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2013年8月11日 (日)

Y-8による第1列島線突破飛行の軍事・政治的意味

7月24日、中国のy-8(早期警戒型)が、沖縄本島と先島諸島の間を通過し、太平洋上まで飛行しました。

統幕発表資料
Ws000016
Ws000017
同資料より

防衛大臣が発表したことで、各紙も中国の脅威を示す事例として、報じています。
中国軍機が沖縄-宮古間を通過 初の第1列島線越え」(産経新聞13年7月24日)

 中国にとっての対米防衛ラインである第1列島線(九州-沖縄-台湾)を中国軍機が越えて飛行したのは初めて。中国はこの防衛ラインを伊豆諸島-グアム・サイパンを結ぶ第2列島線まで押し上げようとしており、海軍艦艇に続き、空域でも第1列島線を越えた衝撃は大きい。


中国軍機、南西諸島上空を通過 空自がスクランブル」(朝日新聞13年7月24日)
中国:早期警戒機Y8 沖縄本島-宮古島間の公海上を通過」(毎日新聞13年7月24日)

日本側には、参院選で大勝した安倍政権に対する中国の警戒感の表れ、との見方もある。


ですが、さすが大手新聞。分析が甘く、第1列島線を越えて、今までより遠方に出た程度にしか捉えていません。
と言う訳で、以下では、この早期警戒型Y-8太平洋進出の軍事的及び政治的意味を分析してみます。

Y-8の進出位置は、前掲防衛省資料のとおりですが、この行動で何ができるかは、Y-8のセンサーによります。
参考:Y-8洋上偵察機(Y-8ASA)
防衛省は早期警戒型と言っていますが、このY-8のレーダーは、対空よりも対艦メインの洋上監視型です。
となると、飛行高度が問題になりますが、防衛省の発表では不明です。
実用上昇限度は10400mという情報があるため、哨戒位置から更に380キロ程遠方までの艦船を捉えることが出来た計算です。

Y-8が、今回の哨戒地点で艦船を捕捉できたはずの範囲
Ws000015
この図に、中国の沿岸から1500キロの範囲を書き加えてみます。
Ws000019
概ね符号することが分かるでしょう。

この1500キロというのは、DF-21Dが対艦弾道ミサイル(ASBM)として運用される場合の射程です。
ソース:http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2010_CMPR_Final.pdf(P2)

つまり、今回のY-8進出は、軍事的には、ASBMによる攻撃の際のセンシング活動を意図した訓練、あるいは検証活動だったと見る事もできます。

そして、そうであるとすれば、Y-8の飛行は、政治的には、ASBMの運用態勢を着々と準備中であり、中国が接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略を推し進めているというアピールである可能性があります。

中国は、今回の行動を、「特定の国や目標に向けたものではない」と、わざわざアナウンスしていますが、かえって白々しく、アメリカの空母機動部隊を目標としている可能性が強く疑われるものです。
「特定の国に向けたものでない」=中国」(時事通信13年7月25日)

中国国防省は24日、取材に対し「海軍の航空機が西太平洋に行き訓練を実施した」とした上で、「いかなる特定の国や目標に向けたものでもない」とする談話を出した。


新聞記者では、このような軍事的に突っ込んだ分析をしませんが、情報本部など自衛隊の情報組織では、このような見方をしているのではないかと思われます。

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コメント

この手の哨戒機が自由に行動出来ないように、海自の哨戒機にMRMそれも撃たれたら絶対かわせないようなモノを搭載して普段から嫌がらせというか、追尾させた方が良さそうですね。

普段から日本の追尾を巻けないイメージを植え付ければ有事の際の抑止力になるかもです。

ジェイコン 様
物理的には、現存する迎撃機で十分かと思います。

問題は、領空外を飛行し、偵察のみで攻撃行動を行わない機体に対して、政治的にどれだけのアクションが取れるのかでしょう。
集団的自衛権が行使できることになれば、F-15で撃墜すれば良いかと思います。

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