三菱電機の低騒音化プロペラファンは軍事技術の応用?
先頃防衛省から取引停止処分も受けた三菱電機が、低騒音化したファンの宣伝を盛んに行なっています。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/ad/newspaper/pdf/kaeru_201205_01.pdf
ちょっと格好良いファンです。
このファンの開発には、2つの技術が使われたとのこと。
・ファンが回ることによって発生する「気流」を視覚化する「流体シミュレーション」
・複数のマイクを使って「音」を測り、視覚化する「音響ホログラフィ法」
違っていたら、三菱電機の技術者に怒られそうですが、これらの開発手法(技術)がこのファンの開発のために作られた……とは考え難い気がします。
水と空気という、扱う流体の性状は違っても、開発手法は応用できるはず。
これって三菱グループが、潜水艦等のスクリュー開発で作られた技術なんじゃないか、と思えるのです。
スクリュー自体の技術を一般販売される商品に応用したら、防衛省との契約違反になるでしょうが、その開発手法を、水以外の流体を対象とするファンに応用しても、契約違反にはならない……のではないか。
そう言う意味において、このファンは軍事技術の応用なのではないか、と思えます。
「だとしたら、けしからん!」
とは思いません。
防衛費が縮小する中、軍事技術を応用することで、防衛に害が及ばない範囲で、防衛産業が儲けてくれれば、これに越したことはないでしょう。
弾道計算のためにコンピューターが作られたり、ネットワーク化のためにインターネットの仕組みが作られたりと、軍事がスタートだった技術は、数多くあります。
日本の場合、「軍事技術の応用です」というのはセールストークには成り得ないでしょうが、防衛省の後押ししてやるべきなのではないでしょうか。
これが、そうしたことがこっそりと行なわれた結果なら、歓迎したいと思います。
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果たしてそうなんでしょうか?
日本にアメリカのエアコンメーカーが進出しようとした時、音が壁となって普及しなかったという話を聞いた事があります。(逆に某国では日本製のエアコンは音が静かすぎて人気がないらしい、と冷凍機の講習で聴きました--嘘かホントか眉唾ものですが)
それに住宅の24時間換気が義務化された結果、換気扇の音の問題もきびしさをましているそうです。
また日本メーカーの間でも低騒音化の競争は非常に激しいですから「流体シミレーション)の方は潜水艦のプロペラ開発の技術より先ではないのでしょうか。
「音響ホログラフィ法」はは確かに潜水艦の開発技術の応用かもしれませんけど。
もっともコンピュータソフトで「視覚化」するというのまで含めれば軍事技術の応用といえるかもしれませんね。
投稿: みやとん | 2012年7月10日 (火) 00時00分
みやとん 様
確かに、日本人ほど、静音化や消臭に気を使っている民族も少ないですから、市場性があるとして開発してもおかしくはないでしょうね。
今回の記事は、そうだったら良いのに、くらいの感じで書いてます。
投稿: 数多久遠 | 2012年7月10日 (火) 20時45分
数多様
本当に、そうだったら良いですね。 民間企業だと、儲けに
ならなければ、撤退せざるを得ないですから、防衛で磨いた
基礎技術が民間取引での儲けにつながれば、少ない防衛
予算でも耐え忍ぶことも可能でしょう。
しかし残念ながら、潜水艦のスクリューと換気扇ではサイズが違い
ますし、密度が違いますので、同じ技術ではないようです。
技本が研究している将来警戒管制レーダーは、三菱電機が
チリで展開しているレーダーの発展版らしいですから、民から
防衛への逆展開になっています。
投稿: やん | 2012年7月11日 (水) 00時33分
やん 様
もちろん、水と空気なんですから、形状等は全く異なっていると思ってます。
流用できたとすれば、開発手法だけだと思ってます。
レーダーが民から官ですか。
もはや、オフザシェルフなんて言えませんね。
投稿: 数多久遠 | 2012年7月12日 (木) 18時43分
数多様
オフザシェルフは、日本では新しい言葉ですがアメリカでは
全く異なったニュアンスになっているような気がします。
アメリカの柔軟な姿勢が、羨ましく感じます。
ソニーのカメラが無ければ、ミサイルが作れないらしいという
ことを聞いたことがあります。
であれば、経産もE/Lで上手くコントロールすれば、立派な
防衛戦略になると思います。
商売上では、困ったことになりますが。。。。(笑)
また、民から官へのレーダーも原理は、似ていてもまた違った
技術だそうです。 100%文系の下名には、もう理解できません
(苦笑)
投稿: やん | 2012年7月12日 (木) 23時19分
換気扇の市場は三菱とパナソニックの寡占状態で、小さいメーカーが撤退したりすると、すぐさま「草刈り場」となる成熟市場(=金のなる木)です。
中国なんかが入ってこられないのは、品質もさることながら、単価の安い機械を短納期で一定数量納める事が出来る生産・物流能力があるからです。
極論すれば、プロペラの形を取ってそのまま金型を作ればコピーしちゃえるものにワザワザ軍事技術を披露するとは思えません。ちょっと穿ち過ぎでは?
