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2012年6月27日 (水)

モロッコでのオスプレイ墜落は、セットリングか?

一般紙は詳しく報じていませんが、モロッコでのオスプレイ墜落原因について、琉球新報が興味深い記事を載せています。
「原因は操縦ミス」 オスプレイモロッコ墜落」(琉球新報12年6月27日)
Img4fea596ef21fd
同記事より

防衛省は26日、モロッコと米フロリダ州で起きた垂直離着陸輸送機オスプレイの墜落事故について、米国防総省から受けた説明の内容を公表した。海兵隊のMV22オスプレイが4月にモロッコで墜落した事故は、追い風を受けた中、旋回しながらエンジン部分を前方に傾けたことでバランスを崩して墜落したとし、操縦ミスによるものとの見方を示した。


先日のフロリダでの事故について、セットリングウィズパワーだったのではないかとする記事を書いたばかりですが、モロッコの事故も、報道を見ると、セットリングウィズパワーが疑われるような飛行をしていたようです。

一般論として、セットリングウィズパワーに入りやすい状況を列挙してみると、次の通りになります。
・低速度
・高降下率
・バンク状態
ちなみに、ヘリの場合は、速度は、対気速度12ノット以下、降下率は毎分300フィート以下だと危ないそうです

前掲記事では、モロッコでの墜落時、ホバリングから水平移動に遷移するため、ナセルを前方にティルトした時、追い風でバランスを崩したために墜落したとされています。

これを見ると、前述のセットリングウィズパワーに入りやすい条件の内、二つを満たしていることになります。
・ホバリング後の低速度状態の際に後方から風が吹いたため、対気速度が、さらに低い状態になった。
・ティルトしたため、ローターがバンクした状態になった。

事故は離陸直後であり、高度が高い訳ではなかったでしょうから、それほど高い降下率ではなかったと思われますが、ホバリングから高度を下げながら急速に前進させる操作は、ヘリの展示飛行などでは時々見られます。
もしかすると、モロッコでも、オスプレイでの飛行に慣れてきたパイロットが、調子に乗って同じ事をやろうとした可能性もあります。

琉球新報の記事では、「バランスを崩した」とされていますが、条件を見てみると、セットリングウィズパワーに入ったのか、と思える状況でした。

だとしたら、やっぱり”操縦ミス”ということになるんでしょうね。

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在日米軍」カテゴリの記事

コメント

過去無かった形態の航空機ですから、安全に運用するのは
なかなか難しいですね(汗)

こんにちは。

この事案で海兵隊がどのような処分を行ったのかはわかりませんが、フロリダのCV-22の事故では空軍が飛行隊長に責任を取らせてますね。

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%aa%a5%b9%a5%d7%a5%ec%a5%a4&k=201206/2012062300127

隊長が更迭されるということは飛行安全がよほど疎かににされていたということなんでしょうかね。
操縦ミスという見解は「

報告通り操縦ミスだったとして、記事後段にあるように無謀だと言えなくもない操作をした結果墜落した…というのと、セットリング ウィズ パワーに陥ったのだから原因は操縦ミスにあった…というのでは質がまるっきりちがいますよね。

そもそもオスプレイにおける飛行形態の遷移は制御が難しいものだと聞きますが、セットリング ウィズ パワーに陥りやすいなどの指摘は過去にあったのでしょうか。

やん 様
同感です。
機体自体の問題は、もうかなり改善されているとは思いますが、パイロットの慣れはまだでしょうから、もうしばらく、こう言った事故は続くでしょうね。
ヘリ育ちではなく、最初からオスプレイ育ちのパイロットが大勢を占めれば、こういった事故はなくなる、逆に言えば、それまでは続きそうな気がします。

まりゅー 様
フロリダでの事故に関する処分については、こんなに早く処分がでることからすれば、何らかの明かな無理があったんでしょうね。

セットリングは、特定の条件下では、起こることが当然の現象のようですから、パイロットは、当然その領域に機体を入らせないよう操縦することが求められます。
ですから、セットリングに入ることが予想できない領域で、突如あり得ないような風が吹いた、とかでなければ、やはり操縦ミスと言うべきではないでしょうか。
固定翼での失速みたいなものでしょう。

飛行形態の遷移時が、セットリングに入りやすいとの指摘は見た記憶がありませんが、原理的には入りやすいことは確かではないでしょうか。
むしろ、ローター経が小さく、吹き下ろす空気の流速が早いであろう事を考えれば、オスプレイ自体はセットリングに入りにくい機体だろうとは思います。

う~ん…あくまで記事を読んだだけの見解ですが、ボルテックスリング状態は無風状態で起こりやすい訳ですから、この事故はむしろ違うように思います。
追い風条件でトランジションモードにおける時間が短すぎると、主翼が充分な揚力を発生する前にローターが固定翼状態のポジションについて、主翼が失速したのではないでしょうか。
そういう意味での「操縦ミス」ではないですかね。
まぁあくまで推測に過ぎませんが…

アルフォンス 様
確かに失速した可能性もありますが、主翼がそれなりに揚力を発生させていたなら、それなりの水平速度が出ていたはずです。
そうであれば、多少の追い風くらいで失速域に入るとは考え難いです。失速は、セットリング以上に、入る条件がセンサーで分かりやすいので、警報もしっかりでるはずですし。
まあ、どちらにしても、「操縦ミス」ということになるんでしょうが、なかなか理解して貰える話ではないでしょうね。

