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2012年12月27日 (木)

KDP出版記 その5 個人電子出版における価格

前回記事で、「黎明の笛」を100円から200円に値上げすると書きましたが、その結果を踏まえて、個人による電子出版の値付けについて考えてみます。

最初に、同じテーマで書かれた記事をチェックしておきます。
Kindleインディーズ本の適正価格は?」(togetter)

この記事はアマゾンがKDPのサービスとして、KDPセレクトに登録し、本の価格を250円以上にすると、印税として70%を受け取れるサービスを始める前の記事ですので、現在と状況が少し変わっていますが、趣旨とすると、紙の本の価格や、アフィリエイターが紹介してくれる際の利益を考えると、安すぎても良くなく200円から300円くらいが良いのではというものでした。

で、これらの情報を参考として、当初100円で売っていた「黎明の笛」を200円に値上げしました。

規約により詳細は書けないのですが、結果はと言いますと、販売部数としては、値上げ前の平均売れ行きの60%程度、値上げ直前のピーク週と比べると、40%程度にまで低下した事になります。

ただし、これは発売開始から1ヶ月が経過し、ブログ等で私と接触があった人には行き渡った結果なのかもしれず、果たして値上げだけが原因で販売部数が低下したのかは、正直読み切れません。

しかし、値上げ後もペースは落しながらも、コンスタントに売れていることを考えると、100円だからモノは試しに、ということで買ってくれた人が多かった事も確かなようです。

これは、出版社が売る電子書籍が、かなり古い作品であっても、かなり高い値付けがされていることと、関係があると思われます。
ブックオフで100円で売られている本が、電子書籍でも100円で売られ出したら、恐らくこう言った購買行動はされていないと思うからです。(みんなそっちを買う)

マンションの販売と同じで、今更値を下げると怒られそうなので、今のところ値下げは考えてはいないのですが、こう言った状況があることを考えると個人電子出版の価格については、Gene Mapperのように相当に認知が図られた作品以外は、値付けが難しいですね。

と言うのも、価格を250円以上に設定し、販売サイトをアマゾンに限定すれば、著者の受け取るロイヤリティが倍の70%になるプランを、アマゾンが始めたからです。
また、料率を詳しくチェックしていませんが、パブー経由でアマゾンから販売すると、受け取れるロイヤリティは高くなるようです。(ただしその場合は、パブーに定額の支払いが必要)

売り上げを上げようと思ったら、低い値付けにして数を捌くか、高い値付けにして利益を確保するかという、どんな商品でも考えなければならない命題にぶち当たる訳ですが、現物がないコンテンツにとっては、値付けによる振れ幅が大きそうです。

私の場合は、正直失敗したかな~と思っております。もう少し100円で売って、モノは試し派への浸透を図った方が良かったかもしれない。

ですが、第3版に向けて、大量の解説追加という手のかかる作業に追われているので、第3版をUPした時には、再度価格の見直しをするかもしれません。
これは下げるつもりなのではなく、どのみち、後はミリタリー好きの方しか手にしてくれる可能性は低いだろうから、手がかかった分は頂こうかなという発想です。
一部の方には、安過ぎるという評価も頂けることもあるので。

しかし、アマゾンの場合、囲い込まれているユーザーが多い反面、PCで読めない等、購入者にとって不便な点もあるため、KDPセレクトの縛りが解ける2月には、また販売方法を含めて見直すかもしれません。

今だ、悩み中です。

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コメント

BD/DVDの「初回限定版」と「通常版」みたいに、「解説入り」と「解説無し」で
値段を変えるとかどうでしょう。

それでいて両者併せてもワンコインの500円以内なら気軽に買い直せるの
ではないかと思います。

内容重視のコアな読者であれば、値段は100円でも500円でも中身が良ければ(気に入れば)購入するのではないかと思えます。

値段が安い場合は、『100均で手当たり次第にカゴに突っ込んで、商品名(作品名)すら覚えていないような買い方』をする読者の割合も相当数あるのではないかと思います。

後者の場合は、作品名や作者の名前すら覚えていなかったりするので次作もまた買ってもらえるかどうかは難しいかも知れませんよね。

でも100円でも500円(多分250円が妥当?)でも買う層は、次作も買ってくれる読者のような気がします。

紙の本と違って立ち読みが出来ないので(全部読むという意味じゃなくて、買う前にパラパラと雰囲気を掴む)、ネットの場合は表紙と作者本人からの紹介文、カスタマーレビューに頼る事になるので、どちらかと言うとそちらに力を入れた方が、コアな客(100円以上でも買う客)へのマーケティングになるような気もしています。

個人的な感想です

名無し 様
なるほど、2パターンに分ける手もありますか。
ただ、そうすると管理の手間も増えるので、ちょっと面倒でしょうか。

なんとか、解説の整備が終わったので、第3版としてUPしました。

純@LA 様
一応、ためし読みの機能は付いてます。
冒頭、どの程度かわかりませんが、適当なところまで、買わなくてもDLできるようになってます。
ためし読みをしてみようという所まで興味を引けるかどうかでしょうね。

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