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2012年10月13日 (土)

航空手当(パイロット手当)の見直し私案

既に、来年度の概算要求が公開されて久しく、それについての記事を書かなければならないところですが、その前に今年度予算に関連して書いておきたい記事があるので、こちらを先に書いておきます。

今年度から、パイロットに支給される航空手当が見直されています。

24年度 重要施策を見る <5> 人事・処遇 人的基盤抜本改革 階級構成を見直す 士増やし幹部・曹は減」(朝雲新聞12年4月12日)

 【主な諸手当の改善】▽航空手当の見直し=航空機乗員が行う業務の変化等を踏まえ、空自戦闘機等の乗員の支給割合を引き上げる。(階級初号俸×80%)。その他の陸海空航空機の乗員の支給割合を一律とする(同×60%)。


以前の手当については、資料がありませんが、ジェット機70%、レシプロ機60%だったと記憶しています。

これは、適性のあるパイロットの確保が困難になってきているためです。
最も端的なのは、視力です。
体力、知力だけでなく、視力も良い若年者が少なくなっており、視力の基準を引き下げたものの、それでも人が集まらないため、戦闘機パイロットの手当が引き上げられました。

財源となったのは、C-1などのパイロット手当のようです。

人が集まらない以上、求人条件を良くすることは、当然です。
どこの業界だって同じです。

ただし、もっと巧い方法があると思われます。

この手当、階級初号俸の80%が支給されます。
つまり、
パイロットなりたて3尉¥236,000円の80%
=188,000円
一人前の2尉¥244,000円の80%
=195,200円
現役バリバリ1尉¥269,900円の80%
=215,920円
ベテラン3佐¥319,000円の80%
=255,200円
隊長2佐¥346,700円の80%
=277,360円
そろそろ定年1佐(二)¥456,600円
の80%
=365,280円
司令官クラス空将¥720,000円
の80%
=576,000円
と、階級に応じた支給となるのです。

定年間近の手当までしっかり見越してパイロットになる人間が、果たしてどの程度いるでしょうか。(いや居ない!)
むしろ若年パイロット支給率をアップさせ、目先の利益に目をくらませた方が、もっと人員確保には役立つと思いますが、如何でしょうか。
例えば、3尉を200%(つまり号俸の3倍支給)として、以後階級が上がる事に一定額の上昇とかです。
今でも無理して高級外車に乗っている若年パイロットは居ますが、それを当たり前にしてやれば、もっと人は集まりやすいでしょう。

もちろん、それを実際に行なうためには、混乱が生じないように、時間をかけて行なうべきですが、この方が、より優秀な隊員を集めやすいように思います。

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防衛予算」カテゴリの記事

コメント

防衛力の人的側面についての抜本的改革の報告書によると、平成19年の正確な割合はジェット機75%、レシプロ機60%、さらに「管理操縦士」なら37.5%(ジェットだけ)。だから、80%を貰えるの空将は無いでしょう。

5%だけじゃ大した魅力に成りませんと思う。それに、パイロットに選べられでも少数しか戦闘機パイロットに成れません。つまり、大まかに候補者に取って、改善ではなく、落ちるに成ります。平均的出してる金は減ります。

金で釣られようとするなら、寧ろ魅力が落ちる。だから、これは理由だと思えません。

寧ろ、http://www.youtube.com/watch?v=a3g9zQGao1wに拠ると、どうやら最近のパイロット候補は戦闘機より輸送機を選ぶ傾向が有るらしい。これは空自に取ってけして望ましい状態ではないので、この手当調整は目的一つ、意味2つが有ると思われます。
1)金で学生達を直接買収する。
2)手当の差で、戦闘機パイロットの優越性を強調し、輸送機パイロットの相対地位を下がらせる、これで候補生達に「エリートを成る為に戦闘機パイロットを希望」と言う意識を植え付ける。
=
私案について:確かに手当を若い連中に集中する方が良いですね。だが、こうなると、金は何処から捻出しなければ成らない。

この際、管理操縦士制度を破棄する必要は有るかも知れません。これは、単なる手当の金を捻出為ではありません。

http://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2008/sy200701/2007e_55.pdfにとでも心配すべき一項が有ります:
「F-15、F-4等のDPの年間飛行時間は、油購入費等の経費積算上148時間となっている」

148時間しか有りません。恐らくF-15やF-2部隊に優先配給しているけど、楽観できない状態です。NATO基準の150-200時間より僅かだが既に下回るですし、数年前のデータとは言え予算切迫時に今は改善していると思えません。寧ろ、今は140時間あたりしか残らないかも知れません。

(因みに最近数年中国ではどうやら年間飛行時間は180-220時間に成ったと聞いています。平均は120時間ですので、恐らくFlanker部隊等の精鋭に限定。だが、日本を攻撃する時、Flankerで来るでしょうから慰めに成りません。日本に残されたの優勢は恐らく長年の間から育てたの底力しか有りません。)

こんな状況で、とでもAPに毎年35-50時間を与える状態とは思えません。戦力予備は重要ですが、前線もダメに成りかけている時、予備まで考える余裕は有るでしょうが?

