ブログランキング&ツイッター

  • 軍事・防衛 ブログランキング
  • ツイッター

« 航空手当(パイロット手当)の見直し私案 | トップページ | 政治的配慮による800km制限 »

2012年10月15日 (月)

UHX談合疑惑は、トカゲの尻尾切りで決着へ

UHX官製談合疑惑は、担当者をトカゲの尻尾として切り捨てることで解決を図る方向のようです。
佐官級幹部らを刑事告発 防衛省、官製談合防止法違反の疑い」(産経新聞12年9月28日)

 防衛省が発注した次期多用途ヘリコプター開発をめぐる不正疑惑で、同省技術研究本部(技本)に所属していた佐官級幹部が、事業を受注した川崎重工業(神戸市)側に有利な取り計らいをしたとして、同省が官製談合防止法違反罪で、技本に所属していた佐官級幹部ら数人を東京地検特捜部に刑事告発する方針を固めたことが28日、関係者への取材で分かった。


この疑惑が、技本の佐官レベルで決定されていたはずはあり得ないので、これは完璧にトカゲの尻尾切りでしょう。

官製談合防止法の条文を見ると、処罰は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金となるようです。
今回の場合、部内の処分も、恐らく懲戒免職になる可能性が高いと思われます。
それでも、告発された佐官がケツをまくらないと見ているようですので、恐らく免職になった後、なんらかの形で、良い条件で再就職を周旋する約束をしているのでしょう。

こんな事を書くと怒られそうですが、私は今回の談合が、日本の防衛に害を与えているとは思いません。
防衛予算は少なく、防衛産業を育成維持するためには、生産調整は必要だろうと思います。

その配慮をどうどうと行い、指名競争入札でも支障がある場合は、従来のように随意契約だって良いはずです。
恐らく、随意契約を財務に説明しきらなかったのでしょうが、その付けを技本の佐官にさせることがマズイのです。

防衛装備の調達における入札については、防衛省、財務省、それに経済産業省の役人が集まって、防衛産業界からの意見も聞いた上で、あり方から見直す必要があるのではないでしょうか。

にほんブログ村 政治ブログ 軍事・防衛へ
にほんブログ村

« 航空手当(パイロット手当)の見直し私案 | トップページ | 政治的配慮による800km制限 »

防衛政策」カテゴリの記事

コメント

UH-Xはどうなるのですか?
もう一度選定し直すのでしょうかね?

>今回の談合が、日本の防衛に害を与えているとは思いません

んー、どうなんでしょうか
談合であれ、随意契約であれ、それがうまく機能するためには官民双方の意思の統一が肝要ですが
アパッチの件や偵察ポッドの件を見るとそれができているようにはあまり思えません
それに談合が発覚した時点で、UH-X計画の遅延が決定してしまいましたので、結果的に国家防衛に
害を与えたことは否定できません
それならはじめから競争入札を徹底して、その結果、仮に富士重が勝ったとしても、それはそれでよし
とした方がまだマシだったのではないでしょうか

というか、どうぜ川崎にしか作れないわけですからわざわざこんなこと
した意味がわからないんですよね。川崎として要求性能を先に知っておいて
少しでも早く作りたかったのでっしょうか?

いぬざめ 様
概算要求からも抜け落ちてましたし、適正な選定ではなかったということで、少なくとも、選定やりなおしでしょうね。
しかも、選定やりなおしとなっても川崎を入れられるのかは微妙な気がします。

名無し 様
談合発覚による、調達遅延は、確かに有害でした。
私の意図としては、事実上随意であっても問題ないと考えているのであって、こんなドタバタがマイナスでないと考えているわけではありません。

ナオ 様
川崎として取りたかったというより、防衛省(陸幕)として川崎に取らせたかった、あるいは富士外しをしたかった、というところだと思います。

>私は今回の談合が、日本の防衛に害を与えているとは思いません。

 おっしゃるとおりだと思います。『官製談合』などと言う尤もらしいレッテルのせいで悪いことをしているように見えますが、これは贈収賄事件ではありません(私腹を肥やした者がいるわけではない)し、不当に落札価格を釣り上げて国庫に損害を与えたわけでもありません。じゃあ何が悪いの?という話になると、川重が取るか富士重が取るかだけのようにも思えます。川重に取らせたかった防衛省側の理由を考えれば、川重が落札したという結果には問題ない筈です。問題なのは現実にそぐわない選定方法、入札方法の方でしょう。
 UH-Xに問題があるとすれば、それはこんな談合疑惑ではなくて要求仕様の方じゃないかと個人的には思っています(未練たらしくw)。洋上飛行とか双発なんて話はハイエンドのUH-60に任せて、単発で少しでも安くすべきだったのではないかと。

だ 様
UHXの要求性能について、航続性能については重要だと思います。
単発か双発かについては、単発にしたところで必要な出力は変わらないのですから、それほどコスト低減になるのか疑問ではあります。
メンテはやりやすいでしょうけれども。

競争入札は守屋事件以後、防衛省が導入したものですよ。
改革をしたふりをするために。

財務省を悪者にするのは筋違いです。

非は防衛省にあります。現実を見ましょうよ。

名無し 様
競争入札自体は、もっと昔からやってました。
こう言った装備に対してまで、競争入札にしなければならなくなった経緯には、確かに守屋事件もかかわってますが、財務からの圧力は昔からです。
防衛省は、やりたくて競争入札にしている訳じゃありませんよ。

競争入札を大幅に導入したのは守屋事件以後ですよ。

抜本的な改革をするのが嫌で、競争入札導入で改革のポーズをとった。
どうせ形だけなんだからと考えたんでしょうね。だからUH-Xみたいな事件が
起こった。全てを財務省のせいにするのは如何なものでしょう。

>私は今回の談合が、日本の防衛に害を与えているとは思いません。
>川重が落札したという結果には問題ない
私もそう考えます。AOH-1やその他の発展性(将来性)を考えましても、非常に波及効果が大きいのではないかと考えます。今はここでベースとなる機体を開発して導入することは間違いではないと思います

名無し 様
全てを財務省のせいにしているように読める文脈ではないと思ってますが、そう読めますか?

アシナガバチ 様
陸自空中機動のワークホースになる予定だった訳ですし、恐らく民間転用もされるはずだったのでしょうから、この事態は痛いですね。
果たして、何年影響が出ることになるのやら。

大方予想できたことですが、案の定、最も安直かつ最悪の幕引きとなりましたね。

本気で再発防止を図るのであれば、前回コメントさせていただいたように、民間では絶対に通用しない官公庁特有(防衛省のみならず、彼らが常に顔色を窺っている財務省や会計検査院を含む)の妙ちくりんな論理を捨てて一社随契に戻し、仕様策定や原価計算のメーカー丸投げを裏でこそこそやらず公明正大に制度化するか、あるいは戦前の陸海軍のように自前でメーカーを上回る開発・製造能力を獲得するかしかない(現実的には無理ですが)と思うのですが、どうやら防衛省には全くその気がないようですね。

先日の三菱電機の過剰請求事案でも、防衛省調査チームの長に原価計算課長が任ぜられたのを見て、思わず失笑してしまいました。
少々言葉は悪いですが、これでは窃盗事件の主犯格に事件の捜査をやらせるようなものです。
査定能力のない人間が仕事したふりをするために、メーカーに査定シロの分実績工数を水増し報告させているのは当の原計担当官なのですから。

このように根本的な矛盾にメスを入れず、毎度毎度安易なトカゲの尻尾切りでお茶を濁しているようでは、また数年後には同種の事件が起きることでしょう。
メーカー各社は過去数十年にわたり実態と乖離した防衛省の理不尽な要求に応え続けてきた訳ですが、昨今の防衛予算の減少を考えると、川崎重工や三菱電機のような納入額上位企業でさえ、そろそろケツをまくりかねないのでは・・・と心配になります。

