KDP出版記 その2 無料キャンペーン編
出版界に黒船とまで言われたアマゾンによる電子書籍への参入ですが、結果的にその片棒をわずかながらも担いでしまっているため、状況報告を行なって行こうと思います。
前回、出版に漕ぎ着けるまでに、如何に苦労させられたかは書いたのですが、今回は多くの人の目に留まるようにするため、言い換えれば販促に関して、KDPで何ができたのか、そして結果がどうだったかについて書いてみたいと思います。
キンドル本を販促するにあたって、アマゾンのシステム内で恣意的にできることは、価格の引き下げと無料キャンペーンの設定しかありません。
セルフパブリッシングの先駆者とも言える”Gene Mapper”などは、低価格に設定するというキャンペーンを行なっていたようですが、”黎明の笛”では、そもそも価格設定可能値の下限に価格設定しているため、無料にするしかキャンペーンの行ないようがありませんでした。(価格の下限が100円となっている。これ以上下げるとアマゾンが儲からないからでしょう)
この無料キャンペーンですが、販売チャネルを、電子書籍に限っては、アマゾンにだけに限定しないと設定できません。
そのため、悩みどころではあったのですが、パブーでも”黎明の笛”のようにかなり量のあるコンテンツは、有料会員になってお金を払わないとUPできないため、結果的にアマゾンに限定することとなり、無料キャンペーンも5日ほど設定できることになりました。
(ただでさえ一太郎を買わざる得なかったため大赤字ですから、これ以上の出費は避けたいところでした)
で、この無料キャンペーンですが、販促の側面もあるものの、普段から私のブログを見て頂けている方には、無料で公開したかったため、KDPでUP後、直ぐに設定するつもりでした。
が、前回記事に書いた通り、UP自体で四苦八苦したため、チェックが終わるまではキャンペーンもスタートさせず、ブログを見て頂いている方には、キャンペーンスタートまでDLしないよう告知しました。
ですので、ブログを見て頂いている方は、5日の無料ダウンロード期間があれば、無料でDLして頂けると思ってました。
が、私も理解していなかったのですが、アメリカのアマゾンでは、キンドル本をPCでもソフトをDLすれば読めるのですが、日本のアマゾンでは、キンドルの他、iPad、iPhone、iPod touch、もしくはアンドロイド端末がないとDLどころか購入操作もできなかったようです。
これは、単にkindle for PCの対応が間に合わなかったのか、アマゾンの戦略なのかは不明ですが、少々誤算でした。
このブログは、最近ではユニークアクセスで500~600はコンスタントに数字が出ているので、重複の方がいるにしてもキャンペーン期間中に1500人くらいは告知を見て頂けるだろうと思っていたのです。
ところがが、DL数は、その約1/10で、アメリカやドイツ、フランスからのDLも含めて、総計163でした。
DLするための端末を持っていない人が多かったのか、あるいは小説に魅力が無かっただけなのかは分かりませんが、私の思惑以上に少ない数でした。
私としては、小説をこのブログを見てくれるような、普段から軍事防衛に必ずしも興味のない方にも読んで頂きたいという思いがありました。
アマゾンで電子書籍化したのも、そう言った思惑です。
普段ブログを読んで頂ける方には無料で公開し、レビューを書いて頂ければ、それ以外の人の目にも、アマゾンという巨大なプラットフォームを通じて目にして頂けるのではないかと思っていたのです。
ところが無料キャンペーンのDL数が少なかった事もあり、現在のところ頂けているレビューは日本で1件、アメリカで1件という状態です。
ただ、アマゾン内のレビュー以外では、読書メーターなどでも書評を書いて頂けるケースがちらほらでています。
http://book.akahoshitakuya.com/b/B00A84ZPJO
そのため、アマゾンに独占販売させるのではなく、何か別の方法を考えなければならないかと思案しています。
現在も、そこそこの数を日々DLして頂いているのですが、アマゾン任せにするのでは無く、何か自分でも何か宣伝する方法を考えないとならないようです。
« 米海軍の音響測定艦行動にみる対中シフト | トップページ | 北朝鮮の人工衛星発射の真意は大統領戦でも、衆院選挙でもない……かも »
「Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP)」カテゴリの記事
- 小説家デビューへの新たな道?_個人出版→商業出版を検証(2014.01.31)
- KDP出版記 その6 個人電子出版における価格2(2013.01.23)
