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2012年7月22日 (日)

オスプレイ配備で一挙三得

日本政府としては、アメリカが全世界で進めているオスプレイの配備を、在日米軍だけ中止させる訳には行きません。野田首相が苦し紛れに発言した通り、日米安保条約の条文からしても、ムリです。
一方沖縄は、オスプレイの安全性への懸念から配備に反対しています。

日本政府は、この問題を何とかしなければならない訳ですが、その妙案は、政府内からは、なかなか出てこないようです。
ですが、一挙両得ならぬ一挙三得で、この問題を解決に向かわせる妙案があります。
それは、自衛隊へのオスプレイ配備です。

沖縄がオスプレイの配備に反対している理由は、安全性への懸念が第一にありますが、普天間近郊に住んでいる人以外には、実際の危険がある訳ではありません。
それらの人まで反対している理由は、「沖縄にだけ押しつけられる」という被害意識です。(実際に沖縄だけなので、被害妄想とは言いません)
政府としても、その事は分かっていますから、岩国に陸揚げして、「沖縄だけではない」というポーズを示しています。
ですが、所詮は一旦陸揚げするだけなので、ポーズに過ぎません。

ならば、ポーズではなく、沖縄以外でもオスプレイが実際に運用されるようになれば、沖縄の反感も和らぐはずです。
ですが、三沢にも、横田にも、岩国にも、そして横須賀にも佐世保にも、オスプレイのニーズはありません。

こうなると、後はもう自衛隊が使うしかありません。
しかし、自衛隊も予算逼迫の折り、不要なモノを買うような余裕はありません。
ところが、オスプレイを導入することで、戦力の向上を図りながら、予算を圧縮できる可能性さえある私案があります。

それは、航空自衛隊が保有するCH-47を、オスプレイで代替して行く方法です。

オスプレイは、以前の記事「オスプレイ事故原因と沖縄配備に向けた運用制限」で指摘した通り、ヘリモードでの操縦性、特にホバリング時の操縦性は、恐らくヘリほど高くありません。
ですから、救難用途で使用されるヘリの代替には向きません。

陸自が、海兵隊と同様の使い方をすることはできますが、UH-1からUH-60への転換さえあきらめ、UH-Xを導入する方向を決めたくらいですから、オスプレイは高価過ぎのオーバースペックです。

一方で、航空自衛隊のCH-47は、レーダーサイト及びSAMサイトへの、物資及び人員輸送に使われています。
サイトにおける物資等の積み卸しは、ほとんど決まったヘリポートですし、ホバリング状態ではなく、ちゃんと着陸しての積み卸しです。

ですから、コストさえ合えば、CH-47をオスプレイに代替することは可能なはずです。
ですが、「オスプレイの方が高いんだから、コストが合うはずないだろ」と思うでしょう。
確かに、機体価格はそうです。
CH-47のラ国調達価格が52億程度と言われるのに対して、オスプレイは米軍でも70億と言われており、恐らく自衛隊がラ国で調達すれば100億を超えるでしょう。
しかし、運用する組織や人員まで含めて考えた場合、コストは下がる可能性があります。
(つーか、絶対安いと思う)

空自のCH-47は、三沢、入間、春日、那覇の各ヘリコプター空輸隊に配備され、主として一瞬たりとも止めることを許されないレーダーサイトへ、補用部品の輸送任務を行なっています。
補用部品は、入間基地にある第3補給処(SAM関連は、同じ入間の4補)から、C-1あるいはC-130で、三沢、春日、那覇に運ばれ、そこからCH-47に積み替えられて、サイトまで運ばれます。
(中警団隷下のサイトへは、入間からCH-47で直送)

オスプレイがあれば、航続距離もヘリより格段に長いので、入間の3補及び4補から、ダイレクトで日本全国のサイトまで、運ぶことが可能になります。(もしかすると宮古は、途中で給油が必要かも)

