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2012年12月 7日 (金)

H25概算要求-その3_消えた後方任用制度と防災要員

H25概算要求についての3回目は、ネタが多くはありませんが、結構重要な人事関係についてまとめてみます。

最も注目なのは、H24の概算要求に防衛省が入れなかったにも関わらず、財務省・民主党連合が予算にはねじ込ませた後方任用制度でした。

後方任用制度は、H24予算では「制度官庁との協議を23年度中に開始し、今中期防期間中において、可能な限り早期の制度運用開始を目指す」となっておりました。
この流れで行けば、H25は現中期防の中間年ですから、当然何某かの施策が入ってくるモノと予想されました。

ですが、公表された概算要求資料には、後方任用制度についての記述は見当たりません。
民主党政権の命運はこれまでと見切り、財務省にも盾突いて盛り込まなかったと思われます。
恐らく、今年度の検討の中で、やはり異論が多かったのだろうと思います。当然ですが。

新政権が、財務省の説得に負けて、再度ねじ込むことがないよう祈るばかりです。

人事関連のもう1項目は、援護に関してです。

内容に入る前に、詳しくない方には、「援護」について解説しないといけないでしょう。
自衛隊における「援護」とは、再就職の援護であり、退職する自衛官に再就職先を周旋することを言います。

H25概算要求では、「援護施策の充実」として、
自衛官の公的部門等への再就職に資するよう防災・危機管理教育を強化(0.2億円)
と記述されています。

9月末に「退職自衛官の地方公共団体防災関係部局における在職状況」の資料が更新されておりますが、本年3月の203名から更に増え、244名に達しています。

増え続ける自治体防災部門への退職自衛官の再就職ですが、何らかの教育が必要だとの認識になっているようです。
概算要求資料には、理由まで記載されていませんが、恐らく所属外の他幕の部隊について、知識が足りないのではないかと推測します。

陸・海・空の各幕では、それぞれ指揮系統などがかなり違うので、災害派遣においてもそれらの事を知らないと災害派遣についてアドバイスする上でも支障があるのだろうと思います。
実際、佐官級自衛官でも、統合運用される部隊に所属する経験でもないと、他幕の事は良く知らないことが多いです。

予算が2000万だけなので、箱モノではなく、自治体への再就職要員を集めて、集合教育等を行うのだろうと思います。

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防衛予算」カテゴリの記事

コメント

後方任用制度について:
だが防衛省も今の内に何らかの代案を用意する方が良いと気がします。

最も、士気等を盾として突くのは民間人側にとって困る。兵器の性能等なら不完全とは言えある程度シミュレーション等で理解出来るが、士気等なら理解できません。この時基本的に無条件で受け入れ、自分の案を撤回するが、無視して自分の案を押し通すしかない。

実際問題として、例え阿部政権の元、防衛予算は以前の5兆(これ以上はただの妄想でしょう)程度まで増やす事が出来たとしても、武器や燃料の値段は以前より増えた以上、人毎の人件費を何とかしないとやはりやってられない。

そして、もう一つの問題として、自衛隊の老年化は確かに進んでいます。年毎に経験を積んでいますが、ある程度超えると年毎の優勢が減っている。此れなのに金を食っている。

個人の事情と言う側を回すと、自衛官達は定年から年金を貰えるまでどうするがの問題です。特に曹クラスなら53歳で健康状態を関わらず首に成ります。今の制度じゃ年金は12年後です。自衛隊としても出来るだけ「援護」をしてますがやはり厳しいでしょう。それに、自衛隊から離れると、防衛関連の会社で就職出きたら別として、そうでないと今まで集めた経験は防衛に用は無い。

これなのに、防衛省側の案は積極性が全く足りないと言わざるをえない。例えば、幹部を若年化させる為に老年且つ高いのC幹を減る。じゃ、何人か減る?毎年70名。防衛省の熱意(の無さ)を感じさせます。(ネタは防衛力の人的側面についての抜本的改革報告書)

こんなんじゃ主導権を財務省に握らせでも仕方がない。実際財務省の案は以上示した問題に対し一つの解決案です。因みに個人にとってオーバタイムや転勤が減る事が出来(事務官扱いですから)、(幹部にとって)専門化の可能性も齎す。案外制度を設立したら、密かな希望者まで出るかも知れません。

もし士気の視点から反対するなら、防衛省もそれなりの代案を提出する必要が有る。ただ「座敷に踏み込んできた」等しか言わんじゃ、何れは似たような制度をねじ込ませるでしょう。

久遠さんはいい案が有りますが?

