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2012年8月21日 (火)

防衛白書と中共の求心力

今年の防衛白書が決定されてます。
報道によると、やはり中国関連の記述が多いようです。

その中でも、注目だったのか産経の記事です。
中国の党軍関係の変化「危機管理上の課題」」(産経新聞12年7月31日)

 かねて懸念を示してきた軍事力の透明性に関し「意思決定プロセス」でも透明性が欠如していると指摘。(1)共産党指導部と人民解放軍との関係が複雑化(2)対外政策決定での軍の影響力が変化-との見方も示した。

 古代ギリシャの市民制度が、兵役と密接に関連していたことを紐解くまでもなく、中ソ国境紛争以後は、ほぼ国内(チベット等の占領地区を含む)治安維持しかしてこなかった人民解放軍が、スプラトリー諸島での権益確保に貢献していることなどから見ても、人民解放軍の発言力が高くなることは、当然の結果と言えます。
武力を背景とした実行支配で領有権を奪取しようとするのですから、人民解放軍が動かなければ何ともしようがないからです。

その一方で、党権力の地盤沈下も起こっています。
四川省暴動事件 一党独裁のほころび露呈」(産経新聞12年7月19日)

政府当局は一応、公安警察を現場に派遣して警戒に当たらせたが、警察部隊は本格的な実力行使に踏み切らなかった。そして、共産党什●市委員会の李成金書記は、くだんの金属工場建設の中止を発表した。

 今の中国では、当局が力ずくで民衆の反乱を押さえ込むようなことはそう簡単にできなくなっている。


人民解放軍の発言力が高まる一方で、中国共産党の権威・権力は低下しています。

このことから、冒頭の記事は、防衛白書が人民解放軍による暴走に対して警鐘を鳴らせていると報じています。

 白書は、こうした中国の党軍関係の変化は「危機管理上の課題としても注目される」と結論づけた。日本にとって危機管理の対象として連想すべきは、東シナ海での事態だ。一昨年の沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件のような「偶発的」な衝突が、党の統制を無視して軍主導で「意図的」に引き起こされる危険性がある-。


私には、まだまだ人民解放軍が、党の統制を無視して動くとは思えませんが、以前より、党が軍の意向に影響を受けやすくなっていることは間違いありません。
やはり、それだけ中国は強硬な手段に出やすくなっていると見るべきでしょう。

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コメント

軍をコントロールできなくなりつつあるということですかね。

まぁ中国に関しては意志なんかどうでもいいです。
日本に必要なのは相手の攻撃能力に対して必要な防衛能力を持って備えることですから。
軍もバカじゃないなら、よほどのことがない限り攻め込むようなことはせんでしょう。

ナオ 様
意志よりも能力に対して備えるという考え方は、多分に軍人的ですね。
一般的感覚としては、むしろ能力よりも意思に備える方だと思います。

実は本気で戦う気は人民解放軍にあるか疑問です。
軍人にとっては、冷戦は天国でしょう。
死ぬ危険が低い、しかし、財布の紐は緩め。
これは役人(軍もお役所です。)にとってはベストな環境です。
党首脳より、現実的な腐れ軍人(いかにやらずぼったくるかを追求する)が力を持った方が平和になるので、今の流れが全く悪いとはいえません。

Suica割 様
人民解放軍の高官は、当然に孫子は読んでいるでしょう。
ですから、「戦わずして勝」は追求するでしょうね。

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