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2012年7月

2012年7月 2日 (月)

イランによる原潜建艦の可能性と真意

イランが原潜の建造着手を表明しました。
原潜設計に着手か イラン海軍が表明」(産経新聞12年6月13日)

これについては、論点が二つ存在します。
①本当に作れるのか?
 (兵器として実用レベルのものが作れるのか?)
②本当に作るつもりなのか?
 (狙いは別にあり、偽装なのではないか?)

まず、原潜が作れるのかという点ですが、世界最初の原子力潜水艦「ノーチラス」が、1954年の竣工だったこと、世界最初の原発の運転開始が同年だったこと、及び既にイランのブシェール原発が商用運転していることを考えれば、原発と原潜用の炉がかなり異なることを考慮に入れても、技術的な下地はあるものと思われます。
(潜水艦の建艦技術についても、既に小型のものは実績あり)

ただし、単純に建造年で考えれば、イランの原潜建造技術は、「ノーチラス」レベルとも考えられる訳です。
しかも、ブシェールは、ロシアによるバックアップがあってこそな事を考えれば、「ノーチラス」以下かもしれません。

となると、これが実用に耐えるかと言われれば、答えはNOでしょう。
例え、航行できたとしても、恐らく静粛性に問題がありすぎ、姿を隠してこその潜水艦でありながら、当面は”どこにいても存在が分かる”というレベルのものにしかならないと思われます。

イランが、原潜を持ちたがる軍事的な意義としては、MDによって無力化されかねない地上発射式の弾道ミサイルに代り、戦略ミサイル原潜を持つことで、MDを回避できる核戦力を持ちたいのでしょう。

ですが、「ノーチラス」レベルあるいは、それ以下であれば、出航時から米攻撃原潜に貼り付かれ(しかもそれに気が付かないまま)、
弾道ミサイルを発射するそぶりを見せた時点で沈められてお終いでしょう。

ですから、「本当に作れるのか?」という疑問に対しては、少なくとも実用レベルのものは無理という結論になるでしょう。
中国が、練習用空母を持つことと同様に、練習用原潜のつもりかもしれませんが……

で、作れるのかという論点に対して、答えが”無理”であるのならば、なおのこと第2の論点「本当に作るつもりなのか?」のかが問題になってきます。

これに関しては、同記事を報じたロイターの記事が、良い記事を書いてます。
イラン海軍が原潜建造計画を表明、核協議に影響も」(ロイター12年6月13日)

外交問題のシンクタンク、カーネギー国際平和財団の核専門家マーク・ヒッブス氏は、多くの原子力潜水艦が燃料として、核爆弾を製造できるレベルの濃縮ウランを使用していると指摘。より濃縮度の高いウラン製造を正当化するために、イランが原子力潜水艦の建造計画を利用する可能性があると語った。


原潜建艦は偽装であり、本意は原爆の製造にあるのではないか、と言うのです。

原発に使用される核燃料のウランは、濃縮度わずか数%です。
対して、原爆を製造するためには90%以上の濃縮度が必要とされます。

このため、ナタンツの核施設が、高濃度のウラン濃縮を行なおうとしているなら、目的は原爆製造にあるとされる訳です。

ところが、同じ原子炉とは言え、一部の潜水艦や原子力空母に使用されるウラン燃料は、原爆と変らないレベルの90%以上の濃縮度であると言われています。
これは、原発と異なり、潜水艦等では、核燃料の交換が非常に困難だからであり、当初から高濃縮の燃料を搭載しておけば、船の寿命が来るまで、核燃料の交換を必要とならないからです。

イランとすれば、「原潜を造るために高濃縮ウランが必要なのであって、原爆を作るつもりじゃないよ」、という訳です。
ですから、「核技術を平和的に利用する権利がある
」などと言うのです。(原潜が平和的なものなのかは、大いに疑問ですが……)

イランの真意を証明する証拠はありません。
ですが、イランの技術力を鑑みて、遠い将来を見越した訓練用原潜を気長に作るのでなければ、原爆製造のための偽装として、原潜を造ると宣言した可能性が高そうです。

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2012年7月 6日 (金)

友愛ボートと中国封じ込め

鳩山元首相が、友愛ボートとして言い出しっぺとなったパシフィック・パートナーシップですが、粛々と続けられています。

パシフィック・パートナーシップ2012への参加について

今年は、個人参加を含む19人の民間人が乗り込み、フィリピンとベトナムで活動します。

鳩ポッポが何を言い出すんだ!
というネット論調でしたが、私は「友愛ボート構想を歓迎します」で書いた通り、当初から賛成でした。

で、今年の計画を見ても、実に戦略的に実施されています。

友愛ボート構想が目指していた国際世論の日本贔屓化にどの程度貢献しているか、数値化することは難しいですが、フィリピンとベトナムという、対中国を意識した場合、今や固い団結が必要な国々の対日感情、そしてプレゼンスにプラスの効果がある施策は、積極的に実施すべきです。

海自だけでは大変だからかもしれませんが、今年は空自もC-1とC-130で参加するようです。
よりスピードが要求される状況の際の準備として是非やっておくべきでしょうね。

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2012年7月 9日 (月)

三菱電機の低騒音化プロペラファンは軍事技術の応用?

