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2013年7月

2013年7月27日 (土)

政府専用機後継にはMRJを

政府専用機の後継が話題になってます。
政府専用機については、2年ほど前にJALによる整備ができなくなるため早期退役という情報が出ていました。
参考過去記事「政府専用機退役 さもありなんと思いきや寂しさもあり

その後情報をフォローしてませんでしたが、18年度までは現行機を運行し、19年度に更新という流れになっているようです。
政府専用機の後継「B777」が有力 787にトラブル相次ぎ」(13年7月19日)

政府は、現在の2機を2018年度に退役させ、19年度に後継機2機を導入する方針。

 後継機候補には、B777や、最新鋭機のB787などが挙がっていた。いずれも長距離洋上飛行ができ、777は搭乗人数、787は燃費の良さが売りだった。


この記事の通り、従来と同じ運行を行なうなら、777や787が有力になるのでしょう。(チャーターでも十分だと思いますが)

しかし、一方でMRJという情報も出ています。
政府専用機に小型機導入検討 遠距離と中距離の2機体制に」(産経新聞13年7月20日)

 政府が中近距離用の政府専用機として、三菱航空機が開発中の国産小型ジェット機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の導入を検討していることが分かった。

 政府専用機は現在、航続距離の長いボーイング747の2機体制。MRJが導入されれば遠距離用と中近距離用の2本立てになる。


VIPの移動用として、機体サイズは、十分すぎるくらい大きいですから、MRJでも十分に用が足ります。
ですが、LRタイプでも航続距離は3000km台ですから、近隣諸国にしか行けません。

はっきり言って、単なる国産優遇策であって、決して良い買い物とは思えません。

ですが、国産優遇策であることを含めて、支持します。

理由は、電子戦機であるYS-11EAやYS-11EBの後継機体ベースとして適切だろうと思えるからです。
MRJは国産ですから、派生型を作ることは容易ですし、整備基盤を内閣府の予算で整備できれば(現有政府専用機は、総理府として買っている)防衛費が浮くでしょう。

EAやEBの後継には、C-2を使う話が度々でますが、オーバースペックで高コストなC-2ベースよりもMRJベースに出来れば、リーズナブルだと思われます。

問題は、政府専用機として、現行747の後継×2機+MRJ×2機では、予算的にも運行を行なう自衛隊にとっても負担が大きいことです。
となれば、長距離用途はチャーター、近距離のみMRJでも良いのではないかと思います。

空幕には、このような腹づもりがあるのかもしれません。

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2013年7月20日 (土)

あたご事件が隊員の統率に与えた悪影響

あたご衝突事故の刑事裁判は、業務上過失致死罪などに問われた2人の自衛官の無罪が確定しました。
あたご事故:高検、上告断念へ 期限で自衛官の無罪確定」(毎日新聞13年6月25日)

この事故ですが、海難審判で責任があたご側にあるとされながら、刑事裁判の第1審では、責任は漁船側にあったとされています。
審判及び裁判の経緯、結果については、こちらのブログが詳しいので、こちらをご覧下さい。
イージス艦衝突事故判決下る やはりそれは無謀だったのでは」(ぐり研ブログ11年5月13日)

私が注目したいのは、この事故に対する(事故当時の)政府、防衛省(内局)および海自の姿勢です。

前掲ブログ記事にもありますが、事故直後、マスコミは自衛隊バッシング一色でした。

その結果、当時の石破防衛大臣は、事故直後に航海長を防衛省に呼び出して聴取(事実関係を確認)しながら、艦長を解任するなど、事実に基づき隊員を守ること無く、関係者の切り捨てを決定したようです。

この決定に対して、海自内にどの程度抵抗があったのかは分かりません。(内局が隊員を守ろうとしたとは思えない)
防衛大臣が切り捨ての判断をしている状況で、抵抗したところで抵抗しきれるものでは無かったでしょうが、少なくとも地裁判決後に後潟3等海佐が「省の混乱を見ていて、命を預け得る組織なのか、今も疑問が残る」と発言したように、隊員を庇わず、トカゲの尻尾切りをしようとしたことは、後潟3等海佐だけではなく、多くの隊員に、組織への不信感を抱かせるものだったのではないかと思われます。

これは憶測に過ぎませんが、艦長室のドアに斧が打ち込まれるなど、海自内にあると噂される統率上の問題に対して、この事件における防衛省・海幕の対応(だけではないでしょう)が悪影響を与えたのではないかと勘繰りが出来てしまいます。

今回無罪が確定した2名は、起訴から1審判決がでるまで2年以上に渡って休職させられました。
その間の生活費は、恐らく隊員がカンパするなどして支援したと思いますが、それだけでは不十分でしょうし、カンパさせられた隊員にも不満が発生したのではないかと懸念します。

防衛省は、無罪が確定したことを受け、処分した38名の処分を見直すようですが、一度発生した不信を回復することは容易ではないでしょう。

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2013年7月13日 (土)