ともあれ、今後の陸自空中機動力の根幹を担い、南西方面の島嶼防衛にも大いに活躍するはずであったUH-Xの戦力化が大幅に遅れることは避けられなくなりましたね。
防衛省は、この大きな穴を一体どうやって塞ぐつもりなんでしょうか。

数多様、アシナガバチ様

UH-Xが遅れた分は、何の心配もなく、一機31億円(H23概算要求)のUH-60JAを買えばよいのではないでしょうか?(正直ベース)何の問題もないと思いますが。

私自身がUH-Xにあまり気が進まないのは、その価格に不安を覚えるからです。15億円程度、すなわち、UH-60JAの半額であれば価値はありますが、例えば最終的に25億円くらいになってしまった場合は、悲惨です。OH-1は平均で20億円程度ですが、UH-Xは、その1.5倍の重量/エンジン馬力で、その代わり偵察装置などがない。

うーむ。たとえ100機生産したとしても、どう考えても単価が20億円を下回るとは、なかなか思えません。(<--ここの見積りは正直ベースで皆さんどうなのでしょう?)

開発費まで含めれば、価格だけでもUH-60JAの増産の方が良かった、となり、UH-Xは5t級、UH-60JAは9t級ですから、性能も完敗、というのが、私の考える「UH-Xに関する最悪のシナリオ」です。次点で悪いシナリオが「UH-Xは本来良いものができるはずだったのに、問題がこじれて実現しなかった」であり、最良のシナリオでも「一機20億になんとかおさまり、予定の7割(120?x0.7=90)機を配備して生産終了」です。

民生用に売れるという話もあり、夢はあります。が、US-2だって売れていません。(一番売れそうなのは、C-2か?)UH-Xは海自には全く使えない機体(小さすぎ)だし、海保はもうAW139とS-76C/Dを導入してしまいました。つまり、民生用に売れない限り、UH-X計画に未来はないと感じます。

ちょっと悲観的すぎて申し訳ありません。価格の推定について、私が間違っているなら良いのですが。。。「川崎重工に、当面のヘリ開発能力は残ったが、代わりに陸自のヘリ保有数はかなり減少し、防衛力に影響が出る」というのが、不安です。

うーん。

皆さんとちょっと違う所で、暗い気分のドナルドでした。

もう・・・ベル412でよくね・・・・実際、相当なアンパイです・・・

>UHー60JA

長距離飛行や特殊戦任務対応など、文句無しに対応可能ですが・・・コイツは「ライフサイクルコスト」で難有りという話もあります・・・

ぶーちん 様
護衛艦の衝突事故等においても、現場隊員のしっぽ切りで決着してますから、今回の事案でも、予想された結末でした。
これで士気が保てるのかは疑問です。

ドナルド 様
UH-60は、建て前的に無理があると思います。
何せ、UHXを必要とした理由がUH-60ではダメだからですので…

川重には良くても、防衛省にとってダメでは本末転倒ですから、懸念されていることはもっともだと思います。
良いモノを作ってもらいたかったのですが、さすがに回復不能ですね。

海族(悪者) 様
UHXの性能において、最も重視されるべきは後続性能だと思ってますが、ベル412でも足りてしまうんですよね。
まだ、方向性を占う情報が出てきていませんが、根本的に見直しでしょうから、可能性はあるでしょうね。

守屋事件は守屋次官が懇意の商社と随意契約をしろと迫ったのが問題であって、競争入札云々は全く別問題なんですけどねえ

ぶーちん様
んな事言われてもねえ…防衛省がそんな事を自分たちで決められるほどの権限がありゃ3流官庁なんて揶揄されてないですよ。

顔色をうかがうも何も、官僚の世界では財務省様が一番偉いのですから
文句は財務省にどうぞ

ドナルド様
1機31億円もする機体をやすやすと買えるなら確かにUH-X自体不要でしょうね。
そしてこれからもアメリカ頼み外国頼みで調達をすすめるならそうでしょうね。

そうでないからUH-Xであり、OH-1ベースの国産機なのではないでしょうか
ついでに言うなら、OH-1が20億と高価なのは、完全に新規開発であり、高価な観測装置を積んだ事によります。(調達が少ない事が更に一基当たりの価格を上げましたが)
今回はベースがあり、高価な観測装置もない汎用ヘリコプターです
(電子機器や観測装置を過小評価する御仁が多いですが、昨今の兵器が高額化するのはこういう所にお金がかかるからなのですよ)
つまり根本から「試算」の方向性がズレてます。

民生用計画はあくまで発展の話であり、それが出来ないからダメというのは根拠がありません
更に言えば大根じゃないんだからそう簡単に契約がまとまる話でもないですよ。
例に出てるUS-2でさえインド海軍との交渉は何年越しになるかという話

久遠様
UH-60JAじゃダメな理由が価格を上記も含めたライフサイクルコストです

まあ国産育成のための言い訳づくりもあるのでしょうが、一部の国産を毛嫌いする人の言うほど国産がダメで不利だとも、ちゃんと調べれば言えません。

そのまま外国から購入すれば部品や整備について不利になり稼働率が悪くなる(ついでに外国にお金が流れるだけでもある)
ライセンス生産を行えばライセンス料が上乗せされる
またライセンスの問題で独自の改良なども難しい

先進国はおろか、むしろそれなりの国力工業力技術水準を持つ国は必然的に自国開発に向かうのは必然ででしょう

名無し 様
UH-60JAじゃだめな理由がライフサイクルコストだという話は、それ自体は知っていますが、それが事実だとは思っていません。
C-2開発の必要性に対して、高速の輸送機が必要だと言ったことと同様に、開発ありきで理由を取って付けただけだと思っています。

もっとも、だからと言って、私は国産化には反対しません。
価格では見えてこないアフターサービスの質の点で、
国産>ラ国>>>輸入
ですから。

あくまで感覚ですが、輸入の倍程度の値段で済むのなら、国産の方がいいと思っています。

>UH-60JAじゃだめな理由がライフサイクルコストだという話は、それ自体は知っていますが、それが事実だとは思っていません。
>C-2開発の必要性に対して、高速の輸送機が必要だと言ったことと同様に、開発ありきで理由を取って付けただけだと思っています。

根拠が示されてないのであなたが思っている事はわかりましたがそれが事実だとは到底納得が出来ませんねえ

UH-60JAに限ってライフサイクルコストが無視して良い訳が無いので、実は高くないのでしょうか?
大体、この時点ではUH-60JAだけが脱落するだけで他の外国機は残っているし

C-2についてもですけど、高速性は例えばその後ブラジルのC-390や米国のAC-Xも要求や予定の仕様に入ってますし、それによって民間機と同じ路線を使える事はPKOや援助活動には有利だと説明されています。
それでも速度は開発ありきの為の仕様ですか?
層だと言うのなら根拠はなんですか?

