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2012年11月20日 (火)

入間基地航空祭2012 その2

入間基地航空祭レポ第2弾は、個人的に興味のあった、警備犬の訓練展示です。
写真中心にしながら、先日書いた懸念の記事と絡めてお送りします。かなり厳しい事も書いてますが、これは自衛隊と警備犬に対する愛ゆえです。

なお、今年のレポは、今回で終りです。

以前は無かったと思いますが、ハーネスではなくジャケットを着せられています。
Img_7074
真っ青で、航空自衛隊のロゴ入り
どう見ても防刃には見えないので、警備用途では無用などころか邪魔なだけです。
間違いなく災害派遣用でしょう。
(米特殊部隊の軍用犬は、格闘戦での防護強化のため防刃ジャケットを着ることがあります)

最初の展示は服従訓練
Img_6991
一般家庭でも、この程度の事はやりますが、この段階で、そわそわした犬が見られ、早くも私の眉間に皺が寄ります。

続いて物品持来
Img_6994
これは、遊びレベルなので、展示をするような事だろうかと疑問が浮かびます。

少し本格的になったアジリティ
シェパードは、大型犬のため、必ずしもアジリティ向いている訳ではないですが、もう少しレベルを上げないと、警備でも災害派遣でも難儀しそうな気がします。
Img_6995
Img_7006
Img_6996
特にAフレームは、もう少し高いものを越えて欲しいところです。

次は、臭気判定
今回の展示で、唯一合格点を付けても良いと思ったのがこの臭気判定でした。
しかし、現場でどう応用するつもりなのか……遭難者の捜索をするつもりなのでしょうか。
Img_7011
Img_7014

ただし、バックに入れた臭気物の捜索は、ハンドラー随伴で行っていたので、ハンドラーなしではできないのだろうかと言う懸念も起きました。
Img_7025

続いては、人員の捜索
災害派遣での人員捜索の他、潜伏した潜入者の捜索もできるとのアナウンス
警備犬なんだから、順番が逆だろうに……
Img_7031
今回唯一のレトリーバーです。
Img_7032

ところが、1頭目は、うまく言ったものの、2頭目はハンドラーが付いて居ながら全く探し出せず。
Img_7039

アナウンスで笑いをとるものの……笑えない状況でした。

最後は襲撃訓練
犬が大好きな訓練だとのアナウンスが……
そりゃそうです。以前も書きましたが本能でやらせられる内容なので。
Img_7043
Img_7052
Img_7058

さすがに大型犬の襲撃は迫力があり、見ている観客からは、感嘆の声があがります。

ですが、私は敢えて言います。
はっきり言って、落第です。
これでは使い物になりません。
Img_7067

これ
以前に「横田基地フレンドシップフェスティバル2011 その2(警備編)」で書いた事ですが、本能で行う襲撃を、命令一下で襲撃を止めさせることに難しさがあります。
そして、それは実際に警備を行う上で、非常に重要な事です。

歩哨犬に不審者を襲撃させたい状況、それはまさに不審者であって、敵であるとは限らない状況です。
100%敵であれば、犬を使うなど面倒な事をしなくても、撃ち殺せばOKです。
つまり、犬を警備において使いたい状況は、過剰な攻撃を控えなければならない状況です。
当然ながら、その状況で犬に襲撃をさせたなら、状況次第で、命令を受けて襲撃を止めさせなければなりません。

その点で、今回の展示では、ハンドラーである警備職の隊員が命令をしても襲撃を止めず、強引に引き剥がさなければならない状況でした。
前掲記事で書いた、米軍との違いは歴然です。
これでは、相手が銃を撃ってくるなど、余程の事が無い限り、歩哨犬に襲撃を命じる事ができません。
結果として、警備の隊員が襲撃を躊躇せざるを得なくなってしまうのです。

以前の入間基地航空祭での歩哨犬展示では、襲撃の停止と同じように、訓練を入れることが難しい禁足咆吼なども行っていました。
入間航空祭レポート その2
残念ながら、レベルが下がっていると言わざるを得ません。

そして、このレベルの低下は、原因も分かっており、私は以前
にも懸念していたものです。
歩哨犬の災害救助犬としての活用に異論

犬だって、人間と同じようになんでも習得するという訳には行きません。
災害救助犬としての訓練を入れれば、それだけ警備犬としての訓練時間は低下し、警備犬としての能力は低下せざるを得ないのです。

