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2013年5月

2013年5月 6日 (月)

戦車不要論は人気コンテンツ

dragonerさんが、当ブログに言及しています。
戦車不要論者って、軍隊不要論を否定できます?

その内容は、後で言及するとして、dragonerさんが指摘するように、戦車不要論(とされてしまう論説)は、記事としてとっても人気があります。
当ブログの過去記事でも、「H25概算要求-その5_10式戦車はせいぜい3両でOK」や「戦車増強論者に提示する5つの命題」は、安定したアクセスのある記事です。

非常に炎上し易いネタですが、それが何故なのか、常々考えていることを書いてみたいと思います。

戦車不要論については、論客らしい論客がいらっしゃらないようです。
<求む情報>戦車無用論の歴史について

それなのに、この戦車不要論があり続ける理由は、やはり対立する次の二つの状況のせいでしょう。
①陸幕をはじめ、戦車を重用する方がいる。
②dragonerさんも指摘する、島国という特性がある。(特殊性とは言わない)

ヨーロッパでは、ソ連崩壊までは、戦車不要論と呼ばれるべきものはなかったと思います。
それは島国という特性がないからでしょう。
イギリスは島国ですが、あくまでドイツ正面でNATOの一員として戦うつもりでしたから、これは別です。

が、ソ連崩壊後、イギリスでも戦車不要論が唱えられるようになりました。
実際、イギリスは、少なくとも国産は止めるようです。

島国であることによる特性を否定する方は、恐らくいらっしゃらないと思います。(敢えて考えないようにしている方は多いですが……)
なので、私が思うに、日本の戦車論に関して、問題なのは、戦車を重用する考え方が、何故か非常に強いということだと思います。

それは何故か?
いくつか考えられるので、適当に列挙してみます。
・歴史的な観点で、日本が戦争に負けた理由の一つに、九七式中戦車を始め、戦車が弱かったから戦争に負けたと思っている人が多い。
・形状、特性などから”強さ”を象徴する兵器だから。(性的な類似性を指摘する方もいる)
・コストを無視して、強さだけを考える傾向があるから。
・少数でも戦える無敵(防御力)が好き。
・清々堂々と正面から戦う兵器だから。

日本人に顕著なのは、特に後半の二つのように思います。
つまり、日本人の精神性に親和性が高いということです。

同じ傾向は、イージス艦や戦艦好きにも通じているように思いますし、逆に潜水艦やステルスが、その効果に比して今一人気がない事にも通じているのではないでしょうか。
(潜水艦が不人気なのは、その形にもあるような気がしますが……)

歴史の話題を見ても、日本人は、一騎打ちとか単機駆けとか好きな傾向があります。

ガールズパンツァーは見ていませんが、あんなアニメが作られるのも、日本人が非常に戦車好きだからでしょう。

私なんかは、卑怯が最強と思っているので、日本人としては少数派なんでしょうね。

さて、一応主題を述べたところで、冒頭のdragonerさんの記事に触れたいと思います。

一応断っておくと、私は、ある程度の性能の戦車が少数で良いと考えており、戦車不要論者ではないつもりですが、戦車の削減を唱えると戦車不要論とされるようです。

戦車不要論って、(中略)軍事オタクにとっての通過儀礼の一つ

私から見れば、戦車好きこそ、軍事オタクならぬ兵器オタクの端緒であって、そこからステップアップして、始めて軍事オタクになれるのでしょうから、戦車好きこそ通過儀礼の一つのような気がします。(軍事オタクからもステップアップするべきだと思いますが)

正直な話、10年以上前に2ch軍事板でさんざ戦車不要論は議論されていて、この手の戦車不要論見かけたら、2chのログ探って来いとしか言い様がない。

以前にも書きましたが、ネット限定で言っても、10年前どころか20年前のニフティサーブのFDRでも戦車不要論は語られてました。
古ければ(歴史があれば)良いというモノでもありませんが。
2ch至上主義なんでしょうか。

戦車不要論の論拠である、海空戦力が壊滅した(そんなものが生起するかはさておき)段階で、日本の戦争意思継続は困難になるという前提。これは政治経済上の問題、具体的には海上封鎖と、想定される本土決戦の大被害で、日本の戦争継続意思が困難と見る考え方だ。