日本が先駆けて実現するような機能は何でもかんでも不要視されるような風潮ではないですかねえ?
10式戦車も「諸外国の戦車は重いのに軽量化なんてする必要がない」というような論調が多かったですし

国産=高いってのがそもそも誤解なんですよ
民生品みたいに自由に公平に誰でも売買できる市場じゃそもそもありません。
大抵、比較の基準が間違ってたり、本国価格であって日本が導入する場合は高くなったりします。

一部の結果的に高価になってしまったものだけを差してそう言うのなら、外国にもそういうものは一杯あります。そんなものは日本では考慮にすら値しないので目立たないだけで

そもそも言うほど自衛隊が国産ありきなのか、メーカーや防衛産業がそれを望んでるか?
って所から始めるとですね、実際問題そうではないでしょう

そうなら今頃国産戦闘機に国産ヘリコプターが多数を占めてますよ
ミサイルなんかもそう(実際国産もあれば外国製もありますが)

単に技術力が追い付かないから、外国製の方が有利だから、と言うのなら、それこそ「要求を取ってつけた」りすればいい訳ですし。

メーカーの方も、名誉とか意気込みとか技術者への経験だとか言う事を考えれば取り組みたい気持ちもわかるんですが、それこそ汚職してまでとにかく目先の儲けがあればいいのなら外国から直接輸入は困りますがライセンス生産で全然問題ない。

どうせ国産機を開発しても武器輸出3原則があるから外国には売れないし民間向けは民間で共同開発や下請けがある。

実態は、場合によっては国産を前提にする事はありますが、それは過去に外国製で苦労した歴史があったり、03式中距離地対空誘導弾のように国際共同開発に開発参入出来なかった(挙句そのプロジェクトは今も開発中)りP-1の様に当時は米国のP-7が結局中止になってしまったように「国産にせざるを得なかった」ケースも多いと思いますが

名無し 様
高速性は、必要な機体規模に対して、”その当時”その高速性を実現できる機体がなかったので、開発する理由として最適でした。

PKOや援助活動のために、日本防衛では(尖閣や先島に)戦術輸送のために低空を(必然的に低速で)飛ばなければならない機体を買うなんて不経済です。
現在も行っているチャーターで十分です。

国産云々については、別に反対してませんよ。

「その当時は」それしかなかったのに今は違うという事は、その要求は
必要ないし有用であって空自の先見の明を証明する事にはなっても、あなたの言うような憶測の傍証にすらならないと思うのですが

>
PKOや援助活動のために、日本防衛では(尖閣や先島に)戦術輸送のために低空を(必然的に低速で)飛ばなければならない
>
これも意味不明ですよ。PKOや援助活動のためにする事が何故先覚や先島に低速で飛ばなければならない必要があるのか

PKOや援助活動が無ければ先島や尖閣諸島に高速で回せるのか?
先島や尖閣諸島では高速性が生かせないと言う意味(その根拠は?何故低空で飛ぶ必要がある?)であっても、では少なくとも既存C-1やC-130、その当時に存在していたほかの選択肢ではそれはもっと有利なのか?

大体、下手したら固定翼の輸送機なんかはなからおろせないような島もあるんですが…(逆に下ろせるような島なら大抵は下ろせる)

>チャーターで十分
あなたはそう思ったのでしょうが空自は違うという事でしょ。
PKOや援助活動も立派な任務

どちらかをやってれば他はどうでもよろしい、と言うわけではないでしょう。
大抵性急に不要論を言い出す人はこの観点が抜けていることが多いです。

民間チャーターって言ってもロシアのAn-124ですからねえ

そもそも不経済と言うなら有事はそんなこと言ってる場合じゃないし、PKOや援助ならC-130を複雑な経路で乗り継ぎ外国機をチャーターする方が不経済

もうひとつ言うと国内の基地間の連絡輸送するのも重要な任務です

輸送機と言うのは空時の足ですから有事だけ活躍すればいいというものでもありませんよ。

名無し 様
ちょっと日本語が拙かったですね。
日本防衛では(尖閣や先島に)戦術輸送のために低空を(必然的に低速で)飛ばなければならない機体を、PKOや援助活動を理由として高速性”も”必要とすることは不経済だ、ということが言いたかったことです。

>PKOや援助活動も立派な任務
立派かどうかはどうでもいい話です。
問題は頻度ですから。

チャーターは別にAn-124に限る必要はありません。
今までの日本の配備機体に対して、An-124がニッチだっただけです。

基地間の定期便・特別便は、訓練も兼ねて行っているだけで、無ければ全量民間委託でも可能です。
実際、結構な量が民間委託で輸送されてますよ。

大体において、基地間の定期便・特別便が運んでいる物資は、ほとんど空自の需要です。
陸・海だって需要があるにも関わらずです。

名無し様

UH-Xにやや否定的なコメントを書いている者として、肯定的な意見をお聞かせいただいて有り難く思います。

元々は、UH-60では運用を含めた経費が高すぎて数が確保できないので、UH-1Jと並行整備したと理解しています。UH-1Jは確かに簡素で安価なヘリであり、UH-60JAとは異なる利点があることは、(一般国民の一人である)私にも分かりやすいです(それで良いかどうかは別の話)。

私の疑問点は、UH-XがUH-1Jと比較してかなりハイスペックなことで、(開発費、維持費を含めて)UH-1Jと同じ価格で整備できるとは思えないことです。同一価格にできるなら、そのからくりは何なのでしょう?実は、UH-Xの開発が決まった直後に、軍研だった思いますが、UH-Xは高性能ゆえ価格上昇しても良い、という趣旨の記事を、陸自OB?が投稿されておりました。私の不審はここから始まっています。これが本当(あるいは「本音」)だとすると、UH-60JAより大幅に安いという前提が崩れ、UH-Xはその存在価値を失わないでしょうか?

コストが増えたら、昨今の財政事情を考えれば、予算が増えるはずもなく、単に調達数を削るだけです。OH-1は7億円で250機=1800億円(この算定額も根拠がよく分からない)の予定が、20億円で34機=700億円で調達終了となりました。OH-1のスペックからして、20億という値段がむちゃくちゃ高いとも言えないと思います(高いには高いでしょうが)。つまり。悪いのは(防衛費が少し減ったことではなく)、要求スペックが高度なのに、単価が20億円になることを最初から想定していなかったことです(まあ、後知恵ですが)。

UH-Xは、主力輸送ヘリです。OH-1の二の舞になると、自衛隊の輸送力そのものが大打撃を受けます。全て陸自に、いや我々に、跳ね返ってくるのです。陸自は本当に欲しいのは何なのでしょうか?UH-Xのハイスペックは本当に必要なのでしょうか?(UH-60JAがそこそこの数あるのに)。要求は陸自がよく考えて策定しているのだと思いますが、整備すべき数も同時に策定しているはずです。その実現にかかるコストは、陸自予算で耐えられるのでしょうか?(空自、海自が、予算を割くことを約束するとは思えないし、防衛費を増やすと財務省が約束したとも思えない)

まあ、批判だけしても意味がないので、蛇足ですが、私が考えているのは、
・UH-1J後継として、UH-Xをやめ、UH-60JAを増やして(+50機。現有31と合わせて80機)対応する。チヌーク55機と合わせてそこそこの輸送力。軽ヘリは、連絡用と割り切ってエンストロム480Bを少数(+30機)増備。観測は無人機へ。
・UH-1J後継として、BK117C2/EC145 (or EC145T2)を100機整備し、UH-60JAを20機ほど増備(現有と合わせて50機)。エンストロムは練習用の30機だけとする。観測は無人機へ。

お分かりと思いますが、いずれも、米陸軍の「まねっこ」戦略=安全確実低利回りです(笑)

旧型機だから安い、新型機だから高いとは限らないし、運用経費も新型の方が例えば燃費は相対的に良いので安い場合だってある。
高性能=高いとは限らない訳です。
無論新規開発のリスクはありますが(かといって既存であればリスクがないと言う話でもない)

>UH-Xの開発が決まった直後に、軍研だった思いますが、UH-Xは高性能ゆえ価格上昇しても良い、という趣旨の記事を、陸自OB?が投稿されておりました

まずその方の意見が陸自の本音とは限りませんし、陸自OBだったとしてヘリコプターが専門かどうかはわかりませんし、詳しい立場にいたとしてどういう文脈で言ったのかも詳しく知らないので何とも…

