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2013年1月20日 (日)

下地島空港を空自が使用する場合の問題点

修正概算要求に、防衛省が下地島空港の活用を念頭に置いていると見られる項目が盛り込まれ、注目を集めています。
このニュースは、沖縄2紙が報じ、全国紙が追従したことで、yahooのニュースでも掲載され、そこにリンクを貼って頂いた以前の記事「下地島空港を自衛隊が使用する効果」に多数のアクセスを頂きました。

タイトルの通り、自衛隊が下地島空港を使用した場合の効果は前掲過去記事のとおりですが、今回は、自衛隊が下地島空港を使用する場合の問題とその解決策について考えてみます。

なお、修正概算要求「平成25年度概算要求に関する主要事項」には、「南西地域における航空自衛隊の運用態勢の充実・強化に係る調査研究【事項要求】」と盛り込まれているだけであり、下地島という言葉は一語も入っていませんが、防衛省が表向き否定したとしても、宮古島空港や新旧石垣空港と並び下地島空港が念頭にあることは疑念の余地がないため、以後は下地島空港の活用を前提として記述します。
また、宮古や石垣であったとしても、多くの問題点は共通です。

問題点①:飛行隊をどこから持ってくるか

例え下地島空港を使えるとしても、移駐させる飛行隊が存在するのかという問題です。

北空は、千歳と三沢ですが、ロシア対処で忙しい両航空団の削減は難しい。
中空は、対北朝鮮の最前線小松を削減にはできない。首都防空の任を負う百里を削減も疑問。
西空も、韓国があるとは言え、北朝鮮に近い上、中国との距離は那覇とさほど違わず、後方とは言いがたい。ただし、対領侵のロードは、多方面と比べれば、少ない。
参考過去記事「21年度スクランブル実績

オマケに、那覇は2個飛行隊化の関連事業が進められているし、津波被害でまるまる1個飛行隊分が水没して使えない状況になっている。

航空総隊の航空団を見てみると、飛行隊の状況はカツカツな訳です。

ですが、総隊外なら、ない訳ではありません。
それは、新田原に所在する、教育集団隷下の第23飛行隊を総隊隷下に戻して移駐させる方法です。

23飛行隊は、1995年に制定された07大綱による1個FI飛行隊の削減により、F-15を装備しながら基幹部隊及び作戦用航空機から外され、実態的な戦力ではないと位置づけられた部隊です。
戦闘用の部隊ではないことから、23飛行隊分の弾薬は準備されていませんが、機体
自体は紛う事なきF-15です。
悪い言い方をすれば、村山政権による07大綱を骨抜きにするため、航空自衛隊が取った詭弁による部隊温存策な訳です。

この23飛行隊を、基幹部隊・作戦用航空機に戻せば、大した予算を使う事無く、手の空いた1個飛行隊が手に入る訳です。
これで、下地島に1個飛行隊を持ってくる余裕が生まれます。
ただし、現在23飛行隊が行なっているF-15の機種転換操縦課程と戦闘機操縦課程については、部隊で行なう必要が出てきます。
しかし、津波で被害をおったF-2の教育が、なんとかなっていることからしても、こなせない話ではないと思っています。

それでも、那覇の2個飛行隊化もあるので、F-35の導入と合せて、空自の部隊編成は当分苦労することになるでしょう。

次の問題に行きましょう。
問題点②:那覇空港の拡張により下地島不要にならないか

ウィキペディアの下地島空港ページには「那覇空港の拡張案も具体的に検討されており、那覇空港の利用実態においての下地島空港の優位性は将来には低下するものとみられる」と書かれています。

しかし、尖閣までの進出距離が、中国の空軍基地からの距離の半分ほどで済む位置の優位性は変わりませんし、「下地島空港を自衛隊が使用する効果」で書いたとおり、それによる戦術的はメリットは計り知れないモノがあります。

