注目の離島奪還演習が実施
沖縄で、注目すべき離島奪還演習が行われます。
「陸海空3自衛隊、沖大東島で離島奪還訓練へ」(琉球新報13年10月24日)
防衛省統合幕僚監部は23日、陸海空3自衛隊の隊員約3万4千人が参加する実動演習を11月1~18日の日程で、沖縄や九州を中心に実施すると発表した。上陸作戦や輸送の訓練を実施するとしており、事実上の離島奪還訓練となる。主な訓練場には那覇の南東約408キロの太平洋上にある無人島で、米海軍の射爆撃場となっている沖大東島(北大東村)を使用。
琉球新報では、「訓練」とされていますが、統幕公式発表では「演習」です。
「平成25年度自衛隊統合演習(実働演習)について」
この違いは、実は非常に重要です。
参考過去記事:「訓練と演習の違い」
端的に言えば、演習の目的は能力向上ではなく、作戦計画の検証にあるということです。
この演習で注目なのは、演習場となる沖大東島の、尖閣諸島との地理的な類似性です。
引用記事にもあるとおり、沖大東島は、那覇から408キロの位置にあります。
一方、尖閣諸島魚釣島は、那覇から約410キロです。
これは、決して偶然の一致ではないでしょう。
沖大東島射爆撃場では、離島防衛を主な任務にする陸自西部方面普通科連隊が上陸作戦を模して、海上自衛隊輸送艦に乗り込み、さらに水陸両用のホバークラフト型揚陸艇「LCAC」(エルキャック)で島に近づき、空自戦闘機が実弾射撃したりする予定。
ただ島の周辺にはサンゴ礁があるため、実際の上陸はしないとしている。
演習の目的は、尖閣諸島を模擬した沖大東島に離島奪還を意図した部隊を機動させ、陸海空統合運用の中で、運用能力の向上を図りつつ、尖閣奪還作戦における作戦計画の検証を行うことでしょう。
この演習で注目なのは、想定が極めて現実環境に近く、絵に描いた餅上での演習ではないため、今回の演習に参加する部隊は、恐らくそのまま尖閣奪還作戦に投入を予定している部隊であろうとの推測ができることです。
特に、海自輸送艦等に乗り込む陸自部隊の編成は注目です。
恐らく、中国軍の情報部も注目しているでしょう。
これが、どこまで公開されるか分かりませんが、自衛隊の尖閣奪還作戦の様相を占うため、今回の訓練ほど適切な訓練はないと思います。
続報が楽しみです。
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