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2013年3月25日 (月)

Cudaミサイルの性能を予言してみる

ロッキードマーチンが開発中と伝えられるCudaミサイルについて、幾ばくかの情報が出てきました。
まだまだ情報が少なく、その性能を評価できるとは言えませんが、若干技術的な事にも触れつつ、逆に大胆な推測で予言してみる事は可能だと思うので、チャレンジしてみましょう。

このCudaミサイルについては、日本語情報が少ないですが、アシナガバチ氏が記事を書いてます。
Lockheed Martin社がステルス機搭載用に謎のCudaミサイルを開発中」(アシナガバチの巣作り日記)

情報元は、フライトグローバルです。
Details emerge about Lockheed’s Cuda missile
Cuda
同記事より

F-22は、現在6発のAMRAAMと2発のAIM-9の携行が可能ですが、Cudaミサイルは、これを14発のCudaで代替することを想定しているようです。
F-35であれば、4発のAMRAAMが8発のCudaとなります。

この想定からすれば、Cudaは、両ミサイルの性能を兼ね備えなければならないことになります。
そのため、フライトグローバルの記述でも、AMRAAMと同等以上の特性と書かれています。

しかし、私は敢えて予言しますが、このCudaミサイルには、AMRAAM程の射程はないはずです。
それは、単純にミサイルのサイズから推測される推進薬量が、AMRAAMには及ばないからです。

AMRAAMのサイズは次の通りです。
直径:0.18m
全長:3.7m
単純に円筒だと仮定すると、容積は0.094立方メートルになります。
内部構成を見ると、推進薬は半分程度の範囲を占めていますので、仮にこの容積の容積だと仮定すると0.047立方メートルです。

方や、Cudaを見てみると
全長:1.78m
直径については、正確なデータがありませんが、SDB同等と見られるため0.19mと仮定し、円筒としての容積は0.050立方です。
仮に全容積が推進薬だと仮定すると、AMRAAMと同等程度だと言えます。
Cudaは直撃方式とされ、弾頭部が小さい、あるいはないと予想されるため、推進薬の比率はAMRAAMよりは高い可能性がありますが、その分をサイドスラスタが食っている可能性もあり、実際の推進薬量はやはりこの半分程度だろうと思われます。

一方、空気抵抗の点から見ると、直径がほぼ同じですが、翼部分がAMRAAMよりはかなり小さいため、多少のアドバンテージがありそうです。

しかし、空気抵抗が少なくても、推進薬が半分程度では、対空目標に対しては、やはりAMRAAMと同等レベルの射程があるとは到底考えられません。
数値的には、AMRAAMとAIM-9Xの中間的な数値になるのではないかと思われます。

ただし、機動による回避を行なわない、あるいは意味がないレベルである無人機や車両等には、弾道軌道でミサイルを発射することで、受ける抵抗を低減させ、AMRAAMと同等レベルになっている可能性はあるでしょう。

次に、機動性についての予言をしてみましょう。
これに関して、技術的な事を書き出すと、それだけで記事になってしまうためはしょりますが、Cudaは翼が小さく、空力操舵での機動力は少ないですが、サイドスラスタを装備するため、反応性は速いと思われます。

また、弾体径が全長に比して高いため、横方向の応力についても高い数値が出ると思われます。
更に、全長に比して弾体経が高いということは、加速性能が高い(推進薬の性質にもよるが)可能性が高く、それだけ機動性が高いと思われます。
特に、この加速性能の高さは、ミサイルの機動性を考える上では、非常に重要な要素です。
また、弾体経が太く、横から見た場合の断面積が重量に比して大きい事は、翼が小さいという点を補って、ボディ部で操舵力を生み出す要素になっていると思われます。

また、サイドスラスタの利点の一つとして、ミサイル発射直後の低速度状態における機動性の高さを生み出すという要素も評価すべきだと思います。

これらの点から、Cudaは、非常に高い機動性能を持っている可能性があります。

ここまで、射程と機動性という要素でCudaの性能を予言してみましたが、対航空機での性能を考えた場合、Cudaは、AMRAAMのようなBVR兵器とも、AIM-9のような短射程ミサイルとも概念的に異なる運用要領を想定した、別概念のミサイルではないかと思います。

それは、ステルスでの運用を前提にすることで、長射程性能を不要と考え(参考過去記事「F-35の短射程ミサイル搭載等について」)、中短射程で非常に高い性能を発揮するミサイルを目指しているのではないでしょうか。

いろいろと興味深いミサイルなので、今後も注目して行こうと思いますが、最後にこれだけは外さないだろうという推測を書いておきましょう。

それはズバリ、ネーミングです。
確かにそっくりだ。
3875_aquaimages
wikipediaカマスの項より、オニカマス(バラクーダ)の写真。

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航空機一般」カテゴリの記事

コメント

前々から気になっていたのですが、
どうしてF-35にはAIM-9Xが搭載出来ないのでしょうか?