それに、那覇空港の拡張は、現在検討中でありますが、基本的に滑走路の複数化が成されるだけで、エプロン地区の拡大は計画されていません。
むしろ、現在ランウェイの西側に所在しているパトリオット高射隊が行き場を無くしかねず、下手をしたら現在よりも窮屈になりかねません。

それを考えれば、下地島空港を利用した、南混団の複数航空団化が望ましいでしょう。(そうなれば南混団も、混成団ではなく、方面隊に格上げでしょうが)

問題点③:下地島は中国大陸に近く、攻撃を受けて破壊される可能性が高いのではないか

この懸念は当然のモノです。
しかし、中国が保有する巡航ミサイルのDH-10は、射程1500kmを越え、那覇も余裕で射程に捉えることができます。
戦闘機を運用する基地が、那覇1カ所しかない場合の方が、むしろ危険性が高いとも言えます。
ただし、懸念は、巡航ミサイルを迎撃する、安価な防空火器であるはずの11式短距離地対空誘導弾の整備ペースが遅いことです。25年度の概算要求でも陸自、空自とも1式づつしか調達されない予定でしたし、大幅な増額をされたはずの修正された概算要求では、空自分は、何故か削られ、0になっています。
また、当然ながら、陸自中SAMも貴重な戦力ですから、下地島展開は必須です。

対航空機を考えた場合も、下地島が大陸に近い事は、確かに攻撃を受けた場合の被害発生の可能性を高めます。
しかし、下地の存在は、縦深の確保になり、中国側とすれば下地、那覇両基地を破壊しなければ、常続的な航空優勢の確保は困難になることから、複数基地化の恩恵は大きく、リスク以上の価値があると言えます。

また、下地島には、那覇と異なり周辺住民の避難が容易だという利点があります。
那覇の場合は、基地のすぐ外まで市街地が広がっており多数の住民の避難は事実上困難です。
しかし、下地島の場合は、住人はわずか60人程しかおらず、隣接する伊良部島の6283人と合せても、宮古島への避難は、那覇と比べれば遥かに容易です。

この、周辺住人のコラテラルダメージと避難の可能性は、実は政治的に微妙ながら、重要な問題です。
「基地が那覇しかなく、那覇が攻撃を受ける可能性と、下地島が攻撃を吸収してくれる可能性と、どちらを受け入れますか?」と沖縄県民に問えるのです。(基地が下地と那覇の2カ所なら、攻撃側
が下地を優先するのはほぼ自明
私は沖縄県民と、沖縄メディアに問いたい。
那覇空港周辺にまで爆弾が降り注ぐ可能性を受け入れて、屋良覚書を維持しますか?

下地島が被害を受ける可能性に関して、私が最も懸念するのは、短距離弾道弾による攻撃です。
中国は、対台湾攻撃用に多数の短距離弾道ミサイルを保有していますが、その大部分は、下地島まで届くのです。
これらは、弾道軌道が低く、イージスでは迎撃出来ない可能性があります。
つまり、ほとんどをパトリオットで迎撃しなければならないと言うことです。
この懸念については、以前に「下地島空港活用時のMD態勢」で詳細な検討をしていますので、こちらをご覧下さい。
下地島を本格的に活用するなら、PAC-3弾(ミサイル)を大量に調達する必要があります。

また、いずれの手段で攻撃を受ける場合でも共通の事項として、シェルターを始めとした被害局限による基地防護策、及び被害復旧策は必須です。

主要な問題は以上3点です。
それぞれの問題に対して、解決には努力が必要ですが、下地島を使うメリットは大きく、使わないとすれば、海自を増強したとしても、いずれ航空優勢の確保は困難となり、尖閣は失うことになると思われます。