投稿: | 2012年7月13日 (金) 00時01分
自分も凝った扇風機を見るたびに潜水艦のスクリューを思い浮かべていました
やん様のおっしゃっている「チリで展開してるレーダー」というのはアルマ電波望遠鏡のことでしょうか?
FPS-5の回転機構にはすばる望遠鏡の開発で得た技術が使われているようですし、
技術的には似た部分も多いのかもしれませんね…
投稿: hiro | 2012年7月13日 (金) 01時16分
名無し様
プロペラの形を取って金型を作っても、通常の換気扇より
静かな換気扇を作ることは不可能です。
潜水艦のスクリューの技術とは、違う技術だと思われます
が、数多様の仰る通り開発手法が流用されているのかも
しれません。
hiro様
仰る通り、チリで展開しているレーダーはアルマ電波望遠鏡
です。 アルマは星を見るレーダーですが、将来管制は動く
モノを見るので、違う技術になるらしいです(汗)
ガメラの回転機構が、すばる望遠鏡の技術とは知りません
でした(驚) 勉強になります。
投稿: やん | 2012年7月14日 (土) 01時48分
やん 様
ソニーも、企業としてアップアップですから、防衛戦略のために販売を抑制されたらかなわないと思いそうですね。
名無し 様
やん様もフォローしてくれてますが、私が言っているのは開発手法ですよ。
仮に、完全無音の扇風機が出来たとしても、それをスクリューにしたら、さぞ騒々しく非効率なモノになるでしょうね。
hiro 様
逆に、スクリューにだけは覆いをかけられた潜水艦の写真を見ると、興味が湧きますよね。
大型で、正確な可動性を求められるという点では、天体観測用のレーダーも軍事用のレーダーも変らないでしょうし、強電回路なんかも共通かも知れませんね。
投稿: 数多久遠 | 2012年7月14日 (土) 14時14分
数多様
ファンメーカーとも付き合いがあるのですが、静音技術は相当
難しいらしいです。
音の割合は、羽根が空気を切り裂く音が8割強で、残りは
ベアリングの回転音だそうです。
今回の三菱電機のファンは、空気を切り裂く音を低減している
ので、かなり静かに感じるのではないかと思います。
潜水艦のスクリューの形状は、凄く興味があります。
秘中の秘ですから、一生見れないのかなぁ~
投稿: やん | 2012年7月15日 (日) 01時11分
やん 様
ファンの静音化は難しいですか。
考えてみれば、それが簡単にできるなら、ヘリのブレードスラップ音なんて消えてますよね。
潜水艦のスクリューは、トラブルで緊急浮上したのでもなければ見られないでしょうね。
アメリカの西海岸沖で、ソ連艦が1回さらしてましたが、似たような状態に中国艦がなってくれればいいですね。
投稿: 数多久遠 | 2012年7月16日 (月) 21時22分