で、この論拠を元にして戦車不要論を述べる人って、「軍隊そのもの不要だから、自衛隊解体しようぜ!」という主張に当然賛同しますよね? 論理的に。

この部分、どんな論理でも、そんな論理展開は不可能でしょう。
同じロジックで陸自不要とまで言う人は居ますが、私はそれに与するつもりはありません。
ちなみに、以前の記事を見て頂くと分かりますが、私は陸自全体に関してはむしろ増強論者です。ただし普通科増強ですが。
それは、過去に陸自に「空自の基地警備に割ける余裕はない」と言われた事を、根に持って、ではなく、懸念しているからです。

何にせよ、戦車不要論については、自民党が防衛計画の大綱を改訂する年末には、また話題になりそうです。

追伸:ニコニコ超会議もですが、戦車は広報としては強力ですね。

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2013年5月10日 (金)

タイムスリップ物仮想戦記の妄想

このブログの読者は、ほとんどご存じだと思いますが、かわぐちかいじ氏のマンガに、「ジパング」という作品があります。

私は、いわゆる仮想戦記をあまり読まないので、このマンガも途中までしか読んでないのですが、私の感想としては、「同じタイムスリップさせるなら潜水艦の方がいいのに」でした。

現代の護衛艦がタイムスリップして過去の戦場に投入されても、ミサイルを撃ち尽くしてしまえば、主砲の口径が小さすぎ、例え発射可能な弾薬の供給を受けたとしても、後は碌な活躍はできないでしょう。主砲を換装するにしても、船体サイズからして、そうそう大きな砲は積めず、やはり無駄な努力となりそうです。
戦争の帰趨を変えるためには、艦そのものの存在ではなく、歴史を知っているという知識だけが武器になります。

しかし、現代の潜水艦をタイムスリップさせられれば、1隻で戦争の趨勢を逆転できた可能性さえあります。
当時のソナー技術では、現代の潜水艦の発見はまず無理でしょう。まずもって、無敵と言える存在です。
最大の問題は補給ですが、ハープーンの供給は無理なものの、魚雷の径はほぼ同じなので、当時の魚雷を搭載できるように改造は可能だったと思われます。
そうなれば、ディーゼル燃料の供給も受けられたでしょうから、不発分はのぞき、魚雷の本数分だけ敵艦を沈められると思われます。
恐らく、一回の出撃で20隻近くは敵艦を沈められるでしょう。現代の潜水艦の静粛性と隠密性(浮上せずシュノーケル航行できる)ならば、誘導魚雷がなくとも、十分に戦力になります。
生存者が出るように配慮してやれば、強力な潜水艦の存在は、地雷と同じで、その実数以上に敵を牽制できます。(探知不能の潜水艦がいる”らしい”という恐怖)
結果、アメリカ海軍の活動は停滞し、戦争の帰趨を変えることが出来た可能性があります。

しかし、この妄想は、やはり創作には使えません。
なぜなら、強力過ぎてドラマにはならないからです。ドラマとしては、護衛艦でちょうど良かったのでしょう。

ゲームでシミュレーションしてみると、面白いかもしれません。

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2013年5月12日 (日)

2波長赤外線センサ_作りたいモノを作るのか、必要なモノを作るのか

作りたいモノを作るのか、それとも必要な、あるいは売れるモノを作るのかと言う議論は、民間ではとうの昔に後者になっています。
言い換えれば、組織(会社)内において、開発が強いのか、あるいは営業(マーケティング)が強いのかという論議です。

民間においては、高度成長期の日本では、開発が大きな力を持ってました。ですが、現在では完全にマーケティングありきです。
なぜなら、開発が作りたいモノを好きに作らせるような余裕はないからです。

ですが、防衛省・自衛隊では、未だに開発ありきで進められることがあります。
2波長赤外線センサは、その良い例です。

2波長赤外線センサが、どんなモノでどんな効果を持つのかは、技本HPのニュースページが詳しく書いてます。
2波長赤外線センサ性能確認試験

これを見るとなかなか優れモノのようです。
ですが、疑問も湧くのです。
”カメラを2台置けばいいだけじゃ
ないのか?”