つまり、現在4個あるヘリコプター空輸隊を、1個に集約でき、15機あるCH-47を、恐らく5機程度のオスプレイで代替できると思われます。
であれば、運用・整備に関する人員も削減でき、コストは大幅に削減できるはずです。

C-1やC-130の輸送所要も減ります。
レーダーサイトがトラブルとなれば、空自にとっては一大事ですから、それこそバイク便でも運べるような荷物しかなくとも、C-1が、ほとんど空荷に近い状態で飛ぶようなことさえあるからです。

しかも、CH-47よりオスプレイの方が早いですし、それ以上に、三沢等の基地で、積み替えに要するグラウンドタイムが無くなりますから、3補及び4補からサイトまでの総所要時間も、恐らく短くなります。
つまり、運用能力が向上するのです。

沖縄の反感が和らぎ、自衛隊のコストが下がり、運用能力も向上する。
つまり一粒で三度美味しい。

オスプレイは、サイズ的にはCH-47よりも小さいので、各地のレーダーサイトのヘリポートも、恐らく改修の必要はないと思われます。
障害は、入間基地周辺住民の感情ですが、T-33の入間川河川敷への墜落事故の後でも、それほど反感が出なかった事を考えれば、オスプレイを配備するとなっても、そう大きな反感はないのではないかと思います。

沖縄の方は、普天間だけが民家が近く、異常だと言いますが、入間だって状況は全く変わりません。
入間にオスプレイが配備されるとなれば、自分達だけがババを引かされているとは思わなくなるでしょう。

加えて、オスプレイを、もしラ国で調達するとなれば、将来、民需で金のなる木に化ける可能性のあるティルトローター技術を、不況に苦しむ国内航空機産業界に導入できます。
(逆にボーイングは大反対しそうですが)

検討に値する私案だと思います。
もっとも、問題は時間かもしれませんが。
森本大臣、如何でしょうか?

なお、防衛省がオスプレイの購入を検討しているとの報道もあります。
「日本、オスプレイ購入検討」「現在は白紙」」(沖縄タイムス12年7月12日)

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沖縄」カテゴリの記事

コメント

先ず考えられるの問題は5機のOspreyは15機のCH-47所が、5機のCH-47の代替すら難しいと言う事です。CH-47の最大の搭載は12トン弱、兵員はエキストラ・シートまで使えば44名を運べます。此れに対し、V-22は24人(実際18人程度しか運べないと言われています)、9トンしか運べません。そこで既にCH-47を全代わり出来無いと明白です。

そして、Ospreyの整備性は問題視されている。まあ、日本は買う気なら米軍は絶対大丈夫と言うんですが、エンジンの実寿命が70-100時間しか無いの噂すら出で要る。これで1950年代のジェットエンジンの寿命で有り、ただし当時のジェットエンジンも相応に安いだろう。1950年の寿命+2010年の値段は米国が兎も角日本はとでも耐えられません。

そして、Ospreyの安全性も無視できません。貴方の運用方なら、飛行機からヘリへの代わりは頻繁に成ります。戦時じゃ無いので、ゆっくりできるのは唯一の救いですが、此れ以外はOspreyもっとも危険は飛行態勢に成ります。そして、所詮自衛隊は米軍程の自由度が有りません。一応航空法第十一条から適用除外されたとは言え、果たしてAuto-rotation能力すらまともに持たない(民間耐空証明を今まで得られない一つの理由)のOspreyをヘリとして使う事が許されるでしょうがとはかなり厳しいと想います。

万が一事故が有った場合、業務過失に成りかねない。米軍は安全を明らかに無視に因るの事故でも業務過失に成らないとは国内でも事実上の通例らしいですが、日本は勿論この逆*。

*で言うか、業務過失を押し付けようで、民間法廷で惨めに負けた後まだアピールしようとする検察部は日本しか無いでしょう(もちろん「あたご」事件を揶揄しています。)

