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2013年10月 9日 (水)

戦史を学ぶ意義

意外に思うかもしれませんが、自衛隊では戦史を学ぶ機会はあまりありません。
防衛大学や幹部候補生学校、それに幹部学校では、若干戦史関連の授業もありますが、決して多くの時間が割かれてはいません。

そして、その戦史を学ぶ機会にしても、学校で勉強する歴史の授業のように、何年に、誰が誰に対し、どんな戦略・戦術で戦ったと言った事実を学ぶ場ではありません。

では、どんな授業かと言うと、戦史の事例研究です。
事例研究は、ある戦史事例の概要を把握した後、戦いの原則等に照らし合わせて、事例の評価を行い、執るべき別のオプションがあった可能性を研究します。
討論が行われる場合も多いです。

自衛隊における戦史教育が、このような形態なのは、戦争における実務者を育てる事が目的なため、”戦史の応用方法”を身につける必要があるからです。

そのため、自衛官は意外に戦史(何年に何があったというような事実)を知りません。
ただし、これは空自で特に顕著な傾向だろうと思います。

と言うのも、第1次世界大戦で飛行機が戦争に使用され、航空作戦の戦史が始まって以来、まだ100年ほどしか経っていないにもかかわらず、航空機及びレーダーやミサイルと言った関連技術の発達が凄まじく、古い事例はあまり役に立たないからです。

ただし、例えば隊員に対する”指揮”に関しての研究なら、別に陸戦でも海戦でも構わないため、それらを事例として研究することはあります。

とは言え、自衛隊では、戦史が軽視されていると言う訳ではありません。
各種学校での教育は、実務者を育てるための速成栽培なので、上記のような状態ですが、やはり階級的に、上に行かれる方々には戦史に詳しい人も多くなってきます。

もちろん、戦史を多く知っていた方が、応用するネタが多いという事は言えますが、それ以上に、戦史を知っている事の意義と言えるモノは、戦史が言葉になるからだと思っています。

例えば、以前に記事を書いた”独断”について語る際、”日本海海戦における追撃戦で第2戦隊司令長官上村中将が下した独断”と言えば、上級指揮官に十分な情報がなく、自分の方がより正確な情報の元に判断ができると考えられる際に行う独断の事だ、というような共通理解を得ることができます。

階級が高い程、多くの人と正確なコミュニケーションが必要です。
そのためには、戦史に明るいと、適切な”例”を引いて会話することができるという訳です。

自衛官以外のミリタリーファンの方も、軍事について語りたければ、戦史を知っている方が、より深いコミュニケーションができると思います。
(こんな事も知ってるんだぜ~的な自慢話では、なんの役にも立ちません。相手も知っているであろう適切な事例を、的確に提示できてこその戦史知識です)

そんな訳で、こんなモノを紹介致します。
戦史検定
例題も載ってます。
Ws000026
Ws000027

ベストセラーとして有名になっている永遠の0の著者である百田尚樹氏も推薦文を書かれているこの戦史検定ですが、「日本青年遺骨収集団(JYMA)」という大学生中心のNPOが母体となり、慰霊碑の保全費用を確保しながら、戦史を学ぶきっかけとなるようにという主旨で運営されているそうです。

