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2012年12月20日 (木)

アサド政権崩壊とスカッドミサイル

いよいよシリアのアサド政権崩壊が間近になってきました。
先週、この予兆が政治・軍事両面で観測されています。

政治的には、長くシリア政権の後ろ盾だったロシアの政府高官が、「反体制派の勝利も排除できない。残念ながら、事実を直視せねばならない」と述べたことが伝えられています。
露外務次官「シリア反体制派勝利も」 政策の変更は否定」(産経新聞12年12月14日)

情勢がこのまま進展すれば、シリアの新政府が反ロシアとなることが確実でしょうから、ロシアとすれば、反体制派への接近を始めたいという意志表示なのでしょう。

また、ロシアは自国民の避難も開始したようです。
長らくアサド政権の後ろ盾だったロシア人は、政権が崩壊すれば、危険な立場に立たされることは間違いありませんから、当然の措置でしょうね。

一方で、軍事的には、もはや最後の悪あがきとでも言うべき行動に出ています。
シリア軍、スカッドミサイル攻撃開始か 投入兵器拡大の兆候」(CNN12年12月13日)

スカッドミサイルには、クラスターや燃料気化弾頭もあるとされていますが、それでも弾頭重量は爆弾1個程度であり、核や化学を使用しない限り、ミサイル1発の威力は、純粋に軍事的には微々たるものです。
それさえも投入しなければならない、あるいは各地の空港が反体制派によって攻撃され、空爆さえも困難になって来ているという証左でしょう。

また、これによってシリア政府は悪循環も引き起こしています。
NATOが、スカッドの流れ弾を警戒して、パトリオットのトルコ配備を始めたからです。
(前掲CNNのリンク参照)

トルコが、国境付近にパトリオットを配備すれば、シリアの北部地域はパトリオットの射程にカバーされます。
NATOがシリア上空の航空機を攻撃する可能性は低いですが、シリア空軍のパイロットは、撃たれないとは思いつつも、常に銃口を向けられたような気持ちで北部地域の空爆を行なわなければならないからです。

シリア政府軍が、北部地域の空爆ができなくなれば、反体制派は更に地盤を確かなモノにして行きます。

いよいよアサド政権崩壊の日も近づいて来ました。

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コメント

いよいよですね。
早ければ来年の3月~6月頃には倒れるかも知れませんね。

ただ問題は反政府軍の中にリーダーとしてふさわしい層がどれだけいるのか、という事でしょうね。

アフガニスタンのように暗殺されたのでは何にもなりませんからね。

みやとん 様
私は、ここまで来ると、もって3月なのではないかと思ってます。

まあ、化学とか使い出すと、国内的には勝利を収めるかもしれませんが、介入を招きかねないので、非常に流動的になりそうですが。

後継はどうなんでしょう。
私も政治情勢までは、そこまでウォッチしていないので分かりませんが、アメリカとかは既に目を付けて支援してるでしょうね。

意外に早いかもしれませんよ。
お互いの罪の免責、政府の権力放棄で話つけば、3月より前に片が付きます。
日本として、一回これで和平を訴えてみてはいかがと思います。
権力掌握までの期間短縮と政府の悪あがきによる損害の低減は反政府側への利点として訴えられますし、何より一番の優先事項のアサド政権打倒が前倒しされますから、メンツも立ちます。
政府側も公的な制裁から逃げられますから、メリット無しとは言えません。
うまくすれば、反政府側の後ろ盾の欧米も負担軽減になるので、乗ってくるでしょう。

Suica割 様
もう、和平の道は残されていないでしょう。
アサドは、さんざん虐殺してますから、どちらが生き残るかしかないと思います。

雪崩を打って崩壊する可能性があるので、私も、もう少し早い可能性があるのではないかと思ってます。
ただ、現地情報に詳しい人のブログを見ると、政権側はまだ堅固なようです。

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