- 用語解説付き「黎明の笛」第3版リリース(2012.12.31)
- KDP出版記 その5 個人電子出版における価格(2012.12.27)
- 「黎明の笛」表紙画像募集!(2012.12.23)
コメント
« 米海軍の音響測定艦行動にみる対中シフト | トップページ | 北朝鮮の人工衛星発射の真意は大統領戦でも、衆院選挙でもない……かも »
私も対応端末を持っていない為DLできず諦めた者です。
Kindle for PC自体は米AmazonのサイトからDL出来るものの、書籍の購入は不可能でした。
KindleはともかくiPhoneやAndroidでも読める以上、対応端末を持っている人は少なくはないと思うのですが…
出来れば有償無償問わず別の公開先を用意して欲しい次第です。
投稿: | 2012年12月 4日 (火) 03時49分
はじめからPCで読むつもりは無くIphoneで読む予定だったのですが、まずはダウンロード先を確認する為にPCでAmazonへ行くと、日本サイトもアメリカサイトも(購入は)『現在ご利用できません』でした。
Kindle For PCを入れるとDL出来るのかな?とも思ったのですが、名無し様の体験をお聞きするとそれでもDL出来なかったようですね。
なおレビューは、アメリカアマゾンはレビューを書いた翌日に公開され、日本アマゾンにも5日ほど前に同じレビューを書いたのですが、まだ公開になっていません。
その点からも、日本アマゾンとアメリカアマゾンで運営(売る気)の違いが出てるかも知れませんね。
投稿: 純@LA | 2012年12月 4日 (火) 05時33分
ななし 様
すいません。
アマゾンがkindle for PCさえ日本版対応してくれればいいのですが……
おそらくkindleを売るために対応していないのだろうと想像しています。
なので、kindleの需要過多、供給不足が解消すれば、対応してくれるのではないかと期待しています。
別の公開先ですか。
一応、無謀ながら野望もありまして、今のところ無償提供は考えておりません。
本が売れれば、そのお金で英語に翻訳してもらい、英語版を出したいと考えているためです。
アメリカやイギリスにも、竹島問題の宣伝になりますから。
パブーとかは考えなくもないのですが、今のところは、第2版への更新作業を優先したいと思ってます。
専門用語が分かりにくいというご意見を頂いたので、ハイパーリンクで巻末に用語解説を付けるための作業中です。
これは電子書籍ならではのメリットかなと思ってます。
ただ……いざ解説を始めると、いまさらながらに解説をした方が良いと思う用語が山のようにあって……これはマズかったなあと、今更ながらに反省しております。
純@LA 様
たぶん、kindle for PCのソフト対応ができていないのではなく、アマゾンの販売戦略の可能性が高いと思うので、comで入手して頂いたのなら、多分PCでも読めるのではないかと思います。
レビューは、kindle発売で混乱しているのかもしれません。
大分前ですが、私が以前レビューを書いた時には、2日ほどで公開されてました。
投稿: 数多久遠 | 2012年12月 4日 (火) 23時36分
数多様
ずーっと前ですが、陸軍が開発していた(結果的に頓挫)戦闘ヘリ、『コマンチ』のPCゲームを買ったんです。
(ゲームはあまりやらないのですが、たまたま)
パッケージ内の説明書がやけに分厚くて、「そんなに操作が難しいゲームなのか?」と思ってパラパラめくると、ゲーム操作の説明は1/3程度で、残りの2/3は非常に細かくコマンチ(実機)に関する解説でした。
ゲーム自体は、同梱の早見表(紙一枚)で充分に遊べるのですが、実機の解説を読んだり写真を見たり、知れば知るほど没頭してしまいました。
(結果的にコマンチは日の目を見る事は無かったのですが)
実機の解説書だけでもなんだか得した気分でしたが、製作側は大変だっただろうと思います (^_-)
投稿: 純@LA | 2012年12月 5日 (水) 04時10分
科学ジャーナリストの松浦晋也氏が、日経BPのPCオンラインの連載コラム(11月5日付)で電子書籍市場を取り上げてますね(閲覧には無料登録要)。そこでKindleにも言及しています。記事タイトルと構成でこそフォローを入れてますが、どう見ても結論は「ユーザーからすると『少なくとも今後1年は様子見』でもまったく構わないと思う」の部分でした(笑)。
投稿: だ | 2012年12月 5日 (水) 05時18分
純@LA 様
解説は、書いている方も何気に楽しかったりします。
アップルシードの欄外を書いている気分です。
だ 様
何を言おう、私自身がまだ様子見ですからね……
投稿: 数多久遠 | 2012年12月 6日 (木) 03時09分