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先島防衛」カテゴリの記事

コメント

 日本の軍事オタクの議論で下地島空港における中国のSRBM脅威はしばしば語られるのですが、その一方でそのSRBM攻撃が持つ中国側自身にとっての意味の議論が、ごっそりと抜け落ちているように感じています。どういうことかと言うと、(尖閣諸島などの)無人島や艦船や航空機での衝突は、(ただの、と言ったら変ですが)地域紛争・領土紛争のレベルで留まれる話です。この場合中国大陸の中国軍基地は出撃拠点でしかなく、日本側が紛争拡大を望まない限り直接攻撃される心配は(中国側にとって)さほど高いものではありません。しかし中国大陸本土からSRBMで日本の下地島や沖縄などを直接攻撃した場合は、逆に日本側に中国大陸本土を直接攻撃する口実を与えてしまいます。自衛隊自身の策源地攻撃能力は低いですが、与えられた口実は同盟国の米軍が利用する可能性も無視できないわけで、(中国側が)正気であれば避けたいリスクです。しかも危険に晒されるのは過疎化に苦しむ離島や那覇市のような辺境都市(失礼w)ではなく、中国最大の商業都市上海を含む沿岸部の死活的重要都市群です。
 自分は下地島への空自FI配備を支持してますが、あくまで尖閣問題対処の暫定措置だと思っています。常設の部隊配備の必要性は低く、全国の各飛行隊から2機程度ずつ機体を抽出して前進配備する程度の、アドホックな構成でもいいじゃないかなどと考えています。

防衛大綱と中期防が改定されますので、戦闘機の定数が増強される可能性はありますでしょうか。
11式短距離地対空誘導弾が削られているとの事ですが、平成24年度補正予算に計上されているという可能性はありませんでしょうか。まだ補正予算が防衛省の公式に掲載されていませんので何ともですが、航空新聞社WINGの報道によりますとCH-47JA輸送ヘリ1機、UH-60J救難ヘリ2機、MCH-101掃海・輸送ヘリ2機、海空域の警戒監視・安全確保でSH-60K哨戒ヘリ3機と合計8機のヘリコプターの新規調達を要求。さらにF-15の近代化改修4機の予算が計上されている模様です。
http://twtr.jp/user/wingnews/status/291495430427115520
また朝日新聞の報道では03式中距離地対空誘導弾やPAC-3も導入すると報じられました。
http://www.webcitation.org/6DX6jbnET
それにしても津波により損失したF-2Bを埋め合わせる為に中古のF-15Dを米国から導入するとの噂もありましたが、この件に関しまして続報がありませんね。

だ氏へ

>>与えられた口実は同盟国の米軍が利用する可能性も無視できないわけで、(中国側が)正気であれば避けたいリスクです。
延坪島砲撃事件を見る限り、『SRBM攻撃のみ』の場合、アメリカが中国本土に直接攻撃する可能性は低いと思われます
政治的な介入や利用は大いに考えられますが、軍事介入は紛争の拡大化や本格的な戦争への発展につながりますので、空母の派遣など限定的だと思われます
核を積んでいたり、『SRBM攻撃のみ』に留まらず、軍事侵攻の場合は別ですけど
問題なのは、「何故、SRBM攻撃のみに留まるのか?」ですけど、

1.中国国内の反日世論に共産党政府が動かされた結果。ただし、本格的な戦争は望まないので、SRBM攻撃で誤魔化したとか、
2.国内支持率を上げる為、パフォーマンスとしてSRBM攻撃をしたとか、
3.日本の行動に対する威嚇や抗議の為にSRBM攻撃したとか

と、いくつかあげれますけど、『それなんていう北朝鮮?』ってな感じで、説得力があるかないかは、人それぞれでしょう(嫌中の人間はありえると納得するだろうし、媚中の人間はありえないと否定するでしょう)
あげた私の意見としては、延坪島砲撃事件や台湾海峡危機の時に海域にミサイルを撃ち込んで威嚇した例から、やる可能性はあると思いますけど、「じゃあ、可能性は高いのか?」と聞かれると、なんともいえません
正直、『SRBM攻撃が持つ中国側自身にとっての意味の議論』をやる場合、『そもそも何の為にやるのか』を無視する事はできず、『何の為にやるのか』のソースをだすのかが非常に難しいです
嫌中の人間は『何の為にやるのか』のソースを幾らでもだせますし、媚中の人間はそれを幾らでも否定できるので、水掛け論になりやすい気がします
少なくとも、私はやりたくない