先頃防衛省から取引停止処分も受けた三菱電機が、低騒音化したファンの宣伝を盛んに行なっています。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/ad/newspaper/pdf/kaeru_201205_01.pdf

C4_mainvisual_01
ちょっと格好良いファンです。
このファンの開発には、2つの技術が使われたとのこと。
・ファンが回ることによって発生する「気流」を視覚化する「流体シミュレーション」
・複数のマイクを使って「音」を測り、視覚化する「音響ホログラフィ法」

違っていたら、三菱電機の技術者に怒られそうですが、これらの開発手法(技術)がこのファンの開発のために作られた……とは考え難い気がします。

水と空気という、扱う流体の性状は違っても、開発手法は応用できるはず。
これって三菱グループが、潜水艦等のスクリュー開発で作られた技術なんじゃないか、と思えるのです。

スクリュー自体の技術を一般販売される商品に応用したら、防衛省との契約違反になるでしょうが、その開発手法を、水以外の流体を対象とするファンに応用しても、契約違反にはならない……のではないか。

そう言う意味において、このファンは軍事技術の応用なのではないか、と思えます。

「だとしたら、けしからん!」
とは思いません。
防衛費が縮小する中、軍事技術を応用することで、防衛に害が及ばない範囲で、防衛産業が儲けてくれれば、これに越したことはないでしょう。

弾道計算のためにコンピューターが作られたり、ネットワーク化のためにインターネットの仕組みが作られたりと、軍事がスタートだった技術は、数多くあります。

日本の場合、「軍事技術の応用です」というのはセールストークには成り得ないでしょうが、防衛省の後押ししてやるべきなのではないでしょうか。
これが、そうしたことがこっそりと行なわれた結果なら、歓迎したいと思います。

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2012年7月10日 (火)

PSI航空阻止訓練の実施と法的枠組み不備

PSI航空阻止訓練が実施されました。
航空自衛隊千歳基地でPSI訓練」(苫小牧民放12年7月5日)
20120703
同記事より

***
防護服に身を包んだ道警と函館税関の約20人が貨物検査のため機内に乗り込むと、容器に入れられた放射性物質を探し出して搬出した。

 放射能漏れを想定した訓練では、陸上自衛隊の化学防護隊約80人が出動。マスクで顔を覆った隊員たちが、機体やその周辺の放射線を測り、汚染された場所を除去していった。
***

海上でのPSI阻止訓練と並び、いざという時のために、実施しておくべき訓練です……が、正直言って、この4日の訓練には、あまり興味がありません。
やるべき事、できる事がはっきりしており、細部の経験を積み上げれば良い内容だけが、実働阻止訓練として行なわれたからです。

では、何が問題かと言えば、この実働阻止訓練でスルーされた事項です。
***

 訓練では、放射性物質を積んだ民間貨物機が日本上空を通過するとの情報を得て、空自のF15戦闘機が発進したと想定。領空侵入後、基地まで誘導し、駐機場で停止させた。
***

フライトプランを提出して飛行する民間航空機を、如何なる権限で、強制的に着陸させるのか、それを空自機が行なって良いのか、良いとしても、実際にどのような方法で行なうことが可能なのか等々、グレーどころか、真っ白(何も無い)です。

海上でのPSIの場合、海保は当然ながら権限を持ってますから、海保が行なえば問題ありませんし、海自が行なう場合も、いわゆる船舶検査活動法(正式名称:周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律)(周辺事態時限定)がありますし、海上警備行動命令は、かなり迅速に発動できる行動命令ですから、実施の根拠は、政府・防衛省としては、迅速に用意できます。

ですが、空自が空においてこれを行なう特別の根拠法令はありませんし、海警行動のような行動(行動命令を受けて行なう行動)もありません。
治安出動が発令されればOKですが、ミサイル関連物資等を積んいるというだけで、治安出動を発令すべき「間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもつては、治安を維持することができないと認められる場合」に該当するのかと言えば、多分ムリでしょう。
警察庁からの”官庁間協力”を受けて、誘導することは可能です。
ですが、対象機が誘導を無視したとしても、「誘導に従いなさい」と言う以外は何もできません。
フライトプランを受けても、領空通過を拒否したのなら、対領空侵犯措置として行なうことは可能ですが、その場合に、領空に突っ込んでくるPSI対象機はいないでしょう。

つまるところ、海上におけるPSIと異なり、空におけるPSIは、空自が行うことが可能なのかもアヤシイですし、行う場合も、対象機が誘導に従って着陸してくれれば、今回訓練したような行為も実施できるものの、誘導に従わない場合に、どのような措置を採るべきなのかについて、不備だらけなのが実情なのです。