まあ、勿論どんな機体でも事故が遭ったらそんなリスクが有りますが、Ospreyは客観的且つ理解し易いな不足が有る分やられやすい。

だからよしんば陸自はOspreyを買うに成っても恐らく航空機として使うしか成らない。多分Ospreyで最近の空港に飛行機として降りた後、ヘリで残りの距離を運ぶ羽目に成ります。

最後に、Ospreyの汎用性も疑念が有ります。平時なら貴方の使い方もできますが、有事ではCHでももっと戦闘行動が要るの作戦を強いられるでしょう。最近、マーリンは自分のMV-22がへり隊の中でかなり安全な機体だとアピールしようとしたんですが、批判側に拠るとあれは簡単な任務しか与えなかったからの結果です。実際、良く宣伝するのリビアでのパイロット救援もCH-53の随伴(これでV-22の速力優性を無駄にした)が有るらしいので批判側の言い分も否定できないと想います。つまり、V-22が戦闘に向いていない可能性が有る。米軍ならメンツの為に業とV-22に簡単な任務を与える事ができるですが、日本はそんな余裕が無い筈です。

実際もしそんなに使い勝手のいい機体なら、米国以外でも買手が有るはず。必ずしも成功と言い切れないのF-35も沢山有るし。有能ですが、高価のC-17の買手も有るんですが、V-22だけは…と言う事で、もうちょっと考慮する方が良いかもしれない。

U-125Aの後継の枠にオスプレイを入れるというのはどうなのでしょうか?

私も問題はエンジンだと思います。

オスプレイのターボシャフトエンジンは相当無理をして出力をだしているように感じられます。
また、整備性の問題もかなりあると思います。
整備の人間を増やすならともかく、現状では無理ではないでしょうか。

さらに言えば、オスプレイの操縦性はヘリコプターと相当異なるとの事です。
金額的に可能でも、人材の面でヘリから変更するには難しいのではないのではないでしょうか。
また、一度ヘリから換えた場合、元に戻すのはそれ以上の手間がかかりますから、その面でも不安が残ります。

ただし、オスプレイの自衛隊への配備は、政治的に安全性をアピールするのには効果的だと考えられます。
そのため、輸送部隊の一翼としてなら(普通の航空機としての使用を主とするなら)十分に考慮に値すると思います。

一時、海自がオスプレイを導入したいという意向を持って
いましたが、現在は音沙汰無しですね(汗)

沖縄で、オスプレイ配備に反対する方々は、反対の為の
反対をされているだけなので、他の場所へ配備されたと
しても、意見を変えるとは残念ながら、思えません。

なぜ沖縄に基地が集中するのかを、沖縄の方々や日本
国民に説明しなければ、沖縄の方々の被害感情が和らぐ
ことは無いと考えます。
オブイェクト様のブログで勉強させて戴いたことを、下名の
周辺の人間に説明したら、キョトンとして「なぜ、それを
政府は説明しないのか?」と質問されて困ったことが
あります。

また、オスプレイのラ国も魅力的な話ですが、アメリカが
今すぐラ国を認める可能性は低いのではないかと推測
します。

そもそも普天間にはC-130も離着陸しているということはオスプレイもそういう運用が可能であるということです。
事故はヘリモードの時、しかもホバリング時に集中しているのだから、そもそも無理してヘリコプターとしての基地内や近郊での運用をしなければ良いだけです。(ヘリコプターとしての運用は民間被害の出ないところでさせる)
しかし、反対派も安全性うんぬんという理由で頑張ってますが、中国の工作員呼ばわりされたりして(尖閣諸島も行動圏内にあり、オスプレイ配備が無いことが利益になる)、説得力がありませんな。
上の方のいうように安全性うんぬんいうならFAA取れとか運用規制しろとかなら、市民も納得しますけど。
抗議する方々の阿呆さに脱力します。