香港からの客人 様
確かに、後方任用制度は、民主党以前に、財務省が主導している制度導入ですから、消費税を増税しなければならない程の状況(と言っても、それを招いたのは民主党のバラマキ政策ですが)の中、導入圧力はこれからもあるでしょうし、経費を増やさずに戦力を向上させるためには何らかの施策は必要になってくると思います。

自衛官の年齢・階級ピラミッドの適正化については、後方任用制度とは別に対策が講じられていますし、そちらはそちらで進めるべきと思います。

幹部の若年化は、おっしゃられる通り、現状のプランは誉められたモノではありません。
A幹部の採用を増やすと同時に、途中で30台、40台で退職させて行く方向にしなければならないことは、多くの自衛官が承知しています。
ですが、日本の社会全体として、元自衛官のビジネスでの活用ができるという体制及び認識になっていないことから、二の足を踏んでます。

財務省も、防衛省の腰の重さに痺れを切らしただけなのかもしれません。

この当たりは、機会があれば記事として書きたいと思ってますが、以前にパイロットの飛行手当について書いたように、手段はあると思います。
それに、人事制度だけでなく、戦い方を変えれば、取り得る人事施策のオプションも増えると思ってます。
これについてもいずれ。

自治体防災部局への再就職希望者に危機管理教育
http://www.asagumo-news.com/news/201201/120110/12011009.html

集合教育実施されているようですね

元自衛官、現役自衛官の方々が沢山いらっしゃるここでこんな事を言うと反発も有るかと思うのですが、一市民の率直な感覚です(すみません日本に税金は払ってませんが)

自衛官の方々にとっては、自分自身が頑張って勉強や訓練を積んで来た成果だと思われていらっしゃるでしょうし、それは全く間違いの無い事実だと思います。
でも、やはりその経験や学びの場を個々の自衛官の方々に提供する為には税金が使われて来た事は確かなので、退官後は身に付けられた付けられた技術・知識・経験を私企業ではなく、自治体や公共団体などの災害対策等で活用して頂けると嬉しいと感じている一人です。

市民側からの感覚としては、退官後のベネフィット(恩給や福利厚生など)や、再就職支援という意味ではなく、あくまで税金で身につけた技術や知識を(私企業ではなく)公共で活用して頂けると嬉しいという感覚です。

アメリカの場合は、Enlisted(兵・曹)に対する再就職支援(及び学位取得支援)は、リクルートの時点から『ご褒美』として相当力を入れています。
(多分、4年毎の更新を1~2回繰り返す程度で、定年までは居ない事を前提としていると思います)

でも、士官は定年まで勤める事を前提としていて、定年後の再就職支援というのはあまり聞きません。
ただし、在任中の給料自体は民間に比べるとあまり高いとは言えないので、終身健康保険や恩給、退官後の有給予備役制度などのベネフィット(福利厚生)は充実しているようです。

知人で、ビジネス管理学修士(MBA修士号)を持つ元海兵隊中佐で、テキサスの在籍生徒4000人を越えるマンモス公立中学の校長を務めていた人が居ます。(これだけのマンモス公立中学となると、教育畑出身の普通の校長では管理しきれないそうです)

横須賀の海軍中尉を勤めて退官した30代後半の方が、LA郊外にあるWal-Mart(世界最大の小売業)、太平洋地区物流センターの副所長をされていました。
元海軍士官の経験は、巨大物流センター管理職に結構応用が利くそうです。

アメリカは退役軍人協会(全ての各軍、州兵、沿岸警備隊を含む)が再就職支援を行っているようですが、日本の場合は海自・空自・陸自合同の退官後の協会に当たる組織は無いのでしょうか?

全米退役軍人協会
http://www.rmoa.org/

SUS 様
情報ありがとうございます。
やっぱり予算規模からするとこんな所だろうなと思います。

純@LA 様
私も、自衛官として身につけたスキルが災害対策に使われるのなら非常に喜ばしい事がだと思います。

日本の場合も、任期制隊員である士に対する再就職支援は、かなり積極的に行なわれています。
ですが、曹や幹部に対する再就職支援は基本的に退官時に援護があるだけです。それまでのスキルアップ支援はありません。
ただし、年金等の福利厚生は民間よりも厚くなってます。

別のコメントでも書きましたが、自衛官の管理スキルは、民間でも役に立つモノだと思いますが、日本の場合、社会一般がそれを評価してない感じです。
所詮、士族の商法(急に不慣れな商売などを始めて失敗することのたとえ)としか見なされてません。
自衛官自身にも、退職後にビジネスで一旗揚げるぞという意欲を持った人もほぼ皆無です。