常識で考えて高くなるのを許容すると言ってもUH-60と同じかそれより高くなると言うのは流石に論外でしょう

>UH-Xのハイスペックは本当に必要なのでしょうか?
必要と陸自は言ってる訳で、不要と考える根拠をください

不要なら更にハイスペック(ハイコスト)なUH-60も不要なではありませんか?
そこそこ数がある、と言っても30数機では頻繁な輸送は耐えられないでしょう

UH-60jaは概算要求でざっと調べたあたりでも
※単位は平成年度、機数が書いてない年は1機円

12年3機101億、13年2機68億、14年2機71億、15年度37億、16年37億17年48億、18年50億、18年51億、20年44億、21年度40億、22年3機95億、23年度2機61億、24年37億、25年39億
(ただし、19年度2007年はは20年度の資料では調達がゼロになっています)

安い年度で1機30億もしますし、高い年度だともっとします
最近だと複数調達で31~2億、1機調達で30数億と言う事ろでしょうか。(21年度以前は一機だと40億以上の年が数年続いてます)

見てわかるとおり凄い高価で一機しか調達してない年度が多数である事がわかります。
UH-Xが2~3機買えますから、50機買う予算があれば100数十機は買えるでしょうし、このペースだと50機揃うのに何十年かかるのでしょうか。その前に現行調達の初期UH-60すら寿命が来そうです。

BK117C2/EC145はUH-1Jよりも小型で搭載量も少ないです
米陸軍はBK117C2/EC145をラコタとして採用しましたが米本土州兵向けという性格が強いです

観測が無人機なのはOH-1が打ち切られたのにもかかわらずOH-Xが登らないことからして無人機でと考えてる可能性はありますね。現行全て無人機でやるのはそれはそれでリスクですが、既存観測ヘリとの併用ならば有用かもしれない

>米陸軍の「まねっこ」戦略=安全確実低利回りです(笑)
米陸軍が最適とも限らないし、米陸軍にとっての最適が陸自にとっての最適とも限りません
米陸軍は高価なUH-60やもっと高価なヘリを沢山持ってるんですよ。
米国製装備は当然本国価格ですしそうでなくても大量調達できるのでバーゲニングパワーもある

極端な例ですがコマンチに1兆円近くかけて結局採用しないなんて同じ観測ヘリOH-1なんかよりずっと
大失態と言えそうですが、こういう事が良くあるのが米軍でもあります

そう言う「外国の軍隊がこうしてるからそうしろ」的な論理は大抵疑問です
本当にそれで良いなら素人がそう言う前に自衛隊幹部がそうする筈だ、とも考えられるし、そうしないのは制約があるか、日本には合わないかできないかもっと良い方法があるかではないかと考えた方が理屈に合うからです。

(まあ米国と同じだと今度は米国の猿真似だいいなりだ、と批判されるんですけどね)

>訓練も兼ねて行っているだけで、無ければ全量民間委託でも可能です。
>実際、結構な量が民間委託で輸送されてますよ
…それこそ有事の時に基地間輸送も民間委託する訳ですか?

>チャーターは別にAn-124に限る必要はありません。
どうして?根拠は?じゃあ何故An-124を使ってるの?

>立派かどうかはどうでもいい話です。
>問題は頻度ですから。

頻度なら「今まで一度も起こってない尖閣有事」よりもずっと頻繁だって基本的な事すら見落としてるんじゃないですか?

なんかそのものいいを見てると本当に「どうでもいい」としか思ってないようですが…
「立派な」とは「重要である」任務のことであってどうでもよくなんかありません

そして結局、じゃあ何故「必要のない」高速性を米国の次期輸送機派要求するのでしょうか?
米国なら既に既存輸送機もあるから必要性をでっちあげる必要はありませんね?

尖閣先島だと固定翼輸送機すら着陸できない小島もあるって事にも答えてませんね?

名無し様

お返事ありがとうございます。

おっしゃる通り、どの国/会社を見ても、ヘリの開発は難しいのだな、という印象を受けます。

つまり、12-14億の調達価格の見込みで、UH-X同等のヘリを開発したとして、アメリカも成功しないのではないでしょうか?(実際に失敗例が多くある)。私は、私見として、残念ながら、日本も成功しないだろうと思っています。これは、「陸自+技本+川重」の見積りを信頼するか否かの問題なので、名無し様のご意見=「根拠を示せ」にお答えする方法はありません。私が知っていることは、単価7億円で計画した3.5t級のOH-1が、20億円に高騰した、という事実=実績です。

> 常識で考えて高くなるのを許容すると言ってもUH-60と同じかそれより高くなると言うのは流石に論外でしょう

はい。厳密には、5t級のUH-Xですから、9t級で格段の後続力も持つUH-60JAと比較して、「開発費込みの調達(+運用)経費が30*5/9=16.6億円よりも高価であれば、UH-60JAの追加調達に劣る」ということです。

言い換えると、UH-Xを「開発費込みで16億に収める」ことが、UH-Xの存在価値を決める境界線であり、それが担保できないなら、調達を中止すべきではないか、ということです。16億に収まるなら、(もともとの「UH-1J同等価格」という約束が守られていませんが)、まあ、国産だし良いのではないでしょうか。ただし、予算総額は増えない前提で考えれば、調達数が減ります。

UH-Xの開発の継続に強くは反対しませんが(中止にも反対しませんが:笑)、常に、調達数も考慮した現実的な資金計画を検討し続け(その情報を公開しつづけ)、一機当たり16億を超えそうなら、開発を中止する前提で進めるべきです。(そんなに高価格になるなら、UH-60JA統合の方がまだマシではないかと思われ、しかもそれを実行できる体制にあるから。)

>(スペックについて)必要と陸自は言ってる訳で、不要と考える根拠をください

根拠はありません。単に、「陸自の要求するスペックで、陸自の要求する価格のヘリは、存在しないのではないか」、と疑っている、というだけです。反対に言えば、「開発費込みで16億円以下」にできる根拠も、現時点では存在しないと思います。

スペックを大事にして価格が(16億を超えて)上昇するなら、UH-60JAを増産する方がよい。価格が大事なら、スペックを落とすしかありません。この場合、日本のメーカー=川重が深く関わっている機体で、航続力はそこそこで、搭載力の劣るBK117C2は、一つの候補ではないかと思います。(ベル412でも良いですが、誰が製造するかを考えると、、)

なお、UH-60JAの調達は遅々とした歩みですが、それは並行してUH-1Jを、(例えば平成8-18年で)平均4.5機/54億円ずつ調達しているからでもあります。UH-60JAに統合していれば、各年平均 +2機の製造が可能で、単価も30億を切るでしょう。私の「対案1」の調達機数は、これを前提にしています。スペックダウンUH-X'を織り交ぜたのが、「対案2」です。

>「外国の軍隊がこうしてるからそうしろ」的な論理

になったのは、偶然に過ぎません(正確に言えば、陸自がUH-60JAを採用し、アメリカがBK117を採用した結果の必然)。

>本当にそれで良いなら素人がそう言う前に自衛隊幹部がそうする筈だ、とも考えられるし、そうしないのは制約があるか、日本には合わないかできないかもっと良い方法があるかではないかと考えた方が理屈に合うからです。

そうであって欲しいです。技本と陸自の意向が、「長期的な資金計画を含めて」、一致しているかどうか、私は確信が持てません。当然、根拠は「過去の失敗例=OH-1」だけですが(苦笑)。

*公平のために言っておくと、10式戦車の価格管理は、そこそこうまく行っていると思います。74式はダメでしたが、90式はまあまあ世界と戦える価格で、10式は十分世界と戦えそうな価格、と、私見として、考えています。89式ICVは(OH-1に匹敵する)ダメダメでしたが。。。

*なお、OH-1もヘリの技術として、大失敗というほどの確信はありません。ただ、プロジェクトとしては、スペックと整備数と資金計画との整合がなく、間違いなく大失敗と私は考えています。

