公明党が防衛政策実現の足かせに
アルジェリア人質事件を受けて、海外での邦人保護のための自衛隊法の改正が検討されてきました。
その結果、車両での輸送を認め、輸送中の保護対象者も拡大する方向になってますが、武器使用基準緩和は、公明党の反対により見送りなっています。
現行の武器使用基準は、危害射撃の要件を正当防衛や緊急避難に限定しており、一言で言えば、やられてからしかやり返せない訳で、実効性のある邦人保護を行うためには、問題がありすぎます。
「自衛隊の武器使用基準、緩和は見送り 対象は拡大」(日経新聞13年3月8日)
「武器での保護対象拡大 与党の邦人保護PT 自衛隊法改正へ報告書」(産経新聞13年3月8日)
が、今回の本題は、邦人保護ではなく、公明党の防衛政策についてです。
昨年末に衆院選において自民党が大勝したため、マトモな防衛政策の実現のために、衆院では必ずしも公明党に頼る必要はありませんが、参院では依然として、公明党の協力が必要な状態になっています。
「ねじれ国会は続く 自公+維新でも届かぬ参院過半数」(朝日新聞12年12月17日)
同記事より
公明党をマトモな保守中道政党だと言う人もいますが、領土や防衛政策に関しては、決してマトモな政党ではありません。
むしろ、政府の足を引っ張ることさえしています。
「公明・山口代表「尖閣棚上げ」言及 政府見解逸脱」(産経新聞13年1月21日)
自民党は、参院選では、自公で過半数を目指すと言っています。
「参院選53~54議席目標 自民が全国幹事長会議」(産経新聞13年3月16日)
夏の参院選で非改選議席を含めて自民、公明両党が参院で過半数を回復するため53~54議席を目標とする考えを示した。
マトモな防衛政策の実現のためには、自公で過半数ではなく、公明が反対しても他の保守政党票で過半数を取れるところを目指して欲しいものです。
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巡航ミサイル開発を潰したのも公明ですたなあ
投稿: SUS | 2013年3月23日 (土) 03時24分
>むしろ、政府の足を引っ張ることさえしています。
棚上げ論を支持する積りが無いが、「政府の足を引っ張る」だから批判するはどうかと。もっとも、三権分立は政府に過大の権力を与えない様に作った制度です。適切な時に政府の足を引っ張る事は寧ろ国会議員、特に野党の果たすべき義務とも言えます。
国会は、政府のRubber-stampではないのです。
そして、自民党も自力で過半数を制覇したいと思っているだろうが、現在の段階で一応「同盟」しているの公明党と仲間分かれのは時期尚早ではないでしょうが。
投稿: 香港からの客人 | 2013年3月23日 (土) 11時12分
おはようございます
いやいや、全くその通りでやんす。公明党も存外、自国民の生命財産に対して冷淡な政党ですねぇ…同じ宗教を母体にした幸福実現党とは「月とすっぽん」でやんすねぇ(--;)
国防に対してこれ以上足を引っ張るんだったら、もう公明党も用済みですなぁ(-.-)
投稿: 土方 | 2013年3月24日 (日) 11時55分
SUS 様
そんな話ありましたっけ?
