのは、急激にエネルギー供給体制を変えることにともなうコストを、これも2-3年以内に、きちんと銘記、算出して欲しいです。これも「義務」でしょう。10-20年かけてゆっくりやれば、エネルギー供給体制を変換することは難しいことではないと思います(シェールガスのおかげですが)。
コストの「見える化」なしでは、どんな議論も空論かと。。。
投稿: ドナルド | 2014年1月17日 (金) 01時08分
コスト論はどう頑張ったところでまとまりようがないと思いますよ
原発の経済性なんて事故の発生頻度をどう取るかによって全然変わってきますし、取り方なんて人それぞれでこれが正しいなんて定説はありません
さらにいえば事故どころか地元世論の動向によっても原発の経済性は変動しますし、これはほとんど完全に予測不能(予測できりゃ政治家は苦労しない)なパラメータです
自然エネルギーについても似たようなもので、たとえば太陽光ならば1年の日照時間をどの程度に見積もるかによって変わりますし、その日照時間が今後100年間変わらないとするかそれとも大規模な気候変動(そもそも自然エネルギーの導入が叫ばれたのはこれを防ぐことが目的でしたね、現状ほぼ回避不能ですが)によって著しく減少することもあり得ると想定するかによっても全然変わります(同じことは風力にも言えます)
この点、いろいろな論文が「うちの計算こそが正しい」と主張し合っていますが正直どれもこれも眉唾ですね
純粋な経済性の議論に限ってもご覧の有様なわけでして、例えばここで核関連技術を手放すことによって発生するあるいは将来発生しうる政治的軍事的コストについてまでそろばんを弾きだすともう完全に訳が分からなくなります
けれどだからといって政治的軍事的視野抜きにエネルギーを語ればそれは片手落ちという奴でして、たとえ計算自体は正しくとも実質的な意味を伴いません
個人的には複雑怪奇なコスト論議で時間を空費するよりはもっと単純な原理やイデオロギーでこれと決めてかかってしまう方が後々の軌道修正もやりやすくてかえっていいんではないかと思います
原子力とか自然エネルギーとかが好きとか嫌いとか
あと核分裂の不安定性(暴走する)は利便性と表裏一体です
(もしガソリンが火をつけても燃え広がらずに勝手に鎮火するような液体だったら誰も自動車用燃料になんか使ってないです)
核融合はいずれ実用化すると思いますが核分裂技術をストップギャップにできるほど普及できるかと言えば正直疑問符が
投稿: US-2ラブ | 2014年1月17日 (金) 21時43分
US-2ラブさま
おっしゃることはごもっともと思います。コストの件も、核融合の件も。
私のコメントの趣旨は
・現在の原発の発電費に、各廃棄物の処理費も原発の解体費もまともに含まれていないと理解しています。福島事故のせいで、住民の反発も大いに予想され、一段と処理費用がコストアップすることは間違いありません。
・原発を利用する「理由」は、経済性とCO2、そして資源を分散するエネルギー安保だと理解しています。シェールガスの台頭と処理費用のこともあり、このうち経済性は消えます(ただし、原発「でない」発電技術で、今の原発分を補うだけのインフラを整備するには10-30年の準備期間は不可欠)。
・あとはCO2とエネルギー安保への恐怖と、核分裂暴走への恐怖を天秤にかけることになるのだと思います。正直、大学時代に放射線を扱っていた身にしてみれば、皆さんの放射線への恐怖は根拠がなく単なる感情論です(そもそも自然放射能がかなり高い。その中で人類は進化して来た事実)。しかし、世の中を見ても分かる通り、こうしたイメージ先行型の感情論は強力なのです。
・私は、何兆円もの金をばらまかない限り(あるいはばらまいても)、最終処分場は実現しないと危惧しています。そしてそれが実現しないのなら、原発を長期(=百年とか)にわたって継続することは非合理だと考えています。原発の代替手段が、100年程度以内には必要になると考えている根拠です。
・一方で、最終処分場に手をあげる自治体が現れ、かつその候補地が地質学的に安定している場合には、私は喜んで前言を撤回します。人口が半減するような未来では、もしかしたら、そうした自治体が現れるかもしれません。
#要は私も迷っているわけですね(笑)。
つまり私は、「日本の経済にとって、長期的には原発は非常に重荷になる」ことを危惧しているわけです。(しかもそのコストを支払うのは、50年、100年後の、人口減少後の日本です。一人当たりのコストは膨大に。。。)
一方でいますぐ原発をやめることは、損害が大きすぎると思います。30-100年くらいで、将来的に原発がなくなるようなソフトランディングを目指したい。