これには、空の場合、限定的な力の行使が非常に難しい(機関砲1発でも、墜落するかもしれない)という側面も、どうしてもあります。
また、領海外に出た船舶に対して、領海外で強制力を働かせることが可能な「追跡権」がある海上と異なり、空においては、同種の権利がないという国際法上の制限もあります。

が、それにしても、問題がありすぎます。
当然、防衛省・自衛隊も、問題は認識しています。

そのため、報道されることのない訓練の3日目、札幌市内において、ひっそりと机上訓練が内局と統幕の間だけで行なわれています。
我が国主催PSI航空阻止訓練「Pacific Shield 12」への防衛省・自衛隊の参加について

***

7月5日(木)     机上訓練(札幌市内)     内部部局、統合幕僚監部
***

私が知りたいのは、この3日目の机上訓練の成果です。
恐らく、対象機が取り得る行動をケーススタディとして検討し、必要な立法措置や実際の対応等が検討されたのだと思われます。
が、残念ながら公開されることはないでしょう。

ただし、ググってみたところ内容を占うことが出来る公刊資料はあります。
「空における警備行動概念の再考--PSI航空阻止及び航空テロ対処を軸として」(法学新報116巻)
国会図書館まで行けば読めるようです。行く機会があれば、チェックしてみます。
論文の著者、坂本まゆみ氏は、空幕法務課勤務経験もある専門家です。
ちなみに本も出されています。

(個人的に、非常に興味深い内容ですが、高くて手が出ません。何でこんなに高いんだ?)

と、ツッコミ切れていない記事になってしまいましたが、不備だらけなのは分かって頂けたでしょうか。

今回の机上訓練の成果を受けて、改善策が講じられることを期待します。

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2012年7月14日 (土)

予備自制度が槍玉に……見直し私案

財務省が、予備自衛官制度を槍玉に挙げています。
予備自衛官の見直し必要、震災出頭103人だけ」(読売新聞12年7月3日)

財務省は3日、2012年度予算の無駄遣いを点検する予算執行調査の結果を発表した。

 見直し対象には、防衛省の予備自衛官制度(予算額80億4900万円)も挙がった。


「財務が、何てことを言うんだ」と言うところです。
普段なら……
ですが

予備自衛官のうち、東日本大震災で出頭可能と回答した人は4497人と全体の17・1%にとどまり、実際に出頭できたのは103人だけだった。


というデータがあると、何とも反論がし難いです。
財務でなくとも「存在意義のある制度なのか?」という疑問は持つでしょう。
出頭に応じることが出来なかった人数分も、手当や報奨金も支払われている訳ですし、招集に奔走した地本の方の労力だって非効率だった訳です。
制度を廃止して、その分の予算を常備自衛官に回したらどうだ、という議論が起こることはやむを得ないと思われます。

と言うか、今まで書いた事はありませんでしたが、正直言いますと、私は予備自衛官制度には、現役時から疑問を持ってました。
招集に応じるのか、という疑問ではなく、たかだか年間数日の訓練だけで、自衛官として役に立つのか、という疑問からです。

ただし、これには、私が空自だったという点もあるかとは思います。
空自の場合、一通りの取り扱いを覚えるだけでも大変な器材が多く、常備自衛官であっても、空士では戦力とは良い難い部分が多々あります。ぶっちゃけ言えば、3曹昇任前後になって、やっと使い物になるというのが実情です。

ですので、予備自は、基本後方地域で使うとはなっていても、果たして本当に使い物になるのかは疑問を持ってました。
ただし、これも正直に白状しますと、実際に予備自の方といっしょに訓練を行なった経験はありません。ですので、予備自の方に「馬鹿にするな」とのお叱りを受ける可能性はあると思っています。

また、空自だから、とも書きましたが、予備自制度に熱心なのは、言うまでも無く陸自です。
即応予備の制度を陸自だけが設けていることからも、この点は明らかです。
陸自の場合は、空自よりも予備自の活用ノウハウが整っており、より有効な活用もできるのでしょうし、必要性も高いのだと思います。

ですが、結果的に出頭率0.4%では、制度として問題があると言わざるを得ないでしょう。

では、どうすべきか?
企業や国民の理解を得るための施策は、今までもさんざん考えられてきたでしょう。
私が今更考えるまでもないと思います。

予備自制度を廃止して、多少でも常備自衛官を増やすことは可能でしょう。
ですが、これだけでは、効率的で弾力的な人的戦力の確保という、予備自制度の趣旨は満足できません。

私は、有事及び大規模災害時に適用する、自衛官の速成プログラムを、今よりも真剣に整備して、予備自制度に替えるべきだろうと考えています。
空自の場合で言えば、教育隊で行なわれている3ヶ月の新隊員課程を圧縮し、1ヶ月程度で部隊に送り出すのです。

