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2012年11月24日 (土)

アイアンドームの性能を実射画像から推定

ガザ地区からイスラエルに多数のロケット弾攻撃が行われ、IAFがアイアンドームによる迎撃を行っています。

今回、多数の動画が撮影されユーチューブにアップされているので、これらの画像を元に、アイアンドームの性能を推測してみたいと思います。

最も基礎的なデータが取れたのがアシュドットでの交戦画像です。

発射の瞬間から着弾まで、カットなしに映っています。

画像を手計測で測定したデータですが、発射からロケットモーターの燃焼完了まで17.1sec、発射からインパクトまで18.1
sec、インパクトから爆発音が聞えるまで22.4secでした。

発射地点のかなり近くから撮影されているため、爆発音の遅延時間から、アイアンドームが飛翔した直線距離を求めることができます。
22.4sec×340.29m=7622mとなり、これを発射からインパクトまでの飛翔時間で割ると平均速度が出ます。
7622/18.1=421.1m/sec(マック1.24)となりました。
かなり遅い速度となりましたが、ほぼ同じサイズのミサイルを使用する短SAMが、最大でマック2.4であるのに対して、燃焼時間がわずか5.5sec(by wiki)とされていることを考えれば、基本的に目標が弾道軌道
であり、空中での機動の必要性が低いため、弾体を低速度とすることで、飛翔の効率を高め、長射程化を狙ったのだろうと思われます。
また、他の画像を見ても、飛翔速度は、地対空ミサイルとしてはかなり遅めに見えます。

性能面で問題なのは、やはり射程です。
アシュドットの画像では、直線距離で7622mしか飛翔していません。
これでは、アイアンドームの防護範囲とされる150平方キロは到底守れそうにありません。

しかし、他の画像では、ロケットモーターの燃焼完了からかなりの時間が経過した後にインパクトしている画像がありました。

テルアビブでの交戦状況です。
発射の瞬間が分かりませんが、燃焼終了からインパクトまでの時間が8.47secであることが計測できたので、アシュドットでのモーター燃焼時間と合せ、25.87sec飛翔していたことになり、平均秒速421.1とすると直線距離にして10894m飛翔できる
とになります。

燃焼終了後は速度低下していることを考えれば、実際の飛翔距離はもう少し少ないでしょう。
その一方で、そもそも低高度用のシステムですし、前述のようにアイアンドームの飛翔速度自体が遅いので、PAC-3のように低高度だと射程が短くなることも少ないと思われます。
参考過去記事「PAC-3の射程とフットプリントの関係

とすれば、アイアンドームの射程と防護範囲は、高射隊位置から11km程であると思われます。
PAC-3とアイアンドームではフットプリントも形状が違うでしょうが、仮にPAC-3のフットプリントに当てはめるとこんな感じです。
Ws000206
このフットプリントを、正方形にすれば、概ね1辺12~13kmというところでしょう。
すると、面積は144~169平方kmとなり、150平方kmと言われるアイアンドームによる防護範囲と合致します。

データの整合が取れたので、今回の動画からの解析は、概ね正しそうです。
解析したスペック結果をまとめると、次の通りです。
 ・射程:約11km(後方にも防護範囲あり)
 ・ミサイル飛翔速度:平均でマック1.2(最大1.4程度か)

なお、このスペック(防護範囲)を小さすぎると感じる人も多いと思います。
ですが、イスラエルの状況を考えれば、十分なスペックです。

イスラエルの各街は、市街地が小さいので、この程度あれば十分だからです。
ガザに近い南部のアシュケロン、アシュドットやベールシェバ、レバノンに近い北部のアッコやナザレは、市街地の長辺が10kmもありません。
アイアンドーム1個高射隊で不安なのは、ハイファとテルアビブくらいでしょう。

これ以上の性能を求めると、無駄に費用がかかるだけです。
適切な要求性能に確実に答えたということだと思います。

バトルプルーブンになったことで、評価はうなぎ登り
になっていると思われます
韓国当たりは、本気で買うかもしれません。

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