ドナルド 様
米陸軍のまねっこは、確かにババを引く可能性は低くなりますから安全策だと思いますし、UH-60JAとUH-Xの2機種体勢と比較して運用コストはそれほど高くならない可能性もあります。
ですので、UH-Xが転けてしまった以上、その選択肢も陸幕の頭にはあるでしょうね。
ただし、ヘリの国産能力をどうするかという問題はあります。

おっしゃるとおり、コストを抑える(具体的な金額は別として)ことがUH-Xの存在価値です。
何せ、それが開発理由だったのですから。

名無し 様
基地間輸送は、有事こそ民間委託される比率た高まります。
平時は、空自輸送力のほとんどが基地間輸送に当てられている訳ですが、有事は前線への物資輸送や空挺降下に投入されるため、通常の基地間輸送を行うことはできなくなりますので。

何故An-124かと言えば、あのサイズが日本にはなく、安かったからじゃないでしょうか。
輸送関係にはあまり携わらなかったので、金額比較については聞きませんでしたが、サイズが重要だったとは耳にしました。

米国の次期輸送機が高速性を要求することをもって、日本の輸送機が高速性を必要とするとのロジックは、ヘリの選択に関する論と矛盾してますよ。
C-17もかなり高速ですが、完全に後方空域を、それこそ大陸間で戦略輸送するからです。

ドナルド様および久遠様のヘリに関する話
全備重量当たりの価格なんて乱暴すぎますよ。
それならばCH-47の方が有利だ。そっちに一本化しろとでも言えば馬鹿さ加減が伝わるでしょうか?

元々全機UH-60で置き換える計画だった、だけどもコストがかかりすぎるから無理だ、それで既存UH-1J
と併用する。そしてUH-1Jの寿命が来たのでそれを置き換えると言う話なのですから、富士重工案との比較はまだしもUH-60は既に一度無理だって話なんですよ。
UH-60の9トン性能があれば定数を減らしても何とかなるんなら既にそうしてますよ。

OH-1だけ「失敗」について難度も言及するほど拘ってらっしゃるようですが…そんなに他人の「失敗」を論うのはいい趣味だとは思えませんね。個人の自由ですが
少なくともそう言うのに付き合うつもりはありません。

戦車やましてや89式ICVについてはどんどん話がズレるので深くは言いませんが、「世界と戦う」と言っても戦車でオリンピックやる訳じゃないし輸出する訳でもないので不適当です。

「戦える」様な価格になったのはかっては(西)ドイツやアメリカが冷戦期に大量生産していて今はそうじゃないというだけですし
(戦車も軽量化なんて何処の国もやってないから不要だ。新開発の為のいい訳だ。という論理で批判された事がありました。が、それは当時ですら誤りです)

久遠様
>基地間輸送は、有事こそ民間委託される比率た高まります。有事は前線への物資輸送や空挺降下に投入されるため、通常の基地間輸送

だからその「前線への輸送」も前線に基地に輸送するということですよ。
「通常の基地間輸送」と言うのがどこまでを指すのかわかりませんが、決して雑務と言う訳でもないし
前線への輸送と言っても、戦場に直接降下なり投下するだけが輸送機でもない

日本の場合でいう有事とは、日本国内で戦闘行為が起こったと言う事でもあって、何処までが安全な後方と言えるのかすらわからない

そもそも民間パイロットや労働組合が拒否する可能性だってある(現にそういう事があった)し、外国は論外でしょう。協力を取り付けたとして陸・空自の軍用車両を乗せられる物理的なサイズとスペースがあるか…

>サイズが重要だったとは耳にしました。
そう、「サイズ」が重要なのです。「重量」では無くて
一般的な民間旅客機ベース貨物機ではダメな理由です。

>米国の次期輸送機が高速性を要求することをもって、日本の輸送機が高速性を必要とするとのロジックは、ヘリの選択に関する論と矛盾してますよ。

具体的に何処でしょうか?
ヘリに対する要求と固定翼輸送機は全く任務も要求も異なるので同じとは言えません
米国とは事情が違う、という点でしょうか?

しかしそれならばそもそも下記の
>C-17もかなり高速ですが、完全に後方空域を、それこそ大陸間で戦略輸送するからです。

これは誤りで
米国時期輸送機はC-130代替つまり戦術輸送機であり、グローブマスターの話とは全く異なり、C-Xの話と同じです。

つまり米国の事情とそこまで異なる訳でもありません。

名無し様

申し訳ありませんが、UH-Xの仕様で、コストが幾ら以下なら良いのですか?

もともと12億円で120機作る予定として、20億になれば72機しか作れません。私が言っているのは危機感であって、他人の失敗を願っているのではありません。いま、陸自のヘリが、我が国の空中機動力がピンチなのです。

なにやら不平屋と勘違いされたので熱く語ってしまいましたが(笑)、名無しさんのコメントも別に正しいと思います。私が言いたかったことは、UH-Xの最優先課題は、双発なことでも行動半径が長いことでもなく、価格である、ということです。(私見で言えば)「開発費込みで120機製造で単価16億円以下」を守るためなら、行動半径が20-30 km縮んでもよいのでは、と言っている訳です。オーバーホール時にエンジンを改良型に換えれば(エンジンの寿命は機体より短い)、その程度は取り返せる。

これを達成できれば、ライセンス生産でも国産でも構いません(輸入はダメでしょう)。UH-Xを開発するのであれば、コスト意識を最優先にしっかりやって欲しい。やれるというなら、やってもらいましょう。川重の社運をかけて、安価なヘリを作っていただきたい。でも価格が高くなってしまったのなら、UH-60JA統合の方がよいのでは?兵站も簡素化しませんか?

私は開発担当者ではなく、陸自関係者でもなく、国民と言う名のステークスホルダーです。私が必要だと感じるのは、高性能の機体でも、100%国産の機体でもなく、「安価でそこそこの性能を持ち、100機を越える多数を整備でき、国内で製造/整備できる機体」です。それがUH-Xの関係者に(もし)伝われば、それで良いと思ってコメントしています。(私は所詮、軍事の素人ですが)

ところで、「全備重量当たりの価格なんて乱暴すぎる」というお話は当然です。ただし、CH-47とは全く異なり、UH-60JAは本来UH-1Hの後継として開発された機体で、やや重なるところがあるので敢えて重量比を提案しました。「16億」に皆さん異論はあるでしょうが、一つの指針を示しただけです。なお、当然ですが、本来この「守るべき価格」は12億円。つまり陸自からは、UH-Xには、UH-60JAの1/3の価格であることが求められています。私は1/2ならいいんじゃないの、と言っている訳で甘いです。(笑)

名無し 様
最初にお願いですが、頻繁にコメントを頂けるようなら、何らかのハンドルをおつけ下さい。
他の方と識別が困難ですので。

基地間輸送の件ですが、海自の輸送艦保有状況を考えれば、同じ事が言えるのは分かって頂けるのではないかと思います。

輸送機のサイズが問題ですから、C-2が実戦可動し始めても、チャーターが継続する可能性もあります。

>具体的に何処でしょうか?
「米陸軍が最適とも限らないし、米陸軍にとっての最適が陸自にとっての最適とも限りません」

C-17は、戦術も戦略も請け負う発想で作られてます。
(高高度での)高速性が必要とされるのは戦略輸送の方です。

とりあえず仮につけておきました

ドナルド様
そもそも1機当たりのコストだけ執拗に拘る事がおかしいと言ってるのですが伝わってないようで…

ライセンス料やら設備投資は、1機当たりいくら、と計上するのではなく、結果的にかかった費用を1機当たりにコストとして載せているわけで、実際は「かかった総経費の分割払」いみたいなもんです

>もともと12億円で120機作る予定として、20億になれば72機しか作れません
んわなけない。これも乱暴な話で、じゃあ10億まで抑えられれば144機作れるわけでもない
寧ろ120機作る予定だったとして72機しか作れなかったら12億で出来ないかもしれないと言った方が正しいし、逆に作ってからの経費は少ない分安くなる

>「米陸軍が最適とも限らないし、米陸軍にとっての最適が陸自にとっての最適とも限りません」
>C-17は、戦術も戦略も請け負う発想で作られてます。
高高度での)高速性が必要とされるのは戦略輸送の方です。

だから
>米国時期輸送機はC-130代替つまり戦術輸送機であり、グローブマスターの話とは全く異なり、C-Xの話と同じです。

と書いてる。それでも納得していただけないならブラジルのC-390も各国にC-130の後継機として売りこんでいる事をつけたしておきましょうか?