いくら政府や専門家が安全性を説明したところで批判は消えないでしょう。今回の騒動は反米軍のために利用してるに過ぎませんし。ですが経緯は一旦無視するとして、沖縄の基地集中と住宅地での危険性は事実です。やはり比較的安全な場所への基地移設が急務でしょう。その上で数多久遠氏の提案する空自配備が適切なのではないでしょうか。個人的には陸自へ配備してチヌーク同様の迷彩を見てみたいものです。あれ、もしかして配備の口実になるんじゃないかコレ。

余裕があれば(ヘリコプター空輸隊とは別に)オスプレイの部隊を編制したい所ですよね。

>普天間にはC-130も離着陸しているということはオスプレイもそういう運用が可能
普天間ではオスプレイを通常の固定翼機として離着陸させれば良い、という意味でしたら、残念ながら物理的に不可能です
オスプレイのローターは、地上で水平状態にすると地面に接触してしまうため離着陸時はローター部分を傾けなくてはなりません
速度を稼ぐために離陸時にローターを水平に近い状況にして地上(低空)を滑走するのはやるようですが、着陸時に同じようなことをするのは聞いたことがありません(おそらく、普通にホバリングして着陸したほうが安全でしょう)

>陸自迷彩のオスプレイ
ちょっと前の食玩でありましたね

現在検討されている空中給油型や早期警戒型、哨戒型などが実用化されれば、海自あたりで採用する可能性もあるんじゃないかなと思いますが・・・
最近何かの記事で読みましたが、米海軍は空母搭載用のタンカー兼輸送機としてオスプレイに注目しているそうです(タンカーは既にF/A-18E/Fがありますが、戦闘用に使えるホーネットは1機でも多いほうが良いとのこと)

香港からの客人 様
同じ量を運べる必要はありません。
4カ所に分散しているが故、ほとんどは待機です。
加えて、サイトのアクティブフェイズドアレー化が進んでいるため、重量物搬送のニーズも格段に減ってます。

危険性については、日本語メディアばかり見てらっしゃるのでしょうか。今の日本のパニック報道に引っ張られているだけではないでしょうか。

空自のヘリコプター空輸隊の任務は、平時も有事も、主としてサイトへの物資輸送です。

オスプレイの購入は、20カ国ほどで検討されていると言われています。
しばらくすれば、購入のニュースも聞えてくるでしょうね。

hiro 様
U-125Aは、垂直離着陸の必要性がありませんし、高速性が要求されるので、オスプレイでは向かないと思います。

みやとん 様
整備性は、多少悪くても、部隊数や機数が減れば、十分カバーできると思います。

訓練は、米軍でもみんなヘリからの転換ですし、空自の場合は、ヘリパイも全員固定翼の訓練を受けてますから、それほど大きな問題にはならないと思います。
もちろん、慣れるまでは大変でしょうけど。

空自のヘリ空輸隊での使用なら、離着陸時以外は、ヘリモードにする必要はなく、運用形態はかなり単純なものになると思います。

やん 様
反対している方にも、単に偏った情報に引きずられているだけの方も多いと思います。

日本だけパニック的なのは、政府の対応が悪いせいもありますね。

確かに、ラ国にはアメリカも反対するでしょうね。
あちらもラインを維持したいでしょうし。

Suica割 様
他の方のコメントにもありますが、固定翼モードでの離着陸はできません。
ですが、STOLでの離着陸は可能なので、沖縄では、以前の記事にも書いたとおり、市街地上空ではモード変更を行なわない等の運用制限をすることになるでしょうね。