無理に2波長で撮影できるカメラを作らなくても、別波長に対応した2台のカメラで撮影し、ソフトで処理すれば、同じ事が可能です。
わざわざ大金をかけて技術開発する必要性は乏しいはずです。

ですが、防衛省・自衛隊は開発してしまいました。
だから、逆にこれから需要を作るのです。
平成25年度予算の概要

赤外線センサーの衛星搭載に関する研究
2波長赤外線センサー技術の研究(14頁掲載)で先行研究中の高感度赤外線センサーを宇宙空間において実証する際に、必要なセンサーシステム及び地上設備の仕様等に関する研究を実施


2台の赤外線カメラを使用せず、2波長カメラがあった方がよい環境として、極限まで搭載余力を削りたい衛星に標的を定めたようです。

しかし、赤外線カメラだって日進月歩で小型化していますし、2台積めば、片方が壊れても、もう片方は作動できますし、例え衛星でも、2波長センサを搭載する必要性は極めて疑問です。

そもそも、私は日本独自のミサイル警戒衛星の配備には反対です。
日本独自の早期警戒衛星は不要だ!

アメリカのSTSSに何らかの形で乗っかることが適切だと思いますが、防衛省は技本に振り回されているようです。

この2波長センサが、次期STSS用としてアメリカが買いたくなるほどのモノであれば、話は変わってきますが、そこまで革新的なものを、早期警戒衛星を作った経験が全く無い日本が目指すのは無謀でしょう。
衛星搭載の赤外線機器としては、情報収集衛星のセンサがありますが、早期警戒とは用途が全く異なります。

技術者が作りたいモノを作り、需要を後から作るような事は、もう止めるべきです。

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2013年5月14日 (火)

沖縄県民は反米・親中なのか?_沖縄県民の対中意識調査結果

沖縄県が、「沖縄県民の中国に対する意識調査」を行なっています。
中国の印象、9割否定的 県民意識調査」(沖縄タイムス13年5月9日)

中国の印象で「良くない」「どちらかといえば良くない」が計89・0%に達し、「良い」「どちらかといえば良い」は計9・1%にとどまった。対照的に、台湾は否定的な印象は計19・2%で、肯定的な印象が計78・2%に上った。

 中国・台湾をめぐる県の意識調査は初めて。沖縄を取り巻く安全保障を考える上で基礎的資料を集める狙いがある。


以下、沖縄県民の対中意識が、全国以上に悪い事などを淡々と書いた上、大学教授のコメントを掲載しています。

沖縄タイムスの社としての報道姿勢と異なる事実なため、なるべく穏便に掲載したいのでしょう。
もう一報の沖縄メディアである琉球新報は、このニュースを全く報じていません。

さて、沖縄県民の対中意識がこれほど悪いことは、私にとっても驚きでした。
沖縄メディアが偏向している事は知りつつも、あれだけ海兵隊出て行けキャンペーンを行なうのですから、中国領になっても構わないくらいの感覚の人がもっと多いだろうと思ってたのですが、そうではないようです。

で、このニュースソースを見ると、沖縄メディアの酷さが更に際立ちます。
(意識調査結果は②資料のP147からです)
変化する日米同盟と沖縄の役割~アジア時代の到来と沖縄~①
変化する日米同盟と沖縄の役割~アジア時代の到来と沖縄~②
この資料は、沖縄県の知事公室地域安全施策課調査・研究班が取りまとめたものです。
冒頭には、知事の挨拶が載っています。
書かれている論文は、在沖米軍兵力の削減に与する研究者を探してきて、書かせたようです。
その一つとして、県民の意識調査を行なって盛り込んだのでしょう。
県(知事)の思惑としては、対中感情が悪くなく、対米感情を悪いことを浮き立たせ、普天間閉鎖に持って行きたかったモノの、結果が……だったのかなと。

問題の対中意識については、比較対象とした全国の調査時期が中国の反日暴動前、沖縄での調査が反日暴動後という理由もあるでしょうが、高原明生東大教授が「本来、中国への印象はもっと良いはずだ」とコメントするとおり、驚きの結果(私にとっても)だったようです。
Ws000011
同資料より

そして、これも衝撃だったのでしょう。
Ws000012
同資料より
沖縄県民は、全国以上に日中関係が重要だとは思っていません。

そして、沖タイも極力小さく報道したトドメです。
Ws000013
同資料より
県(知事)とすれば、海兵隊を追い出すための格好のレポートにするつもりだったのでしょうが、これでは県民の総意は、海兵隊の追い出しだとは言えないでしょう。
まあ、中国と米国を比較させてしまった設問の設定ミスな気もしますが……