そもそも「空自の要求仕様について」の話なのですから、米陸軍を真似しろ、と言う話とはまったく違います。少なくとも久遠様がいうような「C-2を開発するための言い訳」なんかでは無いと言いたい為です。

そもそも搭載重量30トンクラスの輸送機と言う時点でグローブマスターでは大きすぎてC-130では小さすぎる。(ついでにKC-767は軍用輸送機としてメインに使うには給油機能をオミットしてもスペースの問題がある)
A-400Mは計画段階で欧州機でプロップファン4発でリスクも高いと問題が一杯

>海自の輸送艦保有状況を考えれば、同じ事が言えるのは分かって頂けるのではないかと思います。

軍用含む車両を運べるだけの容積と施設が揃っている海との事情を混同してはいけませんよ。
民間でも重量がある車両等を陸揚げする必要がある船と、民間の場合、重くてかさばるものはそもそも非公費で運ぶなんて不経済ですから

ハンドル用 様
130代替のことでしたか。
それこそ、「米軍がやるから正解」論みたいですね。
私はそれが正しいとは考えません。

C-2に限らず、自衛隊が新規開発を行う際には、その手の建前論的言い訳は良く使われます。

輸送艦の件は、何か根本的に勘違いされてますね。
海自の輸送能力については、等ブログでも何度か言及してますが、極めて貧弱です。
つまり、有事は民間能力に頼らざるを得ない訳です。

ハンドル用様

お返事ありがとうございます。

私も是非、ライフサイクルコスト(LCC)で考えたいのですが、残念なことに、UH-Xのそれは公表されていない(と思っていた)のです。やむなく、「120機で一機当たり調達費16億」という言い方をし、時折「(+運用経費)」と書いているのはそのためです。つまり、「調達費に対するLCCが一定倍である」という前提をおいておりました。

で、そう思って調べてみたら、www.epco.mod.go.jp/about/pdf/22lifecyclecost_houkokusyo.pdf UH-XのLCC、にありました。(済みません!)

これによると、150機調達の場合、調達価格は1機あたり11.4億、LCCに占める調達費の割合は、40.5%だそうです。他のプロジェクトと比較して、調達費が安く、運用費が高い = おそらくは逆で、UHなので機体が簡素、ということでしょう。これの UH-1Jバージョンと、UH-60JAバージョンが有り、毎年更新してくれれば、今後の議論をする上で、よい足場を提供してくれると思います。

とりあえず分かったことは、現状、UH-Xに4240億円投入する予定であり、調達単価は11.4億円(安!)、20年の運用費は16.8億円を想定している、ということです。この通りの価格で行くなら、もちろん悪くない。ただし、UH-1J(実績)およびUH-60JA(実績と見通し)の情報があって、直接比較できると、良いと思います(注*)。

調達価格「だけ」が、16億円に値上がりすれば、総額を固定すると、150 --> 129機(15%down)になります。運用費も比例して上昇すれば(大いにあり得る)、150 --> 107機です(3割down)。

もともとの総経費 4240億円の根拠、LCCに含まれる内容、見積もりLCCと実際のLCCの比(値上がりするのが普通)が不確定ですが、まあ、素人が現時点で追える範囲では、こんなもんでしょうか。。。やはり、UH-1Jバージョンと、UH-60JAバージョンのLCC資料が欲しいですね。。。

注*:実はUH-60J改の救難機では、40機で20年のLCCが1900億円という数字が知られていますが、調達価格とLCCの比が1.7倍ほどしなかく、何かがおかしい。おそらくは同じ基準でない。

長々とお騒がせし、失礼しました。

>130代替のことでしたか。それこそ「米軍がやるから正解」論みたいですね。
何がそれこそなのか

議論の形式をもって揚げ足取りがしたいのならともかく、その中身も読んでくださいよ。

「それこそ」あなたがおっしゃったように(日本にはなくて米国にはある)グローブマスターも高速なのに
何故必要なんでしょうねえ?
あなたの理屈が正しいのなら高速性は必要ありませんよねえ?グローブマスターに任せりゃいいんだから

だからせめて根拠を示してくださいよ

>C-2に限らず、自衛隊が新規開発を行う際には、その手の建前論的言い訳は良く使われます。

「後から」って何回も言ってる筈ですが
当時計画があるかどうかもわからない米軍輸送機の要求仕様を空自が知る訳もない

前提条件から間違ってるとわかっても尚
どうしても「言い訳」と言う事にしなきゃ気が済みませんか?
そこがどうしてもあなたの譲れないポイントですか?

余所にそういう事例がない→無駄だ、言い訳論だ
余所に事例がある→言い訳論だ

何でもかんでも「タテマエロンだ、イイワケロンだ」で済むならねえ
乱暴を通り越してマジックワードじゃないですか
そりゃ「良くつかわれる」でしょうね。


多分根本的に勘違いされてるのはあなたの方
空自の場合、足りないなら尚更次期輸送機を、ということになる

いくら貧弱だろうがなんだろうができる事と出来ない事がある
民間でも重量と体積を持つ車両などの物資をそれなりに整備された港湾に運べる能力(搭載できる重量とスペース、車両をつんでおろす設備)は船の方にあるので活用できる

しかし民間の通常の貨物輸送機には積めない事が多い訳で(軍用輸送機転用の貨物輸送機なら出来るかもしれませんが、日本にはありませんし)

ハンドル用 様
戦術輸送機に要求すべき能力として、コストパフォーマンスを考慮すれば高速性など要求すべきでないと、私は考えているということです。

余程自衛隊の無謬性を信じたいのかも知れませんが、自衛隊が行う大抵の決定でも、内部には相当の対立があることが普通です。
ほとんどの人間が反対しているのに、鶴の一声で決まってしまっていることだってありますよ。

>余程自衛隊の無謬性を信じたいのかも知れませんが

それ極論のレッテル張りに過ぎないって自覚あります?

自衛隊が間違いを犯すことだってある故にあなたの指摘が正しいとはならない

第一そもそもじゃあその間違いを犯す事がある自衛隊がUH-60を選んだのは正しいのでしょうか?
他の装備だって同じ事。どれが「言い訳」で「言い訳」じゃないとする根拠はどこで判断しますか?

装備を国内開発する時にだけそれは適用されるのですか?

自衛隊、それも陸自のヘリの失敗と言えばアパッチでたった13機で調達が終わってしまった上に訴訟沙汰にまでなった件がありますが対抗馬はOH-1を重武装化する案(つまり国産)とAH-1Zでしたが
「国産にするための言い訳」とやらはこの時は使わなかったのでしょうかね?