反対者の裏側には、中国がいるような気はしますね。

アンバー 様
案外、普天間に入れてしまえば、「早く辺野古へ行け」という声も出てくるかも知れません。

塗装ですが、米軍でも迷彩塗装をしていないってことは、ヘリよりも、かなり運用高度が高いのでしょうね。

メリッサ 様
残念ながら、そんな余裕はないでしょう。
防衛省もカツカツですから。

2S19 様
緊急時は、ローターが地面を叩く事を前提に、固定翼で着陸させるという運用法も、もしかするとあり得るかもしれません。

タンカー兼用の艦載は、運用の幅があってよさそうに思います。
活躍の場は、どんどん広がるでしょうね。

以前一度お邪魔しましたがまたお邪魔します。
私はV-22騒動の一因はCH46の代替でオスプレイを導入したので、またプロップローターでV/STOLするので速度が速く航続距離の長いヘリコプターと誤認されているのが有ると思います。
オスプレイはV/STOLが出来る固定翼機で有りヘリでは無いのでホバー状態でヘリと同じに機動できるとの主張は事実誤認と私は考えます。
オスプレイはあくまで固定翼機で回転翼機では無いはずです。
この点はマスコミの論点ズレと思います、

shootingstar 様
沖縄では、やはりCH-46後継として、ヘリと見られているようですね。
それが故に、沖縄国際大学構内へのCH-53の墜落事故が想起されてしまうのでしょう。
こればかりは、仕方のないことだろうと思います。

Shootingstar様
確かにフライトエンぺローブからいうとそういう一面もあるんですが、機械としてのオスプレイをみると、 あれはヘリに近い機材です。
パッと見、オスプレイのプロップローターはプロペラスピナーがあって固定翼機のプロペラのごとく見えるのですが、中身は全関節型ローターを持ち、スワッシュプレート(ブレード一枚毎にピッチを可変するための部品)によってピッチを変更する構造でヘリコプターのローター構造と同一のものです。
分かりやすく言えばオスプレイはヘリコプターのローターを傾けることによって、固定翼のプロペラと同一の機能を持たせているということです。(プロップローターという名称はここに由来します。)
因みにエンジンナセルを水平(即ちローター回転面を垂直)にして固定翼モードに
なる際は、スワッシュプレートはコレクティブピッチ(つまり上下方向)にしか動かないようになります。

…しかし、オスプレイを巡る一連の騒動ではほとんど事実を無視して世論が形成されていますね。
日本の報道機関の責任は本当に重大だと思います。

>数多久遠様

質問で申し訳ありませんが、航空自衛隊がオスプレイとチヌークを併用するメリットは存在するのでしょうか?
冷静に考えると(余裕があったとしても)オスプレイに一本化した方が、効率的な気がしてきました。

アルフォンス 様
固定翼モードの際に、スワッシュプレートが動くようになっている理由は何なんでしょう。
もしかして、フラップの補助とかに使用しているのでしょうか?

メリッサ 様
空自がオスプレイとチヌークを併用するメリットは、あまりないと思います。
チヌークは、ホイストも付いているので、いざとなれば救難にも使用できることと、軽装甲機動車もスリング懸吊できることくらいでしょうか。

一本化して、部隊を入間だけにすれば、大分効率化になると思います。

アルフォンス様
そうですね、チルトローター機ですから、
駆動系はへりそのものですね。
ですがハイブリットあるチルトローターは
航空機としてはへりと固定翼機の良い所取りした代償も有るわけで妥協点と言うか本家には適わない点も多々ありますね、
ですがそれを補っても余りあるのが戦術輸送機としてのオスプレイだと思うのです。
それを偏向報道されるから(怒)なんですよ~。