祝!沖縄で自衛隊がラジオ放送開始

沖縄メディア(新聞、テレビ)は、以前にも「沖縄の対米軍世論とメディアの恣意性」で書いた通り、かなり怪しい状況ですが、新聞の系列にないラジオ局は、結構まともでした。

それに加えて、コミュニティFMが、自衛隊が制作した番組の放映を開始しました。
http://www.mod.go.jp/asdf/naha/kouhou_FM/index.html

 沖縄の陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、自衛隊沖縄協力本部の4つの組織で1週間に1回、約1時間の番組を順番にFMラジオ放送を開始されました。

 パーソナリティーは、基地渉外室長、基地渉外室広報班芹岡が務め、ゲストに所在部隊長等をお迎えする予定です。那覇基地の活動やイベントなどを地域の皆様に情報発信して、 番組を盛り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


放送しているのは、FM21(浦添市)、FMレキオ(那覇市)、FM本部(本部町)の3局です。
ネットでも聞けます。
http://www.simulradio.jp/
放送は3局とも水曜16時からです。
FMレキオのみ木曜15時から再放送があります。

「空飛ぶ広報室」を始め、最近の自衛隊広報は、積極攻勢に出ているようです。
これで沖縄の世論に少しでも良い影響が出てくれるといいですね。

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2013年7月 7日 (日)

自民党には投票しない!

いよいよ参院選です。

私は保守を自認しているので、当然支持政党は自民党です。
国防をまともに考えられるのは自民党だけでしょう。

ですが、参院選では自民には投票しません。
元自衛官として、仕方ないので比例区は佐藤まさひさ議員に投票しますが、選挙区は白票を投じるつもりです。

その理由は、創作者の一人として、自民・公明が進める児童ポルノ法改正が、許容できないからです。(また、いくら寄付金をもらったのか知りませんが、わたなべ美樹氏を比例代表で公認候補にしていることも気に入りません)

児童ポルノ法改正案は、このブログの読者だと興味のない方も多いと思いますが、むちゃくちゃな内容が盛り込まれています。
問題点はいくつかありますが、私が創作者として懸念するのは、”児童ポルノに類する漫画等”についての部分です。
Photo

これを読むと、自民党の議員には、”萌え~なマンガを見ると、児童ポルノに走る”という発想があるようです。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の時に言われた発想と同じです。

その可能性は、確かにないとは言い切れません。
ですが、そう言った創作物がはけ口となってリアル犯罪を抑制しているという見方もあります。
風俗産業があることで、性犯罪の可能性を引き下げていると言われる事と同じです。

ところが、自民の議員は、一部の議員に引きずられてコレを通そうとしています。通常国会では審議されませんでしたが、廃案になった訳では無く、継続審議です。
片山議員の認識など酷いモノです。
「初音ミク」と「児童ポルノ法改正」関係ある? 片山さつき氏の発言に「意味が分からん」の声」(J-CASTニュース13年7月4日)

また、上記のような”萌えマンガを見ると児童ポルノに走る”という論理展開は、児童ポルノに限りません。
例えば、京田辺警察官殺害事件では、猟奇的なシーンのあるアニメ等の関連が指摘され、猟奇アニメ→猟奇殺人と言われました。
「ひぐらしのなく頃に」が殺人事件を引き起こしたのか?――東京大学特任講師・吉田正高氏に聞く」(J-CASTニュース08年2月12日)
同じように、殺人のからむミステリーでは殺人が助長され、任侠映画をみるとヤクザになり、戦争映画を見ると戦争を望むようになるという論理展開がされてしまうのです。
実際、そのように主張する方は、決して少なくありません。
こんな法案を通そうとする以上、いずれこれらも規制しようと言い出しかねません。(個人的には、戦争モノを規制されては、たまりません)

そんな訳で、こんな暴論を展開する法案を支持する政党に投票はできません。
残念ながら、今回の参院選は、佐藤議員には投票するものの、自民党には投票しません!

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2013年7月 3日 (水)

自衛隊への短距離弾道ミサイル配備の価値

自衛隊が短距離弾道ミサイルを開発配備するというナゾの報道があります。
陸自に短距離弾道弾 沖縄配備で尖閣防衛 防衛大綱盛り込みへ」(産経新聞13年6月26日)
短距離弾道ミサイルの開発 防衛省が検討」(テレ朝ニュース13年6月26日)
報道の主旨としては
・射程最大500キロ
・沖縄本島に配備
・陸自が運用
・「防衛計画の大綱」改定案中間報告に明記
・26年度予算案概算要求に調査研究費を計上
・使用目的は「特殊部隊を乗せた中国艦艇が尖閣に接近すれば近隣海域に弾道ミサイルを着弾させ不法上陸を遅らせる。不法占拠された場合でも、増援艦艇の展開を防ぎ、陸自部隊の迅速な奪還作戦を支援する。」
だそうです。

このニュースに対して、ネット上では兵器オタの方が、またぞろ不随意反射で無意味と評価していますが、ソースが2つあり誤報ではない可能性が高いため、今ある情報の中で、その可能性を検討してみたいと思います。