もちろん、現在でもこうした速成プログラムは考えられています。
ですが、隊舎の確保など、真剣に速成プログラムを行なうために必要なリソースは、基本的にありません。
ですが、これらを用意すれば、事態が発生する前から入校していた学生は、一ヶ月以内に部隊に送り込める計算になりますし、更に一ヶ月あれば、もう1期分の新米自衛官を部隊に送り込むことができます。

そして、事態が収束すれば、以後の採用を抑制すれば良いのです。

流石に、予備自ほどの即応性は確保できませんが、今回の震災でも、予備自衛官の招集にそれなりの期間を要したことを考えれば、この速成プログラムでの制度代替でも、平素は予算をかけることなく、有事に同等以上の人員確保ができるのではないかと思います。

予備自衛官制度があっても、出頭率が0.4%しかないのであれば、十分に有効な代替制度となり得るのではないかと思います。

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2012年7月17日 (火)

屋根の上の地対空ミサイル……東京での五輪開催に意外な障害

前回の北京オリンピックの際、中国は、テロを警戒して、会場周辺に地対空ミサイルを配備しました。
テロ対処等には万全を期す方向で考える私としても、「やりすぎじゃね?」と思ったのですが、今回のロンドン五輪でも地対空ミサイルを配備する方向のようです。
アパート屋根の上の地対空ミサイル 住民、テロ攻撃に不安、差し止め訴訟に発展」(産経新聞12年7月4日)

 ロンドン五輪へのテロ攻撃に対抗するため、英国防衛省(MOD)が計画しているのが、五輪競技施設近くの民間アパートの屋根の上に地対空ミサイルを配置するというものだ。今回の五輪は都市部で開催されるため、周辺に十分な防衛拠点を築くことができない。そこでMODが目を付けたのがアパートの屋上。ここに地対空ミサイルを配備することで空からのテロ攻撃に対抗できるという。


どうも、この流れが定着しそうです。
そうなると、これは東京がオリンピックを誘致するための障害となりかねません。

テロに対する備えも、開催地決定の考慮要素とされるであろうにもかかわらず、東京では、地対空ミサイルによる会場警備が、政治的にも、法的にも、難しいからです。

政治的な問題は、もちろん周辺住民の反対です。
前掲記事のようにロンドンでさえ問題になっているのですから、軍事アレルギーのある日本なら尚更でしょう。

自分の住むアパートの屋根に高性能爆弾が配備されるというのは物騒なもの。案の定、アパート住民によるミサイル配備の差し止めを求める訴訟が起こされた。住民を代表する弁護団は「アパートに住む住人の人権を侵害するもの」とし、「人口密度の高い住宅街にミサイルを配備することは容認できない」としている。


また、同記事は、テロにおいてもSEAD(シード:敵防空網制圧)/DEADが行なわれ、これによって配備地であるアパートが危険にさらされる可能性も指摘しています。

空からの攻撃を想定した場合、第一目標として周辺の地対空ミサイルを破壊。攻撃の第二波として五輪施設を破壊するというシナリオが考えられる。つまり、防御のための地対空ミサイルは格好の攻撃目標にもなり得るわけだ。


反対住民が出るのも、さもありなんです……

法的な問題もあります。
自衛隊が、テロ機に対して地対空ミサイルを撃つためには、治安出動が必要ですが、治安出動は「間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもつては、治安を維持することができないと認められる場合」に発令されるものなので、オリンピックだからという理由で発令できるとは考えられないからです。
(日本の場合、理解不能な解釈論を持ち出して、発令できることになるんでしょうけど……)

ちなみに
防衛出動が発令されていれば可能ですが、オリンピック開催のための警戒で防衛出動なんて、治安出動以上にありえません。
警護出動は、自衛隊の基地等か米軍基地等周辺でしか使えないので、ムリです。
災害派遣では、武器が使えませんし、被害が出る(テロ機が突っ込む)前に対処することはできません。
対領空侵犯措置は、外国機なら可能ですが、日本国内でのテロのために、わざわざ外国機を用意して領空侵犯するテロリストはいないでしょう。

ロンドンでの地対空ミサイル配備は、裁判所判断になるみたいですが、ロンドンでも行なわれると、東京がオリンピックを誘致するためには、考慮しておく必要がありそうです。

最後に、爆発物としてのミサイルの安全性に関しては、「抱いて寝ろ」と言われても、私は平気です。(そのくらい安全)

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2012年7月20日 (金)

書評「塩の街」「空の中」「海の底」

有川浩(ありかわひろ 女性)の自衛隊三部作と呼ばれる作品群です。
ただし、三部作とは言われているものの、3作品とも、全く関連はありません。(なので、どれから呼んでもオッケーです)

「塩の街」(陸自に焦点。ただし主人公は空自P)

「空の中」(空自)

「海の底」(海自)