shootingstar 様
読売や産経は、やっとまともな社説を始めましたね。

数多久遠様
元とは言え空自の方に航空機の講釈はいささか緊張致しますが…何分、図画が無く文字だけですので、多少分かりにくいのは御容赦の程を。
まずスワッシュプレートがどういう部品かと申しますと、ローターマストの付け根辺りにある部品でローターマストに対し、ユニボールという部品で筒状に取り付けられた円盤です。内側が固定部分、外側が回転部分となっており、回転スワッシュプレートには、ピッチコントロールロッドがそれぞれのローターブレードごとに取り付けられております。
固定スワッシュプレートにはベルクランクを介して操縦系統とつながっており、ユニボール(筒と半球を組合せたベアリング)の形状によって円盤ごと上下、あるいは、様々な方向に傾けることができます。
固定スワッシュプレートが
上下軸方向、あるいは、傾きの方向に動きますと、回転スワッシュプレートも当然追随しますから、機械的接続されているピッチコントロールロッドもその動きに合わせて上下し、ローターブレードのピッチが変化します。
今、コクピットのサイクリックレバーを前方に倒しますと、固定スワッシュプレートも前方に倒れ(実際にはジャイロプリセッションや対気速度の影響もあるので、そのまま前方に倒れるわけではないが)ローター回転面後方でピッチが増大し、前方でピッチが減少し、ローター回転面は全体として前方に傾き、前進飛行を行うことができます。
では次にサイクリックレバーを中立として、コレクティブスティックを上に引き上げてみましょう。スワッシュプレートは水平を保ったまま、上に移動します。ピッチコントロールロッドは一様に上に移動するので各ブレードのピッチも一様に増大します。(コレクティブスティックによる操作はスワッシュプレートがどの傾きにあっても、その傾きを保ったまま、ピッチが増大もしくは減少します。そのため、このような操作をコレクティブピッチが増したあるいは、減ったと表現します。)

さて、オスプレイのプロップローターの構造はヘリのローター構造と同一のものであると説明いたしましたが、そのため、ピッチの変更は常にスワッシュプレートを介して行われます。トランジションを経て固定翼モードに入る際、サイクリックによるローター回転面の傾きがあると、固定翼としては推進効率を下げてしまいますし、不安定な飛行状態をわざわざ作ってしまいます。なので、固定翼のプロップエンジンとして出力の増減を行うために、ローター回転面をエンジンナセルに対して垂直を保ったまま、コレクティブピッチを増減してやる必要(すなわちスワッシュプレートが上下、飛行方向に対しては前後に「しか」動かない)があるというわけです。
中々うまく纏められませんでしたが、この説明でご理解いただけたでしょうか?

アルフォンス 様
ご丁寧にありがとうございます。

すると、固定翼モードでは、スワッシュプレートはローターピッチのコントロール用としてだけ使用されているという理解で合ってるでしょうか。

それにしても、これを聞いただけでも、オスプレイのトランジションは、制御が複雑そうだと思えますね。

数多久遠様
そのとおりです。
オスプレイのコレクティブスティックにあたる物は、スラストコントロールレバー(TCL)と呼ばれるもので、形状や取り付け位置などは固定翼機のスロットルレバーに似たものであるということだそうです。
これがヘリコプターモードではコレクティブスティック、固定翼モードではスロットルレバーとして機能するということだそうで、オスプレイのスワッシュプレートはトランジションに入ったところで、サイクリックによる制御から離れて、TCL によるコレクティブピッチの制御のみ受けることになるようです。
ところで、記事本題に戻りますが、海自では航海中の艦艇に対して当該艦艇もしくはその搭載航空機に不具合が起こった場合に、空自における、ヘリ空輸隊同様UH-60Jによる補用部品の物品輸送を行うことがあります。(勿論手段はUHに限りませんが)
従って海自としてもUH後継に一定のニーズはあると思料しますが、ここまで、国民世論の反発があるとなると、むしろ導入へのハードルは上がったのではないかなと個人的には感じております。

アルフォンス 様
なるほど。
やはり、かなり複雑ですね。
スワッシュプレートがサイクリックによる制御から外れた瞬間に、外力が生じると、パイロットが混乱しそうに思えますね。
モロッコでの背風も、これなのかも、なんて思えます。

足の長さと速さを考えると、海自艦艇への輸送用としても、いいでしょうね。
ただ、ひゅうが型以上でないと降りられないことは難点だと思いますが。

海自の航空基地は、以外と内陸にあるので、確かに海自が欲しがるとしても、ハードルは上がったでしょうね。
ですが、海自にも声を上げて欲しいと思います。

数多様
海自のヘリパイの方に、オスプレイの件を尋ねてみました。
ヘリパイの目から見ても、オスプレイ自体に問題は無いと
おっしゃっていました。

よって、現状で公開されている情報から判断すると、オスプレイ
に問題はありません。

46を飛ばし続ける方が、はるかに危険だともおっしゃっていました。 
個人的に、全く同感です。
F-4の維持に、ご苦労されている現場やメーカーの方々の
姿を見ると、本当に大変です。

