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2012年6月20日 (水)

日本版NSCに警察関係者を入れることの疑問と違和感

民主党が、日本版国家安全保障会議(NSC)の創設に向けた中間報告をまとめました。
日本版国家安全保障会議創設求める中間報告了承」(読売新聞12年6月7日)

こう言ったモノができれば、今までと異なり、外交政策にも防衛配慮が”少しは”成されるようになるでしょうから、もちろんこれは歓迎すべきニュースです。

ただし、気になる部分もあります。

 政府の安全保障分野の機能を向上させるため、安全保障部門から危機管理部門を分離することも提言している。


何だか意味不明です。
この文を言い換えれば、「安全保障から危機管理を分離しないと、安全保障が機能しない」ということになります。

推測の入った考察になりますが、これは、日本版NSCに、安全保障とは別に、危機管理のための椅子(ポスト)を設けるという意味であると思われます。

「危機管理のための椅子(ポスト)」とはなんぞや、ということになると思いますが、これはつまり、危機管理監と同様の椅子だろうと想像します。
内閣危機管理監(wiki)

危機管理監は、内閣官房の事務のうち、危機管理に関するものを統理することを職務としています。
ただし、「国の防衛に関するものを除く」となっており、当然ながらグレーゾーンがほとんどの危機管理にあって、防衛が関わらない範囲が存在する(というか多い)のだ、という考え方に則って設置されています。

具体的に、防衛が関わらない危機管理が何かが問題になりますが、早い話が、警察の仕事がこれに当たるとされています。
このため、危機管理監は、警察関係者の椅子(ポスト)なのです。
過去の危機管理監の経歴をまとめると、次の通りです。
安藤忠夫(1~4代):警視総監
杉田和博(5~7代):警察庁警備局長
野田健(8~11代):警視総監
伊藤哲朗(12~16代):警視総監
米村敏朗(17代現):警視総監

つまり、「安全保障部門から危機管理部門を分離」する、とは日本版NSCに危機管理部門として、警察関係者を入れるということだと思われるのです。

「別に警察が入ったっていいだろ?」と思うかもしれません。
ちょうど映画「外事警察」をやってますが、外事警察の扱う範疇の話は、確かに安全保障に絡む話です。

しかし、「外事」とは付いていても、基本的に国内法に則って、内政事項を処理するのが警察です。

ですから、本家NSCには、FBI長官は入っていません。
非常に大きな権限を持っている上、FBIがテロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件を捜査するにも係わらず、です。
アメリカ国家安全保障会議(wiki)

ちなみに、韓国のNSCにあたる韓国国家安全保障会議にも、警察関係者は入っていません。(韓国の国家安全保障会議は非常に少数の会議ですが)

逆に、警察関係者が入っているNSC相当組織を持つ国を見てみると、次の通り、薄ら寒い思いのする国がほどんどです。
ロシア(内相)
タタールスタン(内務相)
ウクライナ(内務相)
アゼルバイジャン(内務相)
グルジア(内務相)
カザフスタン(内務相)
トルコ(内相)
by wiki国家安全保障会議

諸外国のNSC相当組織を見てみれば分かるとおり、諸外国では、NSCが扱うべき事項は、国家の一大事として、国内法で左右されるべき事項ではない。
言い換えれば、警察関係者の意向で左右されるべきではないものだと認識されていると思われます。

詳細を見た上での話でないため、断言はできませんが、民主がまとめた日本版NSC中間報告には、疑問と違和感があります。

もっとも、自民がまとめても入りそうな気はしますが……

参考過去記事「危機管理監ポストと危機管理監の位置付け

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