私の希望をかなえるには、しかし、なんとも難しい舵取りが迫られますよね。実際上、今は非現実的と認めざるを得ません。(結果としてそうなるとよいなと思いますが。つまり当面継続しておいて、20-30年後に「代替エネルギーが安価に実現したし、処分場の目処が立たないので、やっぱ原発やめます」となることが。)
なお、核分裂の持つ本質的な不安定さは、数ヶ月にわたって大きな熱量の放熱を続けることにあります。自らが溶け、蒸発するくらい。だからこそ福島でも冷却装置が今でも稼働し続けているわけです。数日も延焼し続ければ消えてしまうガソリンのそれと、これを比較するのは、間違っていると思います。
福島の事故で一番恐ろしかったのは、爆発した1号機2号機ではなく、疑いの余地なく、燃料棒が外部に保管されていた4号機なのです。本当にただの幸運(別のプールから偶然水が流れ込んだ)で、事なきを得ましたが。。。
#大変長文になってしまいました。済みません。。。
投稿: ドナルド | 2014年1月18日 (土) 00時10分
名無し 様
では、現在主にコスト面を理由に再稼働の方向になっている状況をどのように認識されているでしょうか。
US-2ラブ 様
同意です。
福島の事故は、災害を軽視しすぎて、安全措置が不足していたというだけですから。
電源部を水密にする等、対策は可能ですから、無知による恐怖は、情報で払拭して行くべきだろうと思います。
その意味で、都知事選での脱原発なんて、恐怖を煽った衆愚政治の典型でしょうね。
ドナルド 様
30年後に、もっとコストパフォーマンスが高く、安全性や環境性能も高いエネルギーが出現していれば、当然、そちらにシフトすべきでしょう。
ですが、10年前を思い返しても、想像出来ないほど世界が変わる現代で、30年後を十分見通すことなど不可能ではないでしょうか。
もちろん、計画は必要ですが。
廃棄物の問題にしても、高速増殖炉を再度考えるとか、やり方はいろいろとあります。
ロシアみたいに、単に海に沈めるなんてことはできませんが、土中埋設なら過疎化の進行と合わせて、下北以外でも処理できるようになる可能性が高いですし。
私は、単純に言えば科学技術に希望を持っています。
投稿: 数多久遠 | 2014年1月18日 (土) 13時17分
政治に多少絡んだ身としての本音。都知事選で某候補が国策で有る筈の原発政策を取り上げてる事が間違ってる。(まぁ、裏が有るのでしょうが)ましてや原発立地でもないのに。将来的には、原発は、縮小する必要は、有りますが国家としての国防政策及びエネルギー政策を踏まえて行うべきです。
投稿: 通りすがりの者。 | 2014年1月18日 (土) 22時06分
数多様
お返事ありがとうございます。
私のコメントの趣旨は、原子力発電のコストは、現状の想定より明らかに高いので(色々調べれば処理費を中心に「積まれてない」予算がとても沢山あることが分かります)、長期的には安価な発電手法ではない、ということです。
つまり、私は、最もコストパフォーマンスに優れる発電方法を選択したいわけです。そしてそれは原子力ではないと考えています。今で言えば火力。ただし、燃料の計画的な調達に10年単位のインフラ投資と交渉が必要ですし、将来の燃料費高騰もあり得ますから、多角化の観点から、原発をゼロにする事は賛成できません。
でも、例えば、浜岡原発は、大地震の震源直上で津波直撃の箇所ですから、再開する気が知れません。津波シミュレーションを数m越える堤防を設置していますが、科学リテラシーを疑います。「正気か?」と。計算は計算に過ぎません。3割から5割(本当なら2倍)のマージンをとるのが当然でしょう。強度に対する安全計数0で、飛行機の翼を設計するようなものです。そんな機体、怖くて乗れません。
この時点で私は「現在の」原発推進「政策」には危惧を覚えています。技術的に危険なのではなく、政治的に危険に見えるのです(やるべき対策をやらずに済まそうとしている)。
個々は詳しく調べていませんが、原発の半数ほどは、運転再開すべきでないと感じています。(そうすれば対策も重点化できる)。きちんと徹底して対策した原発をなるべく早く用意して、それを再開するのは、賛成です。
私も科学技術には希望を持っているので、計画的に「核分裂炉」でない発電技術を開発し続けるべきと思います。それこそ「武士の気概(US2ラブ様)」でなんとかしたい。(個人的には、国立公園法を大幅に改訂して、大規模に地熱発電、風力発電を実施して欲しい。温泉は大好きですが、温泉利権はクソクラエです。)
高速増殖炉ですが、今後30年では実現しないと思います。「もんじゅ」は失敗です。やるとしても全く別のアプローチが必要でしょう。その技術開発 --> プラント開発 --> 量産開始までには、30年では済まない年月がかかるだろうと思います。特に「もんじゅ」が非常に悪い印象を世間に与えてしまったため、「プラント開発」のところで、また10年単位で大もめするでしょう。