これらの結果は、やはり沖縄県民の危機意識の故でしょう。
Ws000009
同資料より
当然と言えば当然なのですが、全国以上に危機意識が高く、宮古・八重山域は、その中でも危機意識が高くなってます。

これらの事実を、沖縄タイムスは、淡々と事実のみを報じ、琉球新報は全く報じていません。
分かってはいたことですが、改めて偏向ぶりが気になります。

県(知事)としては、このレポートで海兵隊の追い出しに拍車をかけたかったのだと思いますが、これを見て辺野古移設の受け入れに傾いてくれることを期待したいと思います。

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2013年5月17日 (金)

新防衛計画大綱策定に向けた自民提言について(その1)

年末に改訂される「防衛計画の大綱」策定に向け、自民党安全保障調査会・国防部会が提言案をまとめました。
自衛隊の機動力強化、原発警護を明示 新防衛大綱の自民案判明」(産経新聞13年4月23日)

この提言案は、自民党としての提言であり、政府(防衛省・自衛隊)としてまとめる防衛計画の大綱とは、異なってくる部分も多々あると思います。
ですが、影響を受けることは間違いなく、ある意味、これを理想としつつ、予算の制約など現実性を加味して、実際の「防衛計画の大綱」が策定されると思われます。

なので、この提言案にどんな事が書かれているのか、ざっとレビューしたいと思います。
長くなったので、2回に分けて掲載します。

提言案のソースは見つからないので、産経がまとめた要旨で見てみます。
新防衛大綱策定への自民党提言要旨」(産経新聞13年4月23日)

 【基本的安全保障政策】
 ・自主憲法制定(集団的自衛権、国防軍の設置)
 ・国家安全保障基本法の制定(安全保障基本計画の作成、文民統制、防衛産業の育成、武器輸出を規定)
 ・日本版NSC(官邸機能強化、軍事専門家の配置)
 ・国防の基本方針の見直し
 ・防衛省改革

憲法・国家安全保障基本法関連は大綱には書かれないのでスルーしますが、集団的自衛権は、それを念頭に置いた書きぶりになるでしょう。

NSCに関しても、大綱で書くかは疑問ですが、制服がより安全保障に関与して行く方向で書かれると思います。

国防の基本方針見直し、及び防衛省改革も、大綱に書かれるかどうかは疑問ですが、影響は大きいですね。

 【大綱の基本的考え方】
 ・新たな防衛力の構築として「動的機動防衛力」
 ・「強靱(きょうじん)な防衛力」なども検討

「動的機動防衛力」が、民主の作った言葉はイヤだ。というだけで無いことを期待します。

「強靱な防衛力」は、方向性が不明ですが、「動的防衛力」で削減の方向になった戦車や火砲の削減数を、ある程度戻すようなことを念頭に置いているのかもしれません。

 【国民の生命、財産、領土、領海、領空を断固として守り抜く態勢の強化】
 ・隙間のない事態対応(警察や海上保安庁など関係省庁との連携強化、領域警備などの法的枠組みの検討、「マイナー自衛権」の検討、自衛隊の権限行使に関するポジリスト的な考え方からの脱却)
 ・統合運用態勢の強化
 ・警戒監視、情報収集機能の強化
 ・島嶼(とうしょ)防衛態勢の強化(海兵隊的機能の整備)
 ・輸送能力の強化
 ・核、弾道ミサイル攻撃への対応能力の強化(効果的で効率的なミサイル防衛の運用態勢の構築、早期警戒情報を含む情報共有体制の強化、核抑止戦略の調査研究)
 ・テロ、ゲリラへの実効的な対処(原子力発電所の警備・防護)
 ・邦人保護、在外邦人輸送能力の強化(陸上輸送と武器使用権限)
 ・災害対処能力の強化(南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などの対応検討)
 ・情報機能の強化
 ・サイバー攻撃に関する国際協力の推進、対処能力の強化、法的基盤の整備
 ・安全保障分野での宇宙開発利用の推進
 ・無人機、ロボットの研究開発の推進

隙間のない事態対応として、法的権限の強化や部隊行動基準を念頭に置くと見られるポジティブリストからの脱却を打ち出したことは大きいです。是非大綱に盛り込んで欲しい内容です。