退職者一般に対する就職援護は実施されています。
その多くが自衛隊関連企業に対する天下りなので、最近は旗色が悪いですが……

数多さま
自衛隊の事は知れば知るほど興味が湧いてきます。
士と曹の壁に関しては、自衛隊はどちらかと言うと警察組織の階層に似てるのでしょうね。
曹と士の違いは、巡査部長と警部、警部と警視のように単なる階級の違いという意識なのかと理解しました。
警察組織も、警視正までは各都道府県所属の地方公務員で警視正以上からは国家公務員となりこれが自衛隊の『幹部(幕僚?)』に当るのかと思います。

以前も書きましたが、アメリカの場合の士と曹は工場などの正社員とパート職員ほどの違いがあり、そこに大きく高い壁があります。
兵から曹へはなんとなく昇進していきますし、尉から佐へも同様ですが、曹から尉への昇進はあり得ません。
学校教育も、教員免状と学校管理者免状(校長・教頭)は明確に違うので、教諭を100年勤めても教頭にはなれません(現場の長としての学年主任にはなれます)
学校管理職に就くには、学校管理学修士(教委によっては、教諭免状+経営(ビジネス)管理学修士でも可)の学位が条件になります。
ですから、学校管理学修士を習得すれば教諭経験3年の30代で教頭に就任する事も可能ですし、実際に私の友人は30代でテキサスの中学校の校長に就任しました。
(『教育学』修士では校長にはなれません。『管理学』の修士が必須)
管理学修士を取得しなければ、教諭から教頭(副校長・校長)への昇進はあり得ないのです。

そこで、士官の再就職先も、軍人としての能力よりも管理運営能力を高く買われた再就職先が多いのではないかと思います。(パイロットや情報系など特殊能力を持っている以外)
ただ、日本では元空自2佐が校長として再就職・・・となると、地元や左からの反発が相当強くなるでしょうね。

それとは別に、Enlisted(兵・曹)への再就職支援には力を入れていますが、経験年数も立場も確立した曹になると、退職して民間企業で働くのを怖いと感じる人が多いようです。

各州・郡・市の警察採用条件では、軍務経験者は優遇採用されているようです。
これは、軍からの再就職支援の依頼の結果というよりも、軍務経験者は警察官としても現場の即戦力になる優秀な人材として評価している結果のようです。
SWATチームなどは特にその傾向が強いようです。
消防士も軍務経験者が多数居るようです。
(ただし、どちらも曹からの再就職で士からの再就職ではないです)

警察ヘリパイロットは軍のヘリパイロット経験者も多いようです。
日本に比べると民間航空会社の数も比較にならないほど多いので、元空軍・海軍・州兵空軍(Air National Guard)のパイロットや現役予備役のパイロットも多いようです。
ただ、これらは特殊技術を持つ士官からの再就職ですね。

純@LA 様
曹と士は、制度的に結構違います。
曹に承認することが確約されて士として入隊する曹候補や曹候補士という制度もありますが、基本的には士は、定期の時限付隊員、曹になると全員終身雇用(といっても定年が早いですが)です。

曹士と幹部の間に制度的な壁があることも、アメリカと同様です。
試験を受けて幹部になる制度もありますが。

日本でも自衛隊を退職後、公募で校長になった方がでました。
日本も変わってきてますよ。

警察とも交流が出てますが、自衛隊から警察という例は、ほとんど聞きません。
実質年齢で無理だと思います。

すみません、正しい用語を知らずに会話が交錯してしまいました。
(でも、最終的に理解はしました。日本の場合には士から曹へ上がるにも壁が有るのですね。こちらはほぼ自動的に上がります)

曹はE5以上を指しているのは伝わっていたと思うのですが、士と書いた部分は、勝手に士官(Officer、尉官・佐官・将)を指したつもりでした。

推測すると、日本語で士と言うとE-1~E-4まで(隊士?)を指すようで、こちらだと、日本で言う士(E-1~E-4、Junior Enlistedとも呼ばれる)と曹(E-5以上最高位E-9)は、Enlistedグループとしてひとまとめなんです。

士官は『幹部』と呼ぶのですね。
各軍(Branch)で呼び名が違うので、各軍共通のE-1~E-9、O-1~O-10で呼ぶのはわりと一般的です。
(前回ご指摘のように、海軍のキャプテンO-6と他軍のキャプテンO-3じゃ3階級違っちゃいますもんね)

ご存知とは思いますが、ご参考まで ↓
http://www.militaryfactory.com/ranks/air_force_ranks.asp

http://www.militaryfactory.com/ranks/navy_ranks.asp

純@LA 様
そうですね。
士と士官では大違いです。
士は、士官の士では無く、兵士の士でしょう。

私などは、既に感覚的に使ってしまいますが、ものを書く上では気をつけた方がいいのでしょうね。

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