となっているが故、自衛隊三部作と呼ばれているようです。
(陸・海・空の順でないのは、刊行順だからです)

3作とも、ジャンルで言えばSFで、SF的設定の中で、自衛官が活躍する小説となっています。
自衛隊ではなく、米軍だったなら、ハリウッド映画にありそうなストーリーとも言えます。

著者の有川浩は、wikiでもライトノベル作家とされていますが、筆致は軽めなものの、ストーリーや登場人物は、ちっともライトノベル的ではありません。
ただし、3作品とも人がバタバタと死んで行きますが、それでありながら、作品に重苦しさを感じさせないところには、ライトにしようという作者の意図は感じます。

そして、3作品に共通して見事なのは、深刻なストーリー展開にも係わらず、全く違和感を感じさせずに、しっかりとラブストーリーになっている所です。
これも、ある意味ハリウッド的で、映画「トップガン」にも通じるところがあるように思います。
有川氏は、ラブストーリーの名手と言われていますが、これらの作品の中でも、それは遺憾なく発揮されている感じです。

自衛隊の行動や装備に関しては、間違いも少なからずありますが、自衛隊が描かれる小説としては、良く調べて書いてある部類だと思います。
ですので、ミリタリーファンでも、あら探しが趣味でなければ、十分に楽しめると思います。

ハリウッドを引き合いに出してますが、それだけ優れたエンターテイメントだということです。
「ミリタリーにラブストーリーをかぶせるんじゃねえ!」という硬派な方でなければ、読んで損はないでしょう。

なお、外伝的続編として「クジラの彼」、「ラブコメ今昔」も刊行されています。


以下、各作品について、少し細かく書きます。
ネタバレ有りなので、未読の方はご注意下さい。

「塩の街」
著者のデビュー作であり、電撃ゲーム小説大賞(現在の電撃小説大賞)で大賞をとった作品です。
電撃小説大賞と言えば、押しも押されぬライトノベルの小説賞な訳ですが、先にも書いたとおり、ちっともライトノベルではありません。
そのため、一旦は電撃文庫で刊行されながら、その後に大幅加筆され単行本化された上、現在は角川文庫に収蔵されるという、変った出版過程を経た作品になってます。
(ただし、今でも、単行本版どころか電撃文庫版も新品で手に入ります。恐るべし……)

内容としては、疫病?による崩壊後の世界を描いた作品で、自衛隊の活躍も、戦闘というより治安維持や災害派遣的です。
3作品の中では、最もラブストーリー色の強い作品です。

「空の中」
最初から、単行本としての刊行された作品で、いわゆる(知的生命体との)ファーストコンタクト物のSFです。
SFとしては、定番のネタですが、良く練られており、ベタなSFファンの観察眼にも耐える作品だと思います。
3作品の中では、最もSF色の強い作品です。

「海の底」
これも単行本です。
SFはSFですが、怪獣物と呼んだ方がしっくり来る作品で、停泊中の潜水艦内に閉じ込められて、というより閉じ籠もった自衛官と子供達の交流?を描いた作品と言えます。
設定は、なんとなく、「ガメラ2 レギオン襲来」を彷彿させるところがあります。
3作品の中では、最もミリタリー色の強い作品です。

個人的には、「海の底」がお勧めですが、SFファンなら「空の中」がいいかもしれません。

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2012年7月22日 (日)

オスプレイ配備で一挙三得

日本政府としては、アメリカが全世界で進めているオスプレイの配備を、在日米軍だけ中止させる訳には行きません。野田首相が苦し紛れに発言した通り、日米安保条約の条文からしても、ムリです。
一方沖縄は、オスプレイの安全性への懸念から配備に反対しています。

日本政府は、この問題を何とかしなければならない訳ですが、その妙案は、政府内からは、なかなか出てこないようです。
ですが、一挙両得ならぬ一挙三得で、この問題を解決に向かわせる妙案があります。
それは、自衛隊へのオスプレイ配備です。

沖縄がオスプレイの配備に反対している理由は、安全性への懸念が第一にありますが、普天間近郊に住んでいる人以外には、実際の危険がある訳ではありません。
それらの人まで反対している理由は、「沖縄にだけ押しつけられる」という被害意識です。(実際に沖縄だけなので、被害妄想とは言いません)
政府としても、その事は分かっていますから、岩国に陸揚げして、「沖縄だけではない」というポーズを示しています。
ですが、所詮は一旦陸揚げするだけなので、ポーズに過ぎません。

ならば、ポーズではなく、沖縄以外でもオスプレイが実際に運用されるようになれば、沖縄の反感も和らぐはずです。
ですが、三沢にも、横田にも、岩国にも、そして横須賀にも佐世保にも、オスプレイのニーズはありません。

こうなると、後はもう自衛隊が使うしかありません。
しかし、自衛隊も予算逼迫の折り、不要なモノを買うような余裕はありません。
ところが、オスプレイを導入することで、戦力の向上を図りながら、予算を圧縮できる可能性さえある私案があります。