海兵隊的機能の整備は、歓迎しますが、それが水陸両用車だと思っているなら失敗しそうです。オスプレイを買う方向が出てくるかもしれません。

輸送能力の強化は、「動的防衛力」に対して私が再三批判した部分ですので、ここは大歓迎ですね。高速輸送船や車両輸送用トレーラーなどが整備される方向になるのではないでしょうか。C-2の増加なども考慮されるかもしれません。

BMDに関しては、早期警戒情報に関してSTSSの整備運用に積極関与できるようになれば望ましいと思いわれます。そのためには集団的自衛権が行使できるようにならないと、難しいとは思いますが。
核抑止戦略の調査研究というのが、何を目指すのかは不明です。

原子力発電所の警備・防護を、陸自の平時の任務として盛り込む可能性がありそうです。
適切な武器使用権限の付与も同時に実施できれば、現状の信じがたい状況は改善できるでしょう。
原発の偏在状況を考えると、将来的な陸自部隊の配置にも影響してくるかもしれません。(福井県への陸自増強とか)

邦人保護、在外邦人輸送における陸上輸送については、やって当然でしょう。

災害対処能力の強化については、部隊の編成装備ではなく、大規模訓練の実施など、ソフト部分で行なうべきだと思います。
災害派遣用装備の強化には、疑問を感じます。

情報機能の強化も、実際に何を行なうか不明ですが、国家として非常に大切な部分です。

サイバー攻撃に対しては、特に法的基板の整備が注目です。大綱に書ける話ではないでしょうが。

宇宙開発利用については、軍事の趨勢を考えれば当然ですね。

無人機やロボットの研究開発については、有望な技術を持つ民間企業が、未だに軍事アレルギーを持っているような所が多いので、DARPAのような活動を、行なって行くことが必要でしょう。

その2につづく

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2013年5月20日 (月)

新防衛計画大綱策定に向けた自民提言について(その2)

前回の続きです。

 【日米安保体制】
 ・日米安保体制の深化
 ・集団的自衛権の行使に関する検討の加速化
 ・日米防衛協力強化のためのガイドライン見直し
 ・日米の適切な役割分担下での敵基地攻撃能力の保有
 ・平素から緊急事態に至るまで隙間のない協力強化(共同警戒監視、共同訓練、共同使用、指揮統制機能の連携強化)
 ・在沖縄米軍基地の整理、統合、縮小の推進

前の3つは当たり前ですね。

敵基地攻撃能力の保有については、F-35が入ってくる事も考えると、攻撃事態は日本でもできない訳ではありません。トマホークを買う、あるいは同等品を国産化することが念頭にあるのかもしれません。
が、日本に決定的に足りないのは、ターゲティング能力です。それも、センサー単体はもちろん、それを処理する”情報”処理能力が決定的に足りない。
E-8を買う、情報職域を大増員するなど、コレを行なうためには、大幅な費用をかける必要があります。
トマホーク買って終わりでは、政治的な抑止力でしかなく、無駄遣いに終わります。

平素からの協力は、今までも深化を続けてます。障害は、集団的自衛権ですから、これがクリアできれば、相当に進むでしょう。

在沖縄基地の整理・縮小については、辺野古への移転に合せて、部隊集約を図るつもりなのでしょう。

 【国際および日本周辺の環境安定化活動の強化】
 ・豪、韓、印、ASEAN諸国などとの戦略的安保協力、国際協力活動の推進
 ・大局的観点からの中国との安保関係の推進、海上連絡メカニズムの構築
 ・国際平和協力のための一般法の制定
 ・国際平和協力活動の取り組み強化(武器使用権限)
 ・能力構築支援の強化
 ・ジブチ基地の機能拡充

この項目、大体はいいですが、中国との安保関係を大局的観点から進めるとしてますが、日本人特有の八方美人的美辞麗句に過ぎないのではないでしょうか。海上連絡メカニズムは必要ですが、基本的に中国は封じ込める方向にしないと、アメリカが日本軽視の方向に進みそうです。

 【大幅な防衛力の拡充】
 ・自衛隊の人員、装備、予算の大幅拡充
 ・中長期的な財源確保
 ・統合運用ニーズを踏まえた中長期的視点に立った防衛力整備

「国力国情に応じ自衛のため必要な限度において 効率的な防衛力を漸進的に整備する」という国防の基本方針を見直すことと関連するのかもしれませんが、日本の国力ベースで防衛力を考えるのではなく、脅威ベースで防衛力を考える方向に行くのかもしれません。
そうなると、核でも装備しない限りは、国家破綻しかねないのですが……