なお、いかなる専門家なのか不明ですが、ロシアの方では、この報道を理解できると評価している方も出てきています。
弾道ミサイルで尖閣諸島を防衛する日本」(The Voice of Russia13年6月27日)

   「中距離弾道ミサイルの開発に関する日本政府の決定は予測できたものであり、十分に理にかなった行動だ。これは、政府がずいぶん前に日本の防衛力を強化するために承認した政策と一致している。特に重要なのは、昨年から、北朝鮮の軍事施設など、敵国の軍事基地を攻撃するために必要な軍事ポテンシャルを維持することが不可欠だと発表されていることだ。広義において、日本は特に防衛政策から、攻撃的な政策に移行している。これは日本の防衛政策におけるある種の本質的な変化だ。恐らくこの政策は今後も続くだろう。」


射程が300キロに留まるATACMSの輸入やライセンスではなく、射程500キロとのことなので、国産の新規開発を目指すようです。
射程500キロを飛翔するだけの弾道ミサイルであれば、日本の技術力なら簡単でしょう。

技術面の問題は、精度や弾頭、そして終末誘導の有無でしょう。
法的な問題は、外務省のおかげで、クラスター弾頭が選択できないことです。
運用上の問題は、何を目標とし、効果を与えることが技術的に可能かどうかです。
政治的な問題は、国内では公明党がどう動くかですが、ここでは触れません。国外では韓国だと思いますが、日本全域を攻撃可能な巡航ミサイルを持ち、射程800キロの弾道ミサイルを持とうとしている韓国の言葉を聞く必要はないはずです。(それでも配慮して、沖縄本島に配備するとのチキンぶりですが)
経済(効率)的には、果たして開発配備にいくら必要で、それをATACMSの改造と比較することになります。

では最初に、弾道ミサイルで沖縄本島から尖閣付近を攻撃する際の条件を見てみます。
距離は400キロ程であり、射程500キロ程の弾道ミサイルなら発射後、約5分で着弾します。
既存短射程弾道ミサイルの命中精度を見てみると、スカッドでCEP数百メートル、DF-11Aだと200メートルです。パーシングⅠは150メートル。
ただし、スカッドDは射程300キロですが50メートル、GPS誘導、光学目標認識ホーミングが可能なイスカンデルではわずか10メートルです。また、イランのKhalij Farsも射程300キロですが、公開されている動画を見る限り、少なくとも停船している船舶に命中させられる命中精度はあるようです。

日本が、短距離弾道ミサイルを開発するとしても、宇宙開発で培った技術を注ぎ込めば、イスカンデルレベルの弾道ミサイルは開発可能なのでは無いかと思われます。
そうであれば、CEPが10メートルであれば、陸上部隊を上陸させるために5分以上停船する船舶には、数発の弾道ミサイルで命中させられるでしょうし、上陸適地の限られる尖閣で、上陸した部隊を攻撃することも十分に可能でしょう。クラスター弾頭があれば望ましいですが、通常弾頭でも十分に効果は発揮できるでしょう。

つまり、技術的には可能で、それは運用上も意味のあるものにできそうだということです。

問題となるのは、経済(効率)的に、ATACMSの改造とのコスト比較、それに伴う運用上の問題だと思われます。
ATACMSブロック1Aでも射程300キロはありますから、沖縄本島からは無理ですが、宮古島や石垣島など先島諸島からなら尖閣を攻撃できます。GPS誘導が可能なので命中精度についても、有効と言える範囲にできるでしょう。
国産新規開発のコストについては想像するしかありませんが、どう考えてもATACMS改造の方が、相当に安いでしょう。

結論としては、国産の射程500キロミサイルでも悪くはないものの、ATACMS改造の方がコストパフォーマンスは良いのではないか、と言うところです。
実際に、国産ミサイルとなるのならば、自衛隊の事情だけではなく、国内軍事産業への影響も考慮しての決定だろうと思われます。
ただし、このミサイルが航行中の艦船にも命中させられる対艦弾道ミサイルになるならば、戦術的には大きな価値を持つでしょう。(コストの問題は常についてまわりますが)

もっとも、他の兵器と比較して、弾道ミサイルにコストをかけるべきかという問題については、大いに疑問が残ります。(射程500キロなんて中途半端過ぎる)
10式を買うよりは価値があるでしょうが。

さて、今回記事の本筋としては以上です。
以下、若干オマケめいた事を書きます。

また、このニュースに対して、射程500キロの弾道ミサイルならば通常の艦対空ミサイルでも落とせるから無意味と主張する方もいます。
ですが、以前の記事「対艦弾道ミサイルは無意味ではない」で書いたレーダー負荷の問題は、レーダーの捜索距離が短いため、数値的には影響が大きくはありませんが、イージスと同様に負荷は発生しますし、弾道ミサイル対処を想定していないシステムでは、最低でもプログラム変更は必要ですし、モノによってはハード的にも変更を要します。
スペックだけで判断していると分からないとは思いますが。

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