それは、航空自衛隊が保有するCH-47を、オスプレイで代替して行く方法です。

オスプレイは、以前の記事「オスプレイ事故原因と沖縄配備に向けた運用制限」で指摘した通り、ヘリモードでの操縦性、特にホバリング時の操縦性は、恐らくヘリほど高くありません。
ですから、救難用途で使用されるヘリの代替には向きません。

陸自が、海兵隊と同様の使い方をすることはできますが、UH-1からUH-60への転換さえあきらめ、UH-Xを導入する方向を決めたくらいですから、オスプレイは高価過ぎのオーバースペックです。

一方で、航空自衛隊のCH-47は、レーダーサイト及びSAMサイトへの、物資及び人員輸送に使われています。
サイトにおける物資等の積み卸しは、ほとんど決まったヘリポートですし、ホバリング状態ではなく、ちゃんと着陸しての積み卸しです。

ですから、コストさえ合えば、CH-47をオスプレイに代替することは可能なはずです。
ですが、「オスプレイの方が高いんだから、コストが合うはずないだろ」と思うでしょう。
確かに、機体価格はそうです。
CH-47のラ国調達価格が52億程度と言われるのに対して、オスプレイは米軍でも70億と言われており、恐らく自衛隊がラ国で調達すれば100億を超えるでしょう。
しかし、運用する組織や人員まで含めて考えた場合、コストは下がる可能性があります。
(つーか、絶対安いと思う)

空自のCH-47は、三沢、入間、春日、那覇の各ヘリコプター空輸隊に配備され、主として一瞬たりとも止めることを許されないレーダーサイトへ、補用部品の輸送任務を行なっています。
補用部品は、入間基地にある第3補給処(SAM関連は、同じ入間の4補)から、C-1あるいはC-130で、三沢、春日、那覇に運ばれ、そこからCH-47に積み替えられて、サイトまで運ばれます。
(中警団隷下のサイトへは、入間からCH-47で直送)

オスプレイがあれば、航続距離もヘリより格段に長いので、入間の3補及び4補から、ダイレクトで日本全国のサイトまで、運ぶことが可能になります。(もしかすると宮古は、途中で給油が必要かも)

つまり、現在4個あるヘリコプター空輸隊を、1個に集約でき、15機あるCH-47を、恐らく5機程度のオスプレイで代替できると思われます。
であれば、運用・整備に関する人員も削減でき、コストは大幅に削減できるはずです。

C-1やC-130の輸送所要も減ります。
レーダーサイトがトラブルとなれば、空自にとっては一大事ですから、それこそバイク便でも運べるような荷物しかなくとも、C-1が、ほとんど空荷に近い状態で飛ぶようなことさえあるからです。

しかも、CH-47よりオスプレイの方が早いですし、それ以上に、三沢等の基地で、積み替えに要するグラウンドタイムが無くなりますから、3補及び4補からサイトまでの総所要時間も、恐らく短くなります。
つまり、運用能力が向上するのです。

沖縄の反感が和らぎ、自衛隊のコストが下がり、運用能力も向上する。
つまり一粒で三度美味しい。

オスプレイは、サイズ的にはCH-47よりも小さいので、各地のレーダーサイトのヘリポートも、恐らく改修の必要はないと思われます。
障害は、入間基地周辺住民の感情ですが、T-33の入間川河川敷への墜落事故の後でも、それほど反感が出なかった事を考えれば、オスプレイを配備するとなっても、そう大きな反感はないのではないかと思います。

沖縄の方は、普天間だけが民家が近く、異常だと言いますが、入間だって状況は全く変わりません。
入間にオスプレイが配備されるとなれば、自分達だけがババを引かされているとは思わなくなるでしょう。

加えて、オスプレイを、もしラ国で調達するとなれば、将来、民需で金のなる木に化ける可能性のあるティルトローター技術を、不況に苦しむ国内航空機産業界に導入できます。
(逆にボーイングは大反対しそうですが)

検討に値する私案だと思います。
もっとも、問題は時間かもしれませんが。
森本大臣、如何でしょうか?

なお、防衛省がオスプレイの購入を検討しているとの報道もあります。
「日本、オスプレイ購入検討」「現在は白紙」」(沖縄タイムス12年7月12日)

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2012年7月25日 (水)

歩哨犬の災害救助犬としての活用に異論

歩哨犬を災害救助犬として活用するための訓練が行なわれているそうです。

入間基地 中警団管理隊、NPOと協力 歩哨犬で初の救助訓練 災派想定、生存者捜索へ指導」(朝雲新聞12年6月21日)
Photo
同記事より

 空自入間基地の警備を担当する中警団基業群管理隊(隊長・橋本卓二3佐)は4月27日、神奈川県のNPO「救助犬訓練士協会」(村瀬英博理事長)と初めて災害派遣を想定した歩哨犬による被災地の生存者捜索訓練を合同で行った。
 現在8頭の歩哨犬が世界標準の捜索能力を認定する「国際救助犬資格」の取得に向け、連日訓練に励んでいる。


