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2013年8月27日 (火)

統合司令官の新設

防衛省が統合司令官の新設を検討しているそうです。
【防衛省「統合司令官」新設を検討】 3自衛隊の運用統括  中国、北朝鮮情勢に対応」(47ニュース13年6月21日)

 防衛省が、陸海空3自衛隊の部隊運用を一元的に指揮する「統合司令官」の新設を検討していることが20日、防衛省関係者への取材で分かった。
中略
 尖閣諸島をめぐる中国の動向やミサイル発射の恐れが続く北朝鮮への対応が常態化し、統幕長の業務量が増大しており、統合司令官の設置で役割分担を図る。


現在の(戦闘に関する)指揮系統は、各方面隊司令官(陸)、自衛艦隊司令官(海)、航空総隊司令官(空)が、それぞれ直接に防衛大臣の指揮を受ける形です。(実態的には各幕僚長が口出し(指示)をしますが)
ただし、統合運用が始まった後は、統合任務部隊指揮官(東日本大震災の災害派遣や弾道ミサイル防衛)が、直接に防衛大臣の指揮を受ける場合があり、その際の指示は統合幕僚長が行っています。

今後は、実際に武力衝突が起これば、自衛隊は統合運用されることが確実で、その際には、上記のように、防衛大臣↑(統合幕僚長)↑統合任務部隊指揮官という指揮系統で部隊運用されます。

今回の統合司令官の設置は、この流れを防衛大臣↑統合司令官↑統合任務部隊指揮官にしようとするものです。
高級指揮官を一人増やした所で、大した変化はないと思うかもしれません。
が、このニュースの大事な所は、司令官一人ではありません。

統合司令部は現在の統幕運用部を拡充する。


統幕は、統合幕僚長をトップとする防衛大臣のためのスタッフ組織であり、司令部ではありません。
しかし、実質的に運用部がその役割を果たして来ていました。
このまま行けば、統合司令官を新設することで、運用部も統合司令部として、統幕から切り離す事になります。

この「切り離す」というのは、結構重要です。
統合幕僚長と統合司令官は、利害が相克することも当然に予想されるからです。

端的に、衝突が予想される例としては、予算に関することがあります。
統合司令官は、部隊運用を強化するために、予算増を要求します。
対する統合幕僚長は、財務との調整も踏まえ、予算を抑えようとします。

今までは、この二つの要素を統合幕僚長が併せ持っていた訳ですが、統合司令官が設けられれば、両者は時にぶつかることになるでしょう。

冒頭で引用した通り、単に統合幕僚長の業務量が増大しているというだけではなく、指揮官として、防衛大臣により強く進言する必要のあるケースでさえ、幕僚であるが故に強く言えないケースもあるのかもしれません。

その意味でも、統合司令官の新設は、悪くない施策だと思います。

なお、統合司令官の新設とは別に、陸自の指揮を一本化するために陸上総隊(司令官)の新設も検討されてますが、統合司令官が居れば、陸上総隊司令官は不要な気もします。
防衛省「陸上総隊」創設検討 陸自の命令系統一元化狙う」(朝日新聞13年6月22日)

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防衛政策」カテゴリの記事

コメント

これは米式より英式と呼ぶべきではないでしょうが?英国のPJHQ見たいですし。

でも、正直賛成できないですね。この新たの司令部作る事によって未だ司令官や大量な幕僚(高級幹部)が要るんですし、未だ人件費を増えますね。例え本当に何らかな利益が有るとしても、費用対効果を考え見れば他の方面を充実する方が良くない?

そして、経由する司令部の数を増える事で、命令系統も複雑に成り、伝達や意思決定の速度も遅く成りますし、権力も未だ中央へ集中されます。現場への干渉も増える事に成りそうです。

予算の件。そもそも部隊整備(つまり予算の請求)は陸海空幕僚長の任務だった筈じゃ…

香港からの客人 様
米にならった訳ではないものの、記者としては、対米”共同”を意識した組織変更と聞いていたので、あのような書きぶりになったのだろうと思います。

司令官一人くらいはたかが知れてますし、幕僚は統幕運用部から横滑りが可能です。確かに増員の必要性はあるものの、戦車を買うよりはマシでしょう。
そして、重要な事は、命令系統は複雑にならないということです。
現状でも、統幕長は「指示」という形式で、実際には命令を出してます。これが、「命令」に変わるだけです。

予算ですが、現状でも、部隊の要望を吸い上げる形で、行われてます。
陸海空幕僚長が個別に行なう事で、組織横断的なダイナミックな部隊整備を妨げているという状況がありますから、それが改善される期待も持てます。

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