まあ、原発推進に反対なのか賛成なのか、よく分からないコメントになってしまいましたが、要は再開するのなら「原発の半数が廃止されるくらいの気持ちで、ちゃんとやってくれ」という事です。やや意味不明で済みません(笑)。
投稿: ドナルド | 2014年1月18日 (土) 22時17分
個人的な意見ですが、化石燃料消費の増大が貿易赤字の原因の一つである事を考えると
震災の教訓を生かした原発の改修を行い(老朽化して、改修が不可能な原発は段階的に廃炉)
中期的計画で再生可能エネルギーの普及を進める(電力が不足した場合は一時的に火力発電で凌ぐ)
みたいな玉虫色の政策を取るしかないと思います。
投稿: メリッサ | 2014年1月19日 (日) 01時19分
通りすがりの者。 様
国策と都知事選の争点としてしまうすり替えは、某引退政治家の老害なんでしょうね。
作戦としては、巧いと思いますが、姑息と言うより、卑怯に思います。
ドナルド 様
処理費というのが何の度の段階の処理費か分かりませんが、積まれてないことはないのではないでしょうか。
また逆に、地方の活性化に寄与している点も評価はされていないと思いますが・・・
青森、福井なんかは原発のおかげで相当に潤ってます。
火力については、二酸化炭素の大量排出による排出権コストも考える必要があるのではないでしょうか。
浜岡に限らず、水没しても安全に原子炉を停止できるメカニズムにすれば良いのであって、堤防だけで対策を取る必要はないと思います。
福島も、電源喪失さえしなければ、特に問題は発生しなかったはずです。
原発が断層直上にあっても、格納容器自体は壊れたりしないでしょうし、全体をラフト構造にするなど、安全に停止することができるようにするだけなら、手はいくらでもあると思っています。
今までの対策が甘すぎたことは事実ですが……
増殖炉は、もんじゅ方式は、技術的にも政治的にもダメでしょうね。
ただし、プルトニュウムをエネルギーとして再利用することは、核融合炉と比べたら、余程現実味があると思います。
ちゃんとやれ、というのは、その通りですね。
今までの見積もりが甘過ぎだったのは、今や誰もが知る真実なんですから。
メリッサ 様
火力は、貿易赤字の増大も問題ですね。
私は、原発の再稼働をしつつ、日本の場合は小規模を含め、水力をもっと活用すべきだと思っています。
黒部ダムのようなものを作れば、建設業も潤いますし。
一旦作ってしまえば、燃料や再処理に手間をかけずにすみますから。
環境負荷もありますが、日本の国情を考えると一番合っているように思います。
投稿: 数多久遠 | 2014年1月19日 (日) 15時20分
おはようございます
そもそも民主党が、勝手に二酸化炭素の大幅削減の打ち出しから始まり、最後は勝手に脱原発ですから…沖縄の辺野古移設も民主党の勝手で問題化…
減らすのはともかく、無くすのは非現実的ですねぇ( ̄^ ̄)
非現実的と言えば、細川は反オリンピック派ですから…反原発をぶちあげついでに、オリンピックもついでに潰してやる気満々ですねぇ…
投稿: 土方 | 2014年1月20日 (月) 08時00分
土方 様
民主党のああ言うのも二枚舌というんでしょうか。
節操がないというか何と言うか、いたずらに国民を混乱させましたね。
投稿: 数多久遠 | 2014年1月20日 (月) 20時04分
東京都知事は、余り原発廃止とか言わない方が利口だと思います。
東京都保有の東電関連の資産が方向性次第でかなり毀損します。
毀損した場合、その責任をもって行政訴訟になる可能性も否定出来ません。
やるなら、国にうまいこと押し付け、現金にしてしまう方が良いと思います。
投稿: Suica割 | 2014年1月22日 (水) 16時30分
Suica割 様
なるほど、それは思い付きませんでした。
訴訟で負けるかどうかは分かりませんが、訴訟を起こすという動きが出るだけで大問題になるでしょうね。
投稿: 数多久遠 | 2014年1月23日 (木) 02時01分
こんにちは
さて、蓋を開ければ矢張りと言うべきか、舛添都知事の誕生ですか。
乱心した殿や偽善者宇都宮が都知事にならなくてよかったです。
気掛かりなのは、小泉が反原発で陽に陰に動き回って、国政を掻き乱す事ですね( ̄^ ̄)
投稿: 土方 | 2014年2月10日 (月) 16時31分
土方 様
予想通りの桝添氏でしたね。
小泉氏ですが、今回の件で下手を打ったので、これからは、仮に動いたとしても、かつてほどの影響力は、もう行使できないと思います。
ご本人が政界復帰でもすれば別ですが・・・
投稿: 数多久遠 | 2014年2月10日 (月) 21時03分