災害派遣が国民に高く評価され、アンケートでも、自衛隊に期待する活動としての1位が災害派遣になる中、これに反対する人は少ないでしょう。
ですが、私は反対です。

私は、当ブログでも何回も紹介しているように、歩哨犬の価値を高く評価しています。
ですが、同時にその訓練の難しさも、承知しているつもりです。

歩哨犬を、一人前の歩哨犬とするだけでも大変なのに、加えて災害救助犬としての訓練まで行なうのでは、本来の歩哨犬としての能力を向上・維持することが難しくなります。

 歩哨犬たちは首輪に小さな鈴を付け、シーソーのように動く一本橋やはしごの上を慎重に通過。隊員の「さがせ」の指示で瓦礫の中に入り、空気中の生体臭で模擬被災者の位置を捜索。存在を確信した段階で何度も吠えて隊員に知らせた。


これは、歩哨犬が行なうべき行動とは、明らかに異なる行動です。
異なる行動を行なわせるためには、当然異なる訓練が必要になります。

警察犬でも、災害救助犬としての訓練を受けているのは直轄犬ではなく、嘱託警察犬の一部だけのようです。
直轄警察犬さえ行なっていない災害救助を、自衛隊の歩哨犬が行なう必要性があるのかについて、疑問を持ちます。

 昨年の震災直後、同協会は警察庁の要請で宮城県に出動。海自呉造修補給所貯油所(吉浦)の国際救助犬資格を持つ警備犬2頭の捜索チームと一緒に生存者を捜した(23年9月15日付既報)。管理隊の橋本隊長は「海自警備犬の活躍を見て隊員たちは出動を熱望したが、災害救助犬の訓練実績がなく行きたくても行けなかった」と話し、宮田班長も「微力でも協力できたのでは、と歯噛みするほど悔しかった」と振り返る。


「普段から訓練を行なっていれば行けたのに」という悔しい思いは理解できます。
ですが、そのために真に行なうべき任務に対する能力が不十分になったのでは、税金の無駄使いというものです。

自衛隊の歩哨犬デモでは、臭気判定など、警察犬のマネゴトを行なうこともありますが、米軍の軍用犬デモでは、ほとんどが襲撃や戦闘の補助などです。
犬は、人間ほど飲み込みが早くありませんし、寿命が短い(10数年)ため、現役でいられる年数も短く、あれもこれもできるという状態にすることは非効率です。

 竹山修治分隊長は「大切なのは情熱と情愛。本気で褒め叱らないと犬はついて来ない。受験に向けた仕上がりは約50%で、担当犬を持つ全員が11月の試験に合格できるよう特訓中」という。


今年の1月から本格訓練を始めたそうなので、使い物になるまで1年もかかるということです。

現役期間がせいぜい10年なのに、災害救助犬としての訓練に1年もかけたのでは、自衛官が、訓練の1/10以上(錬成後の技量維持訓練も必要なので)も災害派遣訓練を行なうようなものです。

ここは、敢えて止めるべきだと思います。

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2012年7月28日 (土)

尖閣への自衛隊投入には法整備が不可欠

野田首相が、尖閣への自衛隊投入を示唆する発言をしています。
尖閣問題「自衛隊の活用も」 首相、本会議で答弁」(朝日新聞12年7月26日)

 26日の衆院本会議で、「尖閣諸島を含め領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合は、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、毅然(きぜん)として対応する」と述べた。
 民主党の楠田大蔵氏が「中国に尖閣諸島が不法侵入された場合の自衛隊や政府の対応は」と質問したことに答えた。


野田首相は、森本氏の防衛大臣への抜擢等、最近急激に保守色を強めています。今回の発言も、この流れに沿ったものなのでしょう。

もちろん、歓迎すべき流れですが、単なる人気取りのお為ごかし発言であってはなりません。
発言にあったように「自衛隊を用いる」ためには、法整備が不可欠だからです。

国会における上記のやりとりは、最近の中国船籍による領海侵入事例の頻発から交わされたものです。
昨年8月には、漁業監視船2隻が領海に侵入、海保の呼び掛けに対して「中国管轄海域において正当な公務を行っている」と応答しています。
今年になってからも、3月には海洋調査・監視船の「海監50」及び「海監66」が領海に侵入し、海保に対して「パトロールを行っている」と応答したのみならず、今月に入ってからも漁業監視船3隻が領海に侵入しました。