>>自分は下地島への空自FI配備を支持してますが、あくまで尖閣問題対処の暫定措置だと思っています。常設の部隊配備の必要性は低く、全国の各飛行隊から2機程度ずつ機体を抽出して前進配備する程度の、アドホックな構成でもいいじゃないかなどと考えています。
これは私も同意見です

数多様

>下地島を使うメリットは大きく、使わないとすれば、海自を増強したとしても、いずれ航空優勢の確保は困難となり、尖閣は失うことになると思われます。

この表現には賛成できません。「下地島など、八重山諸島の空港」に空自戦闘機が展開することは、現在のセンカクの領空監視を大いに楽にするでしょう。そこは賛成です。

しかし、下地島をすぐに防御力に優れた航空基地にしないと、航空優勢を失ってどうこう、というのは、戦争に近い状況を意識されているように思えますが、違うと思います。センカクは、第1に外交ゲームです。貿易で国を支えつつある中国が、現時点の国力比、すなわち、日米を圧倒する力がまだない中で、沖縄有事を起こせば、貿易航路が寸断されることは自明です。経済への打撃が大きすぎ、国民が指導部から離反します。内乱につながりかねません。今後10年ほどは、中国にその選択肢はないと思います。

「だ」さん、詭弁論者さんの意見と同じですが、私は、「下地島など、八重山諸島の空港」に、簡単な簡易前線基地を設置して、各地の基地からのローテーション配備で、F-15 6機ほどでスクランブル対応させるのが良いかと思います。

領空侵犯が1年以上続くようだと、「やむを得ず」恒久基地化が必要になって来て、壕が必要となり、数年続けば対空ミサイルも、そして陸自の連隊も必要となるでしょう。また中国がセンカクを何らかの形で占領した場合には、「八重山諸島の空自基地」は急速に立ち上げる必要が出てくるでしょう。中国が領土的野心を行動に移してしまった以上、国際的、国内的に、八重山諸島の防衛強化は一気に正当化されるからです。


なお、問題1の飛行隊の件ですが、(上記で不要といっているので矛盾ですが、もし必要となった場合には)、私には、千歳、小松、百里から1エレメント(4機の意味)ずつ移動すれば、14機の飛行隊が編成できると思います。千歳、小松、百里の2個飛行隊の内ひとつが14機編成になりますが、本当にそれで問題ですか?冷戦時代に比べれば、現状、本州以北の空自ははるかに「楽」をしていると理解しているのですが。。。

間違っていたら済みません。


問題2は、おっしゃる通りで、那覇と八重山の2カ所に基地を持てば、かなり強化されます。でも私としては、対案として、那覇を基地にし、有事には嘉手納も共用(那覇が空爆される状況では、米軍は撤退する可能性があるので)するので良いかと思います。八重山に虎の子の戦闘機を多数配備する気にはなれません。前線基地として、給油、弾薬補給、少数機によるスクランブル待機に使うのが良いのではないでしょうか?


@本文
>北空は、千歳と三沢ですが、ロシア対処で忙しい両航空団の削減は難しい。

ここは、長期ロシアと仲直りできないのつけ、今日はやっと払わなければ成らない。

>津波で被害をおったF-2の教育が、なんとかなっていることからしても、こなせない話ではないと思っています。

熟せないわけじゃないですが、これで、前線の練度低下、練度管理の問題も無視し難いと想いますので、これは下策と想います。何方がって言うと、ドナルド氏の組み合わせの方が賛成できそう。教導部隊と言う種まで食べるのは最後の手段だと想います。

>下地島を本格的に活用するなら、PAC-3弾(ミサイル)を大量に調達する必要があります。

あのポストを読んだけど、あれだと攻撃規模の想定次第下地島に現在の「定量」より4倍のPAC-3ミサイルを配給しなければならなく成る。確かに本島に残る所で、DF-21の射程(つまり、弾速)はPAC-3の保証限界(確かおよそ1000km=3km・sクラス)より上ので、迎撃できる確証は全く無い。だが、全く撃墜できないの保証も有りません以上辺境地にそれ程の優遇するのは政治的に可能でしょうが?

