書評「Gene Mapper」
正月に、話題の電子書籍「Gene Mapper」を読みました。
Gene Mapper | Official Web Site
読む前から、電子書籍だからという理由で、このブログでも取り上げるつもりだったのですが、実は、読んでみると少しミリタリーテイストが入っています。
ドンパチがある訳ではないのですが、こう言う世界(遺伝子改造が一般化した未来)ならありえそうな紛争の姿が背景にあります。
ネタばれにならないよう、具体的な内容については、このくらいに留めておこうとおもいます。
その評価は、ここまで話題になっていることや、あちこちにあるレビューの評価を見て頂ければ分かると思いますが、非常に高いモノです。
私の感想としても、久々に展開がワクワクさせられるSFを読んだと感じました。
キタムラ氏がカッコイイです。
また、作品に込められたメッセージが、日本の商業出版で流されるステロタイプなモノではなく、現実を見ながら(現在の)現実を肯定したもので、好感を受けました。
しかも、このメッセージは、作者である藤井氏が、原発事故に対する世間一般の根拠無視のヒステリックな批判を危惧してのモノのようです。
「Gene Mapper発売のお知らせ」
また、電子書籍を出版社を通さずに刊行している者として見させて頂くと、その”書籍”としてのクオリティの高さには目を見張らせられます。
表紙のグラフィックや、縦書きでのルビや章冒頭のロゴなど、「これプロに発注したのでは?」と思うレベルです。
ただし、これは著者である藤井氏の経歴を見れば単純な話でした。
何のことはなく、藤井氏自身がDTPやグラフィックのプロだったからです。
このあたり、私を始め電子書籍を出している者にとっては、考えさせられる部分でした。
全体的に見て、SFファンなら手にとって損はない作品です。
藤井氏は、この作品をiPhoneで書いたそうなので、スマホでも読みやすく仕上がってます。
通勤時間の有効化にいいと思います。
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