海保は、これら船舶に対して、領海からの退去を求めました。
海保としては、国際法上も国内法上も、これができうる限りの対応です。

国際法上は、領海に対しても、無害通行権があるため、漁業監視船や海洋調査・監視船が、ただ通過しただけなら、それを咎めることはできません。
ですが、無害でない行為を行なった場合は、領海侵犯を行なったことになります。
その場合とは、国連海洋法条約19条で、次の通り規定されています。

a 武力による威嚇又は武力の行使であって、沿岸国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対するもの又はその他の国際連合憲章に規定する国際法の諸原則に違反する方法によるもの
b 兵器(種類のいかんを問わない。)を用いる訓練又は演習
c 沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為
d 沿岸国の防衛又は安全に影響を与えることを目的とする宣伝行為
e 航空機の発着又は積込み
f 軍事機器の発着又は積込み
g 沿岸国の通関上、財政上、出入国管理上又は衛生上の法令に違反する物品、通常又は人の積込み又は積卸し
h この条約に違反する故意のかつ重大な汚染行為
i 漁獲活動
j 調査活動又は測量活動の実施
k 沿岸国の通信系又は他の施設への妨害を目的とする行為
l 通航に直接の関係を有しないその他の活動

この他にも、潜水艦は浮上航行を義務づけられています。

漁業監視船による漁業監視活動は、これらの項目には該当するとは思われません。
海洋調査・監視船によるパトロールは、j項の調査活動に近いですが、黒とは言い切れないと思われます。
中国としては、条約を踏まえた上で、ギリギリの行為をしている訳です。

過去には、海洋調査船「北斗」が、曳航ソナーのようなものを曳航してj項に該当すると思われる調査活動を行なっておりますが、この時には排他的経済水域に入ったのみで、領海には侵入していません。
こちらのケースは、場所に関してギリギリの行為をしていると言えます。
(このまま領海に侵入すれば領海侵犯)

ちなみに漁業監視船が領海侵入しただけで、直ぐに領海侵犯と書く新聞もありますが、あれは間違いです。

ですが、前述の通り無害でない行為をした場合には、領海侵犯として対処することになります。
しかし、その際にも、相手が漁業監視船や海洋調査・監視船と言った公用船の場合は、国連海洋法条約で定める「軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に適用される規則」が適用となるため、損害の賠償は要求できても、拿捕・臨検するとなれば、戦争を覚悟しなければなりません。
(プエブロ号事件のように戦争覚悟で瀬戸際外交を行なう国もあるでしょうが、日本ではムリでしょう)

そして、問題の核心は、国内法です。
上記の国連海洋法条約の規定を受けて、海上保安庁法(以下海保法と記述)第20条2項に「当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」と規定されています。
ただし、この規定は、同条2項一号において「当該船舶が、外国船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であつて非商業的目的のみに使用されるものを除く。)と思料される船舶」の場合のみに適用されることとされており、中国海軍艦艇や、海洋調査・監視船、それに漁業監視船には適用できません。そのため、これら船舶には、強制的な臨検や拿捕ができません。

そして、これは自衛隊を投入した場合でも、海上警備行動では、海保法の準用しかできないため、法的には海保となんら変わるところがありません。

中国海軍が出てくるようなら、防衛出動を発令して迎え撃つしかありませんが、海洋調査・監視船や漁業監視船相手に、防衛出動はできません。

野田首相が、本気で自衛隊を投入するつもりならば、海上警備行動の規定を見直すか、領域警備に関する法令として、新たな法令を制定する必要があります。

ああいった発言をする以上、法改正にも取り組んで欲しいものです。

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2012年7月31日 (火)

ロシア機の日本接近を隠蔽?

防衛省が、何かを隠したがっています。
ロシア爆撃機が威嚇飛行 ミサイル搭載し日本の領空接近 空自、F15緊急発進」(産経新聞12年7月5日)

 爆撃機が接近したのは6月29日。4機の超音速爆撃機TU22が相次ぎ北海道や東北周辺の日本海に飛来した。日本領空に近づいてきたため、航空自衛隊は千歳基地(北海道)のF15戦闘機などを緊急発進(スクランブル)させ対応した。

 空自戦闘機は4機すべての機体下部に空対艦ミサイルが装着されていることを確認した。機体の写真も撮影したが、防衛省はスクランブルの経緯や写真を公表していない。


防衛省は、統幕発表という形で、スクランブルになった経緯として、対象機の航路、機種、機数及び撮影した写真などを公開していました。
ですが、今回の報道に関する情報は、確かに公開されていません。
(産経の記事が誤報でなければですが)
統合幕僚監部の報道発表資料

新型の空対艦ミサイルが確認されたため、写真を公表したくなかった等、公開しない理由として考えられるものはありますが、可能性レベルの話であり、材料が少なすぎて推測さえできません。
それでも、防衛省が今回の事案に関して、何かを隠したがっていることは事実でしょう。

今までは公開していたのですから、余程の事がない限り、公開されるべきだろうと思います。

なお、ロシア機へのスクランブルは、急増しているとのことです。
ロシア機への緊急発進急増 4~6月、前年の倍以上」(朝日新聞12年7月27日)

中国だけでなく、ロシアも要注意です。

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