現実的に普通装備の一個群の展開すら困難ではないでしょうが?

>また、いずれの手段で攻撃を受ける場合でも共通の事項として、シェルターを始めとした被害局限による基地防護策、及び被害復旧策は必須です。

この方が現実的とり得る策だと想います。

@詭弁論者氏
普通は、パフォーマンスや威嚇程度でSRBMの攻撃(威嚇射撃は兎も角)をしないでしょう。

或いは、ただ軍事的合理性の基づき撃って来るかもしれません。兎も角、相手にこの能力が有る。撃たないの理由は対費用効果の不足と口実の問題です。

口実の問題として、SRBMに依る攻撃は延坪島砲撃事件と同列できないでしょう。だが、沖縄本島は兎も角、準無人島の下地島で大陸まで反撃を許すとは思え難いですね。

@ドナルド
>沖縄有事を起こせば、貿易航路が寸断されることは自明です。経済への打撃が大きすぎ

どうでしょう。何故貿易航路が寸断されるですが?誰がやるですが?

国際批判?皆中国が武力行使したから怒って貿易停止する?これならちょっと甘いと想います。残念だけど、中国との貿易は各国にとって不可欠に成ったので、恐らく皆は少々批判した後貿易は続けるに成ります。

例え経済的立場は中国より遥かに弱いのロシアでさえ、クルシアを反撃した時、皆は経済制裁と威嚇するものの、最後は目立つの制裁は…無い。第二次世界大戦以後、一時的に「武力行使者」は世界秩序を乱す物として扱われますが、現在は寧ろ経済戦の方が世界への影響が広く、この方が批判されそうに成りつづ有ります。逆に言えば、もし武力行使を早期終了すれば、世界への影響が少ないし、この分批判を受けないのは現状です。

もし米国や日本が軍事手段でこれをやろうとすれば、離島紛争如きでこれをやる口実が無いし、中国側は潜水艦で日本を海上封鎖すれば、排除までに日本の経済も等しく壊滅的な影響を受けるでしょう。

>簡単な簡易前線基地を設置して、各地の基地からのローテーション配備で、F-15 6機ほどでスクランブル対応

最初は嫌でもそうでしょう。

>領空侵犯が1年以上続くようだと、「やむを得ず」恒久基地化が必要になって来て、壕が必要となり、数年続けば対空ミサイルも、そして陸自の連隊も必要となるでしょう。

こう思うなら、今から始まる方が良い。中国は領空侵犯を始まった以上、やめてくれないでしょうし。今日始まっても、恒久基地化の下準備を終わるには恐らく一年以上要ります。陸自連隊の長期配備まで必要なら、準備期間は数年でしょう。

香港からの客人様

>>沖縄有事を起こせば、貿易航路が寸断されることは自明です。経済への打撃が大きすぎ

>どうでしょう。何故貿易航路が寸断されるですが?誰がやるですが?

我々がやるんですよ。確かにロシアと中国では中国の方が強いですが、日本はグルジアではありません。グルジア戦争の例を引き合いにすることがまずいとは言いませんが、「絶対にあの規模の紛争で終る」と確信を持って言うことは難しいと思います。

沖縄の有人島に中国軍が上陸した場合、我々は潜水艦で敵の兵站線を叩くしかありません。それが軍事の王道である以上、やるのが当然だし、当然だと諸外国も思うでしょう。ましてや、沖縄を叩くと、米軍まででてくるのですよ。兵站を重視する米軍が、敵の兵站線の遮断を試みないはずがありません。

もちろん、潜水艦攻撃をどの海域まで広げるかは、難しく、貿易航路の遮断までやるには、実際には精神的な壁はあります。問題は有事になった時の、日本と米国の「精神状態」によるわけですが、では、その精神状態を平時の今推定したとして、果たして予想通りになるか?それに中国指導部が確信をもつか?です。