いぬざめ 様
ブロック3Fで、機内装備も可能になる予定です。
以前にも書きましたが、ステルス対ステルスにならない限り、必要とされる運用法をしないので、急いでないだけではないでしょうか。

記事のご紹介有り難うございました。トラックバックを反映させておきました。射程距離の詳細な分析有り難うございます。非常に参考になりました。ただ性能がAMRAAMよりも劣っていた場合は開発自体にGoがかからない可能性も一部関係者から指摘されていました。そこはどうなのでしょう。

アシナガバチ 様
開発自体にgoがかからない可能性は、相当あると思います。
ロッキードマーチンの姿勢については、詳しくフォローしてませんが、これは、コンセプトモデルレベルの自主提案なんじゃないでしょうか。

たとえアムラームより短射程でも開発される可能性はあると思います。
その他の性能が同程度以上なら、弾数が増加出来ますし、何よりステルス機ならより接近しても気づかれ難いので、射程が短いというマイナスをある程度埋められます。
それを考えるなら無いとは言い切れません。

名無し 様
米軍は、フェニックスを止めたこともあるので、AMRAAMの射程さえ不要と考える可能性はあるでしょうね。
1種類のミサイルに統合することで、運用コストも下げられるでしょうし。
電子的に対策されてしまうと拙いことになるので、完全に統合してしまうかは疑問ですが。

参考程度の情報源であるWikipediaによると、アムラームはより長距離射程をカバー出来るように改造する予定だそうです。
と、いうことは、逆にAIMー9の方を無くしたいのかもしれません。
長射程短距離ミサイル(言葉遣いがおかしいのは理解してますので、意味を取ってもらえたらうれしいです。)開発計画としたら、悪くないですし、攻撃機の自衛用として、載せる場合、アムラームより数が載せられるとしたら、メリットはあります。
何より、短距離ミサイルのレンジが広がる事は戦力強化になりますから、悪くは無いでしょう。

Suica割 様
全長がAIM-9並なので、単純にAIM-9後継として据え、AMRAAM+Cudaとする可能性は確かにありますね。

しかし、そうだとすると、相当に(AIM-9X並に)安くしないと買ってもらえない気がします……。

形状を見るに、アクティブシーカー+後翼操舵ということで、対ステルス及び格闘用には使い勝手が悪いと思います。
メインの使いどころとしては、現AMRAAMの後継(ただし、非ステルス機限定)と考えられます。
あと写真から、全長との比で計算すると、胴径は5~6inch程だと思われます。

推進薬比の向上と空気抵抗の低下により、同程度の射程を出すことは可能だと思われます。

Aishi 様
操舵翼は後翼だけですが、その分サイドスラスタが付いているので、運動性はよくなる可能性があります。

管理人様

サイドスラスターでは、現AAM-5、AIM-9X等のTVC付AAMのようにほぼ真後ろの敵に
向かうような旋回ができませんので、格闘戦には不向きとなります。

Aishi 様
サイドスラスターは、TVCと同様に発射直後の低速度状態でも高い旋回能力を発揮できる機構ですよ。

フランス製のミサイルですが似たようなミサイルの ''MICA'' と呼ばれるようなミサイルがあります。

Ash 様
MICAは、構造的にも、サイズ的にも、むしろAMRAAMに近いミサイルです。

micaも同様にシーカーこそ違えどBVRと短距離AAMを一つに統合して中途半端(BVRとしては射程が短く、短距離AAMとしては機動力悪い)なミサイルとなりました。cudaで(そこの部分は改良されるでしょうが)駄作になるかあるいは開発が難航しそうなミサイルですね。

ash 様
サイズや翼形状など、物理力に制約される部分に関しては、二兎を追うことは難しいでしょうね。
従来のミサイルに比して、ずんぐりむっくりな形状とスラスターで実現しようとしているのでしょうが、大変である事は変わらないと思います。

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