 【防衛力の能力発揮のための基盤の強化】
 ・防衛生産、技術基盤の維持、強化
 ・安全保障の強化に資する輸出管理政策の構築
 ・効率的、効果的、厳正な調達制度の確立
 ・中長期的な最先端の防衛装備品の研究開発の推進

防衛省の所管ではない輸出管理政策(経産省)を、安全保障視点に立って見直すことは非常に重要だと思います。
しかし、これが有りながら、国交省所管であるインフラ整備に安全保障観点を含めることがない点は、手落ちでしょう。
自民党もまだまだです。

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2013年5月23日 (木)

自衛隊装備のガラパゴス化は是か非か

自衛隊装備のガラパゴス化と言えば、清谷信一氏の専売特許のようなものですが、果たしてこれは妥当な主張でしょうか。


この本は読んでいませんが、清谷氏がネット上でガラパゴス化について言及している記事に、次のモノがあります。
防衛産業のガラパゴス化と崩壊の危機

 だが、我が国では天下り先を守るために防衛産業は過剰に保護され、護衛艦の建造など一部を除けば事業統合すら殆ど行われてこなかった。まるで周囲から隔絶したガラパゴス諸島と化している。
 
 このガラパゴス化のもう一つの原因となっているのが数々の非関税障壁だ。ボーイングやロッキード・マーティンなど大企業でも商社を通さない商売ができない。また新兵器に「我が国固有に環境に適合する」ためと称して、わざわざ世界中にないような仕様にして、外国企業の参入を阻む。

 更には無線機の出力や使用周波数帯、装甲車輛サイズなどは民間と同じ厳しい規制が課せられているために、外国製品が参入できない。不思議なことにこれらの規制に自衛隊は従わなくてはいけないが、実質米軍は従わなくていいことになっている。

 このため外国製と競合せずに済む。無論国内メーカー同士では「棲み分け」が行われており、競争はない。事業統合など起りようもない。このような環境下でコスト削減など望みようがない。

 だが実戦経験もなく、市場で揉まれたことも、国内での競争すらない状態で開発された、コストの高い国産兵器が「売り手市場」の現在の兵器市場で「飛ぶように売れる」というのは妄想に近い。また実戦がないことを前提に開発された日本製兵器は、多くの日本人が思っているほど性能は高くない。

 つまり市場においてイコール条件で戦えば我が国の防衛産業が淘汰される可能性の方が強い。

清谷氏の主張のキモは、一言で言えば、「防衛装備について”市場開放”し、ガラパゴス化した装備ではなく、国際標準のモノを調達せよ。」、「国内防衛産業は、市場開放に耐えられるよう構造改革せよ。」という所でしょう。

氏の主張については、賛同する部分も多々あります。ですが、ガラパゴス化に対する批判に対しては賛同しません。

それは、氏の主張には、ドクトリンに対する考慮が薄すぎると考えるためです。

ガラパゴス化とは、wikiによると、次のような意味です。

日本で生まれたビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い種(製品・技術)が導入されると最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた警句である。


私が言うドクトリンは、ここで言う”環境”にあたります。
日本は、専守防衛という特異な戦略思想を執っている上、比較的少数である島国であるなどの地理的特性もあります。

特異な環境であれば、その環境に「最適化」した生物や防衛装備が特異な存在になるのは、当然であり、必要なことです。
今ではさほど珍しくなくなりましたが、対艦ミサイルを4発運用できるF-2、特殊なサスペンションを備えた74式戦車、小型の10式戦車などはその例でしょう。

外国においても、特殊な環境から発生した特殊な兵器としては、スウェーデンのS戦車があります。
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wikipediaより

その意味では、自衛隊の装備は、必ずしも悪い意味ではなく、ガラパゴス化していると言えます。
(ただし、自衛隊装備の開発配備は、細部の乏しいドクトリンの元、決して最適なものにはなっていません)

問題は、日本が集団的自衛権を否定し、専守防衛を旨とするガラパゴス的と言うべき防衛環境を、これからも続けるのか、という点です。
地理的環境は、国土の一部が占領されたり、逆に他国の領土を占領したりしない限り、大きくは変わりません。しかし、ドクトリンの部分は変更可能です。