漢検のおかげで、漢字に注目が集まったように、この戦史検定のおかげで、日本人の防衛理解が深まってくれることを願います。

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コメント

戦史と言ってもどんな戦史によって役に立つがどうかと大きく分かれます。

例えば、中上級とされるの例題の一番めは…

「初の陸軍特別攻撃隊として編成された隊の名称は何か」です。

実際こんな事までやってどれ程の戦果を上げていたとは未だ多少価値が有るでしょうが、名前何かはどうだって良いじゃないですが?他の問題」

戦史検定なら、寧ろ例えばノモハン戦について1000字の文を書かせる方が有効と想います。ただ人の名前等を覚えるだけじゃ何の意味も無い。

香港からの客人 様
軍人(自衛官)と一般の方にとって、戦史の役立ち方は違うでしょう。

軍人にとっては、あくまでケーススタディのネタですが、一般の方にとっては、愛国心が向上してくれれば良いと思います。

表紙の教科書に載ってない歴史×慰霊の心=戦史検定って時点でお腹一杯なんですが。
認定クラスも分隊長~軍司令官なんて分けてますが、何か意味のある分類なんですかね?
回答の選択肢も十干だし、今時普通じゃないでしょう。空自では今でも甲乙丙丁なんて普通に使ってるんですか?
問題例見ても範囲を区切った暗記大会にしか見えませんし、推薦文書いてるのも英霊にこたえる会だの日本会議だの怪しい臭いしかしませんよ。
こんな検定商法の片棒担いで何がしたいんだか正直すごい疑問です。

>一般の方にとっては、愛国心が向上してくれれば良いと思います。

愛国心の向上は戦史を学ぶの主要理由ではないし、例えそうだとしても名前暗記大会だけじゃ愛国心が向上に貢献出来ません。

戦勝を覚える事で、国に対する誇りは上昇するのは確かです。だが、これを強調しても、そもそも将の名前を覚えるだけじゃ意味が無い。真珠湾と言う快挙(攻撃するの決定は戦略的なミスですが、快挙とは変わりがない)を果たしたのは、山本より実は多くのパイロット達(特に水平爆撃に練習を励んだ彼等に)とか、浅い所でも使えるの魚雷改造を考案した人間の方でしょう?彼奴等を強く思う方が愛国心を出るではないでしょうが?

そして、戦史はただ愛国心の為ではない。以前の事を教訓してる方こそ重要です。例え自衛官ではないとしても、学ぶ事が多い。例えば、どうしても名前の問題を出さなければ成らないなら、これはどうでしょう:

「ノモハン作戦に置いて、死に追い込まれなかったの士官の名前は:
甲 第23師団長 小松原道太郎
乙 歩兵第64聯隊長 山形武満
丙 捜索第23連隊長 井置栄一郎
丁 歩兵第72聯隊長 酒井美喜雄
戊 関東軍作戦参謀 辻政信」

言うまでも無く、答えは戊です。で言うか、この問題は例え名前一つを知らなかったでも役職で何となく分かる様にできている。そして、ノモハン作戦の概要を知っている人間なら、実は責任は何処に有るのがと分かってるだろ。不平を感じるでしょう。名前を出す事で、犬死した物の人間性を強調する。

ノモハン戦等で日本軍の勇猛さで誇りを感じるのは結構だが、こう言う所も覚えて、日本に置いて二度とこんな思想を溢れない様に微力を尽くし、自分の生活にも戒めとする方こそが、戦史の正確な覚え方だと想います。

名無し 様
まず、最初に、当ブログでは、ハンドル使用をお願いしております。

自衛隊内の甲乙丙丁ですが、ないことはないですが、甲武装とかで使われている以外は、ほとんど見ないですね。

この検定は、遺骨収集の寄付集めでもあります。

香港からの客人 様
確かに、名前を覚えるだけじゃ意味はないですね。
だから、自衛隊でも同じようなことはしていません。

陸のCS問題は暗記物が多いと聞いた事はありますが……

ノモンハン作戦ですが……私は答えを知りませんでした……
なので、なんともコメントのしようが……

戦史や戦史検定への皆様の思いは、表現こそ違えど、バランスのよい視座、健全さを感じました。戦史に関わった一員として、とてもうれしく感じ、「上から目線」で失礼ながら、コメントさせていただきました。
なお、ノモンハン事件の設問について、補足させていただきます。

○井置中佐の名前は、栄一
○山縣大佐の名前は、武光
○「死に追い込まれなかった」のは、戊)辻参謀と甲)小松原師団長の2人。
 小松原中将は、事件後時を追わずなくなっているが、胃がんで病死。自決されたのは酒井72連隊長、自決を強要されたのは井置23捜索隊長、戦死されたのは山縣64連隊長。

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