若手パイロットの手当の為にでも、燃料費の為にも、資源を集中する必要が有ると想います。

健康的でなおかつパイロットになりたい人は沢山いると思います。しかしいかんせん1次、2次で落ちる。

駅弁早慶上智が余裕で合格圏内でなおかつ肉体的精神的にも優秀な高校生だとしても、いくらお金を積まれても空自・海自パイロットにはならない人の方が多いと思います。

過去に優秀だなぁと思う高校生と話す機会があったのですが、パイロットは興味あるけど、自衛隊は行かない、大学もしくは航空大学校に入って民間エアラインの方が良いと言っていました。
単なる印象的な考えではなく詳しく聞いて見ると、絶対に訓練がキツイ、共同生活、私用時間まで時間拘束されるといった生活リズムに関してのことや、有事の際は人を殺す・または殺される可能性があることを言っていましたよ。

幹候・航空学生からせっかく選りすぐりの人材をかき集めても、教育隊や共同生活の中で先輩から話を聞かされ輸送やヘリを志望する子が多いとか。
いつぞやか、夕方のテレビで特集していたのですが、輸送やヘリに行きたい理由が国際貢献や災害派遣など人命救助をしたいとか。立派だと思います。
立派だと思いますが、どうして東京消防・海保にしなかったの?っと耳を疑う気持ちもありました。
要領の良い最近の子達です。きっとこう考えていると思いますよ。
ヘリ志望の人は、ある程度の飛行時間さえ稼げれば自衛隊辞めて地方消防ヘリかあるいはドクターヘリか。どちらにしても戦闘機パイロットに比べて食いっ逸れがありませんね。
輸送の子達は、戦闘機比べてアラートが少ない、全国各地に飛んでいくことがあっても輸送のベース基地は限られていますから自分の時間を作りやすい、いくらジェットの手当てが上がろうが海外派遣で戦闘機が行くことはまずない。

戦闘機パイロットの手当てを上げようがなんだろうが、こういう選び方している子達はきっと見向きもしませんよ。


現状、幹候飛行要員枠・航空学生の年齢制限や、試験のやり方に問題があるのではと思います。

自衛隊の公務員試験ぐらい通ってくれなきゃ困るという考えもごもっともですが、そもそも幹候にしたって航空学生にしたって倍率高いですよね。
2次試験でも、一回ドロップアウトした人や、学生時代などに目立った功績がなければ弾かれるわけです。どんなに志望理由を熱く語っても、それは他の受験者も口を揃えて言うことです。たとえソレが嘘でも。

3次試験でようやくパイロットとしてのセンスや体の生理現象を見てもらえるわけですが・・・。

毎年何千何万という人が受験してくるので大変だと思うのですが、初期の段階でパイロットとしてのセンスや生理現象・肉体、学力の伸び代を確認でき、
なおかつ本当に国防の任に着きたい志願者を受け入れるようにしたほうが、良い人材が集まると思います。

社会人になってからでもなりたい戦闘機パイロットになりたい人だっているでしょう。
年齢制限を上げ、長すぎる教育期間の無駄を省き、なおかつ練度を維持したまま立派な消耗品となる人達を雇うべきと考えます。

パイロットの方の話を聞いていると、どうも曹や士、幕僚にいるような自衛官って感じじゃないんですよね。

効果的すぎるとそれはそれでマズいのでは?
倍率が100%を上回ると、「入試テストの成績のよい人材」の割合が極端に増えることがあります
そして特定の傾向をもつ人間(特に優秀な人間)の割合が大きすぎる組織は集団極性化を起こしやすい、
これは大学、企業、政府機関、いずれにも共通する傾向です
空軍のパイロットにも同じような悪影響が生じうるのではないかと危惧してしまうのですが・・・

@雉鳩和希 氏
>毎年何千何万という人が受験してくるので大変だと思うのですが、初期の段階でパイロットとしてのセンスや生理現象・肉体、学力の伸び代を確認でき、
なおかつ本当に国防の任に着きたい志願者を受け入れるようにしたほうが、良い人材が集まると思います。

これをするの予算問題を無視として、どうやって適正試験以上に「初期の段階で…伸び代」を測るんですが?例えば、志願者に皆自家用操縦士レベル辺りまで教育施して、教育期間中のパーフォーマンスで決める?