国民を飢えさせたら、政府は終わりです。多くの矛盾を抱える中国で、成長が鈍化すれば、それは激しい。泥沼の貿易遮断戦になる可能性が、かなりある以上、たいしたメリットのない沖縄侵攻をやるとは思えません。 なお、日本製の部品が、中国製の製品にかなり使われています。貿易が止まれば、日本も、米国も困りますが、中国もかなーり困るのです。その意味でも沖縄侵攻は中国にメリットがありません。

>こう思うなら、今から始まる方が良い。中国は領空侵犯を始まった以上、やめてくれないでしょうし。

そうかもしれませんね。私が言っているのは、政治的な外交交渉の一環として、基地を段階的に強化して行けば良い、という意味です。「技術的に基地強化に数年かかる」ということと「その時間を外交交渉に有効利用する」ということは、必ずしも矛盾しないと思います。

PAC3は航空機や巡航ミサイルも迎撃可能と聞いたのですが、
それでも陸自中SAM部隊の展開は必要なのでしょうかね?

まとめレスです。

SRBM使用による政治的影響は、現段階ではとても読み切れないと思っています。それが政治的な判断であるため、その時々の情勢で、大きく変わるでしょう。
自ずと、使われる可能性も想定する必要があると考えています。

F-2の津波による喪失と、F-35の調達ペース、F-4の維持可能性からすると、大綱は、改正されても、戦闘機を増やすことはないだろうと思っています。当面、大綱の機数を揃えるだけでも一苦労するはずです。

11式短SAMですが、概算要求以上に予算が認められるというのは、まずないだろうと思います。防衛省が概算要求で削った以上、何か問題があるのではないかと推測しています。

下地島は、滑走路はありますが、本格基地化にはかなりの施設工事を要するため、やるなら早く手を付けないと、必要な時には極めて脆弱な基地としかならないでしょう。
であれば、有事には結局リスクが高すぎて使えません。

方々の飛行隊から抽出される可能性はありますが、それぞれ規模が小さくなりすぎ、部隊運用の効率は下がるため、効率的ではないと思ってます。
それをするくらいなら、7空団あたりから飛行隊を抽出する方を推します。

下地の必要性ですが、先島有人島の航空優勢を確保するつもりなら、必須だと評価しています。これは、南混の情勢を知っている航空自衛官なら、反論する人はまずいないでしょう。

教育に負担をかけるのは確かに諸刃の剣です。
ただし、教育訓練に金をかけるのか、装備に金をかけるのかという判断は必要です。
で、日本の現状は、少なくとも、アメリカと比較する限りでは、教育訓練偏重だと思っています。(日本のパイロットは練度が高いと言われます)

PAC-3の集中については、政治的な効果を無視すれば、東京には配備してもムダです。それに必要なのは、ランチャーとPAC-3弾だけです。
集中させても良いと思ってます。

PAC-3弾は、SRBM迎撃だけで、枯渇します。
航空機は中SAM、巡航ミサイルには中SAMと11式短SAMで捌きたいところです。

なお、対領侵のみの目的による少数機の使用は、当然可能性はありますが、それだと問題点を検討する必要性がないので、ここでは取り上げていません。
実際には、そうなる可能性は十分あると思っています。

数多様

コメントありがとうございます。飛行隊の抽出について質問があります。

私の案では、例えば、小松から1エレメント抜いて、18機+14機の2個飛行隊にします。諸外国では12機編成の飛行隊が多いのですが、14機編成にする場合、18機編成の飛行隊と比較して、「部隊運用の効率」は実際上どれくらい下がるのでしょうか?

おそらくは整備部隊のサイズと単位数で決まるかと思うのですが、そうであればこれを14機対応に最適化できないのでしょうか?あるいは現在2個飛行隊体制の所を、18+14=32機編成の一個飛行隊に統合したらどうでしょう?