もちろん、表に出ていない話も多いとは思いますが。
香港からの客人 様
公明は、一応与党の一員ですから……
あんなんでも……
確かに時期尚早です。
夏の参院選次第ですね。
選挙協力があるでしょうから、選挙後直ぐに縁を切るのは道義的に問題あるかもしれませんけど。
土方 様
彼等にとっては、国民の生命財産より、国民が何を信仰するかどうかなんじゃないでしょうか。
投稿: 数多久遠 | 2013年3月25日 (月) 00時32分
土方 様
公明党の日本の国益と安全に関する姿勢に対して、国民の視線が、民主、社会系政党に対するそれと同様に、徐々に冷えたものになりつつある現実を
彼ら自身がどの程度認識し、危機感を持っているのかどうか、ある意味興味深いものがありますよね
如何に強固な組織票があるとはいえ、そこは日本人の特性上、一度でも何らかの有事の足手まといの主役を演じてしまえば、集団催眠が解けるように、一気に目が醒(冷)めていって民主党と同じ扱いになる・・・可能性はあるわけですし
宗教団体にとって相性の悪い問題の扱いに関して、賛成はしないが、反対もしない(現場の邪魔はしない)という
大人の宗教政党が取るべき姿勢を示せるようになれるか、公明党も一つの岐路に立ちつつあるように思います
投稿: 日本酒命 | 2013年3月25日 (月) 01時05分
>公明党が巡航ミサイルをつぶした
確かかなり前の話で88式かATACMSの導入を反対された記憶があります。
名誉会長は中国とも通じており、要注意であると私は考えます(最近は名誉会長の動向を余り聞きませんが)
投稿: アシナガバチ | 2013年3月29日 (金) 20時37分
アシナガバチ 様
なるほど、88式は誘導部さえ改造すれば、対地巡航ミサイルにすることも難しくないですからね。
名誉会長後の公明党が、どうなるのか注目です。
投稿: 数多久遠 | 2013年3月31日 (日) 00時47分
軍事研究だったか何かで「射程300km程度(だったと思います)の巡航ミサイル開発が計画されたが公明党の反対で撤回された」といった内容の記述を見かけた気がします
>名誉会長の動向
電車の吊り広告でよく機関誌の広告を見かけますが、それなりに活発なようです・・・
余談ですが自分は一度学会傘下の学校の中に入ったことがあります
色んな意味で衝撃的でした・・・
投稿: 2S19 | 2013年3月31日 (日) 22時36分
2S19 様
そう言う話がありましたか。
しかし、射程300キロなら、公明だけでなく、私も反対ですね。
北朝鮮にも、中国にも届かない巡航ミサイルなんて、使う状況がないでしょうから。
学会傘下の学校ですか。
朝鮮学校のようなものですね。
投稿: 数多久遠 | 2013年4月 1日 (月) 02時47分
むしろ防衛がまともな政党など日本に存在するのでしょうか
投稿: te | 2013年4月 2日 (火) 16時22分
>射程300km
wikiソース(出展は軍研)ですが、やはり研究開発を要求した巡航ミサイルは射程300kmのようです
「島嶼防衛に使用する長距離支援火力として」「陸自が16大綱での中期防原案でATACMSとHIMARSの導入と共に要求」とされています
SSM-1の推定射程が150km~200kmと言われているので、SSM-1ベースで開発するのであればこの程度なのかなと思いますが、用途があまりにも限定的ですねえ・・・
また同じ記事(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A1%E8%88%AA%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)内では
「同時期に海上自衛隊は先制攻撃のためのトマホークの導入をあからさまに要求してきたという」
との記述もあります
真偽は不明ですが、軍研や世界の艦船等で元海自将官らの寄稿を読む限り、海自も機会があればトマホークを導入したいというのが本音では?と思います
VLSのセル数が足りるのかは疑問ですが
投稿: 2S19 | 2013年4月 2日 (火) 19時41分
te 様
そりゃ100%とは言えないでしょうが、自民は方向性はまともでしょう。
知識が足りてない部分は、今後は、佐藤議員や宇都議員が頑張ってくれると思います。
2S19 様
さすが陸幕、このご時世で戦車を16両も要求するだけのことはありますね。
1000キロなら支持しますが、300キロなんて……
海自は、海の上ならどこまでも行ける訳ですから、300キロでも意味がありますが。
投稿: 数多久遠 | 2013年4月 2日 (火) 23時25分
中国共産党は宗教弾圧している事をもって、自衛隊強化を納得させるように誘導するのがベストですね。
チベット仏教は中国共産党に弾圧されました。
創価学会がそうならないようにするためには、日本の防衛力増強が必要です。
とか、見え見えだが、積極的反対出来ない踏み絵を置くくらいしか思いつかないです。
投稿: Suica割 | 2013年4月 3日 (水) 12時29分
Suica割 様
多くの宗教は、自分の宗派以外は敵ですから、チベット仏教が弾圧されても気にしてないのではないでしょうか。
創価学会は、中国共産党からは気に入られてますし……
投稿: 数多久遠 | 2013年4月 4日 (木) 01時02分