私は、警備犬(用語が混乱していますが、今回の展示でも警備犬として表記されていたため、警備犬として表記しますが、内部では恐らく歩哨犬のままではないか?)の活用について、肯定派でしたし、今もそうです。
ですが、肯定派は必ずしも多くなく、金と労力がかかる警備犬なんてやめてしまえと言う人も決して少なくありませんでした。
恐らく、今もそうでしょう。

災害救助犬として訓練することで、警備犬として使い物にならなくなれば、警備犬不要論も強くなります。
警備犬の火を消したくない。
だから、厳しい事も言いたいのです。

先ほど、米軍とのレベル差があると書きましたが、彼等が購入している犬は、自衛隊の警備犬の10倍くらいの価格です。
ディープインパクト産駒と、競りでやっと値が付いて引き取ってもらえる馬ほどの素質差がある訳です。
米軍は、それであっても襲撃主体の訓練を行い、臭気判定でさえほとんどやってません。

災害派遣が本来任務になり、災害派遣訓練を行う名目は立つようになりましたが、それによって本来の任務に支障が生じるようであれば、訓練は集中して行うべきです。

ちなみに軍用犬については、過去にこんな記事も書いてます。
ビンラディン急襲作戦に軍用犬も参加

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コメント

災害派遣用の犬は大型犬ではなくて中型犬のほうが良い様な気もします。
警備には大型犬でも、災害の時には隙間にも入れる中・小型犬のほうが良いと思います。
大型犬に較べて飼育も容易だと思うのですが、大型犬の方が利点が多いのでしょうか。

イヌが部隊にいるという事は、ストレスを受けやすい隊員にとって(特に災害等の現場で)ストレスを和らげる働きが期待できます。
ですから是非続けて欲しいものですね。

米国の軍用犬のような使い方は、日本の文化(マスコミの反応等)や風土からみて難しいのではないでしょうか。
戦場に出す事はモチロン、警備犬としても果たして襲撃を止められるのか(ハンドラ―以外でも)は疑問ですね。

また、今の自衛隊には必要がないかも知れませんが、麻薬・薬物犬としても期待をしています。

みやとん 様
ちゃんと訓練した犬は、襲撃を命じた後、到達前に止める事さえできます。
もちろん、ハンドラー以外は無理です。
むしろ、ハンドラー以外の命令は聞かないように訓練します。

まともに訓練しようとすると、犬1頭につき、隊員一人くらいのマンナワーがかかります。
災害派遣用に犬を確保するのは諦めた方がいいと思います。

なんでも出来るがアマチュアレベルなら、一点突破のスペシャリストの方が良いです。
軍用犬として使うなら、不審者対象メイン、後は、爆発物対処に絞るべきです。
災害救助犬はそれように特別に訓練するべきです。
日本には、餅は餅屋、器用貧乏など説得に役立つ言葉に不足してません。

 「横田基地フレンドシップフェスティバル2011 その2(警備編)」の米軍の軍用犬の役目は明確で、警備兵の物理的な補助に特化していて、記事を見る限りでは犬の鼻を一切使っていません。
 それに対して空自の警備犬は・・・一体何をやらせたいんでしょう?
 臭気判定は、ゲートで禁止物の持ち込みを阻止したいのでしょうか。だとしたら空港の手荷物を検査する探知犬のように、覚えなきゃならない臭いは多岐に渡り、アジリティだの襲撃訓練だのやってる場合ではないでしょう。それとも警察犬のように侵入者の足取りでも追跡するのでしょうか。どの臭いを追えばいいかどうやって判別するのでしょう。都合よく遺留物でも残して貰えるのでしょうか。陸自ならまだしも、空自の基地警備で必要な仕事とも思えません。人員の捜索に関しては、基地付近に潜伏する不審者を警戒すると言う意味ではアリですが、そもそも前項の臭気判定とでは犬の鼻の使い方がまるで違います。臭気判定では犬は既知の臭いを探すのに対し、人員捜索では未知と言うか不特定の人間の臭気を漠然と探します。一方は下を向いて臭いを嗅ぎ分けるのに対し、もう一方は周囲を警戒して微妙な臭いの変化を探知します。失敗した1頭は、恐らくは前項の臭気判定の訓練が仇になって自分のすべきことを理解してないと思われます(犬の嗅覚なら潜伏している臭いの存在に気づかないとは考えられません)。
 空自の警備犬は犬=嗅覚のような安直な素人考えで犬の性質に対する理解も不十分なまま任務をあてがわれているようで、まだまだ運用が確立していないのかなぁと思いました。