ひゅうが型を導入した理由も、海自がオスプレイ導入を視野に
入れていると推測します。

数多久遠様
この点は私もヘリ屋として一番興味深く、かつ、謎な部分ですが、トランジションにおける操舵の切り替え(サイクリックによるスワッシュプレートの制御から、3舵の制御に切り替わる)はパイロットによる制御は不可能ということで、コンピュータにより制御されるようです。(その意味ではFBW無くしては誕生し得ない航空機ですね。)ひょっとしたら、トランジションにおけるサイクリックレバーのポジションは中立位置でなければならないという規制か、あるいは、自動的に中立位置にポジショニングされるのかもしれませんね。

物品輸送についてですが、必ずしも着艦する必要はなく、VERTREPで補給する(つまりホイストorカーゴスリングを
使用する)ということもあり得ます。まぁ物によりますが…艦艇の行動によってはUSで運ぶという究極の手段もあったりしますから、それに比べればハードルは低い手段ですね。
最大の問題はいつもの通り予算ですが…

やん 様
自衛隊のバートルも既に退役している中、米軍の方が古いモノを使っている珍しいケースですね。

オスプレイの購入は、私のように政治的な要素を考えなくても、しばらくすれば、概算要求に登場するかもしれません。

アルフォンス 様
なるほど、FBWだからこそですか。
ティルトローターは、昔から研究されながらも実用化できなかったのは、そうした理由だったかもしれませんね。

予算についてですが、海自の場合、物品輸送も行なうものの、それだけではないことを考えると、機数を削減してという訳にも行かないですね。

元空自隊員です。
レーダーサイトの輸送職に在籍していました。

レーダーサイトの所在地は、離島と本島でもかなりの僻地にあるのですが
レーダーのパーツの故障で代替品を送る際は
A請求-C請求と呼ばれる3段階の緊急の度合いがあって
A請求という逼迫した状況のみだけチヌークでの輸送は行っています。
それ以外は離島では民間のフェリーなどの船便で
「可能な限り早く」というだけです。

ちなみに九州の離島(第9警戒隊 下甑)に2年半居ましたが
そのA請求というシチュエーションは起こったことがありませんでした。

B・Cのみでしたね。

チヌークがくるのはもっぱら訓練・演習のみでしたね。
それと西空のトップなど、各方面隊のトップが替わった時などに使用。

入間に物資を集約し、各方面までオスプレイを使うなどはあるかもしれませんね。

それと昨今の事情や離島防衛などの面で考えると
空自のオスプレイ運用も沖縄ぐらいしか使えないかも?ですね。
そうなると益々沖縄は・・・。

元空自です。 様
請求区分の件数は書かない方が宜しいかと思います。
消しておきましょうか?

下甑のレーダーが安定していたというのは、FPS-2時代のことでしょうか。
さすが枯れた技術の固定レーダーは安定度高いですね。
FPS-2だと、A請求に該当する部品は、品目数も少ないでしょうから、補用部品としてストックもあるでしょうから、結果補用充当でBCになっていたのだろうと想像します。

富士重工が民間型の開発に関わっていた筈だから何とかラ国できたらいいんじゃないかな?
エンジンに若干問題が有るとはいえ充分な整備環境さえ有れば問題ないみたいだし、国内で
潤沢な部品さえ有れば事故の起こる率はぐんと下がると思うけど。
それと落ちる原因の大半が固定翼機と回転翼機の特性の切り替えに戸惑うのが原因みたいだし
普天間より周囲に何もない安全な場所で基礎訓練ができれば深刻な事故は更に減らせる。

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