突っ込み甘い産経新聞
産経新聞が、今更ながらに野田内閣のダメダメぶりを報じています。
「尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 「関係悪くなる」岡田氏主導、曳光弾封印」(産経新聞13年2月4日)
自民党政権発足後、野田内閣のダメダメぶり情報がボロボロと出てきますが、これもその一つです。
対領空侵犯措置における警告射撃は、世界中で当然の権利として行なわれている事ですが、それを規制するなんて、岡田氏及びそれを了承した野田総理の不見識は、想像を絶します。
が、この事は産経が十分に報じているので、これ以上は突っ込みません。
本題は、この記事中でサラッと書かれた注目すべき事象の重要性について、産経記者が全く気が付いていない事です。
野田前首相が退陣する直前の12月25日頃、尖閣諸島周辺海域に展開した中国の海洋監視船「海監50」が格納庫を開閉する動きをみせた。海監50はZ9A型ヘリコプターを搭載可能で、格納庫から出たヘリコプターが尖閣諸島に急襲上陸する可能性も考えられた。これを受け、野田氏も海監50からヘリコプターが飛び立った場合は、曳光弾による警告をスクランブルの手続きに含めることをようやく了承したという。
尖閣周辺、特にその領海内において、中国公船の活動を苦々しく思いながらも、日本側が強制的な措置が執れない理由は、公船であることもありますが、国連海洋法条約によって、中国船にも無害通行権を認めざるを得ないためです。
産経記事にあった「海監50」の格納庫の開閉が、領海内であったのか、接続水域だったのか不明です。
しかし、仮に格納庫開閉の次にくる搭載ヘリの発艦・着艦が、領海内で行なわれれば、無害通行の要件を満たさず、わが国の平和、秩序又は安全を脅かしていると認定され、日本が自衛権を行使、つまり攻撃することも国際法上は可能でした。
第19条 無害通航の意味
1略
2 外国船舶の通航は、当該外国船舶が領海において次の活動のいずれかに従事する場合には、沿岸国の平和、秩序又は安全を害するものとされる。
中略
e 航空機の発着又は積込み
つまり、中国艦は、無害でない行為、日本の主権を脅かす行為をする一歩手前だったことになります。
また当然に、領海内で発・着艦する艦載ヘリは、領空侵犯していることになります。
防衛省は、この可能性を考慮しているが故に、野田元総理に警告射撃の実施も迫ったのでしょう。
産経(の記者)は、新聞なのですから、このくらい気が付いて欲しいものです。
まあ、他はろくに報じてない訳ですが……
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