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2013年6月14日 (金)

防衛計画の大綱とその別表の意義

防衛計画の大綱別表が妙な事になっているらしい。
防衛大綱見直し、装備目標の扱い焦点 自民は強化提言 」(日経新聞13年5月31日)

 政府が年内にまとめる新たな防衛計画の大綱(防衛大綱)で、護衛艦や戦闘機など主要装備の整備目標を示した「別表」の扱いが焦点に浮上してきた。安全保障を重視する安倍政権での防衛予算の膨張を懸念する財務省が廃止を含めた見直しを求めているため。予算の確保を狙う防衛省と早くも水面下で火花を散らし始めた。


従来、防衛計画の大綱の別表(以下別表と記す)と言えば、「これだけしか保有しませんよ」と言うためのものであって、防衛力及び防衛予算の上限を抑えることを意図して付されたものでした。
ところが、最近では、「ここまでを目標としているんだから金を寄こせ」と言うための、防衛予算拡大のための根拠となっているようです。

その善し悪しは別として、なんとも隔世の感があります。

ちょうど良い機会なので、その意味と意義を十分に理解されていない防衛計画の大綱(以下大綱と記す)について、簡単に解説したいと思います。

大綱は、国防の基本方針の下、日本の防衛体制・態勢をどの様に構築するか定める最も基本的で重要な指針です。
固い言い方をすれば、軍政における最上位の指針です。

対象期間は明確になっていませんが、概ね10年を目途としており、この間に中期防衛力整備計画を2回まとめることで、この指針に基づいた自衛隊を作って行くことを目指しています。

以前の基盤的防衛力や現在の動的防衛力等、自衛隊の部隊作りのコンセプトを表記したものだと理解してもらえば、良いでしょう。

これを読めば、防衛省・自衛隊が、どこを目指しているのか分かる非常に重要な指針なのですが、残念ながら、ミリタリーマニアと呼ばれる方々であっても、別表しか注目されないという現状があります。

その別表ですが、一言で言えば部隊数や主要装備の整備目標(数)が書かれています。
現大綱が策定された時にも、記事を何本か書きましたが、注目されたのは別表における戦車の定数ばっかりという悲しい状況でした……

確かに、本文の部分は、意図的に分かりにくく書いているのではないかと思わせられるほど分かりにくい文章なので、年末の改定時には、書きぶりも修正して欲しいものだと思います。

で、冒頭リンクの別表の廃止についてですが、これの廃止は頂けません。
もちろん、これがあることで、部隊整備のオプションが拘束され、先日記事を書いた自衛隊の自己変革能力を下げる結果ともなっているのですが、コレがなくなってしまうと、部隊整備の数的目標を国民に示す事無く装備品調達を行なう事になってしまいます。
もっと柔軟に変えられるように修正することは望ましいことだと思いますが、数値目標のない指針なんて、存在意義が薄れてしまいます。

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防衛政策」カテゴリの記事

コメント

すいません。ツイッターやってないのでこちらに書かせて頂きます。

ツイッター上で某氏とのやり取りがエキサイトしていますね。

某氏はステルス機は敵さんが気付く前に中距離AAMで狩り放題だから
短距離AAMは不要とのお考えのようですね。

アラスカのF22も確かアラートではリフレクター装備で上がっていたはずなので、
アラート任務に関してはステルス機も非ステルスのF15と同じ立場のはず。

つまりは飛行機側の話ではなく、搭載しているミサイルの性能のお話になる。

F22は最新のAIM-9Xの搭載が手間取っているからAIM-120を積んでアラート任務に
ついているらしいですが、ここでキモになるのは近距離でのAIM-120の使い勝手でしょう。

確かにAIM-120は近距離戦闘モードにも対応してしますが、実際の使い勝手って
どんなもんなのでしょう。重量はAIM-9Xの2倍。サイズも一回り以上大きいです。
近距離では燃料を消費してないから重いままだし、運動性や命中率って
短距離専用のAIM-9Xと比較してどうなのかしら?

米軍は近距離でもAIM-120で十分だと判断してアラートでも運用しているのか、
それとも本当はAIM-9Xを使いたいけど背に腹は代えられず、やむを得ず
AIM-120を間に合わせで使っているのか。

それによって某氏の「ステルス機に短距離AAMなんてあってもなくてもいいのさ。はは」
という主張の評価が違ってきますな。

きらきら星 様
敵もステルスを出してきたら状況が一変するということをブログの記事で書いたのですが、某氏はそれを読んだ上でも短射程AAM不要と言っていますので、思考回路は不明です。

アラートと実戦は全くの別物なので、アラートの状況を考えても、あまり意味がないと思います。
逆に、航空自衛隊は、アラートでは中射程ミサイルを積んでませんし。

近距離での使い勝手では、中射程ミサイルと短射程ミサイルでは比較になりません。
この辺は、気が向けば、そのうちに記事で書くかもしれません。

アラートでAIM-120しか積んでないのは、両方積むと管理が大変だからでしょう。
短射程ミサイルは中射程では使えませんが、中射程ミサイルは短射程でも使えない事は無いので、管理の手間を考えてAIM-120だけを使っているのではないでしょうか。
米軍の内部資料を見た訳ではないので推測ですが。

数多様

「別表」、無しで得するか、損するか。今の防衛省の実力から言えば、間違いなく損をします。年度年度の予算獲得の席で、財務省に完敗すると思います。省としての能力の差はいかんともし難い。

別表に何を書くかは、議論があってよいと思います。戦闘機なら、必要数が約260機とされていますが、12個飛行隊が必要だとしても、それをF18E/Fで整備した場合と、F35Aで整備した場合では、必要な機数は異なるのは当然です(本音を言えば、「Su35相当で200機分」とか、そういう要求な訳ですから)。同様に、あきづき型護衛艦と、あぶくま型を、同じ1隻としても、その性能にはとんでもない差があるわけです。

しかし、それは、別表を頻繁に変えることで対応するしかないかと思います。閣議決定された防衛の大綱と、中期計画。これなしに、防衛費を「守りきる」ことはできないでしょう。

#例えば個人的には、F35Aの採用を決めた以上、戦闘機の必要定数は240-250機まで落としても良いんじゃないかと考えています。

数をとるか、質をとるか、選択を迫られているのは、財務省ではなく、防衛省です(色々な防衛上の問題、私は悪いのは防衛省であって、財務省ではないと考えています。無い物ねだりをしてバランスを崩している)。これは現状では防衛費が実質的に総額管理されているからです。すくなくともここ10年の歴史はそうでした。防衛大綱や中期防でどれだけの予算規模を閣議決定できるか、そこで大抵決まってしまいます。その上さらに、臨時のコストカット制約とか、いろいろな変更が加わりますが。財政政策にも閣議決定が有り、両者が相克するからです。こうした「戦い」がある時には、「具体的な数字」がある方が有利です。

#「年 0.5%カット」とかいう財務政策は強い。具体的な数字目標。

以上より、「別表は維持すべき」「別表そのものは比較的頻繁に更新すべき」というのが私の意見です。

ドナルド 様
量と質の問題と別表は、密接な関係があると思ってます。
この点は、そのうち記事で書くかもしれません。

また、ご指摘の通り、現在の別表は曖昧すぎるとも思います。
機種を書いた方がよいかもしれません。

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