軍用犬は知らないのですが、今夏LAPDの爆処理班の警察犬ハンドラーとお話する機会がありました。

この犬は、警察犬という位置づけではなく、爆処理班所属のOfficer(勤務中はLAPDの公式のバッジを付けます)という位置づけだそうで麻薬発見や人間への襲撃・追跡の訓練は全く受けていないそうです。
紙袋に入れた麻薬を床の上に置いてあっても素通り。
ただし、爆発物は臭いのキツイ食べ物や化粧品と一緒にスーツケースの奥にしまっていても発見するそうです。
同様に、麻薬取締り班に配属になっている犬は、麻薬発見だけの訓練しかしないそうです。
確かに、(人間の)鑑識は潜水や急襲、交通取締りの訓練はしないですし、逆にSWATチームはDeep Divingの訓練をしませんから、『専門部署への配置』という立場での訓練を受けるのだろうと思います。

ハンドラー曰く、「この犬は下手すると一般家庭の犬よりも落ち着きが無く言う事を聞かないかもしれない。
散歩に行っても、他所のお宅の犬は飼い主にピッタリ寄り添って、交差点では一旦止まってお座り・・・とカッコ良いのに、うちの犬はあっちへウロウロこっちへウロウロ、まったくしつけがなっていない犬の代表みたいにして歩く。
でも、爆発物を発見する能力だけは誰よりも優れている」と・・・・。

軍用犬とは予算などが大きく違いますが、LAPDの場合は殺処分されるような引き取り手の無い子犬数10匹の中から数日テストして適正を判断して選び、訓練を開始するそうです。
この時に、人間用(襲撃・追跡)、麻取班、爆処理班、廃棄(可哀想ですが)と振り分けられるようです。
犬は署の犬舎ではなく、ハンドラーの自宅で一緒に暮らすそうです。
(緊急出動要請の際には夜中でも一緒に飛び起きて車に乗せて現場へ)

以前うちで飼っていたドーベルマンは、フリスビーをキャッチしようとジャンプしている最中でも、Stop!あるいはStayと指示すると空中で静止してそのまま地面に落っこちていましたし、猫を追いかけて全速で走ってる最中でもStay!Down!Come !の指示で急ブレーキ、Uターン、全力で戻る犬でしたが、臭いは全く駄目でした。


みやとんさん
連邦麻薬取り締まり局(DEA)やICE(税関)は、ビーグルが主流です。
(戦わないですから)
これも結構、救済犬(引き取り手が無ければ殺処理)が多いと聞きます。
戦ったり追ったりする警察犬はやはりシェパードが多いです。

ご参考まで
LAPD本部警察犬隊(この中に先ほどの爆処理班警察犬は含まれていません)
http://www.lapdk9.com/teams

2頭の追跡専門
2頭の銃器発見専門
14頭のパトロール(対被疑者)
爆処理に何頭居るのかは聞きそびれました。

ちゃんと階級が付いています(Officer IIIは、平巡査ですから、ハンドラーが上司に当ります)

コネチカット州警察の警察犬初期訓練(14週間)のビデオです
https://www.youtube.com/watch?v=Qggea2_lgvU

Suica割 様
爆発物対処は、警備用途と比べて訓練が楽(訓練用の爆発物の管理が難しいだけ)なので、爆発物対処だけ、管理コストの安い中小型犬を配備するのは手かもしれませんね。

だ 様
入間基地は、歩哨犬管理班があるため、ハンドラーとしても高技量者がそろっているはずなのですが、この状態では先が思いやられます。
恐らく、もっと上級者(基群司令とか、団司令)で、犬の(使役についての)事を良く分かってない人が口を出したのではないかと推測しています。
震災のおり「警備犬を災害救助に使えないとはおかしいんじゃないか?」とか。
この記事を見て考え直してくれるといいのですが……

純@LA 様
臭気関係は、訓練自体は単純ですが、犬の素養の関しては、偏執的な性向があるくらいが優秀なそうなので、それこそ専門的にすべき部分でしょう。

STOPを聞くとは、お宅のドーベルマンはかなり優秀ですね。

入間基地の歩哨犬管理班も、横田のMPと交流があるはずですし、警察とも接触があると思うので、歩哨犬管理班自身が、こんななんでも手を出したりはしないと思うのですが……

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