逆に国産の為にアパッチ調達打ち切りが「言い訳」ならばメーカーから訴訟されるほど信頼関係損ねるのもまずいし、未だにその後の代わりの攻撃ヘリの調達計画すら持ち上がらないですし

ハンドル用様

1:横から済みませんが、私は、数多様の議論は至極まっとうで、内容の賛否はともあれ、充分に議論に値すると思います。数多様は、国産でない装備に対しても、批判/批評しておられます。また、望まぬ他社の参入を防ぐために、細かな要求仕様をいじっていることは、(これまでのウワサに加えて、ついに)、UH-Xの事件で「実証」されました。同様の「可能性」を考えることは、当然であり、とても「レッテル」とは言えないと思います。

私は、皆さんがそれぞれの立場で理にかなったコメントをしていれば、単一の結論に至らなくても、全く問題ないと考えます。だから、名無し様の意見も興味深く読んでいますし、数多さんや他の皆さんのご意見も読んでおります。私の見解では、立ち位置の違いは立ち位置の違いであって、「レッテル」という表現は不合理だと思います。

2:さて本題。
UH-60JAのライフサイクルコストの続報をゲットしました。H23のライフサイクルコスト資料
www.epco.mod.go.jp/about/pdf/23lifecyclecost_houkokusyo.pdf
の中に、UH-60JAの救難機(空自)のデータがありました!40機、各20年運用で、2204億円(1機当たりLCCが51億円)です。UH-Xも更新されていて、180機で5032億円の見積もりになっています(1機当たりのLCCは28億円)。救難機と輸送機では、前者の方が装備が高級(調達費も維持費も)であり、後者の方が飛行回数が多そうですが、入手可能な最良なデータであり、両者を直接比較する価値は十分あると思います。

まず、UH-Xの一機当たりの経費が現行のままであれば、5032億円で180機整備。UH-60JAで代替すると99機です。まあ、UH-Xの価値(=数が倍近い)は、はっきりしていると言えましょう。ここで、UH-XのLCCが、1.3倍に増えれば(一機当たりのLCCが36.4億円。調達単価が11.4-->15億になった場合に相当)、同一予算で調達できる機数は、138機に減ります。私見では、ここまで来ると、微妙になってきます。「UH-X x138 + UH-60JA x37」のヘリ部隊と、「UH-60JA x136」の部隊では、後者の方が魅力があると感じます。

# UH-Xの価格上昇しか議論していないのは、新規要素盛り沢山のUH-Xと、単なる改良のUH-60JAの比較だから。1.3倍という数字は仮定の数字=パラメータです。

後者の最大の魅力は、装備の統一です。兵站の簡素化メリットは、既にLCCに反映されているはずですが、実際には、陸自の第12旅団のUH-60JAが、全国の陸自で整備できるようになる。極端な話、空自のヘリも海自も、全国の陸自の基地である程度の支援を受けられ、非常に高い柔軟性を持つ。一方でUH-Xは、海空自ではほとんど支援は得られません。

次に機体の輸送力の違いです。最大離陸重量だけで議論すれば、「138*5+37*10 = 1060 t」 vs 「136*10 = 1360 t」で後者がほぼ1.3倍良い。やや乱暴な議論なのは確かですが、行動半径ギリギリの長距離輸送(東北<-->九州の機動展開など)では、ヘリは最大離陸重量(燃料満載+人員できるだけ)で飛ぶ訳で、この値は輸送力に直結します。実は、元々のUH-X 180機計画では、「180*5+37*10 =1270t」で、UH-60JA単一案とほぼ同等。UH-Xも、これなら価値はある、という所以です。

UH-Xが価値ある機体であるには、コスト管理こそがもっとも重要です。具体的にどこで線を引くかは人によるでしょう。私は「ざっと1.3倍」を提案します。とにかく、「純国産」とか「最新技術」とか「高性能」ではなく、「コスト」が第一で開発しないと、UH-Xは、国防にネガティブなインパクトをもたらす、ダメプロジェクトになってしまうと思います。そもそもUH-60JA統一を諦めた理由が「コストが高い」ということ。定量的な比較がされているはずですので、あるレベル以上にコストが高くなったらUH-Xはアウトだと、私は考えます。

ハンドル用 様
仰るとおり、自衛隊も間違いを犯すし、私だって当然間違いを犯している時はあると思います。
陸自ヘリについては、明らかに失策が多いですし、C-2についても、私が間違っているのか、空自が間違っていたのか、時が証明してくれるでしょう。

ドナルド 様
私も、UHXはコスト重視で選定されるべきだろうと思います。
何せ、動的防衛力実現のためのワークホースですから。

費用と調達機数の試算は面白いですね。
防衛省内でも、損益分岐点の分析のようなことをしているかもしれませんね。

>望まぬ他社の参入を防ぐために、細かな要求仕様をいじっていることは、(これまでのウワサに加えて、ついに)、UH-Xの事件で「実証」されました。

されてません
>同様の「可能性」を考えることは、当然であり、とても「レッテル」とは言えないと思います。
「考え」るのは勝手ですが可能性ではなくて久遠氏はそれを事実として扱ってる。

>単なる改良のUH-60JA
単なる改良の筈が大事になって価格上昇するのは枚挙にいとまがない

そもそも、海自は主力艦載ヘリシーホークとの兼ね合いで選定してる訳ですから、空自や陸自との連携や機種統一を意図したものでもありません。現状たまたまそうなってると言っても過言じゃない
主力艦載ヘリコプタを別の機種にしてしまえばそれまで

自衛隊を悪者にしたいお二方に付け入る隙を与えてしまうようですが、ぶっちゃけ3自ともそこまで機種統一の機運が高い訳でもない。特に海は艦載機という独自の事情があり、海自内部での機種統一には熱心ですがそれ以外と相違する事もある。艦載ヘリやその任務の対潜哨戒に不都合があったりより良い機種があったりしたらそれは選べない。


>「純国産」とか「最新技術」とか「高性能」ではなく、「コスト」が第一
そう言う極論をぶつけても何も解決しないと言ってるんです。

性能が悪けりゃコストが良くたって安かろう悪かろうだ
コストや信頼性のための「最新技術」だってある。
純国産自体定義にもよるが、ライセンスや「単なる改良」自体技術持ってる所じゃないとぼったくられるさ
独自の改造をするのだって本来は許可がいる。

>久遠氏
>明らかに失策
と、あなたが思っているもの
と言ういいかたが適当でないならば、あなたが思うほど単純ではないとでも言っておきましょうか

>C-2についても、私が間違っているのか、空自が間違っていたのか、時が証明してくれるでしょう。
そう言うのは逃げです。
時が、って具体的にどういう事態でそうなると言う事を想定してるのですか?

時と言うのなら、空自の後に他国の要求仕様に盛り込まれたり、実際に同じ発想の航空機が作られたりしてる事は少なくとも空自の要求仕様に対する正しさの証明にはなるんじゃないでしょうかね?ってずっと言ってるんですけどね。

それに対する回答は、まだ得られてません。

そもそも私が言ったのは
>余程自衛隊の無謬性を信じたいのかも知れませんが
こんな極論に対してですよ

じゃあなたは余ほど自衛隊を無能か私利私欲の悪意の集団にしたいのかも知れませんが云々
と言ってるのと同じですから。
(本当にそう思っていらっしゃるのでしたら、それこそ改革のために立ち上がってもらいたいですね)

ハンドル用 様
C-2が海外にも売れれば、趨勢に乗っていたという点で、私が間違っていたということになるでしょうね。
逆に、少数で調達打ち切りにでもなれば、空自が間違っていたと言えると思います。

海外で似たような機体が作られたと言っても、それが空自の要求が正しかった証明にはなりません。
空自と他国では、要求すべきものが違う可能性がありますし、それ以上に高速性を要求していない機体も多いのですから。

無能や悪意の集団だと書いたつもりはありませんが、自衛隊の改革については、少なくとも現役自衛官だった時には、できる限りの努力をしたつもりです。
ですが、踊る大捜査線じゃありませんが、組織の論理が幅を利かせる中、それを目の当たりにするだけでなく、妥当ではないと思われる要求を、実際に書かされて来た経験を持っているという点で、あなたよりは自衛隊の実相を知っていると思います。
現在、今後については、このブログ等で発信することで、自衛隊の改革については努力し、これからもして行くつもりです。

>C-2が海外にも売れれば、趨勢に乗っていたという点で

まずそもそも日本は武器輸出3原則があって自由に海外の軍に売れる訳でもない
外交や安全保障も関わってくるので性能が良いから売れると言う訳でもないですし

私が例示した
米国の時期輸送機はまだ輸出の話は出てませんね(まだ要求仕様の段階ですからね)
ブラジルのC-390は報道レベルで関心を示してる国は南米と欧州を中心にあります。

>少数で調達打ち切りにでもなれば、空自が間違っていたと言えると思います。
じゃあUH-60も失敗ですかね。

では、海外に売れないけども、少数で打ち切りにもならなかったらどっちが正しいのか?

