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2012年5月15日 (火)

訓練と演習の違い

自衛隊(軍隊)における訓練と演習の違いについて書いてみます。

まず最初に自衛隊ではなく、世間一般での意味を押えておきましょう。(出典は広辞苑)
「訓練」:①実際にあることを行って習熟させること
     ②一定の目標に到達させるための実践的教育活動
「演習」:①物事に習熟するために練習を行う事
     ②軍隊・艦隊などが実戦の状況を想定して行う訓練

次に自衛隊での意味です。
明文化された定義としては、「自衛隊用語集」や「述語の解」と呼ばれる本に載っていると思うのですが、退職時に処分してしまったようで、手元にありません。
なので、あくまで記憶というか一般的理解で書きます。(明文定義とは齟齬があるかもしれません)

「訓練」に関しては、一般の意味と同じです。
「演習」は、一般の意味における「実戦の状況を想定して行う訓練」に近いですが、「実戦環境を想定した訓練」が、演習ではなく、あくまで訓練として、頻繁に行われているように、自衛隊(軍隊)における「演習」は、もう少し狭い意味の概念です。

「訓練」と「演習」には、まず規模の違いがあります。訓練は、個人訓練と呼ばれる訓練があるように、1人から大規模なものまであります。対して「演習」は、空自であれば、通常の計画主体は航空方面隊以上であり、小規模演習であっても、参加者・部隊はかなりの数に及ぶことが普通です。

そして、規模以上に大きな違いは、目的です。
訓練の目的は、個人や部隊の能力を向上させることにあります。
演習は、勿論、能力向上も目的ではありますが、もう一つ、計画(多くは作戦計画)の検証という目的を持つことが普通です。
(政治的な示威を目的とすることもあります)
作戦計画に沿ったシナリオに基づいて演習を実施し、計画に不備がないか確認するのです。

このため、逆に、演習シナリオを見れば、作戦計画の概要が分かることになります。
次に挙げるニュース記事などは、この典型です。
陸海空3自衛隊 尖閣奪還作戦を策定 「中国が占領」連携対処」(産経新聞12年5月9日)

さらに、訓練なのか演習なのかによって、前述の政治的な示威の意味・効果も変ってきます。
つまり、全く同じ内容で行ったとしても、「訓練」であれば、能力の向上を意図して、たまたまそういう想定で行っただけと言えますが、「演習」の場合、仮想敵に対して、作戦計画を持ち、本気でやる気なんだと、(あくまで)言外にプレッシャーを与えることが出来ます。

それが故、ヘタレ日本の場合、本来「演習」と呼ぶべきものなのに、対象国に配慮して「訓練」と呼ぶケースもありますが……

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コメント

お早うございます。
演習は民間やISOで言うところのPCDA(Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善))の様なものでしょうか。
尖閣に関する演習が事実であれば、非常に興味深いと思います。しかし実際に想定されている様な事態が発生した場合は政治が決断出来るかも重要ですし、また米側との連携の具体策はどうなっているのかも興味深いです。

アシナガバチ 様
PDCAというよりも、科学における理論と実験の関係に近いような気がします。
作戦計画(理論・仮説)を構築し、演習(実験)で確認するという感じでしょうか。

尖閣に関する政治決断の問題は私も危惧しており、以前に「対中国防警計画は間違っている」http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-8862.htmlとして記事も書いています。
よろしければ見て下さい。

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