そして、どうやって「本当に国防の任に就きたい」を測るんですが?防衛に関する文を書かせるなら、志望理由の二の舞に成るんじゃないですが?それとも、皆に豚辺りを殺させ、これでKilling Instinctを測ろうとするんですが?

そもそも日本人の全体は教育等の所為で防衛意識が弱く、例えテストを受ける時の「国防の任に就きたくさ」を計れるとしても、これは二年の訓育を経て。最終的に達成できるのレベルと関係無いかも知れん。

>年齢制限を上げ、長すぎる教育期間の無駄を省き

航空学生は既に比較的に短いなコースと思うんですけど。流石にプラクチカルの部分をカット出来無いだろうから、理論部分に手を出すしか無い。どの部分切るですが?例えば、航空学生のコースを一年だけにし、防衛学、英語と飛行一般しか教えないとか?

それに、年齢制限を上げ過ぎると、戦闘機パイロットとして使えるの時間も短く成るではないが。所詮、戦闘機パイロットは"Young Man's Game"だから。

そもそも、航空学生のチャンスをミスしたとしても一般幹部候補生を通じてパイロットに成れるだし。

 昔は自衛隊のベテランパイロットが賃金に釣られて民間に流失するのが問題になってたようですが、今はどうなんでしょう?民間のパイロットは賃金の国際競争に晒されて、今は冬の時代とも言います。であれば後顧の憂いもなく、若手を目先の高給で釣れますね(笑)。朝四暮三こそ正義、人よりサルの方が正しい!

今の若者は後先考えるやつもいますから、ダメだった時の事は定年が早い事を予想し(年金までは自分でどうにかしなくてはならないし、パイロットで無い場合の再就職は大変)、いかない層を釣るために操縦士になる訓練を積んだ者は安くても捨て扶持をあげる制度設計を選択肢に入れておくのも良いかと。

選択肢のコースとしては、ドロップアウト組の扱いは、給与や人事管理基準は一般的な隊員(昇進出来ないならば、捨て扶持の空士で年金支給まで雇用)で、そのほかは今までの昇進基準による扱いで良いと思います。
不安定な世の中、夢より飯ですから。

香港からの客人 様
確かに、空将のDPは居ませんね。
書かない方が良かったかな。

それにしても、良くこんな資料までチェックしてますね。
恐れ入ります。

資源集中の件、私も思うところありますが、自主規制してます。

雉鳩和希 様
1次2次で落ちているとなると、やはり基礎的学力が足りないのではないでしょうか。
パイロットは、F1ドライバーなどに比べ、遥かに高い知能を必要とします。操縦桿を握る意志が強くても、それだけではパイロットの素養があるとは言えません。
例えば、航空工学や航空気象については、理系的素養が必要ですし、法に基づいて行動するためには法学的な素養も必要です。

戦闘機を指向する人間が少なくなっているからこそ、経済面でメリットを出さざるを得ないように思います。

名無し 様
懸念はそのとおりかも知れませんが、事実必要な人材が集まってない以上、こういった施策は必要だと思います。

だ 様
確かに一時期、流出が問題になりましたね。
ただ、今は日航が経営破綻する時代ですから、その点は大丈夫でしょう。

Suica割 様
パイロットの訓練過程でエリミネートされると、その時点の階級で他職域に移れるので、一般の自衛官と比べると優遇されています。
それでも、エリミネートになると止める方がほとんどですね。

数多久遠 様

香港からの客人様

ご返信ありがとうございました。
良い勉強になりました。

いつも楽しく読ませて戴いております。
掲示板で不適当な書き込みかもしれません、ご容赦ください。

香港からの客人様が指摘の訓練時間の件、以前空自のファイターパイロットは最低180時間/年だ、と何処かで聞いたかと記憶していたのですが、調べかたが悪いのか、裏が取れませんでした。最近はどうなのでしょうか。

数で劣り、後だし勝負を迫られる空自にとって訓練は生命線かと思っておりました。ご存知であればご教示戴けますと、ありがたく存じます。

銀魚 様
私も最近の状況は、知りませんし、守秘義務の関係上、公刊資料がないとなんとも言えないところです。
ただ、148時間というのは、あくまで経費積算上の数字であって、実態とは違う可能性があります。
予算上の制限から、大幅に違うことはないはずなので、平均はそんなところでしょうが、実際には訓練の必要性の高い要員に対しては、もっと多い時間配分がされているでしょうね。

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