>要求すべきものが違う
いや要求が高速性です
もう一度言いますが戦略輸送機では無くて戦術輸送機で、ね。

>それ以上に高速性を要求していない機体も多い
これは詭弁でしかないなあ。

うーん、現役、OBを問わずに特に専門から少し離れると首をひねらざるを得ないレベルで酷い人もいるからなあ…
特にありがちなのは、自分の理解していない分野の特に「先進的な性能」は「そんなものは無駄だ」と否定し、それが必要だと言う人は「ナショナリズムだ、無謬論だ、オタクの何々だ、予算が欲しいだけなのだ。天下りが先が」云々
(ステルス戦闘機は、イージス艦は、MDは、戦車は、オスプレイは…何でもいいですが)

ブロガーにしろメディアに出るレベルで有名人な人もですが

本当にその「組織の論理」とやらがおかしいのかそうでないのか…

ハンドル様

お返事ありがとうございます。

1:仕様調整について
>>望まぬ他社の参入を防ぐために、細かな要求仕様をいじっていることは、(これまでのウワサに加えて、ついに)、UH-Xの事件で「実証」されました。
>されてません
そうは思いません。(ここは明確に意見が異なりますね)

2:改造について
>>単なる改良のUH-60JA
>単なる改良の筈が大事になって価格上昇するのは枚挙にいとまがない
新規開発と並んで、「大改造」が悲惨な結果になった例は沢山あります。空自の救難ヘリは大改造には見えません。それとも実はすごい改造が仕込まれていることを、なにかご存知なのですか?

3:コストについて
>>「純国産」とか「最新技術」とか「高性能」ではなく、「コスト」が第一
>そう言う極論をぶつけても何も解決しないと言ってるんです。
>性能が悪けりゃコストが良くたって安かろう悪かろうだ
>コストや信頼性のための「最新技術」だってある。
>純国産自体定義にもよるが、ライセンスや「単なる改良」自体技術持ってる所じゃないとぼったくられるさ
> 独自の改造をするのだって本来は許可がいる。

すみません。ハンドルさんが強く反発する理由が全く分かりません。それほど違うことを言っているつもりがないのです。3割ものコストアップがあっても、まあいいじゃないかとまで言っているのですから、コストの点でも全く極論ではない。当初の見積りが明らかな無理スジでなく、開発の方向性を間違えない限りは、当然実現可能な値です。性能悪ければ使えないのも当然。(当然ですが価格も性能のうちです)。実は、ハンドルさんとほとんど同じ意見ではないかと、私は思っています。

一つだけハッキリと異なるのは、私が当初の見積りを「疑って」いることです。性能の割に価格が安いからです。当初の見積りが正しい場合には、3割アップ以内で十分製造できるはずです。間違っていて、実は倍くらいかかる場合には、そもそもの「UH-60JAより有利である」、という前提が崩れますので、UH-Xの価値がなくなる、と言っているだけです。

技術的に「コスト重視」と私が言っているのは、端的には、UH-Xで未だ見通しのない新技術のトライアルはするな、ということです。モノの開発の現場にいた経験があれば、分かります。コストダウンのための最新技術というものはあり、これは試す価値があります。当然のことです(ただし、成功しないことも多い)。性能を10%向上させるための最新技術もあり、(将来の新商品につながる可能性は高いのですが)、しばしばコストを上昇させる要因になります。コストダウンにはある程度の技術の成熟が必要だからです。

例えば、(個人的に好きなので詳しいのですが:笑)H-IIロケットのLE-7エンジンと比べてLE-7Aではコストはかなり安くなっていますが、性能は1%しか落ちていません。後者の方が新しいですが、技術的には前者の方が「困難」。そこまで頑張る必要がないことが分かったので、長さなどのスペックを緩和し、安価のものを作れた。実物を見ると、LE-7AはLE-7より明らかにシンプルで「美しい」。コスト重視を要求されたら、堅い技術でまとめあげ、かつ、部品点数の削減に注力するのが王道です。「高度」な技術とは、安価にまとめる技術も含みますし、「コスト重視」の開発とは、まさにこれを実施することです。

またこれも有名な話ですが、H-IIAはH-IIよりも国産割合をかなり下げています。H-IIの技術を背景にしつつ、価格交渉をしてより安価な輸入品を(かなり多く)使っています。これらを「コスト重視」の開発と言っているのであって、ハンドルさんのコメントは「全くその通り」としか思いません。

うーん、本当に意見が違うのでしょうかね?

まあ、私は私で言いたいことを言っているので、それで良いのですが。。(笑)

ハンドル用 様
酷い人の一人だとお考えでしたら、そう考えて頂いて構いませんよ。

ドナルド 様
LE-7のお話ですが、UH-Xもそう言う方向を狙っていたのだろうと思います。
もう過去形にせざるを得ないので、今後どうなるかは注目ですね。

そもそも「純国産」なるものの定義がみんなバラバラです

UH-Xの場合、改造母機のOH-1からして、「機体の設計と製造、そしてエンジンやトランスミッションも日本製」を持って「純国産」と言っていると解釈してますが

ドナルドさんの言うH-2Aの話は、それこそH-2ロケットは高コストだからと言って開発中止にして外国の完成したものに依存すると決断してしまえばそれまででした。

また、H-2Aも通念上実際「国産」ロケットですよね。

エンジンとトランスミッションも国産である事からUH-X、OH-1はそう言われていますが、それが国際水準と比べて著しく水準で劣るとか値段が高いとかでもない限り、H-2Aの話と同じと見なす事は出来ませんよ

純国産と言う名誉なり言葉だけのためにエンジンやトランスミッションを作ると言う暇な事をするほどメーカーにも防衛省にも余裕があるとは思えませんし

まあ一般論として、エンジンは航空機であれ自動車であれロケットであれ、重要なパーツとみなされてますね。
日本が独自の戦闘機を作れないのも、一番のボトルネックはそこだと言われてますし
(F-1は欧州製エンジンで苦労し、F-2は貿易摩擦に巻き込まれた挙句エンジン輸出不許可で独自案は潰れました。)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: UHX談合疑惑は、トカゲの尻尾切りで決着へ:

« 航空手当(パイロット手当)の見直し私案 | トップページ | 政治的配慮による800km制限 »

アマゾン

  • ようこそ、自衛隊地方協力本部へ 航空自衛隊篇
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈3
  • ルーシ・コネクション 青年外交官 芦沢行人
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈2
  • 機巧のテロリスト
  • 航空自衛隊 副官 怜於奈
  • 北方領土秘録 外交という名の戦場
  • 深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃 (文庫)
  • 半島へ 陸自山岳連隊
  • 黎明の笛 陸自特殊部隊「竹島」奪還 (文庫)

最近のトラックバック

ブックマーク、RSS