防衛装備は、それに合せて開発・配備されるべきです。

まず見直すべきなのは、ガラパゴス化した装備以前に、ガラパゴス的な戦略です。

 

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2013年5月26日 (日)

自衛官の靖国への想い

先月末、国会議員が大挙して靖国神社に参拝しました。
国会議員168人が靖国参拝 前年から倍増」(JCASTニュース13年4月)

国際問題・政治問題としての靖国神社参拝問題については、ここでは書きません。(正直、あまり興味がない)
私が書きたいのは、靖国神社に対する自衛官の想いです。

靖国参拝を是とする人も、非とする人も、基本的には、その思いは祀られている英霊に向けられているでしょう。
それは基本的には、過去への思いです。

しかし、靖国に参拝する自衛官の想いは違います。
それは「俺もここに来るのかな。そうだったら嬉しいな」という現在の想いです。

もちろん、過去の英霊に対する想いもあります。ですが、やはり強い感傷を抱くのは、自分や仲間の事、現在の想いです。

過去の英霊、あるいは先輩達のように、勇敢に戦えば、例え死んでもここで多くの人に想ってもらえる
このような考えは、自衛官には、やはり特別の感傷を与えます。

各種戦史的資料を展示している遊就館があるため、隊員を教育のために靖国に連れて行く事があります(ついでに参拝することもありますが、信教の自由のため参拝は自由です)が、こうした想いは、やはり強烈です。
まだまだ自覚に欠ける若い隊員を連れて行っても、やはり何かを感じるのか、目の色が変わります。
どんな人間が、切々と教育するよりも、何倍も効果的です。

今でこそかなり変わりましたが、それでも自衛官は、諸外国の軍隊のように表立って感謝されたり、敬意を表されたりすることは少ないです。
しかし、靖国があり、そこに真摯に参拝する人が多く居る限り、自衛官は、困難な戦場でも戦えるでしょう。

だからこそ、周辺諸国は靖国を否定すべく発言もしてくるのでしょう。

靖国参拝問題を考える時、歴史の問題として捉えるだけでなく、靖国に対して、現在の自衛官が、どんな想いを持っているのかも、考えて欲しいと思います。

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2013年5月30日 (木)

自衛隊の無謬性と自己変革能力

ネットの議論を見ていると、プロ(現役あるいは元自衛官)が言っている、あるいは決めたことだから、それが正しいというような主張に出くわすことが、時々あります。

ですが、当然ながら、私も間違う事がありますし、他の方でもそうです。
そして、組織としての防衛省・自衛隊だって、誤る事はあります。

ですので、そう言った言い方は如何なものかと思います……が、この話は前置きです。

自衛隊の無謬性を、外部の方が信じても、それはまあ、勝手にすれば良いことです。

ところが、自衛隊の内部においても、自衛隊の無謬性が、観念として存在する場合が有ります。

現役自衛官時代、ソ連崩壊後のある時、とある装備の配備数について、私より上級者のある方と議論になった事がありました。
その時、私は、装備品Aの調達数を減らし、代わりに装備品Bの調達数を増やすべきではないかと言っていました。
ですが、その上級者は、変えることはできないと言いました。
状況が変わった(ソ連崩壊)のだから変えるべきです、と言い返したのですが、なんと、「お前は、先輩が間違ってたとでも言うつもりか!」と怒られました。

つまり、この方は、変える必要性は認識しつつも、配備計画を変更することは、変更する事により、それ以前の配備計画が間違っていたことになるとして、変更には反対だったのです。

コレは、特異な例かというと、必ずしもそうではありません。この手の話は、結構多いからです。
自衛隊の内部でも、防衛省・自衛隊は無謬でなければならない、というある種奇妙な観念があります。
これが何故かと言うと、何かを変更しようとすると、財務省が「では、今までの計画は間違っていたと言うことですか?」と言うためです。
なので、この無謬性は、何も防衛省に限った話ではないのかもしれません。

とまれ、こんな話があるため、私は自衛隊の自己変革能力については、いささか懐疑的です。
そう言う意味では、現防衛計画の大綱は、結構革新的と言えました。
さて、次がどうなるか、年末が注目です。

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