数多様

一応、私はヘリ屋なものですから、ローター回転面が垂直でなおかつ追い風条件のボルテックスリング状態がなかなか想像できません。なので、「それなりの水平速度」が出る前にローター回転面が垂直となり、主翼に揚力が発生せずに(あるいは充分でなく)墜落に至ったのではないかな?と推測した次第です。(勿論後で赤っ恥かく可能性もありますが)
と言いますのも、無風で対気速度が低い状態でセットリングが起こりやすいのはダウンウォシュが鉛直方向に流れ、その中で降下するとローター回転面がダウンウォシュの中に入ってしまうためです。(数年前海自でもこの事故があり、尊い犠牲を出しました。)
この状態から抜け出すためには、前進飛行などしてダウンウォシュから抜け出る必要があります。
このことから、ローター回転面が傾いてなおかつ追い風があるのにボルテックスリング状態に入るというのはちょっと?という感想を持ちました。無論ただ単に私の勉強不足の可能性もないではないですが…

連続投稿すみません。

文字だけで説明するのはなかなか難しいですね。なのでちょっと補足させて下さい。

シングルローターのヘリでヨー方向の運動をすると、テールローターがボルテックスリング状態に陥ることがあります。H-60だと、機首を左に振る方向で運動させた時ですね。
この例でいくと、オスプレイがエンジンカウルを水平に向け、ローター回転面を垂直にした状態でボルテックスリングに入ったとすると、機体は後進(!)していなければなりません。
どれ程あり得ない飛行条件かがご理解いただけたるかと思います。

まぁ、まだ情報も限られてますし、前提としていることも違っている可能性もありますが…
なお、前々項で主翼が失速と言う表現を使いましたが、より正確にはバックサイドと表現すべきだったかもしれません。再度勉強して参ります。

アルフォンス 様
なるほど。ヘリ屋さんでしたか。

もちろんオスプレイの仕様は知りませんが、水平速度が出る前にローターを固定翼モードにティルトすることは、恐らくフェイルセーフが働いて、パイロットが操作しようとしてもできないのではないかと想像しています。
もちろん分かりませんが……

前進速度が足りない状態で追い風になったため、対気速度がゼロに近くなり、無風状態でティルトしたことと同様の状態になったのではないか、というのが記事趣旨なので、書かれているとおり、無風の方がセットリングになりやすいのは理解しているつもりです。
背風でセットリングに入ったとは思っておりません。

何せ、情報が琉球新報の記事が全てですので、ほとんど想像と言える状態ですが……
米軍がどこまで出すか怪しいですが、なかなか特殊な機械なので、興味深いです。

私もオスプレイについては市販の軍事専門誌で得た以上のものは持ち合わせてませんがローターのティルトに関してはスイッチを作動させると連続的に任意の角度まで持っていける仕様だそうです。(垂直位置から水平位置まで最速12秒)
で、ヘリコプターモードから固定翼モードへの操舵の切り替えはコンピュータ制御のようですが、トランジションの切り替え12秒ということ以上のフェイルセーフはないように推測した次第です。(その時の飛行条件によって左右されると考えられることから機械的な制限は困難と考えます)
この前提に立つとすれば、パイロットはティルトに際しては対気速度を監視しつつ、操作を行わなければならないはずですが、突然の追い風により、見越しが外れたのではないかな?と…
この筋は定められた運用制限を突発的事象によって外れてしまったと考えると説明としては無理がないように思いますが…まぁ、推測の域を出ませんし、分かりませんね。

アルフォンス 様
ティルトはフェイルセーフなしですか。
もしかすると、オートローテーション不可という情報もありますから、ヘリモードでのトラブル時に、例え失速して降下しても、増速できるように、あえてフェイルセーフを付けてないのかもしれませんね。
もしそうであって失速したのであれば……間が抜けていたと言わざるを得ないでしょうが……
見越しが外れたと言っても、もう少し余裕を見ろよ、ってところだろうと思います。

オスプレイのオートローテーションについては、ローター径が小さいため、内翼と、外翼の速度差があまりなく、しかもローターブレードの捻りが大きいので、出来ないみたいですね。しかし、シングルローターのヘリにしたってオートローテーションは一定の高度が必要ですから、ここはあまり問題ないようにも思います。(オスプレイも一定の高度があれば、固定翼モードでの滑空で対処するでしょうし。)
まぁそう考えると、オスプレイの回転翼モードというのは、ヘリコプターに比べれば、ホバリング能力については限定的と考えるべきでしょう。(あくまで離着陸用)

アルフォンス 様
オートローテーションについては、私も問題ないと思いますが、沖縄メディアは盛んに騒ぎたててますね。
私も、ホバリング能力は限定的なんだろうと思います。
でなければ、csar_xもオスプレイでしょうから。

報道ステーションを見ていましたら、この事故の続報が入っていました。
とりあえず、ニュースを見る限りは私の見立てに近く、恥をかかずに済みそうでほっとしています(笑)ただ、コメンテーター某のトンチンカン振りには頭にきましたが。
これを受けて沖縄の世論の変化に引き続き注目ですね。

アルフォンス 様
ニュースステーションは見ていませんが、昨日の報道の中には、確かに失速らしい報道がありました。
それにしても、失速だとしたら、あまりにマヌケ過ぎます……。
こうなると、オスプレイの機体ではなく、米軍の教育訓練態勢こそ危険視されるべきのような気がします。

アクセスの多い記事なので、詳しい情報があれば、続報を書きたいと思います。

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