航空基地、あるいは飛行隊の数はなかなか減られない一方で、近い将来F-4EJの退役分、機体が減るのは間違いないと思います。(F-35Aが遅れる&数が増えないでしょうから)。個人的には、しっかりした近代化改装を前提に、F-15J部隊を全て14機編成の飛行隊に変え、今の7個飛行隊体制を、9こ体制(F-35が1個飛行隊分間に合えば、8こ)へ移行し、F-4EJの2個飛行隊を廃止することになるのではないかと考えています(実際にはpreMSIP機の扱いなど、課題があるのは確かです)。

様々な事情により、しかし、こうなる可能性はゼロではないと思うのですが、その場合、運用上、何が最大の問題となるでしょうか?あまり考えない方がよいでしょうか?

ドナルド 様
抽出の際に非効率になるのは、役職付きのベテランです。
隊長とか飛行班長とか。
18機を使う隊長か、14機を使う隊長かということです。
整備員等は減らせますから、必ずしも非効率にはなりません。

ですが、有用なベテランの指導能力を非効率にするのはどうかと思います。
もっとも、管理する人数が増えすぎると指導能力を超えますから、18機というのは良い線だと思います。

飛行隊の編成を減らすことは、将来的には私もあり得るとは思ってます。
特に、F-35の調達が予定通りいかない場合は、やらざるを得ないかもしれません。

数多様

ありがとうございます。2点、思いつきです。

1:飛行隊の機体を減らしても、パイロットは減らさないという可能性はあるか?

機体の稼働率と、人間の稼働率が同じであれば、1人1機で良いと思うのですが、実際には違うと思います。実は機体14機でも、パイロット18名でちょうど良い、ということはないでしょうか?(逆もあるかもしれませんが)。機密に関わることかもしれないので、あくまで素人発想ということで、コメントです。


2:F-15用のフライトシミュレータを開発する可能性

訓練用の機体を実戦部隊へ回すのであれば、訓練に必要な飛行時間を減らす工夫を考えても良いでしょう。F-35に複座型がないのは、フライトシミュレータが訓練のかなりの部分を担うからだとされています。F-15もまだまだ20年は使うと思うので、200億円ほど(F-35一機分)かけてシミュレータを開発してはどうでしょうか?

その分、第23飛行隊を実戦任務に戻すことが容易になる。

なお、このシミュレータは F-15を大事に使うという当面の目的のために作るものですが、国産技術の育成としても有効ではないでしょうか?(将来国産戦闘機とかMRJとか)

ただ、現実問題として空自はF-35を採用しそのシミュレータを導入することが決まったため、「F-15J後継もF-35」ということになれば、この技術は無駄という見方もできます。が、個人的には、日本が得意そうな技術だと思うし、やってよいかと考えます。

シミュレータがどんなに高価としても、その運用経費は、飛行機を実際に飛ばすことに比べれば、安いはずです。開発費はかかりますが、2台目、3台目は、200億円もしないでしょうし、本物の機体よりも稼働率(人が乗って操縦していられる時間)は遥かに高い(2-4倍とか?)でしょう。長期的に運用経費の削減に寄与するかと、考えます。

補足です。

当然ですが、フライトシミュレータだけで、訓練過程を全て代替するものではありません。初期訓練などの大部分を置き換えるだけで、高度な訓練が始まったら、実機訓練が欠かせないでしょう(高度な訓練の一部ならフライトシミュレータでできる)。

いま訓練飛行隊に18機必要と仮定したとき、シミュレータ3台と組み合わせれば 8〜10機でOKにならないでしょうか?10機ほどしか実戦任務に拠出できませんが、その価値はあるのでは?という話です。

ドナルド 様
飛行隊の機数とパイロット人数はそもそも合ってませんが、機体だけ減らしたらバランス悪くなるでしょうね。

F-15用のシミュレータはあります。
ただし、三菱プレシジョンの入札停止が明けてないと思うので、もしかしたら稼働が止まっているかもしれませんが……

しかし、問題は23飛行隊が行なっている戦闘機操縦課程は、高度過ぎて、恐らくシミュレータでは無理なことです。

当然ながら、機種転換ではシミュレータを使ってます。

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